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ジェイソンの仮面」(2018/04/01 (日) 01:42:19) の最新版変更点

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**ジェイソンの仮面 「お前と楊を見た瞬間からどっちでもいいから殺したかったぜ佐伯!」 霧島は喜びに胸を躍らせて叫んだ。 (ピーピーうるせえ虫だな。どっちでもいいからって安い殺意だな……) 面倒くさそうに身構える佐伯の心持ちなど知る由も無く、 霧島は標的にナイフを向けると一直線に突き進んで来た。 ナイフが佐伯の腹を抉るまでの距離――残り30センチ。 そのとき。 キーン! 目の前を黒い影が走ったと思うと、手元のナイフに硬い衝撃が響いた。 霧島はとっさに影を目で追った。 「さ、殺人鬼ジェイソン…!?」 霧島は自分の目を疑った。 彼の前にいたのは、全身黒タイツを着てジェイソンの仮面を被った男。 しかも片手にド根性バットまで持った、明らかな変質者だった。 「なんだてめえ…どこから降って湧いた」 佐伯が言うとジェイソン(仮)は声の方を一瞥したが、 何も答えること無くそのままあたりを見回した。 一瞬の静寂だった。 誰もがジェイソンの次の行動に備え、警戒をめぐらした。 そして。 少し離れたところに立つ六星を見つけた瞬間、 張り詰めた緊張を切り裂くように、ジェイソンは猛然と駆け出した。 「うおおおおおおっ!」 ド根性バットを振りかぶり、六星めがけて振りおろす。 六星は振り下ろされるバットの芯をじっと見上げていた。 「へえ…こんな物でよくナイフが弾けたなあ?」 呟くと、 六星は30センチ後ろに引いてバットから身を避け、 目の前に降り下ろされたバットの柄を右手で掴んで自分の右側へグイと引き寄せた。 ジェイソンがバットに引きずられて六星の方に流されるのを確認すると 今度は彼の背面に回り込み、ジェイソンの右肘を思い切りはたき込んだ。 「うっ!?」 ジェイソンは地面に叩きつけられると同時に 右肘の関節が外れたらしい。 ド根性バットがジェイソンの手から離れ、鈍い音を立てて地面に転がった。 五塔戦の直後だったせいでなんとなく拍子抜けしたような気持ちと 「まあ、普通こんなもんだよな」という気持ちが 六星の中でないまぜになった。 とりあえず関節を外す動きのまま、倒れ伏すジェイソンの右肩を地面に押し付け、 ジェイソンの腰の辺りには左膝を乗せて抑え込んだ。 彼の下でジェイソンは幾度か抵抗を試み、それから無駄だと悟ったのか、 荒い息のままおとなしくなった。 なぜ自分が襲われたのか?六星にはわからなかった。 心当たりはないわけではない。 ありすぎるほどある。 しかし、こんな実用性に反した佇まいと武器、そしてこの弱さ。 間違いなくあの村の連中の趣味ではないだろう。 となると自分が昔殺した人物の親族の一人が、 六星のことを突き止めてこんな酔狂な復讐に及んだということなのか? 「…何を考えてるのか知らねえが、とりあえずそのふざけた仮面を取ってもらおうか」 色々考えた挙句、それが一番早いだろうと考え、 六星はジェイソンの仮面に手をかけた。 ジェイソンは最早観念したように、抵抗らしい抵抗もしなかった。 乱暴に仮面を引きはがすと、その男の顔は… 「!?お前…遠野英治…!?」 ◆ 色々と想像をめぐらせていたが、これはあまりにも予想外だった。 不動高校の品行方正な元生徒会長、遠野英治。 成績優秀、眉目秀麗で女性生徒からも羨望の的となっている人物だった。 それが、なぜ。 ジェイソン。 その様子を見ていた佐伯が、声をかけてきた。 佐伯「先生、知り合いかよ」 六星「いや、俺は…。いや……、知り合いといえばそうなるんだが……」 佐伯「?やけに慌ててるな…?先生らしくもない」 六星「うん…そうだな…悪い……ちょっと、高校の生徒会長だったから、予想外でね…」 霧島「生徒会長?不動高校の、か?」 六星「ああ」 霧島「うっわなんだよ不動高校すげーじゃん!    三流高校だと思ってたけど、俺不動高校に入れば良かったかなー。高遠も呼んでさ」 六星「やかましい。不動高校の治安 これ以上下げんじゃねえよ」 組み伏せられた遠野英治は敵意に満ちた目で六星を睨み上げていた。 学校ではいつも穏やかな笑みを浮かべていた遠野の、 むき出しの牙を初めて見た気分だった。 どうしたものかわからず、とりあえず話しかけてみる。 六星「あの…遠野?いつもとだいぶ雰囲気違うね」 遠野「……」 六星「えーと、今日はなんでジェイソンだったんだ?」 佐伯「先生…結構天然だな……」 遠野「…お前を殺そうと思ったんだ」 六星「やっぱり俺なのか。ちなみに理由は?」 遠野「俺はイニシャルSKの奴を生かしておくわけにはいかないんだ!」 