『東』――0218、新都

 停電により本来の夜の帳が降りた冬木市で明かりを発するものは僅かしかいない。自衛隊か、警察か、救急か、消防か。およそこの四者の公的機関のみがそれぞれに光源を用いて活動している。山向こうの島の反対側と海向こうの神戸の夜景により全くの闇に落ちたというわけでは無論ないが、それでも普段の夜空より少しだけ星が近い、そんな夜だ。だから街をゆく人の何人かは、そこに流星のように煌めく1つの飛行物体を認めたかもしれない。
 それは、まるで灰色の天使であった。蝶のような翼と異形の脚部から戦闘機のそれのように炎を発し西へ西へと飛んでいく。実のところそれには遠方の妖力を感知するレーダーのような機能があるためますます戦闘機に近い。そして戦闘機がレーダーで捉えるものとはつまりは敵である。
 初めにそれに気づいたのは、一人の吸血鬼であった。建物の最高点より常に高度を下げ低空で侵攻するそれは、彼が常人離れした視力で目視した時点で数百メートルまで迫る。そしてすぐさま声を上げた彼の前で、それは姿を変えた。
 蝶のような翼の一部が分離する。その後部には赤々と燃える炎がそれに推力を与え、四方八方へと散った。そして臨戦態勢をとる吸血鬼達の前へ三次元的な機動で迫る。あるそれは瞬く間に高度を上げ、あるそれはビルの間を縫い、あるそれはアスファルトの数センチ上を突き進む。だが共通しているのはそれが全て吸血鬼達目掛けて放たれていることである。

「Mein Gott……」

 それらを追い越すように炎を蒸かして通り過ぎていった侵入者に首を撥ね飛ばされながら、吸血鬼は自分に爆炎が迫るのを見届けた。


「撃て!撃ちまくれ!」
「配置に着け、寄せ付けるな!」

 指揮官たるライダー・少佐を失った最後の大隊残党約四百人が展開するは、新都西部にある廃ビルであった。再開発初期に建てられたそれは、地下の共同溝を通じて同様の建物に繋がる。それを連絡線として利用できることは日光を浴びれば死ぬしかない彼らにとっては重大な戦略上の価値を持つものだ。未だ再編成の整わぬ彼らからすれば、ここを落とされれば軍隊としての体を保つことが非常に困難となる、まさしく最後の砦である。だがもはやそこは餌の小魚がバラ撒かれた鮫の水槽の如き状況になりつつあった。
 廃ビルと同様に共同溝で繋がる付近のビルには、吸血鬼がそれぞれ展開している。NPCへの露見があるため特に息を潜めていた彼らだが、先の爆撃で全員が抹殺されていた。爆発自体は大したものではなく至近弾でなければどうというものではないはずであったにもかかわらずだ。恐ろしくピンポイントな精密爆撃により、砦の警戒線は一瞬で崩壊したことになる。こんな攻撃はあのアーカードでもやってこないだろう。
 そして廃ビルというのが吸血鬼達を追い詰めていた。彼らはサーヴァントとはいえ、使用するのは通常の火器である。コンクリを撃ち抜く程の威力はないし、それができるものは先程沈黙した警戒線に配備されていた。壁抜きによる同士討ちを警戒してのものだが、それにより侵入者には有効な攻撃手段を欠いていたのだ。となれば、後に残るのは一方的な虐殺である。

「化物が……!」

 弾切れをおこしたピストルを捨てスコップで殴りかかった吸血鬼達が瞬きする間に細切れになる。そもそも、銃弾が当たらないのだ。有効な手立てなどあるはずもない。仕掛けた地雷は身体から発射される小型ロケットで爆破処理され、人力による奇襲は奇襲にもならず返り討ちにあう。となるとバリケードを築くこととなるのだが、それも強引に切り裂かれ、あるいは爆破される。
 そしてもう一つ、厄介な点がある。吸血鬼にも引けを取らない再生力、それが吸血鬼達を追い詰めていた。侵入者にまぐれで跳弾が掠めようとも、数秒後には何事も無かったのように傷は消えている。まるで不死身の化物だ。

「……」

 侵入者は既にこのフロアに誰もいないのを認めると床を切り裂き階下へと降りる。そのぼうとした顔には想像もつかぬスピードでそれは侵攻を再開した。


「壁を補強!」
「軽機関銃用意!」
「鉄条網展開!」
「中尉!地上階との連絡が途絶えました!」
「んなこたわかってんだよっ!装備の梱包とっとと解け!V1より弾丸優先しろ弾丸ァ!!」

 建物に魔力を這わせながら指示を下すゾーリン・ブリッツ中尉の顔を汗が流れに流れる。最後の大隊残党はこの聖杯戦争始まって以来の苦境に立たされていた。その原因は、つい数分前に会敵した白い侵入者。

