原作レイプ

原作(または原作者、原作ファン)を冒涜していると感じるメディアミックスのこと。
文字通り「原作」を「レイプ」したように思えるところからきている。
類義語に「原作クラッシュ(こちらはいい意味でも使われる事がある)」「黒歴史」がある。
ただし多少原作と経緯が異なっている程度の作品、原作と異なっていても原作の雰囲気を壊していない作品は該当しない。


酷いものの具体例としては、
  • 作画崩壊
  • まるで必要性を感じないオリジナルキャラやストーリー
  • 無駄にエロ・グロシーンを挿入(文字通りのレイプシーン含む)
  • 内容の大幅なカットや改変
  • 性転換
  • ヒロインがヤンデレ化
…etc。


【原因】
原因には様々なものがある。
  • 原作の尺と放送枠あるいは掲載枠の尺が明らかに合わない事による設定の削減や挿入。
  • 販促や宣伝面に気を取られすぎ
  • 予算が少ない、スケジュール異常
  • ミスキャスト
  • 製作側の妙な冒険心
  • 製作側の慢心
  • 製作側の手抜き・力不足
  • 原作に対する理解・尊重の欠如(中には製作側が原作をほとんど知らない場合もある)
  • ↑とは逆に、制作側の原作に対する思い入れが強すぎるあまり好き勝手やってしまいオナニー化
  • 時代の変化や世間の情勢によるやむをえない事情
  • 原作でのツッコミ所や後付けによる矛盾点の修正の失敗
  • 原作ファンと製作者側との価値観の相違
…etc。


◆アニメの場合
最近は原作が人気ならそれだけでアニメを作りたがることが多い。
しかし深夜アニメなどになると、予算やスケジュールは潤沢ではない。
よって質の低い、話数が少ないアニメが次から次へと作られ、原作レイプ率も必然的に高くなる。

◆ドラマの場合
ドラマ(特にゴールデン)は縛りが多く、視聴率重視のため主婦や子供や高齢者などの視聴者層に合わせて色々変えられてしまう。
また、芸能事務所との関係でミスキャストも起こりやすい。
なお原作が漫画などの絵つきであった場合には…。


◆映画の場合
映画は製作に金がかかって当然なメディアなので、予算不足がより響きがち。
ただしハリウッドによる原作レイプはその限りでない。
監督に癖があると、場合によっては盛大なクラッシュが起こりうる。


◆書籍の場合
実力不足な無名の漫画家や作家が手掛けることが多く、どうしても質の低下に繋がる。
だが有名な漫画家や作家が手掛けると、それはそれで不思議な改変をされたり、その漫画家や作家の色に染まってしまったりする。


◆ゲームの場合
キャラゲーは基本的に期待しないもの。
原作がヒットしているうちに発売しようとする為に製作期間を長く取れなかったり原作側の制作事情等で展開が予測できない事も多く、
色々と詰めの甘い部分(打ち切りエンド、キャラクターの描写が変)が目立つ状態で発売されてしまう。
酷い時には別ゲームを原作キャラクターにすげ替えただけのレイプ以前の問題と言えるようなゲームなんて代物も存在する(原作とは無縁のジャンルのものが多い)。
また、原作がゲームである場合も、メーカーやプロデューサーの変更による技術低下や設定改変によって原作ファンの怒りを買うような作品が生まれる事も
(ただしこれらは対象ハードの仕様や原作者達の価値観の変化等でも起こる)。


現在はどのメディアもネタ不足であり、映像になると特にそれが顕著である。
また映像は相当の金がかかるため、どうしても資金面を気にしがちで「当たる」ことの担保された企画以外はなかなか通らない。
よってオリジナルより安心な原作ものに頼ることが増え、結果原作レイプも増えている。

最大の問題は、失敗してもやり直すことはまず無いということである。
つまり一度失敗するとその汚点をずっと引きずることになる。
その上原作がどんなに名作でも、失敗したメディア化作品が初見の人には原作まで駄作扱いされてしまう。
例え原作に忠実な新作が作られ、原作レイプされたアニメをいくら原作サイドが封印扱いしても、○○のアニメ化作品として永遠に残るのである。

もう既に名作としての評価が周知されきった作品であれば、原作レイプ後の悪評が原作に大きく影響してくる可能性はそうそうないので
まだ無視するか怒り半分ながらもネタにすることができないでもないが、より悲惨なのは「隠れた名作がようやく日の目を見たと思ったら原作レイプ」のパターンである。
これからコンテンツが盛り上がると歓喜したファンの心を、当の作品がボキリと折っていく光景は筆舌に尽くしがたい。


