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生きる術は理屈じゃなく身体で覚えたい」(2017/06/15 (木) 13:50:25) の最新版変更点

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**生きる術は理屈じゃなく身体で覚えたい 霧島純平は高揚していた。 その男は躊躇いなく人体を切断させた。 そこにはなんの抵抗もなく、まるで繊維に沿って綺麗に野菜の皮をむいてゆく手際の良さを披露しながら短時間で女性を肉塊に変えたのだ。 斧という原始的で野蛮な武器で緻密な繊細にやってのけた。 「お、俺もあんな風に――」 ばらしてみたい、狂った思考だと理解しても高ぶる殺人衝動を抑えられなくなりつつある。 高遠と同じ、天才、生まれながらの犯罪者、それをあの窓から嗅ぎ取りすぐに楊と佐伯と別れてすぐに尾行を始めた。 ついてるのかついてないのか、あの2人もこっちの教師側との接触をはかっていたらしい。 そして一連の出来事を苦戦はすれど結果は圧勝という形で幕切れであった。 高遠の才能はまだ芽吹きだとすれば、こっちの才能はすでに開花している。 「ふふ、ふふ……」 俺の15年の人生で2人もの同族に出会えることに狂喜していた。 類は友を呼ぶ、磁石の様にそれは引き付けあうものだと運命を初めて感心した。 あの男もこの手で殺したとすればどのような達成感を味わえるだろうか、想像すら付かない。 当然誰にも犯人だと思われない様に2人は現場から離れていく。 俺もそれに導かれていく。 ◆ 「まずはお互い情報交換といこうか佐伯くん」 明るく務めている様に振る舞う六星は佐伯にちょっとおどおどした感じで小田切進として演じる。 だが既に相手も相手だったがこっちもこっちで本性がやばい人間なのを知っているのでなんとも白々しい演技なんだとドン引きする。 「先生よ、お互い素でいきましょうや」 「僕はむしろこっちが素で通してるんだけどなー」 「あんたさっき思いっきり俺を呼び捨てていたじゃないか……」 参ったと困った様に笑う。 が、すぐに六星竜一の姿に様変わりする。 「まず、そうだな。共通の認識として七瀬さんを知っていたみたいだな」 「七瀬美雪だな、あの女は楊蘭と名乗っていたみたいだが……」 「本当に別人だろうな彼女は」 そもそもあんな自己紹介すら必要なかったはずだし、彼女からは幼馴染の彼に対する依存さがまるで無かったと教師目線で分析する。 「不動高校ってあれだろ?最近七不思議になぞらえた事件があったって話題になった学校なんだってな?ああいうのって教師も大変だったりするのか?」 「七不思議になぞらえた?お前は何を言ってるんだ?」 「はあ?すげー話題になってたじゃねーかよ。青山なんとかって行方不明になっていた生徒が発見されたとかってマスコミが大騒ぎだったじゃないか」 佐伯は興味のない事件だったが彼が悲報島で起こした事件の探偵役として金田一一を選んだ理由としておおやけにはされてなかったが何個かの事件を解決したことのある素人探偵という理由だったはずだ。 中学校の飛び込みプール事件、オペラ座館での事件、青森の六角村の事件、北海道の背氷村の事件、そして悲報島で事件を起こす1週間前に解決した不動高校の事件。 厳選に調査を進めたはずだ、復讐は遂げようとあまりにも優秀な探偵役をチョイスしてしまったわけだが。 「七不思議、青山ちひろ……、あったな確かにそんな噂があるな」 成りすましで過ごす六星には知識としてはあるが、真相などはどうでもいい。 だが何故マスコミに騒がれたというわりに自分は知らないんだ? 