「吸血鬼を喰ってやがる……ロクなもんじゃねえなありゃ。」

 建物に産み出した眼が捉えるのは、化物(フリークス)。海軍士官が中心とはいえ仮にも吸血鬼を、まるで吸血鬼が人間にするように殺し喰らう。肉を斬り、骨を絶ち、銃を砕き、弾丸を消し飛ばし、爆風を刻み、建物ごと微塵にする。その剣戟に生やした眼を切り裂かれ、ゾーリンの顔には更に苦み走った。
 恐らく東部の方角から襲撃してきた侵入者、その正体は吸血鬼達には全くの未知であった。せいぜい、それがサーヴァントであるという予想しかない。それもあんなマスターがいてたまるかという理由でだ。そして彼らが既知であるはずもない。そもそもそんなサーヴァントは存在しない。つい少し前に産まれ落ちた新しいサーヴァントなのだ。
 ではなぜそれが吸血鬼達を襲ったのか。怨恨、というわけではない。もっと単純なことだ。『魔力不足を解消する』、ただそれだけ。そのために魂喰をしようとし、吸血鬼という格好の餌を見つけ襲うなど、喰う側の吸血鬼としては想像できるものではなかった。そんなことまで対応できるのは、それこそ根っからの戦争狂で根っからの指揮官の人間でなければありえない。
 しかしながら、ゾーリンに教授達のような知識があれば、その正体の一端に触れることは十分可能であった。とりわけその化物の周りを飛び爆発する蝶など、一目見ればパピヨンの核金によるものであると察するに難くない。もっとも、彼女にはそんな知識はないので結局はありえもしないもしもの話なのだが。
 建物に眼を次々と産み出して、ゾーリンはサーヴァントを補足し続ける。このサーヴァントは屋上から下へ下へ、ワンフロアごとに吸血鬼を食い散らかしながら進撃してくる。そしてついに、本陣である地下へのバリケードをぶった斬ると蝶がロケットのように突っ込み破壊した。もはや後は無い。『切り札』の発射までまだ時間がかかる以上、手は選んでいられなかった。

「おい死神、准尉に伝えとけ。例の兵器を使うってな。」
「僕はここだよ。そっちは任せるから発射準備を整えてって。」
「はいよ……で、死神。お前も出ろよ。」
「……」

 直ぐに消えた准尉から目を離すと、ゾーリンは死神と呼んだ男、ウォルターを睨めつけた。無言で睨み返す彼と睨み合うこと数秒、背を向けて歩き出す。そしておもむろに鎌を振り上げると、コンクリートへと叩きつけた。

「日野茜が命ずる、ランサー、真田幸村、あの灰色のサーヴァントを殺せ。」

 砕け飛ぶコンクリ片を一顧だにせず、ゾーリンは埋められていた男、真田幸村にそう命じる。幸村の目が苦悶の色を示すが、それでも彼は大人しく従うしかなかった。
 これぞ最後の大隊が有する、数少ない使い捨てできる決戦兵器、『真田幸村』である。日野茜に強制的に使わせた令呪、『日野茜と名乗るものの命令を決死の覚悟で実現せよ』の効果により、幸村は自らを日野茜と名乗った人物の命令には逆らえない。それがたとえ日野茜でないと頭ではわかっていてもだ。そしてこの令呪のみそは、命令する人間を選ばず従えることだ。たとえゾーリンに何らかのことがあっても、第二第三の『自称日野茜』はいくらでもいる。また誰彼構わず言うことを聞かないように、日野茜と自称しなくてはならないという最低限のセキュリティもある。そして彼が戦うための魔力は、本物の日野茜が負担するのだ。これほど使い勝手の良い兵器はない。
 幸村は、フラフラと立ち上がりながらも目はサーヴァントへと向いていた。彼が令呪に逆らおうとすればそれだけ魔力を消費する。故に彼は、心では反抗しようとも身体で反抗するわけにはいかない。そんなことをすれば、茜がもたないだろう。

「ぐうっ……動くな我が身体!こんな、こんな無体で……!」
「無駄だ、日野茜が命じたんだ。主命を裏切るわけにはいかないよな?」
「ぬう、うぅぅ、なああああっっ!!」

 慟哭する幸村の身体は、勝手に謎のサーヴァントへと向かっていく。既にその手に槍は無い。ただ無手で、吸血鬼達を斬り喰らうそれへ向かい殺到する。それを幸村の意思が変えることはできない。変えてはいけない。
 だが、幸村は二点だけ安堵していた。一つは、自らが無手であること。このような不本意極まりない戦いで槍を汚すのであれば、いっそ武器を持たぬ方がよほど良い。相手を傷つけることも、茜への魔力の負担も減るのだから。そしてもう一つは、茜がまだ生きていること。自分の実体化が可能なうちは、茜の生存は確実と言えるのだから。
 彼の背後から伸びる鋼線が謎のサーヴァントを牽制する。死神と呼ばれた男、ウォルター・C・ドルネーズが操る異形とも呼べるその縦横無尽な動きは、しかし異様とも呼べる勘と身のこなしでいなされる。だがその拮抗が幸村が間合いに踏み込むための足掛かりとなり、肉薄を可能とするのだ。
 小型ロケットを防御ではなく前へ踏み込みながら回避することでサーヴァントへと迫る。自分がダメージを負うということは即ち茜がダメージを追うことであると自身に厳命する。だが、こんなにも困難な戦いであるにもかかわらず、もしこれが自らの望む戦いであればと、幸村はそう思わずにはいられなかった。このような強敵、特にその鮮烈な動きは、初めに戦ったサーヴァントであるチョコのセイバーを思い出させるものだ。思えば、彼女には負け越している。あのカルナ相手の辛勝も、彼女がいなければ不可能であっただろう。かの軍神を思わせるその声と動きは、越えたいとその心を熱くさせるものであり、このような不本意な戦いで終わらねばならないことが惜しいと、この頃に及んでも感じざるをえないものだ。