六星「えっ?」 遠野「SKは全員死ぬべきなんだ」 六星「俺、RRなんだけど…」 遠野「あきらめてたまるかあぁぁぁっ!!!」 六星「うわっ!?」 遠野はそう吠えると、いつき陽介・九条章太郎の二人がかりで抑え込まれた窮地を 気合いだけで抜けだした悲恋湖のラストさながら 六星の腕を振りほどいて立ち上がった。 佐伯「で、なんでイニシャルSK?」 火事場の馬鹿力を見せたとはいえ、遠野と六星の力量差は明らかだと感じた佐伯は 特に動じることもなく、話を進めた。 テンションが上がっている遠野も、勢いで佐伯の話に乗った。 遠野「SKはなあ…俺の大切な螢子と大勢の尊い命を奪った、罪の刻印なんだよ!」 遠野の態度には鬼気迫るものがあった。 「罪の刻印」というパワーワードが狂人の口から出るのを目撃して、霧島は嬉しそうに笑う。 霧島「ねえ、これ本格的にやばいやつじゃない?    イニシャルで人殺す意味も、ジェイソンのお面してる意味もワケわかんねえしさ!」 佐伯「こいつ本当に生徒会長なのか?不動高校どうなってんだよ」 六星「いや…学校ではこんなんじゃなかったんだけど……」 こそこそと会話を交わす佐伯・霧島・六星を見た遠野は、 怒りに任せて目を見開き、三人を指さして凄む。 遠野「貴様ら何を話している!    黙ってそこに並んで自分のイニシャルを言え!」 一同を舐め回すように見る遠野の迫力、 そしてそれを目の当たりにした自分自身の好奇心に突き動かされ、 なんとなく遠野の要請に答えてみる。 まず佐伯。 佐伯「俺KSっす」 遠野「殺す!!」 佐伯「えっ SKじゃねえのに?」 遠野「KSなんてほぼSKだろう!殺す!」 なんとなく腑に落ちなそうな佐伯を尻目に、 今度は霧島が切り出した。 霧島「ねー、じゃあ俺は?JKッスけど」 遠野「殺す!」 霧島「マジかー」 遠野「JKなんて上の方ちょっと曲げたらSKだろう!殺す!」 霧島「えーっ!?曲げんの!?」 六星「あの、俺、RRなんだけど…」 遠野「殺す!」 六星「!?」 遠野「お前はどっちにしろ殺す!お前を生かしておくと俺の螢子が危ない!」 ちょっと待てその理屈だとこいつらも最初からアウトじゃねえか、と六星は思ったが 先ほどの五塔との対峙もあり、 狂人とまともに会話する気力が残っていなかったので そんな気持ちをそっと心の奥にしまった。 まあ、どっちにしろ全員殺すということなら大差も無いだろう。 あとは遠野の処理だが… そう考えていると、霧島がやってきて六星の手からジェイソンの仮面を奪った。 霧島「なあなあ、SKの人。このお面俺も付けていい?」 遠野「あっそれは…」 六星「よくわかんねえけど、とりあえずお前を生かしておくと俺は殺されるんだな?    ならまあ、殺すか」 ということで六星が斧をクッと引いたときだった。 霧島「うおおおおおおおおおっ」 六星の背後で霧島のけたたましい声がした。 振り返ると、ジェイソンの仮面をつけた霧島が その辺の木に向かって突進し、頭からぶつかって、倒れた。 一部始終を見ていた三人の間には、しばらくの間沈黙が続いた。 佐伯「……おい。    あの仮面、つけると知能が低下するんじゃないか?大丈夫なのか?」 遠野「え?いや、僕はむしろ冴えるくらいなんだけど」 佐伯(元々トチ狂った人間なら無問題ということか…) 六星「だが正気を失うぶん、身体能力は通常時の1.3倍になるようだな。まあ使えるか」 佐伯(今のを見て効果数値がわかるのかよ…) 六星「だいたいお前なんで人を殺す時に仮面なんて付けてるんだよ。   視界が悪くなるだろ」 遠野「えっ?…仮面って、殺人するときはつけるもの、だよな?」 佐伯「ない」 六星「ないな」 遠野「えっ だって読者に犯人が」 佐伯「そんなものつけなくても黒くなればいいだろ」 遠野「いや、黒くなった上で仮面も付けるのが怪人としてのロマンだと僕は…」 佐伯「あ、ちょっと待て霧島が立ち上がったぞ」 六星「ほぉ、頑丈さの指数も上がるのか。1.5倍くらいかな。悪くねえ」 佐伯「先生もあれつけたらもっと強くなるんじゃねっすか」 六星「…仮面が取れた時には辺りが血の海になってそうだ」 佐伯「確かに」 遠野「あれ、あいつ折り畳みナイフなんか持ってたのか」 六星「持ってたな。しかも構えたな。こっちに来るな。」 佐伯「くそっ、さっきより速度が上がってやがる」 六星「あの速さだとキツいか?」 佐伯「ちょっとね。でもまあ、やってみますよ」 遠野「そういえば君たちなんで斬り合ってたんだ?」 六星「なんとなくだ」 遠野「へえ……」 さて。 と、佐伯は霧島ジェイソンの一撃目をかわしながら考えた。 佐伯も数年前までスラム街で毎日のように斬り合いの喧嘩をしていた。 15歳と13歳という歳の差のハンデはあるにせよ、ずぶの素人である霧島相手なら 決して不利は取らないだろう しかし、あのジェイソンの仮面は厄介だ。 