「思い出してきた。物理室のミステリー研究会ってとこの担当のセンコーが確かその青山って奴の親父に殺されたはずだ」 「ミステリー研究会ね……」 ついさっき別れたばかりの老人を思い出す。 なんか裏があるとは思ってはいたがやっぱり黒であったか……。 だが、死んだだと? 津雲も的場が生存していたことに疑問はもたなかったはずだ。 どうなっているんだ、これは? 「どうした先生、顔色が悪いぞ?」 「ちょっとね、動揺しているんだ」 ふうとため息を付き、汗をぬぐう。 「さっき俺はその的場と会話をしていたんだがね」 「的場……、そうだそんな名だ」 パズルが埋まっていくのにパズル自体がまったく別のものを埋めていく感覚に気持ち悪さを覚えた六星。 「お前未来人か?」 「んな真顔で何言っているんだよ?」 「疑問で疑問を返すな」 佐伯も噛み合わない会話にごちゃごちゃしてくる。 俺は未来人だったのかとさえ思えてくるほどに。 「俺の勘違いかもしれん。金田一って奴の解決した事件の経歴にオペラ座館とか六角村とかそんなんが出てきただけだ」 「ちょっと待て、何故そこで六角村が出てくる?」 「だから金田一が解決したんだろ?その青森だか忘れたけど村人が全滅した事件」 佐伯の口からは六星のことを言い当てる様な決定的な発言が飛び出した。 首のない花嫁、響き渡る葬式の鐘の音――。 ◆ オペラ座館、たしかに1週間前に騒がれた演劇部での女子生徒殺傷事件。 佐伯からはその1週間後に六角村の事件に巻き込まれる旨を聞かされた。 麻薬の密売していた村、不動山市で発見された身元不明の遺体、全滅した村人、そこそこに話題になったニュースだ。 高校生が事件を解決したとは公言されてはいないが、世間的には話題になっているはずだ。 「そうか……、俺が近頃起こす事件はそんなことになるのか」 佐伯からは覚えている限り事件の詳細を聞かせてもらった。 さっき殺した女がその村人だと教えたら現在六星の身に起きている異常が佐伯にもよく伝わった。 そして教わった自分の死。 だが、六星は特に気にすることないとばっさり切り捨てた。 「俺が金田一を連れて行かないなり、大幅にトリックを変えちまえばいいんだ」 むしろ村人の全滅という結末を知れたのだ。 もっと完成度が高く残虐な方法で始末すればいい。 佐伯から得られた情報は彼にとっては最高の贈り物であった。 そんな未来、変えちまえばいいと……。 ◆ 「それで先生よ、俺は『災厄の皇帝(エンペラー)』を殺してやりたい。俺と協力しないか?」 「協力か……」 佐伯という男は自分と似た思考であること、こっち側の人間であることから気に入りつつあった。 『災厄の皇帝(エンペラー)』を殺す、俺の邪魔をしてしまった以上それはぜひにもやっておきたいことだ。 生きているだけで邪魔になる人間だとしたら尚更だ。 「だが青いなお前」 13歳で6人を殺した男にきっぱりと叩き付ける。 「始めての殺しはいつだ?」 「9歳で伯父を殺った」 「ほう、お前って奴はとことん境遇が似てやがるな」 六星も幼少期に身内を殺した男だ。 息子にしてはでかいし、兄弟にしてはちょっと幼い。 そんな風に佐伯を観察していた。 「でも青い」 「むしろ碧といってくれ」 「いや、なんでもない」と笑って付け足す。 「じゃあどうすればいいんだよ?」 「そうだな……、次に出会った参加者を殺ってみろよ。方法ややり方は問わない。ただ殺っただけで協力してやろう。足手まといはいらないんでな」 と言って六星は木々の間を睨み付ける。 そこからはずっと尾行をしてきた霧島純平が姿を現していた。 「あいつ霧島か!?」 案の定佐伯は霧島の尾行に気付いていなかった。 