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「解決策その一、アーチャーが一人一人載せて対岸に運ぶ。」
「解決策その二、私が一人一人抱えて一緒に飛ぶ。」
「解決策その三、あなたが三百円出してこの渡し船に乗る。」
「どれが一番いいと思う?」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「慎二くん。」
「シンジ。」
「わかったわかったよ!払えばいいんだろ払えば!ここまでのタクシー代払ったからには三百円ぐらいだすよコノヤロウ!!」
「大人物ね。」
「心得てるわね。」
「お前らほんと後で覚えとけよ人をATMみたいに使いやがって。」
「あ、向こう岸にもタクシーが止まってる。運が良い。」
「僕にとっては悪いけどな。いい加減現金が心細くなってきたぞ……」


 教会でのルーラーを交えた会話を終えたイリヤ達は、次なる目的地としてアインツベルン城を目指していた。

 同盟にはそれぞれ思うところはある。またその性質は相互不可侵の要素が強い。とはいえ、とにかく同盟は結ばれたのだ。それに内実はともかく、それぞれ強力なサーヴァントを従える間桐とアインツベルンという、御三家を中心とした陣容である。いまや彼らは、形だけならば聖杯戦争でも屈指の一大勢力であった。


「しっかし本当に渡し船なんてあるとはな。単なるデマだと思ってたけど、奇特なことをする奴がいるもんだ。」
「そんなに珍しいことなの?」
「珍しいていうより、そんなものをやる意味がわからないだろ。確かに市外まで出ないと橋がないとはいえ、普通の人間なら迂回するだろうな。」
「だからあの子をマスターと疑ったわけね。」
「ハズレだったけどな。NPCにも色々いるんだろ。まあ、無駄足にならないならいいさ。ほら、来たぞ。」


 そんな彼等だが一つの問題が横たわっていた。

 なんと、冬木大橋が落ちているのだ!

 これは由々しき事態である。タクシーの運転手に市西部の郊外にある森に行きたいと伝えたときに指摘され、なぜ自分はその事を忘れていたのかと慎二は自問自答したほどだ。まるでなにか、自分ではどうしようもできない高次の存在の作為とうっかりを考えすらしたが、さすがにそれは自分の思い過ごしだと思った。自分で橋を落としておいてその事を忘れて橋を渡らせようとする高次の存在などいないだろう。全く困ったものだ。

 それはさておき、慎二達は未遠川の東岸に来ていた。もちろん、その目的はアインツベルン城への到達のための、深山町側への渡河である。橋が落ちた今、転移でも使えない限りなんとかして河を飛ぶなりなんなりして渡らなければならないが、慎二が渡し船のボランティアがあるとの情報を聞きつけてひとまず向かってみることにしたのだ。
 そして現在、ボランティアを含めた付近の索敵やらその時に慎二に声をかけてきた地元民設定のNPCへの対応やら臓硯さんには大変お世話になってうんぬんかんぬんなどと言ってくる地元の名士の設定のNPC等との会話を一通り済ませ渡し船を利用する運びとなったのだ。
 なお、「なんで年寄りばっかなんだ?」と川岸を見渡して慎二は訝しんでいたが、それは魔術だとか神秘だとかは全く関係なく単に十年の歳月が冬木市民の高齢化をもたらしただけである。もっともおよそ五人に一人以上の割合で高齢者がいるという知識は恐らく聖杯戦争を行う上では必要ないだろう。

「募金お願いしまーす。」
「(ボランティアていう名前の商売だよな、これ)はい三百円。」
『近くで見ると、その……』
『水漏れとかしてるもんな……バレないように魔法でなんとかできないか?』
『少し加速させるくらいなら。』
『頼んだ。』

 二、三分後、慎二達の元にゆっくりと船がやって来た。荷物がないのが幸いだが、それでもマスター三人で乗ればかなり狭い。これで向こう岸まで一人百円の『募金』を求められるのは高いのか安いのかなんとも言いがたいところだ。
 アリスが一言二言呟くと、船に魔力が帯びる。それが何をもたらすのかは慎二にはわからなかったが、これで少しは快適な運行を期待するとしよう。

 とはいえ夏の暑さまでは防げるわけではない。容赦なく降る直射日光に思わず「変わらなきゃ良かったかも」慎二がと呟くと、イリヤは「キョウスケがいなくなって寂しい?」とからかうように聞いた。

「よせよ、つまらない冗談は。もっと人を集めるには、言い出しっぺのアイツが動いた方がいいってのが、一理あると思っただけさ。」
「だから買い出しに行かせたの?」
「適当に街をふらついててもこの分なら誰かしらと会うだろ。仲間を増やすには適任じゃないか。」
「でも変わるんじゃなかったて思ってる。」
「そりゃあ……」