六星の話が本当なら、今の霧島は基本身体能力が1.3倍に、頑強さが1.5倍になっているらしい。 真っ向から闘ったら危ないかもしれない。 体勢を立て直して切りかかってきた霧島ジェイソンの二撃目をかわす。 佐伯は霧島から少し距離を取り、腹の底から嘲笑するような調子で霧島に怒鳴った。 「…やめとけやめとけ。お前に殺人なんて百万年早えーんだよ」 ジェイソンの肩がピクッと動いた。 挑発に乗ったようだ。 やはり狂化したぶん、思考能力は落ちているらしい。 佐伯はポジション取りしながら挑発を続ける。 「そもそもお前の殺人なんて、お坊ちゃんの火遊びなんだろ?  誰か殺したいってんなら、てめーが死ねよ」 こちらに向き直り、ナイフを握りなおすジェイソンの動きからどんどん冷静さが失われていく。 佐伯はなおも続ける。 「人が死ぬところ見たーい!でも死にたくなーい!誰か殺しちゃえー!  ってか?  霧島くんは救いようのないわがまま坊やだなァ~?え?」 佐伯がニヤリと笑うと、霧島は猛火のごとく怒りに燃えて突っ込んできた。 (よしよし、こうなるともう暴れ牛同然だな…) ナイフの切っ先を今にも振り下ろさんと握りしめる霧島ジェイソンを ギリギリまで引き付ける…引き付ける… そしてフッとかわす。 霧島は佐伯の背後に立っていた大木に激突した。 「よし!今だ!」 佐伯は近くに落ちていたド根性バットを拾い上げ、 大木の直撃を受けて伸びている霧島の背後からガンガンと殴りかかった。 鈍い感触。 「ったく!俺はこういう力仕事は得意じゃねえっての!」 悪態をつきながらも、一撃、また一撃と繰り返すと やがて霧島の首筋や後頭部から血が飛び散った。 「よし、もう一発!」 霧島の後頭部が血と肉でぐしゃぐしゃになるまで殴り、 最後の仕上げに、とジェイソンマスクを剥がした。 マスクの下には、恐ろしい痛みにゆがんだ霧島の顔があった。 ひとまず、仕事完了である。 「先生、これでたぶん死ぬぜ」 佐伯は霧島のもとに屈んだまま 赤く濡れたマスクを片手に六星を見上げた。 「そうだな、これは死ぬな…」 六星も注意深く霧島を見ながら言う。 「で、お前はどうするんだ、遠野」 既に四人殺している遠野だったが、 ジェイソンマスクを付けずに見る撲殺現場は さすがに耐え難いものだった。 しかもこともあろうか、 事は不動高校の教師と年端も行かない少年たちの間で起きたのだ。 こんなにも言いようのなく非人道的なことが…。 気分を悪くしてうずくまっていたところに急に声をかけられ、 遠野はびくっと震えた。 「うぐっ…小田切…… 俺はお前を…いつか絶対に…」 「殺すか」 遠野は顔を真っ青にして六星を睨む。 六星は静かに遠野を見降ろした。 こいつは狂人だ。 ここで殺すのは簡単だろう。 だが、狂人なりに学校であれだけ非の打ちどころなく振る舞っていたということは そうまでして守りたいものがあったのではないか? なんだか忘れたが、さっき遠野は一度女の名前を口にした気がする。 尊い命がなんとか、と。 その女のためなら復讐でもなんでもするってか。 この弱さじゃできることなんて知れているだろうが… 六星は遠野から目を逸らすと、言った。 「…まあがんばれよ  おい佐伯、お前その仮面使うか?」 「いや…デメリットが大きい」 「じゃあ返してやれよ」 「ういっす」 血まみれの仮面がフリスビーのようにして遠野の方に飛ぶ。 遠野はそれを受け取ると、森の奥の方へじわじわとしり込みしながら姿を消した。 【一日目/早朝/不動高校周辺】 【遠野英治@悲恋湖伝説殺人事件】 [状態]精神的ダメージ、右肘関節脱臼、返り血 [装備]ジェイソンマスク@悲恋湖伝説(これをつけると罪悪感が消失する)、果物ナイフ@狐火流し殺人事件、光太郎が拾った(貰った?)サッカーボール@狐火流し殺人事件 [所持品]基本支給品一式×2、<乱歩>の洗剤+ブラシ@電脳山荘殺人事件、 [思考・行動] 基本:螢子は生きているかもしれない、だが三日待って九条をころす。 0:螢子を探す。優先して探す。 1:螢子は生きているかもしれない、だがSKはころす。オリエンタル号に関連する人間も螢子以外はころしたい。 2:螢子は生きているかもしれない、だが脱出する奴はころす(脱出→escape→エスケープ→SKプである為)。 3:螢子は生きているかもしれない、だが鷹守と若王子はころす。オリエンタル号と竜王丸の関係者全員ころす。 4:螢子に危害を加える可能性のある参加者は全員殺す。凶悪犯は優先的に殺す。 5:六星と佐伯は明らかにやばいので積極的に殺していきたい。そのための戦力が欲しい。 [備考] ※参戦時期は、小林を殺害した後。 ※SKが嫌いです。オリエンタル号に載っていたSKは勿論、載ってないSKも嫌いです。  