まず困惑である。次が現状確認、支持、分析だ。そして洗面所で顔を洗う。目の裏に映る映像を見ながらコーヒーの匂いを嗅ぎ付けて、喫茶店部分へと足を向けた頃にはクロノ・ハラオウンは方針を固めていた。

 ここは、深山町の商店街にある『翠屋』。クロノ主従の本拠地であり同盟の本陣でもあるその場所には、今は一人と一騎しかいない。その代わりと言ってはなんだが、テーブルのおよそすべてには新聞や印刷された資料が置かれ、テレビは数分前までNHKがかれこれ数時間は流れるに任されている。そして本来は店の外に出してメニューなどが書かれていた黒板は、地図と写真とチョークの書き込みで好き放題に彩られていた。
 今より数時間前、無事チョコ達を護送した後、彼らは情報の収集に当たっていた。派手なものではなかった。最低限のエリアサーチを除いては、誰にでもできることだ。所謂ヒューミントである。新聞、ラジオ、テレビ、そしてネット、それらを手分けしてそれぞれに調べる。そういったメディアが主要な情報元となるほどこの聖杯戦争の情報は公のものとなっていた。誰かがサーヴァントやその戦闘による被害を動画といった形でネットへ上げ、それが話題になり、他のメディアでも取り上げられ、更に加速する。開戦より一日足らずで、国が介入するまでになっていた。
 クロノは、まとめた情報を睨んだ。その集まった情報ではなく、集まったという事実を考える。この聖杯戦争の世界では、少なくとも表向きは魔術といったものは存在しない。故にルーラーがその露呈を防いでいるものと見ていた。しかし、クロノにはわからなかった。これ程までに大事になると、ルーラーが機能していないとしか思えないからだ。集めた情報の質と量を考えると、自分一人がルーラーの立場だと仮定して考えても、もっと巧く隠蔽工作ができる。このルーラーは簡単な認識阻害の一つもできないと結論づけねばならないほどに、無能であった。そして、クロノはルーラーのサボタージュも真剣に考慮した。その目的は不明だが、ルーラーが意図的に事態の収拾ではなく混乱を喚起している可能性もある、と。そしてもう一つ、クロノには気になることがあった。柳洞寺に行った前後で、一部のNPCの動きに明確な差が発生していたことに気づいたのだ。その一部のNPCとは、魔力を持つNPCである。クロノが把握しているのは十数人程度だが、それぞれに使い魔を放ったり一所へ集まったりしているのを見るに、土着の魔術師役の彼らもなんらかの行動を取っているのは確実であった。これをどう解釈すべきか、クロノには直ぐには結論を出すことができなかった。そして、今も。

 クロノは、携帯を取るとチョコへとかけた。やはり、出ない。視線がライダー――五代雄介――と交わった。

 情報収集を終え小一時間の仮眠を取り、日付が変わるタイミングでルーラーがなにか行動を起こすのではと身構えていた所に起きた、ルーラーからの通達、そして停電と共に中断、更に冬木ハイアットホテルの二度の爆破。誰かがこの戦いを終わらせるために動いたと、クロノはそう思った。
 ライダーの千里眼で確認したところ、教会は跡形も無くなり、あの黒いバーサーカーがホテルの方角へ移動し、その矢先にホテルの最上階付近が爆発炎上した。その事実をクロノはライダーの煎れたコーヒーと共に咀嚼する。察せられるのはシンプルなストーリーだ。何者かが教会で念話による放送を行っていたルーラーを暗殺し、それと呼応してホテルの同盟を奇襲した。こう見てほぼ間違いなかろう。もっと突っ込んで考えれば、あの黒いバーサーカー主従がホテルの同盟を裏切った、と考えるべきか。だが、ことはそう単純ではないと脳内シナプスのどこかが警告するのも、聴こえた。

 とにかく、一つわかったことがある。それはチョコこと黒鳥千代子が死亡した可能性が高いということであり、ホテルの同盟が無力化されたと考えるべきであり、カルナの脅威に対抗する能力が大幅に弱体化したということである。

「五代さん、遠坂さんの方をお願いします。」

 そう言うと、クロノは再び電話をかけた。だが、今度の相手は違った。この電話に先方が出る確率は、高く見積もって四割。それでもこの電話が繋がらなければ、自分達に未来はないと。



「わかった、じゃあ間桐邸で。」

 そう言って電話を切った遠坂凛の元にセイバー――アルトリア・ペンドラゴン――が戻ってきたのは、あの停電から五分ほど経ってのことである。やや重くなってきた瞼をコークで覚醒させると、共に外出の準備を始めた。

 翠屋から帰宅後、凛はセイバーに警備とテレビニュースのザッピングを任せると、人形《ドール》の仕上げに取り掛かっていた。それは戦力の強化が目的であるが、ここに来て大きく重要度が増していたために最優先に行わねばならないと判断したのだ。なぜなら、クロノ達との同盟の破棄――より正確にはクロノ暗殺を視野に入れていたから。
 クロノはこの聖杯戦争において最も現実的な脅威の一つである、凛はそう考えていた。荒らし回っているカルナや、消極的ながらも一応は戦う気のあるテレサ主従であれば、その行動に一応の予想はつく。間桐達の同盟もそうだ、日和見主義的ではあるがプレイヤーとしての立場で動いている。しかしクロノは違う。あの男の動きは読めない。どこを見ているのかも何をしてくるのかもわからない相手と付き合うのは重大なリスクだ、と凛は評価していた。なんならカルナ辺りと適当に相討ちになってくれればいいのに、と。
 しかし状況が変わった。
 ルーラーすら闇討ちするような手合いがこの聖杯戦争にはいるのだ、ここはもうクロノがどうなどと考えるよりも自身の防衛体制を整えることが先決である。チョコにかけても繋がらない電話に危機感を抱いた彼女はそう判断を下すと、当面はクロノとの同盟を堅持する方針を選択した。あのセイバーを有していながらも脱落するのだ、騎士王を有するこちらとていつ同じように消し炭にされるかわかったものではない。下手人たる美遊・エーデルフェルトとバーサーカー――小野寺ユウスケ――、九重りんとアサシン――千手扉間――らの事情などつゆほども知らない凛はそんな危機感から、ライダーの間桐邸で落ち合うという提案を受け入れた。
 ――彼女からすれば正直なところ、討伐令のようなものを出されていたイリヤを擁する間桐の同盟との合流には若干の抵抗はあったが、妥協することとした。背に腹は変えられない。それに、ルーラーが死んだ、ないし行動不能と思われる現在においては、行動を共にしても主催者側からの横槍はそう簡単には来ないだろうとの楽観があった。ただ彼女が一つミスをしていたとすれば――

「バーサーカーではなくランサーとはね……正体を隠すスキルか宝具か、それとも……」
「まさかあれが演技だったとは、にわかには信じられません。」

 凛はイリヤのバーサーカーをランサーのカルナと誤認していた。ルーラーの途中で中断された放送、それに呼ばれたイリヤとランサー・カルナの組み合わせを、『ランサー・カルナのマスターもイリヤで、同姓同名のイリヤスフィール・フォン・アインツベルンが二人いる』のではなく、『カルナが二人いて、自称バーサーカーは本当はランサーである』と解釈したのだ。
 マスターのあんな長ったらしい名前で被るよりかは秘匿されていた真名が偶然か故意にか被った、セイバーが剣を隠したり限定的ながらもステルスができるようにあの自称バーサーカーもできる、実は五代と黒いバーサーカーのように一人しかいないはずの人間がなんらかの事情で二人になっているのではないか、と。そういう意味では凛は素直であった。

 勘違いに気づかぬまま、凛は支度を終え、最後に人形を鞄に入らせる。単純な身体能力ならセイバーと同等のスペックのそれは取り敢えず一体完成していた。燃費や諸々の事情でリミッターを掛けて最大でもBランク程度の性能に留めたが、使い捨てる局面が来たならばリミッターを外すことも考慮している。他の数体の人形は調整が間に合わなかったので精々Eランクといったものだが、なにかあればあちらの屋敷にまで呼び寄せよう。そう算段をつけると彼女はセイバーを伴って部屋を出ていった。

 同盟相手達は皆信用できず、そもそも聖杯戦争が続くかもわからない。そうだとしても、勝利を目指して突き進む以外に道はない。これまでに、彼女が未来を託せる人間にはついぞ出会わなかった。ならば、遠坂凛がやるしかない。それに、凛もここに死にに来たのではないのだ。自分がここに立つために捨て石になった者のためにも辿り着かねばならない。凛はスマホを手に取ると間桐慎二へとかけた。



「いやあ磐石過ぎて怖いなあ~聖杯戦争に愛されすぎぃ!」
(なんと愚かな。)

 もうすぐあの偽遠坂が自分を頼ってやって来る。翠屋の連中もホテルの連中も自分抜きには動けない。そう夢想して慎二が自室で高笑いするのを、キャスター――"乙女座の"フドウ――は地下で瞑想しながら聞いていた。
 キャスターの鎮座するそこ、蟲蔵は、本来なら犇めいているはずの蟲達は一匹たりともおらず、リフォームされるがままだ。蟲は間桐慎二の資産とはカウントされなかったのだが慎二にとってはどうでもよいことだった。それよりは、キャスターの陣地構築のスペースとなる方が重要である。陰気の極みといったそこは僅か数時間で数百年の時を経た寺のごとく静謐な空間へと変わり、霊地ということもあり慎二から体力という形で徴収される魔力もまた減っていた。

(負ける気がしないなあ……!)

