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(いや~~~な、予感がする。)

 ファミレスで会計する父親の背中を見ながらこんなことを思うのはおかしいだろう。そんな女子小学生は滅多にいないはずだ。少なくともよほど甲斐性のない父親でなければそんなタイミングでそんな覚えをするはずがない。確かに衛宮切嗣という男は甲斐性どころか家庭という言葉からも程遠い男であるが、父と娘という立場であってもマスターの懐事情をサーヴァントが心配するのはおかしな話だ。だからアーチャー・クロエが確かに感じとった嫌ななにかは経済的な心配ではなくもっと別のなにかに起因するのであろう。それがなんなのかはイマイチわからない。ただひとつだけわかるのは。

『どうしたんだい?』
『……なんだかさあ……』

 父でありマスターである切嗣は、さすがと言うべきか目ざとくアーチャーに念話をする。それに歯切れの悪い応答をしながらも、言うべきことはしっかりと言った。

『すっごいろくでもないことが起きてる気がする。』



「提案がある、あそこに見える金ぴかのサーヴァントを攻撃しよう。」
「却下だ。なにも情報がない段階で仕掛けるのはリスクが高すぎる。」
「やっぱりな、そう言うと思ったよ。」
「だったら言わないでくれ。」
(あ、ろくでもないことってこれだ。)

 駐車場の端にある道からも暑い真夏の日差しからも死角になる場所で、四人の人影が車座になっていた。

 「まあ聞け、なんの情報もなく突っ込もうてわけじゃーー」と積極的に話して場の主導権を握ろうとしているのは、バーサーカー・ヒロ。「それは結局なんの情報もないことに変わりはーー」とバーサーカーの発言に反論して正面で対峙しているのが元魔術師殺し・衛宮切嗣。そんなを二人を心配そうに見ているのが妖界ナビゲーター・竜堂ルナ。そのルナから『なんとかして』と言わんばかりの視線を向けられて(なんか私これからもこういうポジションなんだろうなあ)と遠い目をしているのがアーチャー・クロエ・フォン・アインツベルンである。

 彼ら四人が出会って約六時間ほど、少々の紆余曲折はありながらも一応の同盟関係が築かれていた。アーチャー主従もバーサーカー主従も双方への色々な意味での不信は抱いていたが、それを飲み込んででも同盟を組むべきであるとするほど単独での生き残りを困難なものと見ていた。

 実際、それは正解である。

 間違いなく、どちらの主従もこの聖杯戦争では下から数えたほうが早い位置にいるだろう。いや、下手をすれば同じようにサーヴァントを召喚して行う聖杯戦争の、平均値の下に位置するかもしれない。
 不幸なことに、アサシンやキャスターどころか一部のマスターでさえ正面から挑めば返り討ちにされかねないのが彼女達であり、また実際にそれが可能なサーヴァントやマスターもこの聖杯戦争に参戦しているのだ。また彼女達が知るよしもないが、唯一優勢に戦えたであろうサーヴァントのドラえもんは彼女達と同じ立場にあるワイルド・ドッグに倒されてしまっている。

 つまるところ彼女達は雑魚、正しくまな板の上の鯉なのである。


 では、そんな二組が同盟を組んだところでどれだけの意味があるのかというと、意味はある。
 それも多大に。

 確かにこの二騎のサーヴァントは一対一の戦いでは不利である。他の三騎士達と打ち合えるステータスもなければスキルも直接的な有利をとれるものはなく、宝具など当てることどころか真名を解放することも、それどころか手に取ることさえ難しい局面が予想される。
 しかしそれらは大局的な観点から考えればさしたる問題ではない。重要なのは戦う前にどれだけ優位な状態を作れるかであり、戦術で戦略を覆すのがサーヴァントだとしてもそれを政略で覆せばよいだけのことだ。