「だから青い」と3度目の忠告をする。 「知り合いか?」 「名前だけ知ってるだけ。まああいつ糸ノコ持ってきたりと怪しさ万全だったし」 殺すのにはまったく抵抗がないと付け加える。 だが困ったことに佐伯には武器という武器がない。 メイド服での絞殺なんて不意打ちでやっとだろう。 「先生、武器くれよ」 あっけからんと右手を伸ばし六星におねだりする。 六星は舌打ちをしながら五塔の持っていたボウガンの矢を1本のみ手渡す。 「ずっりーよな、先生は斧なんか持ってるくせに俺にはあのおばさんの中古かよ」 「むしろ素手だけでも骨折させたり骨をずらすくらいわけないだろ」 「あんた、どんだけチートスペックなんだよ……」 「お前の倍生きている人間だ。お前も出来るさ」 13歳に殺しを説く27歳。 13歳佐伯は口には出さなかったが絶対無理だろとちょっと目の前の男に恐怖とドン引きをした瞬間であった。 「おい、そこのお前」 「!?」 霧島に語りかける六星。 霧島も驚いてそれに反応を示す。 「俺は手を出さねえ、だから佐伯を殺ってみろ」 「あ、ああ!」 霧島は恐怖心より楽しさの気持ちの方がどんどんあふれ出ていた。 もうすぐ自分は夢にまで見た殺しという行動に移すのだから。 「おいおい、なにやる気にさせちゃってんだよ」 「あんな勘違い野郎一瞬で殺せ。人を殺すことでしか生き抜けなかった俺たちとは違うただの狂人ぶった馬鹿野郎だ、吐き気がする」 霧島という人間の器の小ささを前に六星は彼への殺意が増していた。 絶対にありえないが佐伯が殺されて霧島が勝った瞬間六星は霧島を殺すつもりであった。 「人殺しなんてハエやゴキブリを殺すのと同じさ」 初めて殺せそうにない人間に背を見せながら面倒そうに霧島に向かう。 「早くこいよ!」 イライラしてきた霧島は頭に血が上ってきた。 青いという評価すら過大に見える問題外だ。 「1つだけお前にアドバイスをやろう」 佐伯を応援のつもりだろうか? ちょっと興味ありげに耳を傾ける。 「生きる術は理屈じゃなく身体で覚えるんだ」 常に理屈なんか凌駕して身体1つで生き抜いた男にとっての生き様そのものであった。 「お前と楊を見た瞬間からどっちでもいいから殺したかったぜ佐伯!」 (ピーピーうるせえ虫だな。どっちでもいいからって安い殺意だな……) 佐伯は既に霧島など眼中になく『災厄の皇帝(エンペラー)』をどう探すかの方へ思考はシフトしていた。 そんな佐伯のことなど知らずナイフを向け一直線に霧島は突き進んできた。 ナイフが佐伯の腹を抉るまでの距離――残り30センチ。 【一日目/黎明/不動高校周辺】 【六星竜一@異人館村殺人事件】 [状態]疲労(小)、五塔蘭に真相を聞かされたことによる精神的ダメージ(軽) [装備] ジェイソンの斧@悲恋湖伝説殺人事件 [所持品]基本支給品一式、ランダム支給品0~1 [思考・行動] 基本:六角村の連中は皆殺し。 0:六角村の連中は凝った演出をして場を彩る 1:他の連中はどうでもいい、生死すらどうでもいい。 2:気が向いたら不動高校へ案内する。 3:佐伯はそれなりに共感できるから殺すのはもったいない。 4:万が一にもないが佐伯が負けて霧島が勝った瞬間霧島も殺す。 [備考] ※参戦時期は、小田切進(本物)発見~異人館村殺人事件前。 ※異人館村殺人事件の結末を知りました。 【佐伯航一郎@秘宝島殺人事件】 [状態]健康、動揺(小) [装備] 布施光彦のボウガンの矢1本@オペラ座館殺人事件、伊志田が着ていたメイド服@不動高校学園祭殺人事件 [所持品]基本支給品一式 [思考・行動] 基本:『災厄の皇帝(エンペラー)』の正体を暴き、殺す。 