「中尉、撃ちますか?」
「無駄だ、アレはそんなもんじゃ死なねえ。V1を急がせろ。」
「は!後は最後の調停の確認のみです。」

 今この場では、吸血鬼達は手を出さない。この二対一で戦いを終わらせる必要が、幸村にはある。勝つにせよ負けるにせよ、茜が死ねば意味はない。そう噛み締めて心を滾らせ、しかし努めて炎を発さぬよう慎重に戦う。
 幸村の下段をワンステップでサーヴァントは躱すと、ウォルターの鋼線を仰け反って回避し、その勢いで腕を幸村に叩きつけんと振るう。それを幸村は転がりながら躱すと再びサーヴァントへの肉薄を試みた。魔力放出を伴わない幸村の行動は、明らかにサーヴァントより見劣りするものだ。だがそれで終わらせねば意味がない。
 鋼線がサーヴァントの指を取る、それに呼応して幸村はその指へと回し蹴りを放つ。爆破で足が吹き飛ぶ。千切れるより早く引き戻しその勢いを利用して、幸村は後ろ回し蹴りを腹部へと叩き込んだ。

(崩れたっ!)

 回転の勢いのまま幸村の拳がサーヴァントに迫る。身体からバーニアのように炎を吹かして身を攀じるサーヴァントを鋼線が絡め取ろうとし、今度は変形した斬馬刀のような両腕に防がれる。しかし、それでガードは開いた。突き上げるのはアッパー、狙うは顎、顔が見える、額が迫った。

「……せいばぁ、殿?」

 砕ける相手の頭蓋骨と自分の拳のことを忘れて数瞬、幸村はその変わり果てた相手の顔に釘付けになった。

「……誰だっけ?」
「せいばぁ殿!なぜかようなことを!?それになぜらんさぁ殿の服を!」
「セイバー……ああ、セイバー!そうかセイバーか、ハハッ。」
「一体、何が……」

 地上で互いに拳と異形の腕とのラッシュを繰り出しながら、幸村とサーヴァントは会話する。そのラッシュは幸村には見覚えのあるものだ。あのカルナとの戦いのときに振るわれた剣舞、それが形を変えどもそこにある。暴風のようでありながら制御された槍衾。ならば彼女は紛れもなくあのチョコのセイバーであるはずなのだ。あんなことができる存在を幸村は他に知らない。たとえその首にまるで切り落としたものを嗣いだような痕があっても、だ。

「……貴殿、何者だ!せいばぁ殿なのか!?その身体はいおり殿のらんさぁの、蝶は狂介殿のきゃすたぁのものか!!」
「あー……ああ、そうか、うん、幸村、そうなんだよ。」
「何があったの、ぐおおっ!?」
「あ、悪い、殴っちゃった。まあ後で話すから少し寝てろ。」

 尖った腕の斬撃が幸村を弾き飛ばすと、返す刀で鋼線を迎え撃つ。浅く斬られた傷を直ぐに回復しながらウォルターとの戦いに入ったサーヴァントを、幸村はよろよろと立ち上がりながら追った。ただ立っているだけでもふらつく現状、たった一発攻撃を受けただけでもはや実体化が難しいレベルのダメージだ。たが、彼女をこのまま戦わせておくわけにはいかない。それは彼女のためにも、茜への負担を減らすためにもだ。素早く戦闘を終わらせねば、自身の炎が茜の命を燃やし尽くしてしまう。

「っ!寝てろって言ったろ。」
「せいばぁ殿!なぜ彼らを喰らう!なぜ……」
「腹が痛いんだ。スゴく、凄くな。でもこいつらを喰うと少しだけ治まるんだぁ――よ!」
「ぐ、うおお!?」
「……まるで喰種だな。」
「なんだお前、喋れたのか。」
「人を化物扱いするな。」

 幸村の蹴りは届かず、逆に蹴り飛ばされる。その隙にウォルターが操る鋼線がサーヴァントの指を半ばまで切断したかと思えば、数秒と経たずに再生が終わる。お返しとばかりに振るう文字通りの手刀を鋼線を編んで作った壁に阻まれると、その裏からロケットのように飛んだ蝶がウォルターの首元へと突き刺さった。

「……おっかしいなあ、顔半分、はなくても下あご吹き飛ばしたのに生きてる。」
「俺もお前もとっくに人間なんてやめてるんだ、今更だろ。」
「そうだな、そのとおりだ。だからこうして仲良く殺しあってんだ。」

 微笑を浮かべながら言い終わると、サーヴァントの姿が滲む。ウォルターの足元から背面上部、背面下部へと流氷のような動きで現れた彼女の手刀を攻防一体の鋼線で迎撃するウォルターの顔が些か若返っていることに、幸村は気づいた。それがなにを意味するのかはわからない。そんなことを考えるより先に自身の身体が否応もなく彼女の元へと走ってしまう。だから幸村は走りながら考えた。