 戦いは、数なのである。


 バーサーカーはそれを痛いほど理解していた。彼女がこうしてサーヴァントという奴隷に身をやつすことになったのも、元を辿れば政治的に孤立したからだ。

 父である大魔王ジャネスが人間の勇者に暗殺されてから兄とも言うべき魔王ジャドウに国を追われるまでの数年、バーサーカーは常に政争と戦争に明け暮れてきた。
 新興魔族の世襲への反発、有力魔族の女性であることへの反発、年若いことからくる長老魔族の反発、半人であることから魔王と認めない魔族至上主義者との内戦、好機とばかりに魔族からの独立を図ろうとするゴブリンや吸血鬼やダークエルフなどとの関係悪化、そして何より新たなる魔王であるバーサーカーの首を獲ろうとする人類との戦争。あげればそれこそキリはない。
 そんな内憂外患を絵に描いたような状況で数年といえど国を治め、幾らかの失地回復に成功したのは、戦争での勝利よりも外交面での勝利が大きかった。
 内戦で国土を失おうと首都を死守し、外圧に怯える地方勢力や旧魔王軍残党を懐柔し、時に敵であるはずの人間や亜人とも同盟を結び、時に滅亡間近の勢力を属国にし、不和に漬け込み裏切りを薦め、万全の準備をもって勝てる戦争をし当然に勝つ。バーサーカーが戦場に立つ頃には、既に戦いの盛衰は決まっている。それこそが彼女が大魔王の後継者足ると内外に示した結果だ。

 そしてそんなバーサーカーが歴史の表舞台から姿を消したのも、まさしく外交面での敗北による。
 新たなる魔王の、それも彼女の兄と名乗る男の登場。戦死した英雄達の帰還。かつての魔族の栄光を思わせるその『魔王』が大陸に名を轟かせたとき、彼女の敗北は決まった。次々と懐柔した魔族が離反し、支配した土地での抵抗運動は魔族・人間問わず過激化、それを見て近隣諸国は漁夫の利を得ようと一斉に攻勢をかける。バーサーカーに味方したもの達も各個に撃破されていき、ついには魔王にその玉座を奪われた。
 最も国力を持ち最も軍事力を持ち最も経済力を持っていたはずの彼女の国は、ただひとつ手に入らなかった『権威』という政治力に、僅か一年で破れたのだ。



 さてそれでは今回は、この聖杯戦争はどうだろうか?
 彼女を脅かすような、権威、それが存在するだろうか?
 より正確に言うならば、彼女の権威を失墜させるような、彼女ではどうしようもない、それこそ魔王のような上位に君臨する存在はありうるであろうか。

 この聖杯戦争に、そんな権威を持つものはいないと、バーサーカーは判断する。

 聖杯戦争では、サーヴァントは誰しもフラット、平等である。そうバーサーカーは考えていた。簡単な話である。権威とは貨幣のようなものであり皆があると認めなければ存在することにならない。そして誰もサーヴァントに権威など認めない。認める意味がない。単に道具の価値でありその商品の性能を自慢するようなことはあれど、それだけだ。それは軍事力とでも言うべきものであり政治的な価値をなんら持たない。
 むしろそういった権威はこの場では有害ですらある、そうまでバーサーカーは考えていた。確かに権威というものは重要でありそれがあれば人は寄ってくるが、その人間がどの様な意図を持って寄ってくるかは選べない。権威にあてられておこぼれに預かろうとするハエならまだしも、権威自体に敵愾心を持って襲いかかってくるかもしれないのだ。国際関係がわかる普通の戦争でもそんな狂犬はやっかい極まりないというのにこんな誰が戦場にいるかもしれない場所でそのようなリスクを負うわけにはいかない。
 例えば、『神』という権威を持つサーヴァントは『神は絶対に殺す』という意思を持つサーヴァントにリスク度外視で襲われかねないのだ。こんな状況では外交などできようがない。特に宗教というのはかなり面倒くさいものであると、これもバーサーカーは認識していた。



 さて、話を戻そう。この場では、権威は有益ではない。しかし政略を行う上で数は力である。そして政略を行うためには権威が数を集める為に重要である。
 一見矛盾している。プラスの要素のためにマイナスの要素が必要になってしまう。

 ならば、プラスであるはずのものをマイナスにしてしまえば、マイナスがプラスになる。

 権威はなにも内に求めるものだけではない、外部に求めることも出来る。差別などまさにそれだ。外部をレッテル貼りして内部の団結を高めるという、彼女が忌み嫌う人類の習性。それを利用する。
 この聖杯戦争は、出る杭は打たれる。そして彼女の目にはこれ以上ない出まくりの杭があった。



 カルナ。太陽、神など、『ネバーランド大陸の者ならば』負の権威をオーバーフローしている存在が見えた。



 賢明な皆様ならお分かりだろうが普通『太陽』や『神』などというものはどちらかと言えばポジティブな意味を持つことを知っていると思う。よってこれで『アイツ太陽だよな、殺そう』などのようにレッテル貼りしようとすれば『お前はいったい何を言ってるんだ』と言われかねないし現に今、衛宮切嗣はバーサーカーと話しながらまさにその言葉が頭のなかでぐるぐるしてもう脳みそはてなマークだらけになっているが皆様は落ち着いて聞いてほしい。バーサーカーは悪くないんだこれには理由がある。