0:歯向かうと殺される可能性があることはわかっているので、大っぴらには活動しない。 1:とりあえず色々な人に話を聞きながら手掛かりを集めて、色々考える。 2:人殺しなんてハエやゴキブリを殺すのと同じさ。 3:楊蘭にはなんとなく共感するので殺したくない。 4:メイド服では首を絞めるくらいしかできないので、できればまともな武器が欲しい。 5:先生と協力をする(信用はしない)。 6:まずは霧島を殺す。 [備考] ※参戦は秘宝島殺人事件の犯行後です。 ※6人殺害しているものの、まだ13歳だし反省していたのですぐに出てきました。 ※頭が良いそうです。 ※女装癖があります。 ※六星竜一とはあまり争いたくないし、味方につけられたら使えるかもしれないと思っています。 【霧島純平@高遠少年の事件簿】 [状態]健康、六星に当てられ狂喜 [装備]金田一が人形を切断するのに使用した折り畳み式ナイフ@異人館村殺人事件、糸ノコ@誰が女神を殺したか? [所持品]基本支給品一式 [思考・行動] 基本:殺す。 0:誰かと二人きりになったら、基本殺す。 1:殺した死体は、余裕があればサプライズ感が出るように演出する。 2:佐伯を殺す。その後六星もできれば殺りたい。 3:楊蘭は「日本は平和で良い」とか言っていて気に入らないので、できれば殺したい。 [備考] ※参戦時期は、高遠少年の事件簿における最初の事件の直前くらいです。 ※とりあえずこのナイフで人を殺せるかどうか試してみたいので、ずっとチャンスを伺っています。 |020:[[すべてが終わる前に、明かりが帰る前に]]|時系列|021:[[霧と雲が混ざりあって……]]| |018:[[if]]|投下順|020:[[すべてが終わる前に、明かりが帰る前に]]| |016:[[六角村]]|六星竜一|| |016:[[六角村]]|佐伯航一郎|| |008:[[(無題)]]|霧島純平||
**生きる術は理屈じゃなく身体で覚えたい 霧島純平は高揚していた。 その男は躊躇いなく人体を切断させた。 そこにはなんの抵抗もなく、まるで繊維に沿って綺麗に野菜の皮をむいてゆく手際の良さを披露しながら短時間で女性を肉塊に変えたのだ。 斧という原始的で野蛮な武器で緻密な繊細にやってのけた。 「お、俺もあんな風に――」 ばらしてみたい、狂った思考だと理解しても高ぶる殺人衝動を抑えられなくなりつつある。 高遠と同じ、天才、生まれながらの犯罪者、それをあの窓から嗅ぎ取りすぐに楊と佐伯と別れてすぐに尾行を始めた。 ついてるのかついてないのか、あの2人もこっちの教師側との接触をはかっていたらしい。 そして一連の出来事を苦戦はすれど結果は圧勝という形で幕切れであった。 高遠の才能はまだ芽吹きだとすれば、こっちの才能はすでに開花している。 「ふふ、ふふ……」 俺の15年の人生で2人もの同族に出会えることに狂喜していた。 類は友を呼ぶ、磁石の様にそれは引き付けあうものだと運命を初めて感心した。 あの男もこの手で殺したとすればどのような達成感を味わえるだろうか、想像すら付かない。 当然誰にも犯人だと思われない様に2人は現場から離れていく。 俺もそれに導かれていく。 ◆ 「まずはお互い情報交換といこうか佐伯くん」 明るく務めている様に振る舞う六星は佐伯にちょっとおどおどした感じで小田切進として演じる。 だが既に相手も相手だったがこっちもこっちで本性がやばい人間なのを知っているのでなんとも白々しい演技なんだとドン引きする。 「先生よ、お互い素でいきましょうや」 「僕はむしろこっちが素で通してるんだけどなー」 「あんたさっき思いっきり俺を呼び捨てていたじゃないか……」 参ったと困った様に笑う。 