 そして、慎二は調子に乗っていた。
 聖杯戦争開幕初日である昨日一日を振り返って、慎二はこれ満足といった顔である。
 一月かけて行われる戦いの第一日目にして、十組を越える主従の情報が手に入り、幾人ものマスターとサーヴァントを従えている。こんなことはなかなかできることではない。どう見ても主人公である。才色兼備に加えてこの優位性に、更に高僧をサーヴァントとして従える。他のマスター達にごめんなさいと謝りたいぐらいに圧倒的な強さだ、と阿呆なことを本気も本気で考えていた。それがひしひしとキャスターに伝わってくるのだが、しかし諌めようなどとはキャスターは考えていなかった。分不相応な力を凡夫が持てばああもなろうと、どこぞの英雄王が道化を見るのとほぼ同じ視線で見ていた。
 キャスターは意識を屋敷の中にいるアーチャーとのび太へと向ける。彼としては、こちらの二人の方が好感が持てる。特にのび太は良い。慎二より更に矮小な匹夫ではあるが、しかし匹夫であることを自覚している。生地獄を味わうぐらいならば救済を、とも考えたが、あれは修羅の如く前へと進もうとするだろう。あの年で元からその境地に立っていたのかそれともサーヴァントを失ったことで目覚めたのかは不明だが、叶うのならばその歩く道が見たい、そうキャスターには思えた。

 聖杯戦争の盤面は大きく動いている。ルーラーは襲われ、ホテルでは死人が出て、そして今キャスター主従の手には多くの手札がある。このまま同盟を発展させるのかそれとも。優勝を目指すのかそれとも。必勝法に乗るのかそれとも。カルナを討つのかそれとも。そして、聖杯戦争はこれからも続くのか、それとも……


 思考を巡らせている間に外からバイクのエンジン音が聞こえてくることにキャスターは気がついた。そして気持ちも切り替える。

「マスター、セイバー主従が到着したようです。」
「うん、わかった。出迎えてあげないとね。キャスター、アーチャー達も呼んどいてよ。」
「はっ……」

 キャスターは静かに霊体化する。慎二がこのまま餓鬼のようなままで抱えた物に押し潰されていくのか、それとも凡夫なりに成長し前へと進むのか、見定めたい。そう思って。



 ■  ■   ■    ■     ■      ■       ■        



(クソオオオォォォォォ!!なんで、なんで人の家で焼身自殺なんかするんだよっ!しかも、よりによって!僕の家でっ!!)

 約二時間後、自室のベッドに八つ当たりする慎二の姿が間桐邸にあった。

 いったい彼がなぜそのように悶絶しているのか。それを説明するにはこの空白の二時間――正確には一時間四八分だが、それは話の本筋に関係無いのでここでは二時間とさせていただく――について話さねばならないのだが、起こったこと全てを話すとなると冗長が過ぎるのでかいつまんで箇条書きで説明させてもらうことを許してもらいたい。なにせアーチャー・赤城とのび太とライダーと慎二のマリオカート対決や遠坂凛とアリスの人形談義について知りたいという方はごくごく少数であろうしそれは慎二が声を圧し殺して呻いていることとは直接関係はしないからである。というわけで、じゃあなんで慎二はジタバタしてるんだよ、というもっともな疑問にお答えしたい。



1.日付が変わるタイミングで色々起こったので翠屋と間桐邸の二つの同盟で一度集まることとなり、野比のび太とアーチャー――安藤まほろ――を受け入れていた間桐邸にクロノ主従と遠坂主従が合流する。その後アリス・マーガトロイド&アーチャー主従も合流し、善後策を話したりイリヤ主従はどこに行ったのかという話になったりルーラー死んだんじゃね?という話をしたりする。

2.四組+αで話しているところにホテルの同盟から連絡があり、カルナから避難してそちらと合流したいと申し出がなされる。慎二達はこれを受け入れ、ホテルの同盟からマスター五人――内訳は、日野茜、高遠いおり、色丞狂介、九重りん、美遊・エーデルフェルト――と吸血鬼四十余名――内訳は、教授、シュレディンガー准尉、大尉、他最後の大隊隸下約一個小隊ほど――が間桐邸に合流する。

3.合計してマスター十人サーヴァント五騎吸血鬼数十人となり合流の時にゴタゴタしている間にマスターの一人の九重りんが突如自分の身体にアロマオイルを掛け焼身自殺を試みる。



 以上のようなことがこの二時間の間に起こったことである。特に問題は3だ。三つの同盟が合流したのはつい十分も経っていない先程のことである。その数分と言って良い僅かな間に大きなアクシデントが起こってしまった。

 慎二は思い切り枕を殴り付けたのを最後にベッドから起き上がる。これから全マスター、もとい令呪による体調不良などで話せない狂介以外のホテルの同盟のマスターを除いたマスター全員で話し合いが行われるのだ。その議題は多岐にわたる。カルナとの戦闘について、ホテルで何が起きたかについて、りんの自殺未遂について、ルーラーとその放送について、そして互いの様々な情報について。特にカルナは今も戦闘が行われているのだ、派兵を求めるホテル側は早急な会談を求めていた。

『キャスター!陣地は使えるんだよなあっ!』
『もちろん。』

 慎二は会談の場所にキャスターの陣地を選んでいた。それは単純にサーヴァントの宝具を打ち込まれることを恐れたからだ。同盟の盟主としてある程度のリスクを受け入れる覚悟をクロノ達と合流するときは決めていたが、今やそんなものはとっくに捨てていた。ホテルの同盟から聞かされたカルナの威力の体験や二度の爆破の情報は、すっかり慎二の方針を籠城へと傾けたのだ。本当なら、彼としては一刻も早く冬木市から脱出したいくらいなのではあるが、もちろんそんなことはできない上に冬木市内を移動するのにも様々な混乱が予想される、それならばキャスターの陣地で防御を固めよう、という魂胆である。仮にもキャスターの陣地ならばあの隕石のような宝具が飛んできても耐えられると信じたい、それが慎二の本音であった。

「うおっ!?な、なんだアリスか、驚かすなよ……」
「あらごめんなさい。少し話したいことがあって。」
「それって今話さなくちゃいけないことなんだろうな?」

 部屋を出たところで待ち構えていたアリスに慎二は驚いた。実は彼女はずっと前からそこにいたのだが、当然アリスもキャスターもそんなことは伝えるわけがない。全く心のこもっていない謝罪を一つすると、アリスは話始めた。

「良いニュースと悪いニュースがある……良いニュースは、チョコのセイバーと真田幸村がカルナを撃退した。カルナは逃げたようね。」
「それは本当か!?ははっ、なんだそうか!いや、どうせなら悪いニュースから聞きたかったけど、まあ良いや。そうだよあっちにはサーヴァント六騎に吸血鬼がウン百人だろ?まあそうなるのも当然かな。」
「じゃあ、悪いニュース……カルナは深山側、つまり私達の方に逃げ込んでくるわ。」
「ふざけるなっ!!」