とりあえず色々殺します。何かと難癖をつけて螢子以外はどんどん殺します。 ※ジェイソンマスクを被っている間は、ジェイソンに変身。  そうなると、何百人殺しても心を痛めないようです(TVアニメのファンブックより)。 ※ジェイソンモードになると身体能力や回復能力、危険察知能力、その他もろもろがほんの少し上がります。 走り去る遠野の背中を見送りながら、 佐伯は不服そうに口を尖らせた。 「なんだよ先生、俺には霧島のこと殺させておいて」 六星は頭を掻きながらそれに答える。 「うーんそうだな、悪い。  なんだかかわいそうになっちまってなあ」 「かわいそう?  先生でもそういうこと思うんだな」 「たまにはね…。  でもまあ、約束通りお前には協力するぜ。  なんだっけ、災厄の皇帝(エンペラー)、とかいう奴を捕まえるんだったか」 そこまで話したとき、血の海のなかに倒れ伏した霧島が うめき声をあげた。 「おい…お前、今意識戻ってきてもギリギリだろ?  大人しく死んだ方が楽だぜ」 六星が声を掛けると、霧島は呟くようにか細い声を上げた。 「く…ははっ!残念だなあ…  残念だけど、お前らすげえ面白かったからまあいい…かな…」 その様子に、佐伯も口を開く。 「面白いって、人殺しがか?」 霧島の口元は笑っていた。 「…だって考えてみろよ。  平和なんてさ、リアルな死以上に酷い死じゃないか?  何も起こらない世界、誰も死なない…誰も傷つかない…喧嘩もぶつかり合いもない…  そんなのうすら寒い標本みたいな生だろ…?」 霧島の言っていることは、多少、わかってしまうかもしれない。 そう思っただけに、佐伯はあえて冷たい口調で突っぱねた。 「なんだ、お前の殺したいってやつは、本当にお坊ちゃんの火遊びだったのか」 「あは、ちげーよ…  泳げない魚が死んで、綺麗な流線型の魚が残る  醜い鳥は死んで、優れた鳥だけが選ばれる  ちゃんと死ぬべき奴が死ぬ世界、だから自然の生は綺麗だろ?  それが、俺の好きな、生……」 それっきり、霧島は動かなくなった。 六星は怪訝そうな顔で様子を見ていたが、しばらくして、 何か言わなければいけない空気だったので言った。 「…哲学的だったな」 「そうかな」 佐伯に冷たくあしらわれたが、まあそれはそれである。 ともあれ犯人捜しをするとなれば、 いつまでもこんな林の中でウロウロしているわけには行かないだろう。 心強い仲間をつけた佐伯は、 まるでそこに災厄の皇帝(エンペラー)が潜んでいるかのように 林奥の暗がりをキッと見据えた。 何かまだ自分にできることがあるようで。 何かまだ終わらせてしまえないことがありそうで。 早朝の光が差し込んできた森の中、 二人はどこへとなく歩き出したのだった。 &color(red){【霧島純平@高遠少年の事件簿 死亡】} 【一日目/早朝/不動高校周辺】 【六星竜一@異人館村殺人事件】 [状態]健康 [装備] ジェイソンの斧@悲恋湖伝説殺人事件 [所持品]基本支給品一式、ランダム支給品0~1 [思考・行動] 基本:六角村の連中は皆殺し。 0:六角村の連中は凝った演出をして場を彩る 1:他の連中はどうでもいい、生死すらどうでもいい。 2:気が向いたら不動高校へ案内する。 3:佐伯とは基本的に共闘する。 [備考] ※参戦時期は、小田切進(本物)発見~異人館村殺人事件前。 ※異人館村殺人事件の結末を知りました。 【佐伯航一郎@秘宝島殺人事件】 [状態]健康 [装備] ド根性バット(ミラクルミステリーパワーステッキ最終形態)@美少女探偵金田一フミ3、布施光彦のボウガンの矢1本@オペラ座館殺人事件、伊志田が着ていたメイド服@不動高校学園祭殺人事件 [所持品]基本支給品一式 [思考・行動] 基本:『災厄の皇帝(エンペラー)』の正体を暴き、殺す。 0:歯向かうと殺される可能性があることはわかっているので、大っぴらには活動しない。 1:とりあえず色々な人に話を聞きながら手掛かりを集めて、色々考える。 2:人殺しなんてハエやゴキブリを殺すのと同じさ。 3:楊蘭にはなんとなく共感するので殺したくない。 4:先生と協力をする(信用はしない)。 [備考] ※参戦は秘宝島殺人事件の犯行後です。 ※6人殺害しているものの、まだ13歳だし反省していたのですぐに出てきました。 ※頭が良いそうです。 ※女装癖があります。 |032:[[快楽という海に溺れて]]|時系列|034:[[産声]]| |032:[[快楽という海に溺れて]]|投下順|034:[[産声]]| |026:[[次は頭のおかしくない人を書く]]|遠野英治|| |021:[[生きる術は理屈じゃなく身体で覚えたい]]|六星竜一|| |021:[[生きる術は理屈じゃなく身体で覚えたい]]|佐伯航一郎|| |021:[[生きる術は理屈じゃなく身体で覚えたい]]|霧島純平|COLOR(RED):GAME OVER|
