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 1330。

 ミーンミーン、ミーンミーンと、蝉がなく。
 暑い。今はサーヴァントであり昔は艦船であっても、人形をとっている以上体機能は人間に準ずる。そうなれば、寺の縁側に腰かけているアーチャー・赤城はうっすらと体が汗ばんでいた。
 吹く風は弱く、身じろきすると直ぐに汗が吹き出るが、じっとしていてれば平常に耐えれる、そんな気温。艤装を着けていないこともあり座っている分にはなんら問題はない。

 ちら、と目線を寺の奥へと飛ばす。なるほど、なにか魔術的なものでこの寺が覆われていたが、それは問題なく作動しているようだ。でなければバーサーカー・ヘラクレスが実体化していることに誰も驚かないという事態は起こらないだろう。

(なんとなく仏像に見えなくもないですね。)

 奈良にあるという金剛力士像だっだろうか?基本的に海にしかいなかった赤城はいかんせん内陸の事情には疎い。
 それはそうとして、サーヴァントがこうも実体化していてもなんら騒ぎにならないことは異常である。特に赤城はともかくヘラクレスは。先から寺の坊主や虫取にきた子供が時おりバーサーカーの周りをうろついているが、全く不思議がりはしない。それどころか目に入っていないかのようだ。精々、子供の一人があぐらを組んでいるヘラクレスの脚に虫かごを置いて中にクワガタを入れた程度だ。

(仏像と言えばこちらの方が。)

 赤城は視線を反対ーー寺の内へと向ける。寺に参拝に来た人がまず行き着くであろうその場所を見張るように、キャスター・フドウは蓮華座を組んで瞑想していた。こちらは端から見れば一目でサーヴァントとわかりはしないだろうが、それでも目につくことには変わりないだろう。しかし、ヘラクレスと同様に不思議がる人はいない。それどころか参拝者が彼に向かって拝む程だ。

(あれ、それってまずいんじゃ。)

 なんとなく認識阻害が効いているのか不安になるが、問題らしき問題は起きていない。キャスターを拝んだ人も直ぐにスッキリとした顔になるととっとと寺から出ていってしまうため人払いにはなっている、のだろうか?
 赤城がそんなことを気にしていると、背後からパチパチと拍手が聞こえてきた。障子を隔てた畳張りの部屋には翠屋のサーヴァント達が詰めていることを考えると、彼らがなにかやっているのだろうか。どれ一つ見てみようと障子に手を伸ばしかけて、止める。マスター達が話し合っている棟に向かうには赤城が今いるこの縁側の前に道を横切らねばならない。つまりここで道を見張っていればとりあえずは一安心だ。それならわざわざ声をかけにいく必要はないだろう。しかし、直接目視で見張った方が良いかも知れないという気も起きる。

「風通そうかーーあっ。」
「あっ。」

 スススス、と赤城が凝視していた障子が開いた。手をかけているライダーと座蒲団に座った二人のセイバーと目が合う。

「どうも、あの~、アーチャーさんもトランプやります?」
「トランプですか?」

 突然の提案に面喰らう。トランプ、トランプとはなんだ、なんでトランプなんだ。色々と疑問が頭にわく。

「じゃあ、折角ですんで。」

 とりあえず目で見て監視するということが混乱した頭で重要視され、なんとなく提案を受ける。気がつけば赤城は用意された座蒲団に座っていた。



 1340。

「じゃあ革命です。」
「!馬鹿な、キングは二枚私の手札に……!」
「このトランプ、ジョーカー二枚入ってますから。」
「くっ……考えましたね。」

 赤城の出した二枚のキングと二枚のジョーカーを恨めしそうにアルトリアは睨む。それを尻目にテレサはここぞとばかりに4や6を出していく。


 誘っても無言のままであったヘラクレスと丁重に断ったフドウを除く四人はとりあえず大富豪を始めていた。この部屋からはマスター達のいるお堂も障子越しに伺える。時おり動く人影にそれぞれが気を配りながら、カードを場に出していった。
 なお、このカードの裏面は全て五代雄介の名刺となっている。名刺の裏側をトランプの柄にすることで使用しているのだ。

「白のセイバーよ、なぜ小さい数字のカードばかり持っている?」
「配られたカードなんだから全員こんなものだろ。」
「なぜか絵札しかこないのです……これもユウスケ、貴方の手品ですか?」
「いや、普通にカットしただけなんだけど……」

 その後、何度やってもアルトリアに絵札が集まり途中で革命を食らうという展開ばかり起こった為に早々に大富豪はお開きになった。



 1400。

「4のスリーカードです。」
「俺もスリーカード。7が3つ」
「ワンペア。」
「ロイヤルストレートフラッシュです。」
「五代さん。」
「五代。」
「なにもしてないって!」
「そうです。これは正当なるゲームの結果。それにケチをつけるのは自分の実力の「アーチャー、もう一回大富豪やろう」「賛成です」やめないか!」