が、すぐに六星竜一の姿に様変わりする。 「まず、そうだな。共通の認識として七瀬さんを知っていたみたいだな」 「七瀬美雪だな、あの女は楊蘭と名乗っていたみたいだが……」 「本当に別人だろうな彼女は」 そもそもあんな自己紹介すら必要なかったはずだし、彼女からは幼馴染の彼に対する依存さがまるで無かったと教師目線で分析する。 「不動高校ってあれだろ?最近七不思議になぞらえた事件があったって話題になった学校なんだってな?ああいうのって教師も大変だったりするのか?」 「七不思議になぞらえた?お前は何を言ってるんだ?」 「はあ?すげー話題になってたじゃねーかよ。青山なんとかって行方不明になっていた生徒が発見されたとかってマスコミが大騒ぎだったじゃないか」 佐伯は興味のない事件だったが彼が悲報島で起こした事件の探偵役として金田一一を選んだ理由としておおやけにはされてなかったが何個かの事件を解決したことのある素人探偵という理由だったはずだ。 中学校の飛び込みプール事件、オペラ座館での事件、青森の六角村の事件、北海道の背氷村の事件、そして悲報島で事件を起こす1週間前に解決した不動高校の事件。 厳選に調査を進めたはずだ、復讐は遂げようとあまりにも優秀な探偵役をチョイスしてしまったわけだが。 「七不思議、青山ちひろ……、あったな確かにそんな噂があるな」 成りすましで過ごす六星には知識としてはあるが、真相などはどうでもいい。 だが何故マスコミに騒がれたというわりに自分は知らないんだ? 「思い出してきた。物理室のミステリー研究会ってとこの担当のセンコーが確かその青山って奴の親父に殺されたはずだ」 「ミステリー研究会ね……」 ついさっき別れたばかりの老人を思い出す。 なんか裏があるとは思ってはいたがやっぱり黒であったか……。 だが、死んだだと? 津雲も的場が生存していたことに疑問はもたなかったはずだ。 どうなっているんだ、これは? 「どうした先生、顔色が悪いぞ?」 「ちょっとね、動揺しているんだ」 ふうとため息を付き、汗をぬぐう。 「さっき俺はその的場と会話をしていたんだがね」 「的場……、そうだそんな名だ」 パズルが埋まっていくのにパズル自体がまったく別のものを埋めていく感覚に気持ち悪さを覚えた六星。 「お前未来人か?」 「んな真顔で何言っているんだよ?」 「疑問で疑問を返すな」 佐伯も噛み合わない会話にごちゃごちゃしてくる。 俺は未来人だったのかとさえ思えてくるほどに。 「俺の勘違いかもしれん。金田一って奴の解決した事件の経歴にオペラ座館とか六角村とかそんなんが出てきただけだ」 「ちょっと待て、何故そこで六角村が出てくる?」 「だから金田一が解決したんだろ?その青森だか忘れたけど村人が全滅した事件」 佐伯の口からは六星のことを言い当てる様な決定的な発言が飛び出した。 首のない花嫁、響き渡る葬式の鐘の音――。 ◆ オペラ座館、たしかに1週間前に騒がれた演劇部での女子生徒殺傷事件。 佐伯からはその1週間後に六角村の事件に巻き込まれる旨を聞かされた。 麻薬の密売していた村、不動山市で発見された身元不明の遺体、全滅した村人、そこそこに話題になったニュースだ。 高校生が事件を解決したとは公言されてはいないが、世間的には話題になっているはずだ。 「そうか……、俺が近頃起こす事件はそんなことになるのか」 佐伯からは覚えている限り事件の詳細を聞かせてもらった。 さっき殺した女がその村人だと教えたら現在六星の身に起きている異常が佐伯にもよく伝わった。 そして教わった自分の死。 だが、六星は特に気にすることないとばっさり切り捨てた。 