 バーサーカー達魔族にとって神というのは自分達を差別する象徴であり、人類というのはその神の愚かな鉄砲玉である。なにせ人類の持つ宗教は神を絶対視し魔族はもちろん人間以外は皆殺しというものだ。しかもそれを神から直接与えられて、時には勇者などという暗殺者を送り込んで様々なテロ活動をしてくる。迷惑以外の何物でもない。
 もちろんこんな宗教は人類からも人気が年々低くなっていった。一部とはいえ亜人は人間と共に暮らしていたし、なんなら魔族と人間が共に暮らすこともあった。そもそもバーサーカーはハーフだし。極めつけは勇者が大魔王を暗殺して大戦争が起きたことである。大魔王が倒されれば圧政がなくなるはずが、実際は軍閥やら新興宗教やらが勝手に重税を課し勝手に徴兵し気まぐれに家々を焼き強奪する。更には教会の不正が明かになりそれに神が関わっていたとなれば誰もこんな宗教なぞ信じようとはしなかった。バーサーカーが魔王であった時代から三十年後には、人類の普遍的な宗教からカルト宗教に扱いが180度変わり、魔族などめではないレベルで弾圧されるに至ったのだ。

 つまりバーサーカーの生きた時代は『神』というものはろくでもないという認識が魔族や亜人はおろか一部の人類にさえあり、とりわけ『最上の神』というものは『商売にも冒険にも戦争にも役に立たないどころか平和の役にも立たない神の屑』と言わんばかりの扱いなのである。



「冷静になれ、あれは恐らく神の系譜に属するものだ。それも、太陽の力を使う。あの光を見ろ、あれを野放しにはできないだろ。」
(なんだ、これは試されているのか?それとも何らかの合図か、いや、罠か?わからない、バーサーカーはいったい何を言いたいんだ……)
(なぜだ、神を前にして臆したのか?それともまさか、神の下僕か……?)
(待て、彼女はしきりに神という言葉を使っている。そこに意味があるのか?しかしそれだけであのサーヴァントを襲おうなどと言うのは今までの言動からは考えにくい。今だってバーサーカーはいたって冷静だ……本当にそうか?バーサーカーだぞ、内面は推し量れない。)
(わからないな、この男……衛宮切嗣、お前はいったい何を考えている……?)

((いったいなに考えてるんだ?))


 かくして、バーサーカーの政略は初っぱなからつまずいた。それぞれの価値観があまりにも違いすぎたのだ。もしここでうまくコミュニケーションがとれれば、優秀なリーダーと規格外のマスターと聖杯戦争の優勝者と聖杯の権能を用いるサーヴァントの四人が一丸となって動きこの聖杯戦争で活躍する確率は大きく高まるのだが、このまま不信が残れば新しい戦場に対応できない無能なリーダーと心に傷を負った幼いマスターと寿命で死にかけのマスターとサーヴァント擬きの四人は内部から崩れるだろう。



 四人の気まずい空気がガストの駐車場のはしっこで流れていく。



【新都・未遠川東岸付近ガスト店外駐車場/2014年8月1日(金)1026】

【衛宮切嗣@Fate/zero】
[状態]
五年間のブランク(精神面は復調傾向)、満腹、精神的疲労(小・消耗中)。
[残存霊呪]
三画。
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争を止め、なおかつクロエを元の世界に返す。
1.なぜバーサーカーはあの光のサーヴァント(カルナ)に敵意を見せるんだ?なにか意図が……?
2:アーチャーに色々と申し訳ない。
3.バーサーカーは苦手だがなんとか関係を改善しなくては。
4.戦闘は避けたいが協力者を募るためには‥‥?
5.装備を調えたいが先立つものが無い。調達しないと。
6.自宅として設定されているらしい屋敷(衛宮邸)に向かいたいが、足がない。避けたいが、アインツベルン城に泊まるか?。
7.冬木大橋が落ちたことに興味。
[備考]
●所持金は4万円。
●五年間のブランクとその間影響を受けていた聖杯の泥によって、体の基本的なスペックが下がったりキレがなくなったり魔術の腕が落ちたりしてます。無理をすれば全盛期の動きも不可能ではありませんが全体的に本調子ではありません。
●バーサーカーとそのマスター・ルナの外見特徴を知り、同盟(?)を組みました。好感度が下がりました。
●コンビニで雑貨を買いました。またカバンにアーチャー(クロエ)の私服等があります。
●バーサーカー(ヒロ)が更に苦手になりつつあります。
●セイバー(アルトリア)への好感度が上がりました。
●ココス店内の切嗣を不審者扱いする空気は解消されました。