「某は……俺はッ!!!」

 そして初めて、幸村は、この戦闘で。

「……なんの真似だ。」
「強引だな……」

 幸村自身の意志で行動した。
 右手には手刀を受け止め、かつ両手で鋼線を掴み取る。幸村は二人の間に身を割り込ませ戦闘を停めるべく行動したのだ。
 それは、幸村がサーヴァントを倒す為の行動であった。そう幸村は自身に言い聞かせた。でなければそんな行動は許可されない。最大限自身を譲歩させられる一線であった。
 深く息を吐く。深く息を吸う。もはや実体化をいつまで維持できるかわからないなか、溜めて数秒、幸村は大音声を発した。

「せいばぁ殿とお見受けする!このらんさぁ真田源次郎幸村!!貴殿に、一騎打ちを申し込み候!!!」

 そう叫ぶと、幸村は革ジャンを彼女に向かって放り、拳を構える。そのファイティングポーズにはいささかの隙もない。

「某、さる事情にて貴殿を討たねばならぬ!この『楯無の鎧』はその前金!武田家秘伝の家宝!某を討ったあとは好きにするが良い!!」

 サーヴァントは変わらぬ微笑を浮かべ、無言でウォルターは後退し、ゾーリンは不愉快そうに睨み、吸血鬼達はある者はV1の準備を進めある者は銃口を油断なく三人に合わせる。彼らからすれば幸村もウォルターも危険な存在だ。だが幸村にはそんなことは関係ない。先程までの争乱が嘘のように静まり返ったビルで、幸村は続けて叫んだ。

「そして、某が勝利した暁には貴殿を某が全力で弔おう!さあせいばぁ!!互いの全てを賭けたこの一騎打ち、応じるのであれば前金を受け取れぇぃ!!」

「――応じよう。」

 隙を見て狙撃しようとした吸血鬼の銃口に、火薬でできた蝶が停まる。ゾーリンは目配せして銃を下げさせた。死角からの攻撃の準備を進める相手をピンポイントで牽制できる相手に、そんなものは用をなさない。それよりは、少しでも時間を稼ぐべきだ。なぜならあと少しで冬木市を地獄に変えられる最終兵器が使えるようになるのだから。
 デウス・エクス・マキナとグラーフ・ツェペリン、二隻の装甲飛行船に本来なら装備されていたV1ミサイル。弾頭にVXガスなどの化学兵器を備えることが可能なそれは、まさに戦術ミサイルである。地上で撃つはずのものを空中から撃てるように改造したものを地上から発射するというしちめんどくさいことをしなくてはいけないために準備に時間がかかっているが、使用可能になればパワーバランスを大きく変えることができる代物だ。カルナの爆撃もありホテルから持ち出せたのは僅かに六発だが、その存在は切り札となり得る。それもあと数分以内に現実化するのだ。そうなればあとは天井を壊せばいつでも撃てるのだ。おあつらえ向きにあのサーヴァントが壊しに壊してくれた。あれならばゾーリン単独でも数秒で蓋を開けられるであろう。
 緊張が高まる。幸村とサーヴァントは互いに十メートル程の距離をとって向かい合った。サーヴァントは軽やかなスタンディング、幸村は消えかけた手を地面につきクラウチングスタートめいた前傾姿勢で。サーヴァントがスカート近くの外骨格をブースターのような形に変形させて蝶を集め、幸村は殆ど無くなった足の裏に炎を滾らせる。
 そして、小さな爆発が起こった。

「――見事だ、せいばぁ。」
「お前……!」
「某は……決死で!死力を尽くし戦った!某が望んだ形で!!互いに万全の状態で!!戦い敗れたァッ!!!そうだろう!!!」
「……ああ、そうだ。公正な決闘で私はお前に勝った。英霊にとってこんなんにも栄誉な事は無い。お前と戦えたことを感謝する。」
「そうだっ!某は!恥じることなく死んでゆく!お館様にも!我が親父殿にも!ますたぁである茜殿にも何者にも!!」

 幸村の背中に銃弾が突き刺さる。鎧を捨てた彼には、もはやそんなものでも致命傷を避けられない。そしてその傷の事実とやり遂げたような満足気な笑みが、ゾーリンの癪に障りに障った。

「何が一騎打ちだ!自分からアイツの槍に飛び込みやがって!死神ィ!天井ごと殺せェ!」

 吸血鬼の弾丸が幸村に殺到する。ウォルターの鋼線が天井とサーヴァントへ迫る。そしてゾーリンは、いつの間にか傍らにいた准尉にV1発射の指示を下した。
 幸村の自決はゾーリンにとって想定外のものであった。ここであのサーヴァントに勝てばそれで良し、負けてもそれで良し、戦っている最中に魔力切れで死んでも良し、そう考えていた。どう転んでも損はないと。
 だがゾーリンは見誤っていた。幸村という男の知略を。ただの田舎騎士と思い、ドン・キホーテのような人間だと思い込んだ。マスターになるべく負担をかけないために早急に死に、しかも予想より遥かに有用な装備を、よりによって敵にまで渡すとは考えもしなかった。
 サーヴァントはバーニアのように火薬を推進力に変え、ポッカリと開いた天井から飛行し鋼線から逃れる。その目には、追い縋るウォルターと、銃弾の雨に晒されて不格好なダンスを踊る幸村と、いったいどこに隠していたのかわからないミサイルのようなものが上を向いていくのが見えた。不思議と、それにもう飢餓感は無い。そもそもそれが空腹という感覚であることを思い出したのがつい先程のことなのだが、それでも悪い感じはしなかった。不思議と言えばもう一つ、なぜか身体が鋼線に切断されなくなった。その変化を利用してぶら下がってくるウォルターは考えものだが、ダメージを気にしなくて良いようになったのだ、気にせず高度を上げる。そして、サーヴァントは光を見た。

