悪夢の死闘!甲田征作VSダンデライオン
※投下した時のIDとかの表示がついたままですが消すのめんどくさいだけなので気にしないでください。
――ダンデライオン。
彼女は、第一回放送にてSMAPの「世界に一つだけの花」をリクエストした参加者だった。
原作においてはその姿を現す事もなく、おそらくラジオのリスナーである事と「うちの大学」の一年生である事以外は何もわからない奇怪なキャラクターである。
このうちの大学というのも、ラジオを行った「音羽山女子大学」の事なのか、はたまた、「うちの大学」なる架空の教育機関なのかは判然としていない。
西東医大の内田朋宏さんや明智健悟と並び、「キャンパス・ミュージック学園祭スペシャル」を提供した事で有名だが、やはりそんな情報だけでは人物のパーソナリティはわからない。
やはり謎尽くしの人物だった。
つまり――それは、彼女の姿が半人半獣のクリーチャーのような人間であっても、まったくおかしくはないという事である。
彼女はダンデライオンの名の通り、下半身が獅子となり、上半身は既に「世界に一つだけの花」をラジオでリクエストする以外の機能をほぼ失い、禍々しい狂気を伴っていた。
両の乳を丸出しにしながらも恥じらう事なく吠えて参加者を狙う彼女は、もはや人間のそれには見えない。
どこでどうやって生きてきたのかさえわからない。金田一の世界のどこに彼女を受け入れるキャパシティがあったのかわからない。
だが、いるものはいるのである。仕方ない。
鋭い爪と牙は、まさしく獲物を狩る事に特化した代物となっていた。これはもはや参加者最強に違いなかった。
人間の中に、ひとりだけライオン同然のヤツがいるのである。
え? ダンデライオンは英語でタンポポの事? 気にすんな。
「▂▂▅▆▆▂▅▆▂▅▆▇▇▇▇▇▅▆▆▆▇▇▇!!」
ダンデライオンは吠える。
己のリクエストが採用され、第一回放送で読み上げられた事実に歓喜している。
世界で一つだけの花をリクエストする事こそ彼女の最後の人間としての理性。
それが満たされた今、彼女は至上の喜びの中にいるに違いなかった。
そして、何よりこの殺し合いにおいては、リクエストが採用された参加者は支給品を追加で支給される。
それにより――彼女の手に、ある支給品が渡ったのだった。
それを持つ限り、彼女は牛乳を飲み続けて健康になった人間よりも強いのである。
◆
「私がこうしてクリーチャーに出くわしたのも天命かもしれんな……」
そうつぶやいたのは甲田征作だった。
なんとこの数時間渡って誰とも出会う事なく、見事にラジオにリクエストせしめた怪物――ダンデライオンを葬らんと、甲田さんは物陰から猟銃を構えていたのである。
「闘いたまえ! 私! ――」
甲田さんの願いは一つ。
無医村に病院を開業する為に必要な莫大な資金を手配する事。
その為には人の心を捨てて、どんなクリーチャーも仕留めてみせようぞ。
もはや怖い物など何もない。
「――くたばりたまえ、バケモノッッッ!!!!!!!!」
そう叫ぶと、猟銃の弾丸は、確かにダンデライオンを狙って放たれた。
あーあ、もう死んじゃったね。いくらダンデライオンでも銃で攻撃されたらひとたまりもないね。
「――ッ!!?」
かに思われた。
ダンデライオンへと到達した弾丸だったが、なんとこの魔獣は一瞬でそれに気づいて鋭い爪で、弾いてしまったのだ。
暗殺をもくろんだ甲田さんだが、逆にダンデライオンに居場所を悟らせてしまったも同然だった。
ピンチだ甲田さん。どうする甲田さん。
この怪物を相手取る自信はあるかい? 甲田さん。
434: 悪夢の死闘!甲田征作VSダンデライオン ◆CKro7V0jEc :2018/03/09(金) 22:08:12 ID:anx5CnCk0
――ダンデライオン。
彼女は、第一回放送にてSMAPの「世界に一つだけの花」をリクエストした参加者だった。
原作においてはその姿を現す事もなく、おそらくラジオのリスナーである事と「うちの大学」の一年生である事以外は何もわからない奇怪なキャラクターである。
このうちの大学というのも、ラジオを行った「音羽山女子大学」の事なのか、はたまた、「うちの大学」なる架空の教育機関なのかは判然としていない。
西東医大の内田朋宏さんや明智健悟と並び、「キャンパス・ミュージック学園祭スペシャル」を提供した事で有名だが、やはりそんな情報だけでは人物のパーソナリティはわからない。
やはり謎尽くしの人物だった。
つまり――それは、彼女の姿が半人半獣のクリーチャーのような人間であっても、まったくおかしくはないという事である。
彼女はダンデライオンの名の通り、下半身が獅子となり、上半身は既に「世界に一つだけの花」をラジオでリクエストする以外の機能をほぼ失い、禍々しい狂気を伴っていた。
両の乳を丸出しにしながらも恥じらう事なく吠えて参加者を狙う彼女は、もはや人間のそれには見えない。