**ジェイソンの仮面 「お前と楊を見た瞬間からどっちでもいいから殺したかったぜ佐伯!」 霧島は喜びに胸を躍らせて叫んだ。 (ピーピーうるせえ虫だな。どっちでもいいからって安い殺意だな……) 面倒くさそうに身構える佐伯の心持ちなど知る由も無く、 霧島は標的にナイフを向けると一直線に突き進んで来た。 ナイフが佐伯の腹を抉るまでの距離――残り30センチ。 そのとき。 キーン! 目の前を黒い影が走ったと思うと、手元のナイフに硬い衝撃が響いた。 霧島はとっさに影を目で追った。 「さ、殺人鬼ジェイソン…!?」 霧島は自分の目を疑った。 彼の前にいたのは、全身黒タイツを着てジェイソンの仮面を被った男。 しかも片手にド根性バットまで持った、明らかな変質者だった。 「なんだてめえ…どこから降って湧いた」 佐伯が言うとジェイソン(仮)は声の方を一瞥したが、 何も答えること無くそのままあたりを見回した。 一瞬の静寂だった。 誰もがジェイソンの次の行動に備え、警戒をめぐらした。 そして。 少し離れたところに立つ六星を見つけた瞬間、 張り詰めた緊張を切り裂くように、ジェイソンは猛然と駆け出した。 「うおおおおおおっ!」 ド根性バットを振りかぶり、六星めがけて振りおろす。 六星は振り下ろされるバットの芯をじっと見上げていた。 「へえ…こんな物でよくナイフが弾けたなあ?」 呟くと、 六星は30センチ後ろに引いてバットから身を避け、 目の前に降り下ろされたバットの柄を右手で掴んで自分の右側へグイと引き寄せた。 ジェイソンがバットに引きずられて六星の方に流されるのを確認すると 今度は彼の背面に回り込み、ジェイソンの右肘を思い切りはたき込んだ。 「うっ!?」 ジェイソンは地面に叩きつけられると同時に 右肘の関節が外れたらしい。 ド根性バットがジェイソンの手から離れ、鈍い音を立てて地面に転がった。 五塔戦の直後だったせいでなんとなく拍子抜けしたような気持ちと 「まあ、普通こんなもんだよな」という気持ちが 六星の中でないまぜになった。 とりあえず関節を外す動きのまま、倒れ伏すジェイソンの右肩を地面に押し付け、 ジェイソンの腰の辺りには左膝を乗せて抑え込んだ。 彼の下でジェイソンは幾度か抵抗を試み、それから無駄だと悟ったのか、 荒い息のままおとなしくなった。 なぜ自分が襲われたのか?六星にはわからなかった。 心当たりはないわけではない。 ありすぎるほどある。 しかし、こんな実用性に反した佇まいと武器、そしてこの弱さ。 間違いなくあの村の連中の趣味ではないだろう。 となると自分が昔殺した人物の親族の一人が、 六星のことを突き止めてこんな酔狂な復讐に及んだということなのか? 「…何を考えてるのか知らねえが、とりあえずそのふざけた仮面を取ってもらおうか」 色々考えた挙句、それが一番早いだろうと考え、 六星はジェイソンの仮面に手をかけた。 ジェイソンは最早観念したように、抵抗らしい抵抗もしなかった。 乱暴に仮面を引きはがすと、その男の顔は… 「!?お前…遠野英治…!?」 ◆ 色々と想像をめぐらせていたが、これはあまりにも予想外だった。 不動高校の品行方正な元生徒会長、遠野英治。 成績優秀、眉目秀麗で女性生徒からも羨望の的となっている人物だった。 それが、なぜ。 ジェイソン。 その様子を見ていた佐伯が、声をかけてきた。 佐伯「先生、知り合いかよ」 六星「いや、俺は…。いや……、知り合いといえばそうなるんだが……」 佐伯「?やけに慌ててるな…?先生らしくもない」 六星「うん…そうだな…悪い……ちょっと、高校の生徒会長だったから、予想外でね…」 霧島「生徒会長?不動高校の、か?」 六星「ああ」 霧島「うっわなんだよ不動高校すげーじゃん!    三流高校だと思ってたけど、俺不動高校に入れば良かったかなー。高遠も呼んでさ」 六星「やかましい。不動高校の治安 これ以上下げんじゃねえよ」 組み伏せられた遠野英治は敵意に満ちた目で六星を睨み上げていた。 学校ではいつも穏やかな笑みを浮かべていた遠野の、 むき出しの牙を初めて見た気分だった。 どうしたものかわからず、とりあえず話しかけてみる。 六星「あの…遠野?いつもとだいぶ雰囲気違うね」 遠野「……」 六星「えーと、今日はなんでジェイソンだったんだ?」 佐伯「先生…結構天然だな……」 遠野「…お前を殺そうと思ったんだ」 六星「やっぱり俺なのか。ちなみに理由は?」 遠野「俺はイニシャルSKの奴を生かしておくわけにはいかないんだ!」 六星「えっ?」 遠野「SKは全員死ぬべきなんだ」 六星「俺、RRなんだけど…」 遠野「あきらめてたまるかあぁぁぁっ!!!」 六星「うわっ!?」 