(あの光――)

 川の対岸、学校らしき建物のある辺りで光と爆煙が上がっている。触れたもの全てを有象無象の区別なく一切合切消し飛ばしたかのように、そこにはクレーターが現れ、近くの学校は瓦礫と化していた。まるで消しゴムで丸く消したようにきれいに灰燼に帰している。そしてその下手人の姿を見て、サーヴァントは駆け出した。



 『西』――0221、深山町クレーター北部

 イリヤスフィール・フォン・アインツベルンのランサー、カルナがその魔力の波を感じ取ったのは、クレーターを挟んで南から迫ったサーヴァント達と睨み合いを続けていた時のことだ。残る片目で和装のアーチャーを見れば、そこから不自然なほどに垂れ流される魔力が見て取れるかのよう。だがしかし、カルナを以ってしても害意を感じられない。その行動を図りかねる。カルナがそのアーチャーの不審な行動を理解したのは、頭の中に微弱なノイズが聞こえてくるようになってからのことであった。

『ランサーさん、今念話を……してませんよね?』
『ああ。そちらにも聞こえているか。』
『ええ、壊れたラジオみたいな……いや、声?女性の声ですね。』
『あのアーチャーの企みだろう。どうする。』
『……様子を見ましょう。』
『承知した。』

 ノイズはより大きくより鮮明になる。それにつれてアーチャーから流れる魔力にも細かな変化が起こる。徐々に波長が変わっていくのだ。次第に聞こえてくるその音は数字を告げる声となり、やがて明瞭な女性の音声へとなった。

『こちらは、聖杯戦争始まりの御三家が筆頭、間桐家の家長、間桐慎二による間桐邸の同盟です。聖杯戦争に参加する全ての方に呼びかけます。我々は、この聖杯戦争の平和的解決、各位の対等の交際、並びにこの呼びかけに賛同される方が侵略を受けた場合の参戦義務を伴った共闘を提案します。この間桐三原則に関してご質問がございましたら、お気軽にお電話下さい。電話番号は――』

 仰々しく共闘を呼び掛ける前半とうってかわってセールスのような電話番号を告げる後半。念話はそれを繰り返えしアナウンスしていた。

『始まりの御三家……?あの間桐ですか?』

 多分に疑念を含んだルビーの声と同時にループされる女の声。状況は不明瞭だが、停戦を名目にした呼びかけということには間違いないとカルナは判断する。であればその判断はマスターであるイリヤが下すべきこと、自分はただここで備えるのみ――そう考えていたところに、またもノイズが走る。アーチャーからの放送が始まって数分と経たぬ間に、同様の手段で放送を行う者がいるとすぐに――それこそアーチャーより先に気づいた。膠着状態を破ってにわかに動き出した戦火を交えない戦況の変化。それをカルナはただただ柳のように柔らかに受け止め続けようとして。

『シンジ、あまり適当なこと言わないでもらえる?いつから貴方が御三家の代表になったの?』

 マスターではないイリヤスフィール・フォン・アインツベルンの声を認めて、わずかに眉根を寄せた。

『……アインツベルンさん、間桐さんからの言伝です。復唱します。「お前スマホ持ってんだから電話しろよ」とのことです。』
『あら?私のことイリヤだって思ってるわけ?まあ間違いじゃないんだけどさ……はじめまして、私はクロエ・フォン・アインツベルン。貴方達風に言うと、始まりの御三家筆頭のアインツベルン家の魔術師ってところかしら。』
『……』

 クロエと名乗ったイリヤとうり二つの魔力の持ち主。広域に人を選ばず飛ばせる念話が可能な人間のうち、カルナに心当たりのある人間は一人しかいない。だが、その人物ではありえない。この感じは明らかに彼女、美遊・エーデルフェルトとは違う。魔力が違う以上、カルナにそれが何者であるかはわからなかった。

『アインツベルン……すっかり衰退したって聞いてましたが――ああっ!?イリヤさん!?』
『ランサーさん!この声がどこから来てるかわかる!?』
『山の近くの学校の辺りだ。』
『ルビー、視界共有お願い。』

 イリヤの望みを察し、カルナの残る右目が南へと向く。闇に沈んだこの冬木で数少ない光源を有する穂群原学園の近くに、その二人はいた。

 一人は、まるっきりイリヤと瓜ふたつな人物。カルナの視力を以てしてもイリヤとの差異を見出すのは難しい。そしてもう一人は、肌と髪の色と魔力だけが違う人物。今念話で放送している『クロエ』と名乗ったのはこちらだろう。そしてなによりその人物の不審な点は、それがサーヴァントだということである。