 慎二は口から泡を飛ばした。



「ですのでまずは凛さ……九重りんさんの治療を優先すべきです。」
「反対ね。カルナは既にこちらに接近している。もう間もなく川を越えるわ、まずはそちらの対応をすべきでしょ。」
「僕もアリスに賛成だ。だいたい、いくら僕のキャスターの陣地があるからって過信しないでくれよ。このままじゃみんなまとめて全滅だ。」
「治療するのは私ですし、どっちが先でも良いですよ?どのみちオペ中は皆さんにカルナの足止めをお願いしますから。」
「りんちゃんもだけど、いおりちゃんと茜ちゃんも意識がないって本当なのか、教授?」

 クロノにアリス、慎二に教授、そして狂介が言い争うのは、間桐邸地下にある蟲蔵に設けられたフドウの陣地。処女宮に比べればあばら屋同然ではあるが小さな花が一面に咲くその穏やかな空間で、狂介達マスターは穏やかではない口論をしていた。即ち、カルナ迎撃と傷病者の治療、どちらを優先するかである。
 新都での決戦により深手を負ったらしいカルナは現在西進しており、その進路上に間桐邸があるというのがアリスからもたらされた情報である。もちろんカルナの動きは内通者である美遊の手引きであるのだが、当然そのことを知らぬ一同は、その動きへの対応と解釈を必要としていた。そして同時に、つい先程起こった九重りんの自殺未遂も大きな懸案事項であった。これもある意味美遊の仕業ではあるのだが、やはりそんなことを知らぬ――もっとも疑ってはいるのでこの場に出席させずに拘束しているのだが――一同は、なぜ突如凶行に走ったのか、それとも何者かによる攻撃なのか、怪我の程度はどうなのか、と憶測を走らせていた。

「ええ、あの二人には魔術回路が無いようで、令呪のあった腕部を中心に内出血や炎症を起こしているようです。例えるなら、水道管を使って都市ガスを送ろうとするようなものですからね、まあできる範囲でなんとかしようとは思いますが、医学的に考えれば三人とも日の出の頃には息を引き取るでしょうな。」
「そっか……病院が封鎖されてなければ……」

 嘘である。脳出血を起こした茜と自殺を図った際に頭を強く打っていたりんは確かに手の施しようがないが、いおりの方は元々肉体が改造を受けていることもありダメージそのものはあるものの生命維持に関しては『死にはしない』程度である。だがそんなことを馬鹿正直に伝える義理も、茜達が死んでそれを自分の医療ミスだと糾弾されるリスクをとるメリットも、もちろん教授にはなかった。

「……だそうよ。私は、あの三人は、避難所にでも置いてくるのが一番だと思う。運が良ければ、市内で治療を受けられるかもしれないでしょ?それが同盟相手に対しての誠実な対応だと思うけれど。」
「ですな。運良く市内の診療所なりに運ばれてそこに天才脳外科医がいれば命が助かる可能性はゼロではありません。私の手術道具は今ごろホテルの瓦礫の下でしょうし、あの三人の為を思うならそれが最善の手だと思いますよ?ああ、クロノさんやアリスさんの魔術で脳外科の治療ができるのならば、医者として助力を願いますが。」
「……わかりました。日野茜、九重りん、高遠いおり、この三名のことを考えれば、確かにそれ以外に方法はありません。この近くの避難所は穂群原学園でしたね。そこに送りましょう。」
「でしたら我々が搬送しましょう。なに、人手は余ってますから。」

 ついでに言えば、茜達傷病者について関心があるのはクロノとライダー、のび太とまほろ、それに先程まで同じように気絶していた狂介の五人しかいなかった。あとの人間は迫るカルナの対策こそが最優先事項であり、なぜりんが自殺しようとしたのかということには注意をするものの、りん本人が死のうが生きようがどうでもいいか残しておくと厄介なアサシンを確実に殺すために早く死んでほしいとすら思っていた。そもそもこの場でりんと面識があるのは狂介のみであり、アリスなどにとっては何人もいる幼女の一人が死にかけているといった認識である。これが『必勝法』の協力者であるならば助けようとも考えるが、サーヴァントを失ったいおり一人助けるぐらいなら殺し合いに乗っている可能性がある人間にはせっかくなので死んでおいてほしいという考えもなくもない。慎二に至っては変に生きていられると凶行を止められなかった自分の責任になりかねないと考えてさっさと死ねと心の中で祈っているほどである。

「では、私は手配の準備があるのでこれで。クロノさん、代わりに議事録を頼めますか?」
「ふう……これでようやくカルナのことが話せるな。で、アリス、今はどの辺りだ?」
「川を越えて、ちょうどこの屋敷と海岸線の中間地点ね。少し前から飛ぶのをやめて走ってて、ルートが海よりに曲がってる。それと、ヘリコプター?が、着いてきてるわ。」
「あんだけ炎出して飛んでたらそりゃマスコミも見つけるよな。クソッ、下手に手を出すとこっちもテレビに晒されかねない。」

 教授は足早に出ていき、クロノは無表情にメモを取り、慎二やアリスはいおり達のことなど忘れたかのように話をする。
 おかしいよ、とこの会議で唯一これまで一度も声を発していないのび太にはそう思えた。
 のび太は叫びたかった。みんな目を覚ましてほしいと。つい数時間前に共に話し、この聖杯戦争を止めようとする仲間になったいおりをあっさりと見捨てたことに憤っていた。それをなんとか気合いで押さえて声を出さないよう踏ん張る。わざわざ麻雀やゲームといった隠蔽工作をして筆談で『必勝法』をやり取りしたのだ、まだそれを知らない凛や教授にバラすわけにはいかないしそんなことをすればこの聖杯戦争の主催者に妨害されてしまうだろう。だがそれでも、一緒に協力する仲間だと思っていた慎二やアリスの言動はあまりにも冷酷なものに思えたのであった。

 のび太は狂介を見た。狂介なら、なにか言ってくれるのではないか、そう思い眼差して、目が合い、首を力なく横に振られて、伏せる。のび太はクロノを見る。視線はノートから動くことはない。のび太は手のひらに爪を食い込ませた。

 もちろんのび太もわかってはいるのだ。あのスーパーでの戦いで令呪を使ったマスターは皆気絶していた。あの時はホテルで教授が手当てをすることでなんとかなったのであろうが、今はそれが出来ないという。その上病院は爆破予告で使えなくなっていて、冬木市から出れば死ぬことになっていて、しかも町中いつの間にか警察だらけで学校に避難しようとか言われて、もうまともな治療なんて期待できないことはわかっているのだ。だがそれでも、という気持ちのおさまりがつかないのだ。

 ポケットに突っ込んでいた四次元ポケットを握る。やはりふにゃりふにゃりと力を逃がすそれは、この状況を打開するにはなんの役にも立ってくれない。頭に巻いた決心ハチマキの『決心』は、『聖杯戦争を止める』ことであり、戦いを巻き起こすカルナを止めることを最優先に動けば――この場で彼女達を見捨てれば――それは確かに決心の通りで、のび太の求めたものではないものだ。せめて病気を治すひみつ道具でもあれば良かったのだが、そういった消耗品は基本的にドラえもんのポケットでは希少であり、数少ないそれも頭の中を治すのに使ってよいかのび太にはわからない代物であった。
 無力という言葉はのび太の辞書に無いが情けないという文字はある。まさしく、情けない。貧弱な語彙力の為にそうとしか形容できないが、目を閉じると浮かぶドラえもん役にもナノカの顔を見ると、途方もなく自分自身が情けなく、のび太には思えた。だがそれも、本当の意味で自覚したものではなかったと、のび太はすぐ思い知ることとなる。


「九重りんが死んだ。」


 手のひらの薄皮が破れ血が出る頃にシュレディンガー准尉から報告されたそれは、のび太の手から力を失わせた。

 会議は一瞬止まったものの、りんについて一言二言触れただけでカルナの話へと戻る。凛にとっても慎二にとっても、彼女の死は「アサシンにとどめが刺さった」という、アサシンのオマケとしての価値しかない。名前もろくに知らない女の子が死んだことよりも、それより差し迫った危機への対処が優先すべきことなのだ、ということはのび太も良くわかっていると自分では思っている。慎二やライダーに『必勝法』について話したのはのび太自身なのだ、それなのに慎二がカルナのことを優先するのはそれはみんなのためだ、そうのび太は信じている。
 だがそれでも。