遠野はそう吠えると、いつき陽介・九条章太郎の二人がかりで抑え込まれた窮地を 気合いだけで抜けだした悲恋湖のラストさながら 六星の腕を振りほどいて立ち上がった。 佐伯「で、なんでイニシャルSK?」 火事場の馬鹿力を見せたとはいえ、遠野と六星の力量差は明らかだと感じた佐伯は 特に動じることもなく、話を進めた。 テンションが上がっている遠野も、勢いで佐伯の話に乗った。 遠野「SKはなあ…俺の大切な螢子と大勢の尊い命を奪った、罪の刻印なんだよ!」 遠野の態度には鬼気迫るものがあった。 「罪の刻印」というパワーワードが狂人の口から出るのを目撃して、霧島は嬉しそうに笑う。 霧島「ねえ、これ本格的にやばいやつじゃない?    イニシャルで人殺す意味も、ジェイソンのお面してる意味もワケわかんねえしさ!」 佐伯「こいつ本当に生徒会長なのか?不動高校どうなってんだよ」 六星「いや…学校ではこんなんじゃなかったんだけど……」 こそこそと会話を交わす佐伯・霧島・六星を見た遠野は、 怒りに任せて目を見開き、三人を指さして凄む。 遠野「貴様ら何を話している!    黙ってそこに並んで自分のイニシャルを言え!」 一同を舐め回すように見る遠野の迫力、 そしてそれを目の当たりにした自分自身の好奇心に突き動かされ、 なんとなく遠野の要請に答えてみる。 まず佐伯。 佐伯「俺KSっす」 遠野「殺す!!」 佐伯「えっ SKじゃねえのに?」 遠野「KSなんてほぼSKだろう!殺す!」 なんとなく腑に落ちなそうな佐伯を尻目に、 今度は霧島が切り出した。 霧島「ねー、じゃあ俺は?JKッスけど」 遠野「殺す!」 霧島「マジかー」 遠野「JKなんて上の方ちょっと曲げたらSKだろう!殺す!」 霧島「えーっ!?曲げんの!?」 六星「あの、俺、RRなんだけど…」 遠野「殺す!」 六星「!?」 遠野「お前はどっちにしろ殺す!お前を生かしておくと俺の螢子が危ない!」 ちょっと待てその理屈だとこいつらも最初からアウトじゃねえか、と六星は思ったが 先ほどの五塔との対峙もあり、 狂人とまともに会話する気力が残っていなかったので そんな気持ちをそっと心の奥にしまった。 まあ、どっちにしろ全員殺すということなら大差も無いだろう。 あとは遠野の処理だが… そう考えていると、霧島がやってきて六星の手からジェイソンの仮面を奪った。 霧島「なあなあ、SKの人。このお面俺も付けていい?」 遠野「あっそれは…」 六星「よくわかんねえけど、とりあえずお前を生かしておくと俺は殺されるんだな?    ならまあ、殺すか」 ということで六星が斧をクッと引いたときだった。 霧島「うおおおおおおおおおっ」 六星の背後で霧島のけたたましい声がした。 振り返ると、ジェイソンの仮面をつけた霧島が その辺の木に向かって突進し、頭からぶつかって、倒れた。 一部始終を見ていた三人の間には、しばらくの間沈黙が続いた。 佐伯「……おい。    あの仮面、つけると知能が低下するんじゃないか?大丈夫なのか?」 遠野「え?いや、僕はむしろ冴えるくらいなんだけど」 佐伯(元々トチ狂った人間なら無問題ということか…) 六星「だが正気を失うぶん、身体能力は通常時の1.3倍になるようだな。まあ使えるか」 佐伯(今のを見て効果数値がわかるのかよ…) 六星「だいたいお前なんで人を殺す時に仮面なんて付けてるんだよ。   視界が悪くなるだろ」 遠野「えっ?…仮面って、殺人するときはつけるもの、だよな?」 佐伯「ない」 六星「ないな」 遠野「えっ だって読者に犯人が」 佐伯「そんなものつけなくても黒くなればいいだろ」 遠野「いや、黒くなった上で仮面も付けるのが怪人としてのロマンだと僕は…」 佐伯「あ、ちょっと待て霧島が立ち上がったぞ」 六星「ほぉ、頑丈さの指数も上がるのか。1.5倍くらいかな。悪くねえ」 佐伯「先生もあれつけたらもっと強くなるんじゃねっすか」 六星「…仮面が取れた時には辺りが血の海になってそうだ」 佐伯「確かに」 遠野「あれ、あいつ折り畳みナイフなんか持ってたのか」 六星「持ってたな。しかも構えたな。こっちに来るな。」 佐伯「くそっ、さっきより速度が上がってやがる」 六星「あの速さだとキツいか?」 佐伯「ちょっとね。でもまあ、やってみますよ」 遠野「そういえば君たちなんで斬り合ってたんだ?」 六星「なんとなくだ」 遠野「へえ……」 さて。 と、佐伯は霧島ジェイソンの一撃目をかわしながら考えた。 佐伯も数年前までスラム街で毎日のように斬り合いの喧嘩をしていた。 15歳と13歳という歳の差のハンデはあるにせよ、ずぶの素人である霧島相手なら 決して不利は取らないだろう しかし、あのジェイソンの仮面は厄介だ。 六星の話が本当なら、今の霧島は基本身体能力が1.3倍に、頑強さが1.5倍になっているらしい。 真っ向から闘ったら危ないかもしれない。 