 その後怒濤の絵札のラッシュを繰り出すアルトリアを前にトランプではなくUNOをする運びとなった。



 1440。

 柳洞寺での会談開始から一時間経過。

「あっちも休憩に入ったようだな……ドロー4。」
「まさかお坊さんたちからお茶と羊羮を振る舞われるとはウノ、ドロー4、私はこういったものは食べたことはないはずなんですが、なぜか懐かしい気持ちになりますね。」
「冷ややかでいて滑らかな舌触りです……これはいったいどのようなもので作られているのでしょう……あ、ドロー4です。豆でしょうか?」
「ドロー4、小豆だね。お茶によく合うでしょう?」
「一周するとはな……」
「白(のセイバー)さん、16枚引いてください。」
「……悪いなアーチャー、ドロー2だ。」
「……えっ、えっ?」

 マスター達の会談開始から早一時間。四人のサーヴァント達はウノに興じていた。寺に来る人間はそこそこにいるが、やはり誰も実体化しているサーヴァントや閉鎖されたお堂に気を配りはしない。無意識の内に注意が反らされているのだろうか、横にヘラクレスの巨体があるにも関わらず近くの木を指差しながら寺の僧侶の一人が子供たちに虫の捕り方を教えていた。フドウの方を見れば、先程と同じように参拝者に拝まれている。違いがあるとすればその数が十人ほどにまで増えていることだろうか。お堂では障子の影からチョコが何やら立って話していることが推測される。念話で聞く限りだとランサー・カルナの話はとりあえず終わりこれから各々が見つけたサーヴァントの情報を共有する運びになったとのことだった。
 隣で難しい顔をしながら18枚のカードを引いた赤城を一瞥して、アルトリアは視線を手札に戻す。マスター達の話し合いは上手くいっている。こちらのサーヴァント達も全員見張れている。そしてこの寺に元から張られていた結界を考えると、現段階ではかなり心配する要素が少ないと言えるであろう。

「ドロー4!」
「……む、ドロー2です。」
「あ、六枚かあ……青セイバーさんウノ言ってないよね?」
「……!ウ、ウ「青(のセイバー)さんドロー4お願いします」……なるほど、気の抜けないゲームです。」

 五代と一緒にカードを引きながらアルトリアは三人を見る。こうしてこの三人を監視している限り、マスターの安全は確保され聖杯戦争遂行のための有意義な情報が手に入るであろう。もし視界外のキャスターかバーサーカーが動こうとも距離はこちらの方が近い上に一飛びで援護に踏み込める。それにこれまでの会談の状況を考えれば下手な真似はしないだろう、そう予想できた。願わくば、この状況が会談の終わりまで続いてほしいものだ。

「じゃあスキップ。」
「おっと……やるな。」
「白さんあと三枚ですか、気をつけないと。青さんドロー4持ってます?」

 もう一つ欲を言うのならば、青さんとか青セイバーさんとか呼ばれるのは辞めて欲しかった。



 1530。

 柳洞寺での会談開始から二時間経過。

『ああ、それでいい。あの黒いのは間違いなく五代と同じ魔力を持っている。』
 そうチョコと念話をしながら、テレサは「ユウスケ、桂馬はこういってこうか?」と将棋の駒はこつこつとやった。

 妖気探知を持つテレサからすれば、この状況はかなり楽なものだ。例え死角に居ようとも少しでも魔力を動かせばそれは手に取るようにわかる。故に、こうしてだらだらと動かず騒がず時間が流れていくというのは非常に都合が良い。不安要素はそれぞれのサーヴァントがこうして遊戯に興じている間も涼しい顔でマスターとの念話をしていることぐらいのものだが、そんなことを言い出したらきりがない。たとえその内容が謀略であったとしても、そこまで知ることはテレサにはできない以上放っておくべきだ。

「王手。たぶんこれで詰ませたと思います。」
「……まだだ。」
「あと三手かな?」
「そこに銀を打ってとられた後に銀ですね。」

 こうしてテレサが必死に玉を逃がしている今も、三人はそれぞれに念話をしている。チョコの話によると会談は最後の詰めに入ったらしいのでその為であろう。情報は紙に書かれて纏められるらしいので詳しいところまではわからないが、一応得るものはあったと言える。なによりあのカルナとぶつかるにあたって他の主従が後背をつく存在としてでなく共闘する存在とできそうなのはかなり良い。どの様なサーヴァントでもマスターを守りながらではまともに戦えないことはカルナが証明している以上間違いないのだから。