 ――のび太は、意を決して立ち上がった。



「だから、私は……はん、犯人じゃ、ないんです……私は、りんちゃ、りんちゃんを、殺したりなんて、そんなことしてません!!」
「やましいことがなければそんなに感情的にならないと思いますがね……あまり大きな声を出すとお体に障りますよ?」

 間桐邸の地上部分。九重りんが焼身自殺を図った部屋のすぐ隣で日野茜は朦朧とした意識の中で教授から取り調べを受けていた。件の部屋は既に吸血鬼達によって鎮火され、そこを待機所として宛がわれていた茜達女性陣はそれぞれ別の部屋で『護衛』されている。つまりは一人一人隔離されての尋問である。
 りん達負傷者の対応を口実に会議を抜けてきた教授であったが、そんな雑事は吸血鬼に丸投げして尋問に加わっていた。狙うは、日野茜一人。昏倒しているいおりや魔術が使える美遊よりも、体力を消耗しながらも話はできる茜から話せるうちに話させておこうという腹積もりである。死なれる前にどこまで都合良く使い倒せるかだ。そしてちょうどもう一枚切り札もある。教授が指をならすと、それは吸血鬼達によって担架で運ばれてきた。

「りんちゃん……?その、その、服……」
「私としても、故人は丁重に扱いたいのでね。」
「そ、それって……!」
「ご覧の通りです。九重りんの死体ですよ。」

 教授が茜を直接尋問しに来たのはこのカードが――九重りんの死体が使えるからである。

 茜は動揺した。それはただでさえ相次ぐ怪我と二画目の令呪で弱った心身へ痛打を与えた。そして教授は、それをこの聖杯戦争の誰よりも理解していた。だからここにいるのだ。
 茜が人の死に大きなショックを受けることはホテルのあの人民裁判でとっくりと観察している。マイケルの時と同様に付き合いの長いものの死体を、それも目の前に見せれば確実に動揺すると教授は踏んでいた。ゆえに、りんが都合良く死んだことで、これを着飾らせ――茜に勝ってもらったらしい服は燃えたので、二人が買い物をしたときに着ていたであろう服装だ――、死化粧を施し、焼けた肉の匂いを若干消臭して目の前に突きつけたのだ。このラインならば、発狂させずに追い詰めることができると考えたのである。

「火傷は大したことはなかったんですが、後頭部の強打で脳が損傷していて手の施しようがありませんでした。子供の頭蓋骨が脳を傷つけるレベルで骨折するなんてことはただ単に転んでぶつけた程度では考えにくいんですがね。それこそまるで誰かに突き飛ばされたか頭を叩きつきられたみたいに……」
「かといって自殺というのは考えがたい。自分の頭をあれほどの損傷が起きるレベルで強打させることなど常人には、まして子供には不可能です。強力なマインドコントロールにでもかかっていれば別ですが。」
「さて、実は他に気になることがもう一つあります。黒鳥苺、高遠いおり、色丞狂介、美遊・エインズワーズ……貴女も知っているこの四人には共通点があります。それはいったいなにか……」
「――魔術です。といってもそれぞれ系統は違うので一くくりに魔術というのは語弊がありますが、この四名はいずれも超常能力を持つのです。苺氏と美遊氏はオーソドックスな魔女、狂介氏は変身ヒーローのような身体能力、そしていおり氏は実はサイボーグです。我らがライダーのマスターも、実はイギリス国教会に属する者でしてね、まあつまりは、特別な力のある人間がマスターに選ばれるというわけなんですよ。といっても、美遊の言うようにそういった力は隠すものですがな。」
「つまり――貴女はマインドコントロールの能力を持ったアイドルなのです。貴女には自覚がないかもしれませんがね。」

 茜には、もう教授の言葉などほとんど入ってこなかった。
 そもそも今自分が何を考えているのか、どこが痛いのか、何をすべきかもわかっていない。精神的にも物理的にも頭が回らなくなり、思考回路はとうにショートしている。もちろん教授の詭弁にも虚偽にも気づくこともない。教授もそう確信している。だから茜を狙ったのだ。故に畳み掛ける。いやいやと首を横に振る茜の肩に手を置き、その目を覗き込みながら諭すように話し始めた。

「そうやって意地を張り続ける貴女を見て、死んでいったマイケル氏やアーチャーや、りんちゃんやアサシンはどんな顔をするでしょうかね。」
「貴女の周りからいなくなっていった人達の顔を、今の貴女は見れますか?死んでいった人達が喜ぶと思いますか?」
「確かに失われた命は戻ってきません。貴女を庇って死んだマイケル氏も、今貴女が抱いているりんちゃんも、もう生き返ることはありません。」
「ですがね……貴女はやり直せるんです。まだ生きているのだから。『私がホテルに爆弾を仕掛けて、カルナに情報を流して、りんちゃんを殺しました』と言えば!」
「貴女が罪を認めれば、助かる命があるんです。罪を重ねた貴女でも、手を伸ばせば届くんです。」
「それともランサーを、真田幸村をまた見殺しにする気ですか!!恥を知りなさぁい!!!」

 とんでもない無茶苦茶な論理性の欠片もない説得のせの字もない捲し立てだが、茜はようなタイプには理より情である。少佐殿ならこんな感じで煽動するだろうと思いながら、顔は真剣そのものといった表情をつくって茜を睨む。人間、熱の籠った言葉には動かされてしまうものだ。まともな頭があれば引くだろうが、まず頭の悪い奴を丸め込み、空気をつくり、下から熱狂を広げていく。まるっきりナチスのやり方だ。
 そして取り出すのは、一台のタブレット。映るのは、生き埋めにされて拘束されている真田幸村。

 茜のさざなみのように揺れる瞳が止まった。
 教授は心で笑った。

 彼女は脅しても自白することはないだろうし無理をすればそれだけでショック死しかねない。だが自分の今や唯一の親しい人物のためならば、彼女は放っておけない。

 日野茜は落ちる。いやもう落ちている。あとはいつ口を動かせるだけの気力と体力が回復するかだ。
 とにかくこれで形式的には茜が犯人ということで幕引きが図れる。おそらく九重りん殺しは美遊が犯人だが、彼女単独ではホテルの一連の事件は可能とは思えない上に魔力タンクとしての利用価値もある。補給の手段が断たれた教授達残党にとって彼女は生命線だ。とりあえずホテルの殿軍と合流するまでは生かしておきたいと考えていた。

「わたしが……」
「わたしが……やりました。」
「わたしが……わたしが、ホテルにバクダンをしかけて……カルナに、ジョウホウをながして……りんちゃんをころしました……」

 賭けに勝ったと、教授は笑った。

 元々分の良い賭けではあったが、もし茜の容態が急変したら、もし幸村の映像を茜に見せる段階で機器に問題が生じれば、もしこの取り調べを妨害されれば、結果はわからなかった。一応そういったことのないように実は対策をとっていたが、とにもかくにも茜は落ちたのだ。ここからは鮮度が落ちないうちに一気に料理する。

『なぜだああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!』

 幸村の慟哭がタブレット越しに聞こえる。そのタブレットを抱き抱えて泣く茜には目もくれず、教授は茜の手の令呪を見る。今の精神薄弱な茜ならば丸め込んで令呪を使わせるのも容易だと教授は考えていた。初めは少佐を暗殺された腹立ち紛れ半分にマスター達を追い詰めたが、これならば彼女の令呪は有効活用できそうだ。手術道具もなく負傷したマスターの治療も延命も吸血鬼化も不可能な以上、あれを抱え落ちさせないにはこの手に限る、そう教授は笑うとタブレットの回線を切り茜の耳元へと口を近づけた。



「向こうは終わったみたいだね。」
「そう。」
「聞こえてたくせに。」

 教授が茜を追い詰めていた隣室ではシュレディンガー准尉らが美遊の尋問を行っていた。いくら間桐の屋敷とはいえ、あの茜の大声を遮るにはまるで無力である。ろくに呂律の回らない彼女の叫びでもまるで同じ部屋にいるかのようだ。
 美遊は努めて顔に出ないようにしてほくそえむ。一時はどうなることかと思ったが、教授がうまく追い込んでくれたようだ。これで、ホテルの主従八組のうち美遊達を除いた七組が脱落することとなる。表向きは美遊のバーサーカーも脱落したこととしているので、これにてホテルの同盟はめでたく壊滅だ。たしかルーラーは残り十六組と言っていたので、残りは八組。そのうち美遊は遠坂凛とイリヤスフィール・フォン・アインツベルンの二組は確実に協力できるものとし、もう一人のクウガを従えるクロノ・ハラオウン、底知れぬものを感じさせるアリス・マーガトロイド、どこかの誰かに似ているキャスターを従える間桐慎二、そしてあのヘラクレスらしきサーヴァントを従えているという偽イリヤの四組を仮想敵としていた。カルナの負傷の程度は不明だが、うまく立ち回ればまだ見ぬ二組と協力して五対四に持ち込むことも可能だろう。