どこでどうやって生きてきたのかさえわからない。金田一の世界のどこに彼女を受け入れるキャパシティがあったのかわからない。
だが、いるものはいるのである。仕方ない。
鋭い爪と牙は、まさしく獲物を狩る事に特化した代物となっていた。これはもはや参加者最強に違いなかった。
人間の中に、ひとりだけライオン同然のヤツがいるのである。
え? ダンデライオンは英語でタンポポの事? 気にすんな。
「▂▂▅▆▆▂▅▆▂▅▆▇▇▇▇▇▅▆▆▆▇▇▇!!」
ダンデライオンは吠える。
己のリクエストが採用され、第一回放送で読み上げられた事実に歓喜している。
世界で一つだけの花をリクエストする事こそ彼女の最後の人間としての理性。
それが満たされた今、彼女は至上の喜びの中にいるに違いなかった。
そして、何よりこの殺し合いにおいては、リクエストが採用された参加者は支給品を追加で支給される。
それにより――彼女の手に、ある支給品が渡ったのだった。
それを持つ限り、彼女は牛乳を飲み続けて健康になった人間よりも強いのである。
◆
「私がこうしてクリーチャーに出くわしたのも天命かもしれんな……」
そうつぶやいたのは甲田征作だった。
なんとこの数時間渡って誰とも出会う事なく、見事にラジオにリクエストせしめた怪物――ダンデライオンを葬らんと、甲田さんは物陰から猟銃を構えていたのである。
「闘いたまえ! 私! ――」
甲田さんの願いは一つ。
無医村に病院を開業する為に必要な莫大な資金を手配する事。
その為には人の心を捨てて、どんなクリーチャーも仕留めてみせようぞ。
もはや怖い物など何もない。
「――くたばりたまえ、バケモノッッッ!!!!!!!!」
そう叫ぶと、猟銃の弾丸は、確かにダンデライオンを狙って放たれた。
あーあ、もう死んじゃったね。いくらダンデライオンでも銃で攻撃されたらひとたまりもないね。
「――ッ!!?」
かに思われた。
ダンデライオンへと到達した弾丸だったが、なんとこの魔獣は一瞬でそれに気づいて鋭い爪で、弾いてしまったのだ。
暗殺をもくろんだ甲田さんだが、逆にダンデライオンに居場所を悟らせてしまったも同然だった。
ピンチだ甲田さん。どうする甲田さん。
この怪物を相手取る自信はあるかい? 甲田さん。
435: 悪夢の死闘!甲田征作VSダンデライオン ◆CKro7V0jEc :2018/03/09(金) 22:08:41 ID:anx5CnCk0
「▂▂▅▆▆▂▅▆▂▅▆▇▇▇▇▇▅▆▆▆▇▇▇!!!!!!!!!!!!!」
ダンデライオンは、初期の金田一の説教の如く怒りに身を任せて吠えた。
当たり前だ。銃撃されて怒らない奴などいない。
金田一少年も銃撃された際には「……ゆるせねえんだよ……!! てめ~だけは」と説教を始めたではないか。
それと同じ事だ。
ダンデライオンもまた、「……ゆるせねえんだよ……!! てめ~だけは」という気持ちで甲田さんに説教を始めたいに違いない。
しかし、ダンデライオンは「……ゆるせねえんだよ……!! てめ~だけは」という説教を行うだけの言語能力がないのだ。
つまり、彼女にできるのは獣の如く襲い掛かる事のみ――。
「▅▆▆▆▅▆▇▇▇▂▅▅▆▇▇▅▆▆▅!!!!!!!!!!」
まぎれもなく甲田さんを殺ろうという殺意を瞳に滾らせ、獅子の如きスピードで甲田さんに肉薄する。
それはまさしく、回避不能な――金田一に説教された犯人が警察にも金田一にも静止されぬ間に自殺するような、一瞬の出来事である。
「▂▅▆▇▇▇▇▇▅▆▆!!!」
そして、驚くなかれ、このダンデライオンは大学一年生である。
一般的な大学生に出来る事といえば、授業をサボってうまく単位を貰うノウハウを得る事くらい。
このダンデライオンは違う。
ジャングルで生き残る為にあらゆる手段を用いて勘を高めて、時にその能力を殺しに利用してきた。
もはや人間としての機能など、「世界に一つだけの花」をリクエストする事くらいしか残ってはいない。
……いや、待て。
そう考えてみると、これはダンデライオンが凄いという話ではないかもしれない。
単純にダンデライオンには一般的な大学生に出来ない事が出来るというだけで、普通の大学生のように単位を取る事はできない。だから、もしかすると留年し続けて一年生なのかもしれない。
ダンデライオンに出来ない事が出来る大学生たちも凄いといえば凄い。ダンデライオンからすれば羨ましい事だろう。
みんな違ってみんな凄い。
私にできてあなたにできないことがあり、あなたにできて私にできないこともあります。力を合わせれば、素晴らしいことができるでしょう。
これはマザー・テレサの言葉だ。
「くっ!!」
その理屈で言うと、勿論、甲田さんも負けてはいないわけだ。
甲田さんが次に取り出したのは、ツルハシである。
天草財宝伝説で使われたあのツルハシ。接近戦ならばむしろ猟銃よりかツルハシが有効だ。
それを考える事が甲田さんには出来る。
向かい来るダンデライオンへと向けて横凪ぎにツルハシの一撃!!