「こうです。」
「ダメか、参った。」

 目の前で玉をとっていったこのアーチャーも相当な頻度の念話をしていることを考えると、中々に難しいものであったと再確認する。だが今回でカルナに向けた包囲網をしけるかが鍵となるのは確実である。しくじるのは避けたい。

(言えることは全部言ったさ。)

 後は、チョコを信じることだ。



 1640。

 柳洞寺での会談開始から三時間経過。

「いえ、このようなものは……」「では寺の方に……」「ええ、全員見ますので……」

 しまった、そうフドウが思った時には遅かった。
 普段からマスターである慎二をある意味見守りある意味見張る為に、座禅を組み瞑想することで広く警戒をしていたのだが、まさかそれがこうも衆生を引き付けてしまうとは。
 少々念話に意識を傾けている間にいやに人が集まっていると感じていたが、いまや目を閉じていても軽く五十人はこちらを拝んでいるのがわかる。中には寺の僧侶もかなりの数がいて一心に経を読み上げるものや唯ひたすらに手に数珠を持ち拝むものもいる次第だ。

 ーー別にフドウはなにか魔術を使ったとかそういうわけでは全くなかった。セブンセンシズどころか小宇宙すら極力抑えてはいたのだ。ただいつものように瞑想を行うことで意識を集中させていたのだが、場所が悪かったのだ。
 寺で不動明王(聖闘士)が座禅を組んでいる。これを見れば敬虔な仏教徒であればあるほどそれに惹かれることになるのは当然の摂理である。本人としてはこんな聖杯戦争などという争いを起こしている模造された世界にまさかこれほどに信心のある人間がいるとは思っていなかったのだが、NPCと言えど信仰の篤い人間はいるということなのだろう。
 そしてもう一つ原因がある。それはフドウがサーヴァントらしさを限界まで消していたことだ。イリヤの張った認識阻害の結界には超常的な物を見たときに無意識に注意をそらすという効果もあったのだが、今回はそれはフドウには当てはまらなかった。寺院で袈裟を着た『魔術的な物を感じさせない』人間がいて『常識的な範囲内で』注目を集めてしまったのだ。もちろん、結界を出ればここでの出来事を段々と忘れていくようになってはいるのだが、一時的にでも注目を集めることには変わりなかった。

(これは、いったいどういうことなのでしょう……)

 その光景を見て、フドウを呼びに来た赤城はかなり遠巻きに足を止めた。長かった会談もようやく終わり一度全てのマスターとサーヴァントを集める向きになったので呼びに来たのだがまさかこんなことになっていたとは。少し目を離したと思っていたらなぜかキャスターが微かな後光と供に大勢に囲まれていた。なるほど、どうりで人が来ないわけだ、と感涙する人を見ながら思わずにいられない。

「■■■■■……」
「ひゃっ!?あ、すぐ行きます。」

 唸り声をあげながら手招きするバーサーカーに答えると、意を決して足を踏み出す。ここでこうしていても仕方ない。とにかくなんとか騒ぎにならないように回収しなくては。



【柳洞寺/2014年8月1日(金)1640】

【セイバー(アルトリア・ペンドラゴン)@Fate/stay night】
[状態]
筋力(50)/A、
耐久(40)/B、
敏捷(40)/B、
魔力(100)/A+、
幸運(100)/A+、
宝具(??)/EX、
アヴァロン使用不可、実体化。
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯の力で王の選定をやり直す
1:会談の成果を確認する。
2:帰ったらハヤブサの整備を凛に頼みましょう。
3:何故冬木が会場に……それにイリヤ……
[備考]
●第四次聖杯戦争の記憶を引き継いでいます。
●スズキGSX1300Rハヤブサを乗りこなせるようになっています。
騎乗スキルの低下を第四次聖杯戦争での経験とバイクの知識を深めることで補っているようです。
●スズキGSX1300Rハヤブサは小破していますが走行に影響はないようです。