 ――この時、自分が無意識の内に遠坂凛を自身の知る遠坂凛と思い込んでいることに、美遊は気づいていなかった。カルナやルビーからその死の情報を得ていたにもかかわらず、自身の策略で都合七組を落としたという事実にがらにもなく慢心した、としか説明がつかないだろう。あの黒化英霊達よりも厄介であろうサーヴァント達を撃破したことで自分自身でもサファイアをもってしてもわからない、ほんの小さな油断が彼女に生まれたのだ――

「君、自分じゃ気づいてないかも知れないけれど笑ってるよ。」
「無実だってわかってもらえて嬉しいだけ。」

 良く言うよ、と言ってシュレディンガー准尉は席を立つと部屋の扉を開けた。とにかく幕は下りたのだ、もはや尋問の大義名分はない。そうして部屋を出て吸血鬼達に囲まれながら地下へと移動を、という段階になって、廊下で憔悴しきった様子で車椅子に乗せられている茜と、同じく車椅子にもたれて土気色の顔を晒すいおりにそれを押す教授、そしてアーチャー・赤城に出くわした。

「カルナは少し前から霊体化しています。もう猶予は……」
「その事ですがね、重症者は治療の可能性を考えて避難所に送ろうということになりまして。」
「重症者というと、ホテルの方の三名という?」
「いや、さっき二名になりました。」

 五人と吸血鬼達に向かって話す赤城に、教授は美遊達を横目で見て話す。美遊はそれを見ながら、視界の端では茜といおりの手を捉える。九重りんを殺したときは一画残っていた茜のそれは、いまや若干の痣が残るだけだ。おおかたゆすって何かしら使わせたのだろうと美遊は推測した。ランサーを自害させたというのは考えにくいので自分に従うようにでも命じさせたか。一方いおりの方は令呪はそのままである。こちらはもう目覚めることはなさそうだと、美遊は思った。

(クソ……目が、爆発したみたいだ……喉も……クソ!クソ!)

 実際にはいおりは意識があり聴覚も生きていたのだが、ともすれば呼吸すら止まりかねない全身の虚脱により、茜同様まるでなんら行動を起こせない有り様である。もはや彼には自分の念話にアリシアが答えないことを、アリシアが消滅したのか念話ができていないのか判断するだけの能力も無かった。

 そうして話す一同の前に、更に別の人影が廊下の端から近づく。会議を終えて地上へと上がってきた遠坂凛であった。彼女は自分に視線を送る美遊に気づくもそれには触れない。美遊はそれを自身との関係を勘づかれないためと解釈したが、もちろんそんなことは無かった。

「話はどうなりましたか?」
「決まった。私のセイバーとライダーとキャスター、それにアリスのアーチャーの四騎で仕掛ける。あとの人間は決着がつくまでキャスターの陣地で籠城、OK?」
「なるほど、ではこちらも茜さん達を早く運ばないと。ああ、既に手配は終わっているのでご安心を。」
「残念だけど、それは後にしてもらう……このタイミングで単独行動して下手に勘繰られたくないでしょ?」
「ああ……確かに、こういうときってあれですよね、映画とかだと主人公達が二手に別れると片方が爆死するフラグですな?」
「そういうこと。ホテルの二の舞は嫌でしょう?」
「ええ、全く。」

 早足で地下へと皆向かう。内通者を疑っているのは明白であるがわざわざそれを口に出したりはしない。もちろん誰を疑っているかも。
 アーチャー・赤城が航空機を飛ばして戦うというまるで空母のような戦闘スタイルであることは既に皆の知るところなので特に反論もなく受け入れていた。

「それと、負傷者の搬送にはあののび太って子が付き添うことになったから。構わないでしょう?」
「のび太……構いませんが、しかしなぜ彼を?まるでサーヴァントを失ったマスターを厄介払いしたいように邪推してしまうのですがねえ……」
「じゃあ直接本人に聞けば。」
「本人?」
「言い出したのび太本人に。」

 地下はキャスターのプレッシャーに満ちていた。そっけない凛の先導で穏やかな光に包まれたその花畑を歩く。彼女としては厄介なクロノと厄介なキャスターをどうにかしたいので、足手まといとなるのび太を動かすことで人道派のクロノとキャスターのマスターである小者の慎二を衝突させたいという魂胆だ。もっとも、その慎二からは一連の「遠坂凛」らしからぬ行動に疑問を持たれ彼女が偽者だという確信を強める結果になっているのだがそれは彼女は知ることではない。とにかく凛に連れられ階段を下り、さっき出ていった時より広くなっているように教授が感じ始めた時、のび太が彼らを出迎えた。

「教授さん……ありがとうございます。僕、この戦いが終わったら行こうと思います。」
「マスターを失った貴方には確かに居づらいのかもしれなかったですかね……いやはや申し訳ない。」
「……見殺しにしたくないだけ、です……」
「本当は私が同行したいのですが、アリスさんのアーチャーが一編隊回してくれることになったので。」
「なるほど……ではその時はこちらも護衛をつけましょう。大尉、お願いできますか?」
「……」

 もし安藤が死んでも一番生き残る可能性の高い赤城が協力するというのは、教授にとっては少々面白くはない。だがそれはそれ、まずは彼らがカルナとどれだけ戦えるのか見させてもらおうと、教授は考え直す。
 こうして聖杯戦争の二日目はぎりぎりと軋みをあげて大きく状況を変えた。



 ■  ■   ■    ■     ■      ■       ■        



 彼女がなぜ躊躇いなく人を殺せるかというと、それは人間というものに価値が見出だせないから、ということになるのか、それとも、彼女が人間でないから、なのか。幼い彼女にはそのどちらかもわからないしどちらでもあるのかもどちらでもないのかもわからないしわかろうとも思えない。ただ彼女にとって重要なことは自分が今殺し合いの中にいることであり、自分はその気になれば人を殺せるということである。

 だがなぜ彼女が黒鳥苺を分身とはいえ殺したのか、となると、それは彼女自身にもわからなかった。おそらく、ほんの些細な、少し無遠慮なことを言われたからと言っても、九重りんは自制できたはずだ。だから自分が気がついたら人を突き飛ばして家具の角に頭をぶつけさせて殺したとき、彼女はそれがまるでテレビに写るサスペンスドラマのワンシーンのようにリアリティの欠片もなく感じられた。
 だから彼女が自殺を図ったときも、ああ自殺ってこんなに簡単なのか、というひどくぼんやりした考えであった。美遊の声が脳内に響いて自殺を進めてきたのでじゃあちょっとやってみようという軽い気持ちでやってみただけだ。体に火をつけるだけよりも自分が殺したときのように思いきり後頭部をぶつけた方が良いかも知れないと思い実際にやり、そしてそんな自分を見て目を丸くして驚く美遊を見て他人事のように笑った。

 彼女がなぜ躊躇いなく自殺したかというと、それは自分というものに価値が見出だせなかったからということになるのか、それとも、彼女が人間だったから、なのか。死んだ彼女がそのどちらだったのかもわからないしどちらでもあったのかもどちらでなかったのかもわからないしわかる必要もない。
 だがあえて全くの蛇足であるが彼女について考えるならば、彼女は人の愛し方も愛され方もずっと昔に忘れたままで、一人の人間として愛し合うには少しだけ未来を待たなくてはいけなくて、彼女が彼女を愛し彼女に愛されるには、ちょっとだけ巡り合わせが悪かったのだ。日野茜という人物ともう少しだけ早く出会えてもう少しだけ長く一緒にいられれば、あるいは。


 九重りんは折り鶴を折る。そういえばここはどこだろうか。自分は何をしていたのだろうか。なんだか良く思い出せないが、まあそれもいいだろう。何人かの少女が泣いていたり怒っていたりするが、みんな落ち着きがないなあ、そういえばあそこにいるのはアサシンが爆破した少年だ。ところでアサシンって誰だっけ、まあいいや。