『見つけた、あれがリンさんを……』

 念話越しにカルナの脳内に聞こえるのは、マスターであるイリヤの震えた声。それに込められた感情は今更説明するものでもない。

『リンさんを殺したもう一人の私!!』

 予選の間で彼女の師である遠坂凛を抹殺した、『もう一人のイリヤ』その人。彼女の存在を知ったイリヤがどう動くかなど想像に難くない。大方直ぐにでも家を飛び出して向かおうとするだろう。ならばカルナのすることはそれを邪魔立てする障害を排すること。
 イリヤの家の上空を飛び回る小さな飛行機にも、それを操るあのアーチャーにも依然動きはない。それだけでなく、南のサーヴァント達は放送が始まってから僅かだが緊張を解いている。故に今は動かない。だから、彼が動く理由はマスターが動くからだ。

『ルビー、ランサーさん、私あのマトウって人と話そうと思う。』
『……ものすごく嫌な予感しかしないんですが、このままだとニセイリヤとの間で話が進んじゃいそうですし、やるしかないみたいですね。ランサーさん?』
『オレに異論はない。もし奴らが虚飾や詭弁を述べたならばすぐさま伝えよう。』
『ありがとう……よし!ランサーさん、今戻ってこれる?電話するから一緒に聞いてほしい。』
『了解した。』
『拮抗状態を崩すのはちょっと怖いですけど、まあもう壊れてるようなもんですし、ドーンと行きますか!』

 頭に様々な念話が響く中、カルナは注意深く後退を開始する。どの道マスターの居場所は割れているのだ、相手を刺激することを除いては撤退のデメリットは薄かった。

「ただいま戻った。」
「お帰りな……え。」
「うーん、まあ、そうですねぇ、ちょっとよくわかんないです……」
「ランサーさんその怪我……ルビー、もしかして黙ってたんじゃ……」
「ランサーさんそんな怪我してたんですかー、知らなかったー。」
「かすり傷だ。」
「じゃあ大丈夫ですね。ほんじゃランサーさんも戻って来ましたしお電話しましょ。」
「ちょっ、ルビー!!」

 玄関前で出立の準備を調えながら電話の子機を持って待っていたイリヤの前に、空から現れる。やはり怪我に驚かれるが、勢いでルビーが誤魔化すのをカルナは黙して認めた。常識的に考えれば大怪我も良いところであり、とてもではないが治癒に専念すべき場面であろう。だがそれでも、いやだからこそ、ここはあの先の呼びかけに応じるべきであるとカルナは判断する。そして目の前の杖もそう判断すると踏む。そしてイリヤも、結局はそれに折れると、自らの師を殺した紛い者を討つことを選ぶと踏む。

「でも、身体が半分に……」
「この深手ならば彼らも大袈裟に恐れはしないであろう。それにまだ片手片足に頭と心臓がある。」
「今からおはなしするってことを考えればちょうど良いハンデですね。」
「いやいやおかしいでしょ!いつ死んでもおかしくないんじゃ……」
「心外だな。まさか我が万に一つでも負けると思うか。」
「そうですよイリヤさん、カルナさんの宝具なら地球の表面ごと冬木市削ってコールド勝ちですよ。」
「なんてことを……!」

 そしてこのような状態であろうと勝利することは可能であると。
 カルナ第四の宝具、『日輪よ、死に随え(ヴァサヴィ・シャクティ)』による『冬木市全体への同時無差別爆撃』。この島ごと地図から消し飛ばすことができる最大の切り札がカルナにはある。そしてそのために必要な『コスト』もカルナの手の届くところにある。必要ならばそれを振るうことに、心痛めども躊躇は無い。

「……あーもう!よし、行きます!」

 イリヤは頭を振ると電話のボタンをプッシュした。



 『西』――0222、間桐邸

『こちらは、聖杯戦争始まりの御三家が筆頭、間桐家の家長、間桐慎二による間桐邸の同盟です。聖杯戦争に参加する全ての方に呼びかけます――』
「やればできたわ。」
「いいねえ。」

 間桐邸の地下、そこに詰めるマスター達がアリスの言葉と彼女のアーチャーの念話を聞いて息をつく。一番意気込んでいた慎二が前傾姿勢になるのを見て、のび太も深く息を吐きながら眼鏡を拭いた。
 アリスのアーチャーが呼びかける内容の草案作りからそれの放送実行までわずか数分。勢いだよりの突貫工事もいいところの聖杯戦争打破の呼びかけはなにはともあれ始まった。そのことがのび太達対聖杯の人間にとっては非常に重要である。
 直接的な表現こそしていない――状況の変化についていけなかったクロノが『必勝法』に触れないよう穏健な草案を例示したらそのまま放送することにしたためだ――が、公然と停戦を呼びかけるというのは、聖杯戦争の意義に真っ向から反抗することだ。スポーツで言えば無気力試合である。それをルーラーがいないのを良いことに、タイムをとる体で提案している。主催側が直ぐに動く可能性は低いが、充分に警戒されうる行為であろう。故にこれから先は一切を電撃的に進めなくてはならない。それもほぼノープランに近い現状でだ。しかし、なんであれ企てが動き出したことそれ自体がまず対聖杯派を安堵させる。この同盟内だけでもある程度リスキーな行動をともにできるだけはまとまれたということなのだから。

(マズイ、いつの間にかカルナと停戦する流れになってる。いや、それそのものはいいんだけど……こんな放送して同盟が肥大化したら、聖杯戦争が成り立たなくなる……!こいつらわかってやってんの?)
(とりあえずこれでイリヤが襲われる可能性は減った。でもこのままじゃイリヤと会うことになる……万が一のことを考えてバーサーカーを呼び戻しておかないと……)