【セイバー(テレサ)@クレイモア】
[状態]
筋力(40)/B+、
耐久(40)/B、
敏捷(80)/B+、
魔力(50)/A+、
幸運(20)/D、
宝具(40)/B、
実体化、妖気探知、剣が折れた、デルフリンガー所持
[思考・状況]
基本行動方針
当面、諜報活動に専念し戦闘は最低限に抑える
1:会談の成果を確認する。。
2:なんでライダー(五代)は黒いバーサーカー(小野寺)と同じ姿なんだ……?
3:悪くないな、この剣。
4:チョコの軽さを注意、ルーラーを色んな意味で警戒。
5:赤いランサーの真名を調べたいけど━━
6:バーサーカー(小野寺)の索敵能力は警戒しておく
7:真名ってこんな簡単に話していいものなのか?
8:これからどうするか……
[備考]
●赤いランサー(真田幸村)の真名と魔力とある程度の戦法、黒いバーサーカー(小野寺ユウスケ)の魔力とある程度の戦法を確認しましたがマスターではないのでステータス等は確認できていません。
●バーサーカー(小野寺ユウスケ)のベルト(霊石アマダム)が弱点部位だと何となく理解しました。ライダー(五代雄介)の弱点であるきもしてます。
●冬木大橋付近と自宅付近と病院付近で妖気探知していた結果、リップバーン・ライダー(五代雄介)・クロノ・バーサーカー(サイト)・ランサー(アリシア)・バーサーカー(ヘラクレス)・ルーラー(ミュウイチゴ)、アーチャー(ワイルド・ドッグ)、アサシン(千手扉間)、キャスター(兵部京介)、セイバー(アルトリア)、ランサー(カルナ)、イリヤ(pl)、バーサーカー(ヒロ)、デルフリンガーの魔力を把握しました。またおぼろげながら周囲にいた人間の気配も感じました。
●イリヤ(pl)とアーチャー(クロエ)の妖気を同一の物と誤認しました。
●妖気探知の範囲で現時点までに上記以外のサーヴァント・マスターの情報はありません。また霊体化中は妖気探知の能力が低下します。
●予選時にどの程度他のチームの情報を得ていたかは後の書き手さんにお任せします。
●病院に赤いランサー(真田幸村)がいると考えています。
●大剣が壊れましたが、量産品故に魔力で修復可能です。ただし短時間で修復するには多大な魔力が必要になります。
●セイバー(アルトリア)とライダー(五代)の真名を把握しました。
●携帯電話が使えません。


【赤城@艦隊これくしょん】
[状態]
筋力(20)/D、
耐久(150)/A++、
敏捷(20)/D、
魔力(10)/E、
幸運(30)/C、
宝具(30)/E+++
実体化、魔力増(微)。
[思考・状況]
基本行動方針
マスターを助ける。今度は失敗しない。
1.警戒を厳に、もしもの時は壁役に。
2:戦略資源(魔力等)をもっと備蓄したいなあ……
3:定期的に宝具で偵察し必要なら制空権を確保する。
[備考]
●アインツベルン城上空を宝具で偵察しました。
●アインツベルン城の情報を知りました。また赤城の宝具はアインツベルン城に施された魔術の影響を受けることを認識しました。


【ライダー(五代雄介)@仮面ライダークウガ】
[状態]
筋力(10)/E、
耐久(20)/D、
敏捷(10)/E、
魔力(10)/E、
幸運(40)/B、
宝具(??)/??
実体化
[思考・状況]
基本行動方針
クロノ君を助けながら聖杯戦争を止める
0.乗っているサーヴァントとは殺し合うしかないのか……
1.会談の成果を確認する。
2:テレサ達とアルトリア達と協力できれば……?
2.あの子(亘)は無事なのか……?
3.できたら協力してくれる人が欲しい
[備考]
●バーサーカー(小野寺ユウスケ)の存在には気づきました。
●封印エネルギーを込めた攻撃は「怪物」の属性を持つ者に追加ダメージを負わせることができるようです。
ただし封印エネルギーによるダメージは十分程度時間が経つと自然に回復してしまいます。
●テレサとアルトリアの真名を把握しました。
●セイバー(テレサ)からランサー(カルナ)についてちょっと聞きました。


【キャスター(フドウ)@聖闘士星矢Ω】
[状態]
筋力(30)/C、
耐久(40)/B、
敏捷(60)/C+、
魔力(100)/A+、
幸運(50)/A、
宝具(50)/A
実体化。
[思考・状況]
基本行動方針
マスター・慎二を見定める。今のまま聖杯を手にするならば━━
1.まずは場を納めねば……
2.今は慎二に従い、見定める。
3.求めるなら仏の道を説くというのも。
4.色丞狂介、か……
[備考]
●慎二への好感度が予選期間で更に下がりましたが不憫に思い始めました。見捨てることはありません。
●狂介に興味を持ちました。
●孫悟空が孫悟空でないことを見破っています。
●柳洞寺僧侶達を中心に『徳のある異国の高僧』として認識されました。この認識は結界発動中に柳洞寺の敷地から出ると徐々に薄れていきます。


【バーサーカー(ヘラクレス)@Fate/stay night】
[状態]
筋力(50)/A+、
耐久(50)/A、
敏捷(50)/A、
魔力(50)/A、
幸運(40)/B、
宝具(50)/A、
実体化、狂化スキル低下中。
[思考・状況]
基本行動方針
イリヤを守り抜く、敵は屠る。
[備考]
●イリヤと共に冬木大橋から落とされましたが少し流されたあと這い上がっできました。