 彼女のうすぼんやりした走馬灯を、彼女は流し見する。大好きな人も友達も、出てこない。だがその事に彼女は気づくこともない。

 こうして九重りんの聖杯戦争は九重りんに省みられることなく幕を閉じた。



【深山町・間桐邸/2014年8月2日(土)0200】

【遠坂凛@Fate/Extra】
[スタンス]
聖杯狙い(ステルス)
[状態]
アヴァロンを体内に所持
[装備]
ナイフ@Fate/Extra
[道具]
ドール@Fate/Extra、邪魔にならない程度の大金、スズキGSX1300Rハヤブサ(朱・リミッター解除済)@現実
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
当然、優勝を狙う。
1:厭戦ムードが弱まるまで好戦的な言動は控えて出し抜ける機会を伺う。
2:クロノと慎二のキャスター(フドウ)はできる限り早く殺したいのでこの二組を分断したい。
3:空爆や闇討ち、物量戦法、並びに教授達吸血鬼を強く警戒。
4:余裕があれば索敵・感知系の礼装やドールを用意したい。
[備考]
●自宅は遠坂邸に設定されています。
内部はStay night時代の遠坂邸に準拠していますがところどころに凛が予選中に使っていた各種家具や洋服、情報端末や機材が混ざっています。
●現実世界からある程度の資金を持ち込んだ他、予選中株取引で大幅に所持金を増やしました。
まだそれなりに所持金は残っていますが予選と同じ手段(ハッキングによる企業情報閲覧)で資金を得られるとは限りません。
●セイバー(アルトリア)から彼女視点での第四次聖杯戦争の顛末を聞きました。
●ドール(未完成)@Fate/Extra若干数と、その他多数の礼装@Fate/Extraは自宅に置いてきました。
●ライダー(五代雄介)とセイバー(テレサ)の真名とステータスを把握しました。
●アーチャー(赤城)、キャスター(フドウ)、バーサーカー(ヘラクレス)、教授、シュレディンガー准尉、大尉のステータスを把握しました。
●ランサー(カルナ)の情報を入手しました。
●柳洞寺で会談した結果、色丞狂介&キャスター(パピヨン)、ルーラー以外の情報を共有しました。主に当事者以外のサーヴァントの情報でありこれには一部の聖杯戦争に関する情報も含まれます。またルーラーに大して言及を避ける暗黙の空気も共有されました。
●爆破予告と慎二からもたらされたホテルの情報を把握しました。
●ドールのステータスは筋力B耐久B敏捷B魔力E幸運E宝具なし、です。ただし破損と引き換えに宝具以外のステータスを1ターンの間セイバーと同等にできます。
●バーサーカー(ヘラクレス)をランサー(カルナ)と誤認しました。同一の英霊が別々に召喚されたのではないかなどと疑っています。

【セイバー(アルトリア・ペンドラゴン)@Fate/stay night】
[スタンス]
聖杯狙い(ステルス)
[状態]
筋力(50)/A、
耐久(40)/B、
敏捷(40)/B、
魔力(100)/A+、
幸運(100)/A+、
宝具(??)/EX、
アヴァロン使用不可。
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯の力で王の選定をやり直す。
1:厭戦ムードが弱まるまで好戦的な言動は控えて出し抜ける機会を伺う。
2:クロノと慎二のキャスター(フドウ)、並びに教授達吸血鬼はできる限り早く排除しなくてはならないので分断を試みる。
3:ハヤブサの整備を凛に頼む。
[備考]
●第四次聖杯戦争の記憶を引き継いでいます。
●スズキGSX1300Rハヤブサ(青・改造済)を乗りこなせるようになっています。騎乗スキルの低下を第四次聖杯戦争での経験とバイクの知識を深めることで補っているようです。現在は小破していますが走行に影響はないようです。
●爆破予告と慎二からもたらされたホテルの情報を把握しました。またナチスに関する若干偏った把握をしました。
●アーチャー(赤城)、キャスター(フドウ)、バーサーカー(ヘラクレス)、教授、シュレディンガー准尉、大尉のステータスを把握しました。
●ランサー(カルナ)の情報を入手しました。
●聖杯戦争についての疑念を抱きました。
●バーサーカー(ヘラクレス)をランサー(カルナ)と誤認しました。同一の英霊が別々に召喚されたのではないかなどと疑っています。


【アリス・マーガトロイド@東方Project】
[スタンス]
脱出優先
[状態]
『必勝法』を共有済。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
幻想郷に戻ることを第一とする。
1:『必勝法』の協力者を増やし脱出する。
2:定期的に赤城の宝具で偵察し、特にカルナ組と残る二組を探す。
3:間桐慎二と色丞狂介とイリヤスフィール・フォン・アインツベルンとクロノ・ハラオウンを警戒。
4:やりたいことや調べたいことがあるけどその暇はなさそうかな。
[備考]
●予選中から引き継いだものがあるかは未確定です。
●バーサーカー(ヘラクレス)、キャスター(パピヨン)、キャスター(フドウ)、セイバー(アルトリア)、セイバー(テレサ)、ライダー(五代)、教授、シュレディンガー准尉、大尉のステータスを確認しました。
●アインツベルン城の情報を知りました。
●ランサー(カルナ)の情報を入手しました。
●柳洞寺で会談した結果、色丞狂介&キャスター(パピヨン)、ルーラー以外の情報並びにそれぞれの連絡先を共有しました。主に当事者以外のサーヴァントの情報でありこれには一部の聖杯戦争に関する情報も含まれます。またルーラーに大して言及を避ける暗黙の空気も共有されました。
●自宅は新都にあります。
●ルーラー(ミュウイチゴ)の情報判定に成功しました。ステータス、スキル、宝具、属性、真名を把握しました。
●この世界に関する考察を共有しました。

【赤城@艦隊これくしょん】
[状態]
筋力(20)/D、
耐久(150)/A++、
敏捷(20)/D、
魔力(10)/E、
幸運(30)/C、
宝具(30)/E+++
魔力増(微)。
[スタンス]
奉仕(マスター)
[思考・状況]
基本行動方針
マスターを助ける。今度は失敗しない。
1:警戒を厳に、もしもの時は壁役に。
2:定期的に宝具で偵察し必要なら制空権を確保する。
3:戦略資源(魔力等)を備蓄しておきたい。
[備考]
●アインツベルン城上空を宝具で偵察しました。
●アインツベルン城の情報を知りました。また赤城の宝具はアインツベルン城に施された魔術の影響を受けることを認識しました。
●バーサーカー(ヘラクレス)、キャスター(パピヨン)、キャスター(フドウ)、セイバー(アルトリア)、セイバー(テレサ)、ライダー(五代)、教授、シュレディンガー准尉、大尉のステータスを把握しました。
●ランサー(カルナ)の情報を入手しました。
●ルーラー(ミュウイチゴ)の情報判定に成功しました。ステータス、スキル、宝具、属性、真名を把握しました。
●『必勝法』とこの世界に関する考察を共有しました。


【高遠いおり@一年生になっちゃったら】
[スタンス]
脱出
[状態]
意識朦朧、ダメージ(大)、肋など数ヵ所骨折、魔力消費(極大)、衰弱(大)、疲労(大)。
[装備]
貴重品の入ったランドセル。
[残存霊呪]
1画
[思考・状況]
基本行動方針
死にたくないし死なせたくない。
[備考]
●所持金はタンス預金程度。
●ランサーの名前がアリシア・メルキオットであること以外は世界大戦の英雄だということしか知りません。もちろん出身世界が違うことには気づいてません。英霊・アリシアの情報の一部を聞いたのみです。
●ランサー(幸村)、バーサーカー(サイト)、アサシン(扉間)、バーサーカー(ヘラクレス)のステータスと一部スキル、宝具を確認しました。
●シュレディンガー准尉、アーチャー(まほろ)、アーチャー(ワイルド・ドッグ)、キャスター(パピヨン)、バーサーカー(小野寺ユウスケ)、ドク、ライダー(少佐)、アサシン(千手扉間)、セイバー(テレサ)のステータスを確認しました。
●ライダー(少佐)と同盟「枢軸」を組みました。再度同盟について話します。
●ホテルにいる主従達と情報交換しました。
●野比のび太、アーチャー(安藤まほろ)、色丞狂介&キャスター(パピヨン)、美遊・エーデルフェルト、高遠いおり&ランサー(アリシア・メルキオット)間で情報交換を行いました。