体勢を立て直して切りかかってきた霧島ジェイソンの二撃目をかわす。 佐伯は霧島から少し距離を取り、腹の底から嘲笑するような調子で霧島に怒鳴った。 「…やめとけやめとけ。お前に殺人なんて百万年早えーんだよ」 ジェイソンの肩がピクッと動いた。 挑発に乗ったようだ。 やはり狂化したぶん、思考能力は落ちているらしい。 佐伯はポジション取りしながら挑発を続ける。 「そもそもお前の殺人なんて、お坊ちゃんの火遊びなんだろ?  誰か殺したいってんなら、てめーが死ねよ」 こちらに向き直り、ナイフを握りなおすジェイソンの動きからどんどん冷静さが失われていく。 佐伯はなおも続ける。 「人が死ぬところ見たーい!でも死にたくなーい!誰か殺しちゃえー!  ってか?  霧島くんは救いようのないわがまま坊やだなァ~?え?」 佐伯がニヤリと笑うと、霧島は猛火のごとく怒りに燃えて突っ込んできた。 (よしよし、こうなるともう暴れ牛同然だな…) ナイフの切っ先を今にも振り下ろさんと握りしめる霧島ジェイソンを ギリギリまで引き付ける…引き付ける… そしてフッとかわす。 霧島は佐伯の背後に立っていた大木に激突した。 「よし!今だ!」 佐伯は近くに落ちていたド根性バットを拾い上げ、 大木の直撃を受けて伸びている霧島の背後からガンガンと殴りかかった。 鈍い感触。 「ったく!俺はこういう力仕事は得意じゃねえっての!」 悪態をつきながらも、一撃、また一撃と繰り返すと やがて霧島の首筋や後頭部から血が飛び散った。 「よし、もう一発!」 霧島の後頭部が血と肉でぐしゃぐしゃになるまで殴り、 最後の仕上げに、とジェイソンマスクを剥がした。 マスクの下には、恐ろしい痛みにゆがんだ霧島の顔があった。 ひとまず、仕事完了である。 「先生、これでたぶん死ぬぜ」 佐伯は霧島のもとに屈んだまま 赤く濡れたマスクを片手に六星を見上げた。 「そうだな、これは死ぬな…」 六星も注意深く霧島を見ながら言う。 「で、お前はどうするんだ、遠野」 既に四人殺している遠野だったが、 ジェイソンマスクを付けずに見る撲殺現場は さすがに耐え難いものだった。 しかもこともあろうか、 事は不動高校の教師と年端も行かない少年たちの間で起きたのだ。 こんなにも言いようのなく非人道的なことが…。 気分を悪くしてうずくまっていたところに急に声をかけられ、 遠野はびくっと震えた。 「うぐっ…小田切…… 俺はお前を…いつか絶対に…」 「殺すか」 遠野は顔を真っ青にして六星を睨む。 六星は静かに遠野を見降ろした。 こいつは狂人だ。 ここで殺すのは簡単だろう。 だが、狂人なりに学校であれだけ非の打ちどころなく振る舞っていたということは そうまでして守りたいものがあったのではないか? なんだか忘れたが、さっき遠野は一度女の名前を口にした気がする。 尊い命がなんとか、と。 その女のためなら復讐でもなんでもするってか。 この弱さじゃできることなんて知れているだろうが… 六星は遠野から目を逸らすと、言った。 「…まあがんばれよ  おい佐伯、お前その仮面使うか?」 「いや…デメリットが大きい」 「じゃあ返してやれよ」 「ういっす」 血まみれの仮面がフリスビーのようにして遠野の方に飛ぶ。 遠野はそれを受け取ると、森の奥の方へじわじわとしり込みしながら姿を消した。 【一日目/早朝/不動高校周辺】 【遠野英治@悲恋湖伝説殺人事件】 [状態]精神的ダメージ、右肘関節脱臼、返り血 [装備]ジェイソンマスク@悲恋湖伝説(これをつけると罪悪感が消失する)、果物ナイフ@狐火流し殺人事件、光太郎が拾った(貰った?)サッカーボール@狐火流し殺人事件 [所持品]基本支給品一式×2、<乱歩>の洗剤+ブラシ@電脳山荘殺人事件、 [思考・行動] 基本:螢子は生きているかもしれない、だが三日待って九条をころす。 0:螢子を探す。優先して探す。 1:螢子は生きているかもしれない、だがSKはころす。オリエンタル号に関連する人間も螢子以外はころしたい。 2:螢子は生きているかもしれない、だが脱出する奴はころす(脱出→escape→エスケープ→SKプである為)。 3:螢子は生きているかもしれない、だが鷹守と若王子はころす。オリエンタル号と竜王丸の関係者全員ころす。 4:螢子に危害を加える可能性のある参加者は全員殺す。凶悪犯は優先的に殺す。 5:六星と佐伯は明らかにやばいので積極的に殺していきたい。そのための戦力が欲しい。 [備考] ※参戦時期は、小林を殺害した後。 ※SKが嫌いです。オリエンタル号に載っていたSKは勿論、載ってないSKも嫌いです。  とりあえず色々殺します。何かと難癖をつけて螢子以外はどんどん殺します。 ※ジェイソンマスクを被っている間は、ジェイソンに変身。  そうなると、何百人殺しても心を痛めないようです(TVアニメのファンブックより)。 ※ジェイソンモードになると身体能力や回復能力、危険察知能力、その他もろもろがほんの少し上がります。 走り去る遠野の背中を見送りながら、 佐伯は不服そうに口を尖らせた。 「なんだよ先生、俺には霧島のこと殺させておいて」 六星は頭を掻きながらそれに答える。 「うーんそうだな、悪い。  なんだかかわいそうになっちまってなあ」 「かわいそう?  先生でもそういうこと思うんだな」 「たまにはね…。  でもまあ、約束通りお前には協力するぜ。  なんだっけ、災厄の皇帝(エンペラー)、とかいう奴を捕まえるんだったか」 そこまで話したとき、血の海のなかに倒れ伏した霧島が うめき声をあげた。 「おい…お前、今意識戻ってきてもギリギリだろ?  大人しく死んだ方が楽だぜ」 六星が声を掛けると、霧島は呟くようにか細い声を上げた。 「く…ははっ!残念だなあ…  残念だけど、お前らすげえ面白かったからまあいい…かな…」 その様子に、佐伯も口を開く。 「面白いって、人殺しがか?」 霧島の口元は笑っていた。 「…だって考えてみろよ。  平和なんてさ、リアルな死以上に酷い死じゃないか?  何も起こらない世界、誰も死なない…誰も傷つかない…喧嘩もぶつかり合いもない…  そんなのうすら寒い標本みたいな生だろ…?」 霧島の言っていることは、多少、わかってしまうかもしれない。 そう思っただけに、佐伯はあえて冷たい口調で突っぱねた。 「なんだ、お前の殺したいってやつは、本当にお坊ちゃんの火遊びだったのか」 「あは、ちげーよ…  泳げない魚が死んで、綺麗な流線型の魚が残る  醜い鳥は死んで、優れた鳥だけが選ばれる  ちゃんと死ぬべき奴が死ぬ世界、だから自然の生は綺麗だろ?  それが、俺の好きな、生……」 それっきり、霧島は動かなくなった。 六星は怪訝そうな顔で様子を見ていたが、しばらくして、 何か言わなければいけない空気だったので言った。 「…哲学的だったな」 「そうかな」 佐伯に冷たくあしらわれたが、まあそれはそれである。 ともあれ犯人捜しをするとなれば、 いつまでもこんな林の中でウロウロしているわけには行かないだろう。 心強い仲間をつけた佐伯は、 まるでそこに災厄の皇帝(エンペラー)が潜んでいるかのように 林奥の暗がりをキッと見据えた。 何かまだ自分にできることがあるようで。 何かまだ終わらせてしまえないことがありそうで。 早朝の光が差し込んできた森の中、 二人はどこへとなく歩き出したのだった。 &color(red){【霧島純平@高遠少年の事件簿 死亡】} 【一日目/早朝/不動高校周辺】 【六星竜一@異人館村殺人事件】 [状態]健康 [装備] ジェイソンの斧@悲恋湖伝説殺人事件 [所持品]基本支給品一式、ランダム支給品0~1 [思考・行動] 基本:六角村の連中は皆殺し。 0:六角村の連中は凝った演出をして場を彩る 1:他の連中はどうでもいい、生死すらどうでもいい。 2:気が向いたら不動高校へ案内する。 3:佐伯とは基本的に共闘する。 [備考] ※参戦時期は、小田切進(本物)発見~異人館村殺人事件前。 ※異人館村殺人事件の結末を知りました。 【佐伯航一郎@秘宝島殺人事件】 [状態]健康 [装備] ド根性バット(ミラクルミステリーパワーステッキ最終形態)@美少女探偵金田一フミ3、布施光彦のボウガンの矢1本@オペラ座館殺人事件、伊志田が着ていたメイド服@不動高校学園祭殺人事件 [所持品]基本支給品一式 [思考・行動] 基本:『災厄の皇帝(エンペラー)』の正体を暴き、殺す。 0:歯向かうと殺される可能性があることはわかっているので、大っぴらには活動しない。 1:とりあえず色々な人に話を聞きながら手掛かりを集めて、色々考える。 2:人殺しなんてハエやゴキブリを殺すのと同じさ。 3:楊蘭にはなんとなく共感するので殺したくない。 4:先生と協力をする(信用はしない)。 [備考] ※参戦は秘宝島殺人事件の犯行後です。 ※6人殺害しているものの、まだ13歳だし反省していたのですぐに出てきました。 ※頭が良いそうです。 ※女装癖があります。 |032:[[快楽という海に溺れて]]|時系列|034:[[産声]]| |032:[[快楽という海に溺れて]]|投下順|034:[[産声]]| |026:[[次は頭のおかしくない人を書く]]|遠野英治|039:[[SNSより本スレに感想くれると嬉しいです]]| |021:[[生きる術は理屈じゃなく身体で覚えたい]]|六星竜一|| |021:[[生きる術は理屈じゃなく身体で覚えたい]]|佐伯航一郎|| |021:[[生きる術は理屈じゃなく身体で覚えたい]]|霧島純平|COLOR(RED):GAME OVER|

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