「ヒャッハァァァァァァ!!!!!! 死んでしまうがいいわ!!!!!!!!!!」
それはダンデライオンの首元へと暴力的に叩きつけられた――!!!!!!!!!!!
◆
436: 悪夢の死闘!甲田征作VSダンデライオン ◆CKro7V0jEc :2018/03/09(金) 22:09:04 ID:anx5CnCk0
最後に立っていたのは、甲田さんだった。
……そう。
いくらダンデライオンが化け物の如き容姿だからといって、ダンデライオンは人間である。
首筋をツルハシで叩きつけられて生きている人間はあまりいない。
大きなダメージに震えて倒れ、ピクピクと動くダンデライオンの身体に、甲田さんは何度となくツルハシを叩き込み、ついにダンデライオンが動く事はなくなってしまった。
血しぶきを浴びた甲田さんは、満足気に勝者として立っていた。
「私が殺した少女です……」
あまりにあっけない幕切れだった。
それはあまりにダンデライオンを神格化しすぎたがゆえの錯覚だったが、ダンデライオンが勝つと誰しもが信じていた。
しかし、甲田さんだって接近戦は得意である。
なぜなら、かつて彼はボートの上で、小泉螢子の接近してくる腕を振り払い、突き飛ばしたのだから。
こうして自分に近づいてくるものを振り払う事くらい、わけはない。
たとえそれが、半人半獣の怪物であったとしても理屈はあまり変わらないだろう。
押し寄せてくるパワーを受け流し、冷酷に振り払うのみ。
さすればあらゆるものを殺せる。
神でさえも。
「――なんだこれは」
ダンデライオンの既に動かない巨体の上に座りながら遺品を整理していた甲田さんは、ふとあるものに気づいた。
どれか使えるモノがあるかもしれないと思っての事である。
そして、彼は見つけたのだった。
それを見た瞬間、甲田さんの顔が悦びに歪む。
「いいじゃないか、これ」
彼の手にあるのは、すべての人体を一瞬で粉々に破壊できる最終兵器――――――檜山ボムである。
【ダンデライオン@学生明智健悟の事件簿 死亡】
【一日目/朝/そのへん】
【甲田征作@悲恋湖伝説殺人事件】
[状態]健康、精神不安定、六角村症候群
[装備]大広間に並べられていた猟銃@秘宝島殺人事件、ツルハシ@天草財宝伝説殺人事件、檜山ボム@墓場島殺人事件
[所持品]基本支給品一式書×2、ランダム支給品1~2
[思考・行動]
基本:無医村に病院を開業する為に殺し合いに乗る。
1:過ぎてしまった事をいくら悩んでも仕方ない。それより未来に向けて努力をしよう。
(略:殺しちゃっても、まあ後々がんばればいいよね)
2:ええどうもスミマせん――……
(略:罪の意識はそこそこあるかもしれない)
[備考]
※参戦時期は、「闘いたまえ」とか金田一を激励したあたり。
※さっきまで六角村にいたのと、香山が二度死んだのと、九条がなんやかんやで裏切ったのとが原因なのか、頭がいかれました。
※大広間に並べられていた猟銃は八つあるので、八人までなら支給していいんじゃないかと思いますがいかがでしょう。
【檜山ボム@墓場島殺人事件】
投げれば無条件に参加者を大量虐殺できる手製の爆弾。
今回は主催者側に檜山達之がいるらしく、第一回放送で歌をリクエストした参加者全員に新しく支給されるようになった。
他にも実銃同然の威力を持つ檜山エアガンなど、他の殺人犯があまりやってこなかった「兵器製造」を当たり前に行う檜山の自信作たちが支給される。
というわけで、主催側に檜山がいます。
最終更新:2018年03月14日 01:09