【日野茜@アイドルマスターシンデレラガールズ】
[スタンス]
優勝
[状態]
瀕死(くも膜下出血・全身打撲・背部に大火傷)、無呼吸状態。
[道具]
着替え、名前のストラップ 、ジェンガ、タマネギのアロマ×2
[残存令呪]
0画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争はサーヴァント同士の格闘技!だと思ってたけどマスターも頑張らないと!!
[備考]
●予選期間中他のマスター、サーヴァントと出会うことはありませんでした。
●月海原学園高等部の生徒という立場が与えられています。 所持金は高校生相応の額となっています。
●自宅は深山町のどこかです。
●セイバー(テレサ)、バーサーカー(小野寺ユウスケ)の基本ステータスを確認しました。
●気が動転していたため、ランサー(アリシア)、バーサーカー(サイト)、バーサーカー(ヘラクレス)のステータスを確認できていないかもしれません。
●日本全国にアイドル・日野茜の噂が立ちました。『アイドル』、『撮影』、『外人』、『ボンバー』などの単語やそれに関連した尾ひれのついた噂が拡がりはじめています。
●病院の特別病床に入院しました。病室のある階に立ち入るにはガードマンのいる階段を通るか専用のIDカードをエレベーターにタッチする必要があります。
●聖杯戦争を番組の企画だと考えたり考えなかったりしました。とりあえず今後自分が常にカメラに撮られていると考え視聴率が取れるように行動します。
●ランサー(カルナ)の戦闘を目撃しました。
●スマホにアサシン(千手扉間)が病院を出てから帰ってくるまでの映像があります。写っているのはランサー(カルナ)、ランサーのマスターのイリヤ、キャスター(兵部京介)です。
●病室のベッドの下にアーチャー(ワイルド・ドッグ)が仕掛けた爆弾を発見しました。数名の病院関係者と警察関係者、並びに若干の公務員がこの事を知っています。
●ホテルにいる主従達と情報交換をしました。
●ツイッターでトレンド入りしました。
●警察にマークされました。


【クロノ・ハラオウン@魔法少女リリカルなのはA's】
[スタンス]
対聖杯
[状態]
『必勝法』を共有済。
[装備]
S2U(待機)、デュランダル(待機)
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争、ムーンセルについて調査する
1:『必勝法』の協力者を増やし脱出の手筈を整え、平行して聖杯調査の協力者も増やす。
2:チョコの死に責任。
3:カルナを含んだ残り三組を捜索する。まずはマスターと確認できた少年(亘)と接触する。
[備考]
●深山町マウント深山商店街にある喫茶店「翠屋」が住居として設定されています。クロノはそこのマスターです。また翠屋を拠点化しました。建物内の対象にたいして魔力を感知しづらくなります。またそれ以外にも何らかの処置が施されている可能性があります。
●リップバーンの死や行動について教授達吸血鬼との関連を強く疑っています。
●冬木市におけるクロノ・ハラオウンについての記憶を整理しました。NPCに違和感を与えにくくなります。
●テレサとアルトリアの真名とステータスを把握しました。
●アーチャー(赤城)、キャスター(フドウ)、バーサーカー(ヘラクレス)、教授、シュレディンガー准尉、大尉のステータスを把握しました。
●ランサー(カルナ)の情報を入手しました。
●柳洞寺で会談した結果、色丞狂介&キャスター(パピヨン)、ルーラー以外の情報を共有しました。主に当事者以外のサーヴァントの情報でありこれには一部の聖杯戦争に関する情報も含まれます。またルーラーに大して言及を避ける暗黙の空気も共有されました。
●爆破予告と慎二からもたらされたホテルの情報を把握しました。
●『必勝法』とこの世界に関する考察を共有しました。

【ライダー(五代雄介)@仮面ライダークウガ】
[スタンス]
対聖杯
[状態]
筋力(10)/E、
耐久(20)/D、
敏捷(10)/E、
魔力(10)/E、
幸運(40)/B、
宝具(??)/??
[思考・状況]
基本行動方針
クロノ君を助けながら聖杯戦争を止める。乗っているサーヴァントとは殺し合うしかないのか……
1:チョコ達の死に責任。
2:カルナを止める。
3:クロノ君がちょっと心配。
4:『必勝法』の協力者を増やす。
5:あの子(亘)は無事なのか……?
[備考]
●封印エネルギーを込めた攻撃は「怪物」の属性を持つ者に追加ダメージを負わせることができるようです。
ただし封印エネルギーによるダメージは十分程度時間が経つと自然に回復してしまいます。
●テレサとアルトリアの真名とステータスを把握しました。
●セイバー(テレサ)からランサー(カルナ)についてちょっと聞きました。
●爆破予告と慎二からもたらされたホテルの情報を把握しました。
●アーチャー(赤城)、キャスター(フドウ)、バーサーカー(ヘラクレス)、教授、シュレディンガー准尉、大尉のステータスを把握しました。
●『必勝法』とこの世界に関する考察を共有しました。


【間桐慎二@Fate/stay night 】
[スタンス]
聖杯狙い(ステルス)
[状態]
『必勝法』を共有済。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯を手に入れる。何を願うかは後から決める。
1:厭戦ムードが弱まるまで好戦的な言動は控えて裏切るタイミングを待つ。
2:盟主として同盟を纏める。
3:大火力の攻撃を警戒。
[備考]
●孫悟空のクラスとステータスを確認しました。
クラス・ライダー、筋力B耐久B敏捷B+魔力D幸運A
このステータスは全てキャスター(兵部京介)のヒュプノによる幻覚です。
●キャスター(パピヨン)、バーサーカー(ヘラクレス)、アーチャー(赤城)、ルーラー(イチゴ)、セイバー(アルトリア)、セイバー(テレサ)、ライダー(五代)、教授、シュレディンガー准尉、大尉のステータスを確認しました。
●この聖杯戦争を『冬木の聖杯戦争を魔術で再現した冬木とは別の聖杯戦争』だと認識しています。
●キャスター(パピヨン)とイリヤへの好感度が下がっています。またアリスに不信感を抱きました。
●遠坂凛が自分の知っている遠坂凛ではないと気づきました。
●アインツベルン城の情報を知りました。
●ランサー(カルナ)の情報を入手しました。
●柳洞寺で会談した結果、色丞狂介&キャスター(パピヨン)、ルーラー以外の情報並びにそれぞれの連絡先を共有しました。主に当事者以外のサーヴァントの情報でありこれには一部の聖杯戦争に関する情報も含まれます。またルーラーに大して言及を避ける暗黙の空気も共有されました。
●この世界に関する考察を共有しました。

【キャスター(フドウ)@聖闘士星矢Ω】
[状態]
筋力(30)/C、
耐久(40)/B、
敏捷(60)/C+、
魔力(100)/A+、
幸運(50)/A、
宝具(50)/A
[思考・状況]
基本行動方針
マスター・慎二を見定める。今のまま聖杯を手にするならば━━
1:今は慎二に従い、見定める。求めるなら仏の道を説くというのも。
[備考]
●慎二への好感度が予選期間で更に下がりましたが不憫に思い始めました。見捨てることはありません。
●狂介に興味を持ちました。
●孫悟空が孫悟空でないことを見破っています。
●柳洞寺僧侶達を中心に『徳のある異国の高僧』として認識されました。この認識は結界発動中に柳洞寺の敷地から出ると徐々に薄れていきます。
●間桐邸地下に陣地を作成しました。
●『必勝法』とこの世界に関する考察を共有しました。