「俺が金田一を連れて行かないなり、大幅にトリックを変えちまえばいいんだ」 むしろ村人の全滅という結末を知れたのだ。 もっと完成度が高く残虐な方法で始末すればいい。 佐伯から得られた情報は彼にとっては最高の贈り物であった。 そんな未来、変えちまえばいいと……。 ◆ 「それで先生よ、俺は『災厄の皇帝(エンペラー)』を殺してやりたい。俺と協力しないか?」 「協力か……」 佐伯という男は自分と似た思考であること、こっち側の人間であることから気に入りつつあった。 『災厄の皇帝(エンペラー)』を殺す、俺の邪魔をしてしまった以上それはぜひにもやっておきたいことだ。 生きているだけで邪魔になる人間だとしたら尚更だ。 「だが青いなお前」 13歳で6人を殺した男にきっぱりと叩き付ける。 「始めての殺しはいつだ?」 「9歳で伯父を殺った」 「ほう、お前って奴はとことん境遇が似てやがるな」 六星も幼少期に身内を殺した男だ。 息子にしてはでかいし、兄弟にしてはちょっと幼い。 そんな風に佐伯を観察していた。 「でも青い」 「むしろ碧といってくれ」 「いや、なんでもない」と笑って付け足す。 「じゃあどうすればいいんだよ?」 「そうだな……、次に出会った参加者を殺ってみろよ。方法ややり方は問わない。ただ殺っただけで協力してやろう。足手まといはいらないんでな」 と言って六星は木々の間を睨み付ける。 そこからはずっと尾行をしてきた霧島純平が姿を現していた。 「あいつ霧島か!?」 案の定佐伯は霧島の尾行に気付いていなかった。 「だから青い」と3度目の忠告をする。 「知り合いか?」 「名前だけ知ってるだけ。まああいつ糸ノコ持ってきたりと怪しさ万全だったし」 殺すのにはまったく抵抗がないと付け加える。 だが困ったことに佐伯には武器という武器がない。 メイド服での絞殺なんて不意打ちでやっとだろう。 「先生、武器くれよ」 あっけからんと右手を伸ばし六星におねだりする。 六星は舌打ちをしながら五塔の持っていたボウガンの矢を1本のみ手渡す。 「ずっりーよな、先生は斧なんか持ってるくせに俺にはあのおばさんの中古かよ」 「むしろ素手だけでも骨折させたり骨をずらすくらいわけないだろ」 「あんた、どんだけチートスペックなんだよ……」 「お前の倍生きている人間だ。お前も出来るさ」 13歳に殺しを説く27歳。 13歳佐伯は口には出さなかったが絶対無理だろとちょっと目の前の男に恐怖とドン引きをした瞬間であった。 「おい、そこのお前」 「!?」 霧島に語りかける六星。 霧島も驚いてそれに反応を示す。 「俺は手を出さねえ、だから佐伯を殺ってみろ」 「あ、ああ!」 霧島は恐怖心より楽しさの気持ちの方がどんどんあふれ出ていた。 もうすぐ自分は夢にまで見た殺しという行動に移すのだから。 「おいおい、なにやる気にさせちゃってんだよ」 「あんな勘違い野郎一瞬で殺せ。人を殺すことでしか生き抜けなかった俺たちとは違うただの狂人ぶった馬鹿野郎だ、吐き気がする」 霧島という人間の器の小ささを前に六星は彼への殺意が増していた。 絶対にありえないが佐伯が殺されて霧島が勝った瞬間六星は霧島を殺すつもりであった。 「人殺しなんてハエやゴキブリを殺すのと同じさ」 初めて殺せそうにない人間に背を見せながら面倒そうに霧島に向かう。 「早くこいよ!」 イライラしてきた霧島は頭に血が上ってきた。 青いという評価すら過大に見える問題外だ。 「1つだけお前にアドバイスをやろう」 佐伯を応援のつもりだろうか? ちょっと興味ありげに耳を傾ける。 「生きる術は理屈じゃなく身体で覚えるんだ」 常に理屈なんか凌駕して身体1つで生き抜いた男にとっての生き様そのものであった。 