 慎二は思わず仰ぎ見る。太陽はこれでもかとばかりに熱線を冬木市へと注いでいた。

「涼しいタクシーに乗ってる方が良いだろ。くそっ、なんで八月なんかにやるんだよ。春とか秋で良いだろ。そうじゃなくても冬ならいいけど、真夏じゃないか。汗が止まらない……」
「ちょっと!こっち近づかないでよ!汗がつくでしょ!」
「こっち来ないで。」
「お前ら僕に身動ぎ一つさせない気かよ!?仕方ないだろ暑いんだから!」
「アリス、つめて。」
「嫌。」
「僕を押しつけ合うな、おい。水かけるぞ。」

 「せっかく着替えたのにまた濡らす気!?」とか「一度海に落ちたんなら川に落ちても良いだろ」とか「ごめんなさい手が滑った」などと三人のマスターが騒ぐ度に、船が揺れる。後に船頭が「あの三人は一緒の船にのせちゃダメだよ、まとめ役がいないから」とボランティア仲間に語ったとも語ってないとも言われるが、正論だろう。

 とにもかくにも、船は進んでいく。一人が別行動をとり三人のマスターになった彼らは、冬木市西岸へと足を踏み入れた。



【未遠川西岸/2014年8月1日(金)0925】

【イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/stay night】
[状態]
メイド服(ワンピースとエプロン、ソックス)、満腹、頭痛、その他程度不明の命に別状はない怪我(全て治癒中)。
[装備]
特別製令呪、私服(ずぶ濡れ、磯臭い)。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
全員倒して優勝する。
1.タクシーでアインツベルン城に向かう。
2:キョウスケが別行動することになったけど……?
2.参加者が何千人もいる……!?
3:あのルーラー……ルーラーとしてはかなりいい加減ね。
3:とりあえずシンジとキョウスケとアリスと同盟を組んだけど……
[備考]
●第五次聖杯戦争途中からの参戦です。
●ランサー(幸村)、ランサー(アリシア)、アサシン(扉間)のステータス、一部スキルを視認しました。
●少なくともバーサーカー(サイト)とは遭遇しなかったようです。
●自宅はアインツベルン城に設定されていますが本人が認識できているとは限りません。
●バーサーカーと共に冬木大橋から落とされました。怪我の有無や魔力消費は不明です。
●アサシン(千手扉間)がハサンではない可能性に気づきました。
●アーチャー(赤城)、キャスター(パピヨン)、キャスター(フドウ)、ルーラー(イチゴ)のステータスを確認しました。
●参加者が何千人という規模であることを考え始めました。
●間桐慎二と色丞狂介に疑念を抱きました。


【アリス・マーガロイド@東方Project】
[状態]
健康、満腹。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
幻想郷に戻ることを第一とする。
1.とりあえず色丞狂介、間桐慎二、イリヤスフィール・フォン・アインツベルンと行動を共にする。
2.狂介が別行動しようとするのはーー
3.三千人、ね。
4.定期的に赤城の宝具で偵察。
5.できれば冬木大橋を直接調べたい。
6.人形を作りたいけど時間が……
7.聖杯戦争という魔法に興味。結界かあ……
[備考]
●予選中から引き継いだものがあるかは未確定です。
●バーサーカー(ヘラクレス)、キャスター(パピヨン)、キャスター(フドウ)、ルーラー(ミュウイチゴ)のステータスを確認しました。
●参加者が三千人いることを考え始めました。
●間桐慎二と色丞狂介に疑念を抱いきました。
●アインツベルン城の情報を知りました。


【間桐慎二@Fate/stay night 】
[状態]
高揚、疲労(小)、満腹。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯を手に入れる。何を願うかは後から決める。
1.同盟相手を募るのは狂介にとりあえず任せ、アインツベルン城を目指す。三千人いるなら誰かしら見つかるだろ。
2.あのルーラー、かなり軽いな。
3.ライダー(孫悟空)は許さない。
4.間桐家で陣地作成を行うと思っていたがアインツベルン城も悪くない。
5.会場と冬木市の差異に興味。新都に行ったら色々と調べてみるのも一興。
[備考]
●孫悟空のクラスとステータスを確認しました。
クラス・ライダー、筋力B耐久B敏捷B+魔力D幸運A
このステータスは全てキャスター(兵部京介)のヒュプノによる幻覚です。
●キャスター(パピヨン)、バーサーカー(ヘラクレス)、アーチャー(赤城)、ルーラー(イチゴ)のステータスを確認しました。
●この聖杯戦争を『冬木の聖杯戦争を魔術で再現した冬木とは別の聖杯戦争』だと認識しています。
●キャスター(パピヨン)とイリヤへの好感度が下がっています。
●マスターの人数が三千人、もしくはマスター千五百人サーヴァント千五百人程度だと思っています。