【色丞狂介@究極!!変態仮面】
[スタンス]
対聖杯
[状態]
ダメージ(大)、疲労(大)、『必勝法』を共有済。
[残存令呪]
0画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争を止める。悪人をお仕置きする。
1:パピヨン達が心配。
2:『必勝法』の協力者を増やして聖杯戦争を止める。
3:吸血鬼達を警戒。
[備考]
●核金、愛子ちゃんのパンティ、携帯電話所持。
●予選期間中にサイトの魂食いの情報を得ました。東京会場でニュースを見た場合、サイトの姿や声を知る可能性があります。
●孫悟空のクラスとステータスを確認しました。
クラス・ランサー、筋力C耐久C敏捷A+魔力B幸運C
このステータスは全てキャスター(兵部京介)のヒュプノによる幻覚です。
●キャスター(フドウ)、バーサーカー(ヘラクレス)、アーチャー(赤城)、ルーラー(ミュウイチゴ)、アーチャー(まほろ)、アーチャー(ワイルド・ドック)、ランサー(真田幸村)、ランサー(カルナ)、シュレディンガー准尉、ランサー(アリシア)、バーサーカー(小野寺ユウスケ)、教授、大尉、セイバー(アルトリア)、アーチャー(赤城)のステータスを把握しました。
●ホテルにいる主従達と情報交換しました。
●マイケル&アーチャー、茜&ランサー、アサシン、ドク&少佐に不信を抱きました。特に少佐を警戒しています。
●野比のび太、アーチャー(安藤まほろ)、色丞狂介&キャスター(パピヨン)、美遊・エーデルフェルト、高遠いおり&ランサー(アリシア・メルキオット)間で情報交換を行いました。
●この世界に関する考察を共有しました。


【美遊・エーデルフェルト@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ】
[スタンス]
ステルス奉仕(イリヤ(pl))
[状態]
私服、疲労(小)、魔力消費(小)、覚悟完了。
[装備]
カレイドサファイア@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
[残存令呪]
2画
[思考・状況]
基本行動方針
イリヤに自分の存在を知らせずに優勝させる。
1:誰が相手であろうと、絶対にイリヤは殺させない
2:イリヤなら、聖杯をしっかり使ってくれるはず。
3:遠坂凛と共にこの同盟を内側から崩壊させたい。
4:五代雄介を警戒。
[備考]
●予選期間中に視界共有を修得しました。しかしバーサーカーの千里眼が強力すぎるため長時間継続して視界共有を行うと激しい頭痛に見舞われます。
また美遊が視界共有によって取得できる情報は視覚の一部のみです。バーサーカーには見えているものが美遊には見えないということが起こり得ます。
●セイバー(テレサ)の基本ステータス、ランサー(真田幸村)の基本ステータス、一部スキルを確認しました。
●月海原学園初等部の生徒という立場が与えられています。
●自宅は蝉菜マンション、両親は海外出張中という設定になっています。
また、定期的に生活費が振り込まれ、家政婦のNPCが来るようです。
●バーサーカー(小野寺ユウスケ)の能力及び来歴について詳細に把握しました。また五代雄介についても記録をメモしています。
●冬木市の地方紙に真田幸村の名前と一二行のインタビュー記事が乗っています。他の新聞にも載っているかもしれません。
●ランサー(カルナ)の真名、ステータス、スキル、宝具を確認しました。
●ランサー&イリヤ組と情報交換しました。少なくとももう一人のイリヤの存在を知りました。
●アーチャー(まほろ)、アーチャー(ワイルド・ドッグ)、ランサー(アリシア)、キャスター(パピヨン)、アサシン(千手扉間)、ドク、セイバー(アルトリア)、アーチャー(赤城)、キャスター(フドウ)、シュレディンガー准尉、大尉のステータスを確認しました。
●ホテルにいる主従達と情報交換を耳にしました。
●野比のび太、アーチャー(安藤まほろ)、色丞狂介&キャスター(パピヨン)、美遊・エーデルフェルト、高遠いおり&ランサー(アリシア・メルキオット)間で情報交換を行いました。
●対外的には美遊・エインズワーズの偽名を名乗り行動しています。またバーサーカー(ユウスケ)を消滅したと説明しています。
●遠坂凛を遠坂凛@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤと誤認しました。


【野比のび太@ドラえもん】
[スタンス]
対聖杯
[状態]
『必勝法』を共有済、決心ハチマキ(聖杯戦争を止める)、さいなん報知器作動中、軽傷(主に打撲、処置済み)
[道具]
ひみつ道具三つ(未定)、四次元ポケット
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争を止めて家に帰る。
1:『必勝法』に協力してくれる人を増やして聖杯戦争を止める。
2:アーチャー(ワイルド・ドッグ)が死んだ……?
[備考]
●野比のび太、アーチャー(安藤まほろ)、色丞狂介&キャスター(パピヨン)、美遊・エーデルフェルト、高遠いおり&ランサー(アリシア・メルキオット)間で情報交換を行いました。
●アーチャー(まほろ)、アーチャー(ワイルド・ドッグ)、ランサー(真田幸村)、ランサー(アリシア)、キャスター(パピヨン)、アサシン(千手扉間)、ドク、セイバー(アルトリア)、アーチャー(赤城)、キャスター(フドウ)、シュレディンガー准尉、大尉のステータスを確認しました。
●この世界に関する考察を共有しました。


【アーチャー(安藤まほろ)@まほろまてぃっく】
[スタンス]
対聖杯
[状態]
筋力(39)/B
耐久(27)/D
敏捷(49)/A
魔力(20)/B
幸運(150)/A++
宝具(40)/B
『必勝法』を共有済、右腕喪失(処置済)、霊核損耗(微)、魔力消費(大)、巨乳化、???
[思考・状況]
基本行動方針
マスター第一。
1:『必勝法』の協力者を増やして聖杯戦争を停滞させ、聖杯の破壊の機会を手繰り寄せる。
2:アーチャー(ワイルド・ドッグ)の死に疑念。
3:変態仮面達とドク、慎二組に恩義。ただしドクとそのマスターのライダーはアーチャー(ワイルド・ドッグ)と繋がっている可能性が濃厚なので警戒。
[備考]
●自宅内のガレージを中心に鳴子を仕掛けました。
●ナノカ・フランカの左腕(令呪二画付)をクーラーボックスに入れて所持しています。
●ホテルにいる主従達と情報交換しました。
●マイケル&アーチャー、茜&ランサー、アサシン、ドク&少佐に不信を抱きました。
●野比のび太、アーチャー(安藤まほろ)、色丞狂介&キャスター(パピヨン)、美遊・エーデルフェルト、高遠いおり&ランサー(アリシア・メルキオット)間で情報交換を行いました。
●アーチャー(ワイルド・ドッグ)、ランサー(真田幸村)、ランサー(アリシア)、キャスター(パピヨン)、アサシン(千手扉間)、ドク、セイバー(アルトリア)、アーチャー(赤城)、キャスター(フドウ)、シュレディンガー准尉、大尉のステータスを把握しました。
●この世界に関する考察を共有しました。


【ドク@ヘルシング(裏表紙)】
[スタンス]
エンジョイ
[状態]
筋力(5)/E-、
耐久(10)/E、
敏捷(5)/E-、
魔力(10)/E、
幸運(10)/E、
宝具(0)/なし、
魔力消費(微)。
[思考・状況]
基本行動方針
少佐と聖杯戦争を楽しむ。
1:ぶっちゃけ方針は未定。
[備考]
●対外的には医者のサーヴァントでクラスはキャスターとしています。
●ホテルにいる主従達と情報交換しました。
●ショックガン所持。
●アサシンやキャスターと陣地構築したのはただのふりでした。数ヶ所の盗聴が可能なだけです。
●日野茜に令呪を使用させました。詳細は未定です。

【シュレディンガー准尉@ヘルシング(裏表紙)】
[スタンス]
エンジョイ
[状態]
筋力(10)/E、
耐久(20)/D、
敏捷(10)/E、
魔力(40)/B、
幸運(5)/D、
宝具(0)/なし、
魔力消費(微)。
[思考・状況]
基本行動方針
少佐と聖杯戦争を楽しむ。
1:少佐殿死んじゃったしな~どうしようっかな~。
[備考]
●冬木市一帯を偵察しました。何を目撃したか、誰に目撃されたかは不明ですが、確実に何人かの記憶に残っています。

【大尉@ヘルシング(裏表紙)】
[スタンス]
エンジョイ
[状態]
筋力(40)/B、
耐久(30)/C、
敏捷(40)/D+、
魔力(30)/C、
幸運(10)/D、
宝具(0)/なし、
魔力消費(微)。



【黒鳥千代子@黒魔女さんが通る!!             死亡確定】
【希里ありす@学園黙示録 HIGH SCHOOL OF THE DEAD     死亡確定】
【マイケル・スコフィールド@PRISON BREAKシリーズ     死亡確定】
【九重りん@こどものじかん                  自殺】
最終更新:2017年06月04日 13:33