テイルズ オブ ファンタジア
【ているず おぶ ふぁんたじあ】
ジャンル
|
ロールプレイングゲーム
|
|
対応機種
|
iOS
|
配信元
|
バンダイナムコゲームス
|
配信日
|
2013年9月24日
|
価格
|
基本無料(一部アイテム課金)
|
備考
|
2014年5月29日にサービス終了につき現在プレイ不可
|
判定
|
クソゲー
|
劣化ゲー
|
ゲームバランスが不安定
|
ポイント
|
課金前提のバランス調整 操作性に難あり 中途半端な一部セーブポイントの削除
|
概要
テイルズ オブ シリーズの記念すべき第1作目、『テイルズ オブ ファンタジア』のiOSへの移植作品。
移植・リメイクはPS版、GBA版、フルボイスエディション(以下「FVE(Full Voice Edition)」)、携帯アプリ版、クロスエディションと来て6度目となる。
本作はFVE版ベースの移植となる。
テイルズ オブ シリーズの原点が無料アプリ化という事で、期待を寄せるファンも少なくなかった。
しかし悪辣な課金要素を詰め込まれてしまい、ファンにとって大きな失望をもたらす作品になってしまった。
問題点
課金前提のバランス
-
本作は、課金するとバランスが壊れ、課金しないと非常に難しくなるという、非常に嫌らしいバランスとなっている。
-
課金アイテムは主に「全滅してもその場でコンティニューできる」「敵とのエンカウント率を0%にする」「経験値を取得できる」の3種類である。
-
なお、経験値を獲得できるアイテムを購入する場合、現在のレベルからいくつまでレベルが上昇するかが画面に表示されてから購入できる。
-
余談になるが、配信直後に課金要素のチュートリアルを兼ねたイベント戦闘にされたボアとの戦闘により、「(本作が)課金前提のバランスだ」とツイッターなどで拡散された直後、「ボア戦はチュートリアルで、それ以降はそんなことは無い」と不自然なくらいに擁護…と言うよりももはや火消しが繰り広げられたが、結局は全編通して課金前提の内容であったのは紛れもない事実だった、と言うオチがつくことになった。
-
なお、これらに対してのユーザーの反応が「何で過去の名作まで汚す真似をするんだ」というものもある中で「バンナムが課金前提の調整にしない訳がないから、当然の調整だ」という、これまでのコンシューマーにおける悪質なDLCの販売手法などで植え付けられた不信感からか、ある意味冷めた反応も少なくなかった。
-
敵の能力値が全体的に大きく強化されている。
-
敵のHPが上昇し、雑魚はFVE版ノーマルの1.5倍、ボスに至ってはFVE版ノーマルの2倍となった。
-
取得経験値もFVE版の6~7割程度に減ったため、課金しないとレベルを上げにくい。
-
なお、ダオス城にいた経験値を売ってくれる死神は削除されている。
-
難易度設定機能は当然削除されている。
-
ダンジョンのボス戦直前のセーブポイント(記憶陣)が元々はそこにあったことが解るような形で削除されている。
-
そのため、ボス戦直前にセーブする事ができなくなっている。
それ以外の問題点
-
プレイする際にサーバーとの通信が必要となるため、常時インターネットに接続出来る環境が必須。
-
この仕様のため、配信終了日以降はプレイそのものが不可能となった。
-
セーブ数が一つのみになった。
-
恐らくサーバーと通信する仕様になったためだと思われる。
-
一応クイックセーブ(中断セーブ)もあるが、ロード・全滅すると消えるという仕様になっているため使い辛い。
-
なお、全滅時にミラクルオーブを課金購入すれば消えない。
-
iPhoneやiPadの構造や仕様上致し方ない部分もあるが、操作性に難がある。
-
移動スピードが異常に速く、速すぎるために細かいコントロールが難しい。
-
戦闘時のキャラの移動、間合い調整が非常にやり辛い。
-
詠唱待機に至っては、ほぼ不可能というレベルになっている。
-
タッチした先に移動か適当な場所でスライドした方向に移動する仕様のため、岩や石像を引く操作が困難になった。
-
なお、仮想十字キーという親切な機能はない。
-
手抜きと思われる部分がある。
-
メニュー・アイコン・文字などは綺麗になったものの、キャラの全身ドット絵・背景・敵データの文字などは何故かFVE版のまま。
-
モンスター図鑑はiOS版のステータスではなくPS版ノーマルのステータスが記録される。
評価点
-
課金せずともそれなりのスキルがあれば一応はエンディングまで到達する事もできる。
-
ただし、その場合は前述したとおり課金前提のバランスで遊ぶことになるため茨の道となる。
-
1日1回のログインボーナスがある。
-
持続時間は1時間で、ボーナスの内容は「戦闘で獲得するガルド2倍」「クレスの特技習得率&料理熟練度2倍」「アイテムドロップ率&盗む確率2倍」「TP消費3分の2」「お店の販売価格10%引き」のいずれか。
-
ただし、効果はランダムのため好きな効果を狙うのは不可能である。
総評
本作はテイルズ オブ シリーズの原点が無料アプリ化という事で期待値は高かった。
しかし実際には、操作性に難があったり、ダンジョンのボス戦直前のセーブポイントに限って削除されていたり、
敵の能力値が全体的に大きく強化されていたりと事実上課金前提のバランス調整がなされた事もあって大きな失望をもたらす作品となってしまった。
そもそもタッチ操作で遊ぶスマートフォン・タブレットは、家庭用ゲーム機やPCなどに比べてアクションゲームに不向きであり、RPGでありながらアクションゲームの要素を含む本作の移植は最初から無謀であった。
とは言え、スマートフォンで気軽に『テイルズ オブ ファンタジア』が遊べるという点は魅力を感じるプレイヤーも多く、最初から歪な調整を施さずに買いきりの形で純粋にFVE、あるいはPS版をそのまま移植する形であれば、スマートフォン・タブレット故の操作性への不満は避けられようがなくとも、それ以外の不満点の多くが払拭出来ていたであろうことを考えると、アイテム課金というシステムが完全なる癌になってしまっているということができるのではないだろうか。
余談
-
あまりにも不評だったためか、2014年5月29日に配信終了した。前述の仕様のため、プレイ自体も不可能となった。
-
サポートもかなり悪かったらしく、「不具合報告・問い合わせを何度もしたが、返答なし」という報告もある。
-
海外でもテキストを英文化した以外はほぼ同じ仕様で配信されていた。
-
こちらでもやはり難易度を課金前提のバランスと断じる意見や、iPhoneやiPadの構造や仕様上致し方ない部分もあるが、操作性の悪さを指摘する意見がかなり多い。
-
また、ゲーム自体の評価にしてもシステム諸々ひっくるめて「なまじ基本無料で手を出しやすいこれのせいで『テイルズ オブ ファンタジア』がクソゲーに思われてしまうのが悔しい」「なんで『テイルズ オブ ファンタジア』の日本国外向けはクソ移植(GBA版とiOS版のこと)しか来ないんだ」といった嘆きの意見もあり、それなりに好意的な意見も見られる日本以上に辛辣な意見にさらされている。
-
なお、海外の反応に関して、それぞれ意図をねじ曲げない程度の意訳であることをご了承願いたい。
-
本作は、配信から5日で15万ダウンロードを達成した。
最終更新:2022年03月05日 17:37