「お前と楊を見た瞬間からどっちでもいいから殺したかったぜ佐伯!」 (ピーピーうるせえ虫だな。どっちでもいいからって安い殺意だな……) 佐伯は既に霧島など眼中になく『災厄の皇帝(エンペラー)』をどう探すかの方へ思考はシフトしていた。 そんな佐伯のことなど知らずナイフを向け一直線に霧島は突き進んできた。 ナイフが佐伯の腹を抉るまでの距離――残り30センチ。 【一日目/黎明/不動高校周辺】 【六星竜一@異人館村殺人事件】 [状態]疲労(小)、五塔蘭に真相を聞かされたことによる精神的ダメージ(軽) [装備] ジェイソンの斧@悲恋湖伝説殺人事件 [所持品]基本支給品一式、ランダム支給品0~1 [思考・行動] 基本:六角村の連中は皆殺し。 0:六角村の連中は凝った演出をして場を彩る 1:他の連中はどうでもいい、生死すらどうでもいい。 2:気が向いたら不動高校へ案内する。 3:佐伯はそれなりに共感できるから殺すのはもったいない。 4:万が一にもないが佐伯が負けて霧島が勝った瞬間霧島も殺す。 [備考] ※参戦時期は、小田切進(本物)発見~異人館村殺人事件前。 ※異人館村殺人事件の結末を知りました。 【佐伯航一郎@秘宝島殺人事件】 [状態]健康、動揺(小) [装備] 布施光彦のボウガンの矢1本@オペラ座館殺人事件、伊志田が着ていたメイド服@不動高校学園祭殺人事件 [所持品]基本支給品一式 [思考・行動] 基本:『災厄の皇帝(エンペラー)』の正体を暴き、殺す。 0:歯向かうと殺される可能性があることはわかっているので、大っぴらには活動しない。 1:とりあえず色々な人に話を聞きながら手掛かりを集めて、色々考える。 2:人殺しなんてハエやゴキブリを殺すのと同じさ。 3:楊蘭にはなんとなく共感するので殺したくない。 4:メイド服では首を絞めるくらいしかできないので、できればまともな武器が欲しい。 5:先生と協力をする(信用はしない)。 6:まずは霧島を殺す。 [備考] ※参戦は秘宝島殺人事件の犯行後です。 ※6人殺害しているものの、まだ13歳だし反省していたのですぐに出てきました。 ※頭が良いそうです。 ※女装癖があります。 ※六星竜一とはあまり争いたくないし、味方につけられたら使えるかもしれないと思っています。 【霧島純平@高遠少年の事件簿】 [状態]健康、六星に当てられ狂喜 [装備]金田一が人形を切断するのに使用した折り畳み式ナイフ@異人館村殺人事件、糸ノコ@誰が女神を殺したか? [所持品]基本支給品一式 [思考・行動] 基本:殺す。 0:誰かと二人きりになったら、基本殺す。 1:殺した死体は、余裕があればサプライズ感が出るように演出する。 2:佐伯を殺す。その後六星もできれば殺りたい。 3:楊蘭は「日本は平和で良い」とか言っていて気に入らないので、できれば殺したい。 [備考] ※参戦時期は、高遠少年の事件簿における最初の事件の直前くらいです。 ※とりあえずこのナイフで人を殺せるかどうか試してみたいので、ずっとチャンスを伺っています。 |020:[[すべてが終わる前に、明かりが帰る前に]]|時系列|021:[[霧と雲が混ざりあって……]]| |018:[[if]]|投下順|020:[[すべてが終わる前に、明かりが帰る前に]]| |016:[[六角村]]|六星竜一|033:[[ジェイソンの仮面]]| |016:[[六角村]]|佐伯航一郎|033:[[ジェイソンの仮面]]| |008:[[(無題)]]|霧島純平|033:[[ジェイソンの仮面]]|

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