 ……実際はただ単に聖杯狙いの人間である遠坂凛と美遊・エーデルフェルトが、サーヴァントの撤退を呼びかけた手前、表立って反対できずにズルズルと引きづられてしまっただけなのだが。

「狂介さん、どうなると思う?」
「……成功するって信じてる、って言ったら嘘になるけど、でも、けっこうなんとかなる気がする。パピヨン達が命懸けで止めたんだ、あっちもかなりダメージは大きいはずさ。」

 不安を感じ問うのび太に、狂介は率直に応えた。それを見て、のび太も頷く。もう始まってしまったのだ。成功しなくては困る。それは共にサーヴァントを失った二人にとってはひとしおだ。これがうまく行かなければ、二人の生存の可能性はゼロへと限りなく近づく。そしてなにより、二人の目的が果たせなくなる。無手となったマスターにできることは限らているのだ、今だって祈ることぐらいしかろくにできない。だがそれでもできることはやる、それは二人の共通の考えであった。

『――シンジ、あまり適当なこと言わないでもらえる?いつから貴方が御三家の代表になったの?』
「念話!?しかもこの声、イリヤか!」

 頭の中に響く声、状況は変転する。
 令呪の失くなった手を握る狂介を見ながら、のび太はつばを飲みこんだ。

「アイツやっぱり生きてたのか。」
「待って。少し様子がおかしい。」
「何言ってるんだよアリス、明らかにイリヤだろ。そうだ、『お前スマホ持ってんだから電話しろよ』、って念話で言ってやれ。」
「……わかったわ。」

 しぶしぶといった感じでアリスは慎二に従う。だがもちろん、彼女はイリヤではない。その事実に一同が困惑する中、慎二のスマホへと掛かってきた一本の電話が更に混乱を招く。

『もしもし、間桐さん、ですか?』
「そうだけど、あれその声は……」
『あ、ゴホン!私はイリヤスフィール・フォン・アインツベルン。ランサーの、マスターです。』

 電話を介したスピーカーから聞こえる意外な人物の見知った声に、マスター達の間で困惑が広がった。


(イリヤ……!)

 そしてただ一人、美遊・エーデルフェルトは努めて無表情を造りながらも内心は焦燥にかられることとなる。ついに彼女が恐れる事態が現実味を帯びてきてしまったのだから。
 美遊にとって、イリヤに自分の存在を知らせないことは至上命題である。まず全てはそれに優先される。優しいイリヤのことだ、自分がいると知れば必ず戦い抜く上で迷いを生じさせてしまう。イリヤを優勝させるには自分は邪魔なのだ。
 だが問題はクロエも聖杯戦争に参加していることだ。この時点で、イリヤが優勝を目指すことは難しくなる。美遊がそうであるようにクロの存在もイリヤが勝ち抜こうと思うためには重大なマイナス要素だ。イリヤはまず親友や家族の生存を最優先に動いてしまうだろう。

『私達の提案はたった一つ。貴方達の提案に乗るから、深山町の遠坂邸での会談を申し込むわ。間桐邸からすぐだし、そっちには……遠坂家の当主がいるでしょ。そんなに難しい話じゃないと思うけど、どうする?』
「こっちの情報は漏れてるってことね……シンジ、一応私からそっちじゃないイリヤに電話してみるから。」
「わかった……あーもしもし、イリヤ、だな。知ってると思うけど、僕は間桐慎二。キャスターのマスターでこの同盟のリーダーさ。」

 念話と電話、双方から聞こえるクロとイリヤの声。こちらに聞こえているように、イリヤもクロの念話を聞いているのだろう。だからこちらに電話してきた。そうに違いない。

『あ、どうも。それで――ん!それで、交渉したいの。もし私の条件を一つだけ飲んでくれるなら、貴方の条件を全部飲んでも構わない。』
「ダメね、出ない。」
『悪いけど、イリヤは電話に出る気は無いって。口約束じゃなくて証人がいないと、ねえ?それにカルナ、貴方達にも悪い話じゃないと思うけど、どう?』
「なあこれ今誰が喋ってるんだ?」
「念話の方が、多分バーサーカーの方のイリヤと一緒にいるクロエって名乗ってるイリヤ。で、電話の方がランサー・カルナの方のイリヤ。そうでしょクロノ。」
「ええ、おそらく。」
「ややこしいな……」

 イリヤからクロへの通信手段のみ存在しない状況で、歪な三者の会合は進む。美遊は自分の耳が敏感になるのを感じた。隣に座るのび太が手を握り締める音さえうるさく感じる。一言たりとも聞き逃してはならないのだ、集中もする。ほぼ確実にここで、イリヤがどれだけ優勝に邁進できるかが決まるのだから。