【反応】
原作レイプ作品に対する原作者側の反応もまた様々だが、大抵はスルーというか無視が多い。
中にはスルーという名の泣き寝入りもあるだろうが…。
原作者側が激怒し、人気作となった後の自作全てのメディア化を一切許さなくなったケースもある。このケースでは大和和紀あたりが有名。

原作ファンは皆一様に不満と怒りを爆発させる、あるいは悲しみに暮れる。
しかし些細な違いさえも認めない人達(俗に言う原作厨)になると、メディア化作品がそれほど悪くなくても原作レイプだと主張して叩いたりする。

また、原作のストーリーを無視したとはいえ単体で見れば完成度が高く、そのため原作ファンからの評価は低くても未見の人から好評というケースもままある。
これが更に進化すると、原作ファンの中からも「別物と割り切って見たら楽しい」といった人が出てくる。
そこからもっと進化した例は後述。



【代表的な作品】
●アニメ化



























●漫画化



●実写化






●ゲーム化





●続編・リメイク・スピンオフ作品・クロスオーバー作品





●その他



…と、このように原作レイプは悪しき物ではあるが、極稀に「良い意味」で使われることもある。
代表的な作品は『ミスター味っ子』で、ただのグルメ漫画なのに、料理を食べただけでビームを出す等の凄まじい崩壊ぶりを見せた。
しかし、逆に大好評となり、寧ろアニメから原作に入った人が「原作普通すぎね?」と言った程。
また、TVドラマでは『ショムニ』がこの手法を取り大成功を納め、江角マキコの代表作となった
(しかし劇場版はドラマ版のスタッフやキャストは一切関与せず、黒歴史レベルの作品になってしまった。
一応内容はこちらの方が原作漫画版に忠実なのだが、ドラマ版のインパクトには及ばなかった)。
原作レイプは悪しき物ではあるが、極稀に「良い意味」で使われることもある。

最もこれらは、製作側が手抜きをしたり原作未見だったりした末の原作レイプとは全く質の違う原作レイプである。
このように、原作を改変して、さらに良作に仕上げることを「原作和姦」と言ったりもする。


アニメの中では他にもビーストウォーズシリーズ(特にメタルスの某最終回ビーストウォーズリターンズ)が挙げられる。

原型を留めないほどに改変されたアニメを原作者が公認した例としてはれときどきぶたも挙げて良いだろう。

また、例外として原作がいまいちだったとされる作品が別媒体で改変された結果、良作に生まれ変わることもある
(例:MAR・リメイク版サガ3など)。
その場合は「原作昇華」や「原作浄化」などと呼ばれる。



追記・修正は原作への郷愁と悲哀、そしてレイプした関係者への怒りをこめてお願いします。
ただし、単にこき下ろしたり怒りをぶつけるだけではなく評価点・擁護出来る点があればなるべく入れましょう。
最終更新:2023年09月09日 20:58

*1 アニメは、肉親である穹を異性として見てしまった事を忘れようとした、と捉えられなくもないが、穹と奈緒の共通話で一度奈緒と肉体的に結ばれてしまっている。原作での悠は一度ルートが決まったら他ヒロインに浮気をしないしハーレムルートも無いため、アニメと原作で悠の印象が大きく異なる。

*2 原作では悠と穹が全てを打ち明けるも周囲から受け入れられず、皆の元を去った……かと思いきやただの旅行で、皆も二人の事を受け入れ、帰国後がハルカナソラに繋がる展開だった。一方アニメでは最後まで梢から認められず、他の友人は描写不足でどう受け止められたのか不明。その結果、ガチで2人きりで外国に旅立つという救いのない展開。そもそも二人は溺れた時点で……という考察も。

*3 原作ではアルクがベタ褒めするほど完璧な不意打ちなので、二重の意味でおかしい。

*4 人間もアプリの力で魔法が使える設定はオミットされていたにも関わらず、よりにもよって原作で「人間はダメージを与えられない」という特性の敵相手で戦い始める。

*5 しかも「たのみこむ」に発案までしていた。

*6 但し、これについては「サビまでが長く、変調が激しい為、DS音源では再現出来なかったのではないか?」という意見もある。

*7 エストポリス伝記IIの「地上を救うもの」や、女神転生IIの「OMEGA」+クロノ・トリガーの「魔王決戦」。なおDSの前作『W』にも盗作BGMがあったが、題材作品がマイナーだったせいか問題にはならなかった。無論、マイナーだからOKなわけでは断じて無い。

*8 西夏文字(通称「蒟蒻文字」)が何の脈略もなく使われていたり、それまで英語だったボイスが何故かモンゴル語に。

*9 この頃からヨンパチショックの影響でノミネートのハードルが上がっていた。