【アーチャー(クロエ・フォン・アインツベルン)@Fate/kareid liner プリズマ☆イリヤ】
[状態]
筋力(10)/E、
耐久(20)/D、
敏捷(30)/C、
魔力(41)/B、
幸運(40)/B、
宝具(0)/-
実体化、満腹、魔力充実(微、上昇中)、私服、精神的疲労(小・消耗中)。
[思考・状況]
基本行動方針
衛宮切嗣を守り抜きたい。あと聖杯戦争を止めたい。
1.どうする……
2.なんなの、アイツ(ルナ)……ホムンクルス?少なくとも人間ではないと思う。
3.あんまりコイツ(ルナ)からは魔力貰いたくない……
4.冬木大橋が落ちたことに興味。
[備考]
●赤色の影をバーサーカーと、銀色の影をマスターの『ルナ』と認識しした。
●ルナをホムンクルスではないかと思っています。また忌避感を持ちました。
●バーサーカーと同盟(?)を組みました。
●夏用の私服を着ています。
●バーサーカーとルナを苦手になりつつあります。


【竜堂ルナ@妖界ナビ・ルナ】
[状態]
封印、肉体的疲労(大、回復中)、妖力消費(中)、信じられないぐらい満腹だ!、靴がボロボロ、服に傷み、気まずい、精神的疲労(微・消耗中)。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
みんなを生き返らせて、元の世界に帰る。バーサーカーさんを失いたくない。
1.どうしよう……
2.食べ過ぎて……
3.同盟を結んだ?らしい。
4.学校の保健室を基地にする‥‥いいのかな‥‥
5.誰かを傷つけたくない、けど‥‥
[備考]
●約一ヶ月の予選期間でバーサーカーを信頼(依存)したようです。
●修行して回避能力が上がりました。ステータスは変わりませんが経験は積んだようです。
●新都を偵察した後修行しました。感知能力はそこそこありますが、特に引っ掛からなかったようです。なお、屋上での訓練は目視の発見は難しいです。
●第三の目を封印したため、令呪の反応がおきにくくなります。また動物などに警戒されるようになることが減り、魔力探知にもかかりにくくなります。この状態で休息をとっている間妖力は回復します。
●身分証明書の類いは何も持っていません。また彼女の記録は、行方不明者や死亡者といった扱いを受けている可能性があります。
●食いしん坊です。
●店の空気に気づきませんでした。
●バーサーカーの【カリスマ:D-】の影響下に入りました。本来の彼女は直接的な攻撃を通常しませんが、バーサーカーの指示があった場合それに従う可能性があります。

【バーサーカー(ヒロ)@スペクトラルフォースシリーズ】
[状態]
筋力(20)/D+、
耐久(30)/C+、
敏捷(20)/D+、
魔力(40)/B++、
幸運(20)/D、
宝具(40)/B+
実体化、最低限の変装、精神的疲労(小・消耗中)、満腹。
[思考・状況]
基本行動方針
拠点を構築し、最大三組の主従と同盟を結んで安全を確保。その後に漁夫の利狙いで出撃。
1.なぜ衛宮切嗣はあの光のサーヴァント(カルナ)への敵意を見せないんだ?なにか意図が……?
2.あの光のサーヴァント(カルナ)が気に入らない。。
3.ルナがいろいろ心配。他の奴等に利用されないようにしないと。
4.切嗣と関係を改善させたいのだが……
5.冬木大橋が落ちたことに興味。学校を拠点にするのはひとまず先送り。
[備考]
●新都を偵察しましたが、拠点になりそうな場所は見つからなかったようです。
●同盟の優先順位はキャスター>セイバー>アーチャー>アサシン>バーサーカー>ライダー>ランサーです。とりあえず不可侵結んだら衣食住を提供させるつもりですが、そんなことはおくびにも出しません。
●衛宮切嗣&アーチャーと同盟を組みました。切嗣への好感度が下がりました。
●衛宮切嗣が更に苦手になりつつあります。
●狂化の幸運判定に成功しました。今回は狂化しませんでした。
●神を相手にした場合は神性が高いほど凶化しずらくなります。