「交換条件ってやつか。まあまず話してみてくれよ……アリス、『私達ってどういうことだ。まずマスターとサーヴァントが何人いるのか教えろ』って聞いてくれ。」
『……単刀直入に言うと、今念話してるアインツベルンの魔術師って人を倒すまで休戦してほしい。あの人は戦いを楽しんでる、危険なマスターなの!』
『……復唱します。「私達ってどういうことだ。まずマスターとサーヴァントが何人いるのか教えろ。」とのことです。』
『どっちも三人で三組よ。バーサーカー二人にアーチャー一人。で、どうするの?飲む?飲まない?まさか私達だけに手の内を晒させて自分達はダンマリってことなら……』
「イリヤ、アインツベルンって、今喋ってるコレのことだよな?」
『うん。ヘラクレスをバーサーカーのサーヴァントにしたマスターはかなり危ない。予選の時に……とにかくとんでもないマスターだから!』
『カルナ、提案があるんだけど、私達で同盟を組まない?貴方がそこでサーヴァントを抑えてる間にこっちが対軍宝具をマスターに撃ち込むわ。たぶん地下に立て篭ってるから、貴方も余裕があったら狙ってみて。』
『慎二さん、まずあのサーヴァントを倒さないと!アレには生半可な攻撃は効かない。普通に戦ったら絶対に勝てない。だから協力して!』

 おかしい、美遊は思わずそう口にしそうになった。一連の会話を全て一言逃さず聞いたはずなのに、聴こえたはずの言葉で混乱する。なぜ『クロエ・フォン・アインツベルンを無視しているのか』、それが最大の疑問点であった。偽者のイリヤと間違えている、というのはありえない。慎二達ならともかく、声を聞けば区別はつく。ならなにか考えがあってのことなのか……

 「少し待て、いいな?」と言って慎二は苛立たしげにテーブルを指で叩きながらスマホを伏せる。そして前髪を一度かき上げてから全員を見回して言った。「どうする」と。

「ぶっちゃけると、カルナの方のイリヤが言ってることはあながち間違ってはいないかもしれない。僕と狂介、それとアリスがバーサーカーの方のイリヤと会ったとき、アイツは港でびしょ濡れの状態で気絶してた。だよなアリス?」
「ええ。まるで海で溺れたような有様だった。」
「で、その港っていうのは、あのポッキリ折れてる冬木大橋の近くだ。なんで折れたかって言うと、のび太だっけ?知ってるよな?」
「……うん。茜さんといおりちゃんが、別のバーサーカーを撃退したんだけど、そのあと銀髪で紫の服を着た女の子のバーサーカーに襲われたって。それで、戦ったんだけど茜さん達がやられて、その後いおりちゃんのランサーが戦ってたら、姿の見えないサーヴァントがその女の子と戦って、橋を爆破して倒したって聞いたんだ。」
「ていう感じで、バーサーカーの方のイリヤがヤバイって話もわかる。が、僕達はその証拠となるようなものは何一つ見ていない。これは間違いないことだ。この中に、あっちのイリヤが誰かと戦ってるところを見たことある奴がいるか?」

 早口で話す慎二だが、その言いたいところはわかった。確かに、イリヤの言うことは信憑性があるだろう。だが偽者のイリヤを疑う決定的な証拠はない。それは美遊だけではなくここにいる全員がそうであるようで、全員が沈黙を守り続ける。それを認めて慎二は再び口を開いた。

「アイツと直接戦ったのは上でベッドで寝てるいつ死んでもおかしくない高遠と日野、それに死んだ九重だ。まあ、九重に関してはアイツのサーヴァント以外でアサシンぽいことができるサーヴァントがいないからあくまで消去法だけどな。とにかく何が言いたいかって言うと、ランサーの方のイリヤの話を信じる根拠がない。」
「慎二、イリヤに動きがあった。」

 一息に慎二が喋り終わると間髪入れずにアリスが話す。「どっちだよ!」と苛立たしげに聞く彼に「両方」と彼女は淡々と答えた。

「カルナは東に移動を始めた。バーサーカー側から離れる動きね。それを追うようにバーサーカー達も動いてる……車が二台走り出した。たぶんアレね。」
「しびれを切らして動き出したか。アリスさん、念話の呼びかけを再開して下さい。なるべく引き伸ばしましょう。慎二さん。」
「……わかった、電話頼むぞ。もしもし、イリヤ?またせたな、今からクロノって奴に変わる。これからそっちとの交渉はソイツに任せることになったんだ。心配しないでくれ優秀な奴さ。今からクロノが電話をかけるから、一度切るよ。」

 慎二のスマホの着信履歴を基にクロノは電話をかけ始め、アリスのアーチャー・赤城は再び念話を再開する。一瞬の停滞を破り状況は再び動き出した。もはや猶予は無い。そのことを美遊達に思い知らせるかのように、念話と電話からはそれぞれ先程より一段階トーンの落ちた声が聞こえた。

『シンジ、私をガッカリさせないで。そんなに難しいことを言っている気はないんだけど。貴方達の同盟の中で折り合いがつかないからって、それでレディの時間を奪うのはいただけないわ。』
『クロノさん、お願いします。』
「アリス!もっと引き延ばせよ!」
「貴方ならできるの?」
「ッ!?ク、クロノ!」
「イリヤさん、こちらも貴女の提案を前向きに考えています。まずはお互い時間が必要ですよね?」
『我々、間桐の同盟としてはお二方双方の事情を考慮しなくならてはならず――』
『お二方ってことは、カルナ側とも話してるってわけね。ところでカルナが変な方に走ってるんだけど……』
「アーリィースウゥー!!!」
「黙ってろワカメ。」
『……クロノさん、ランサーさんに時間があるように見える?』
「クロノ!!やっぱ電話代われ!!」
「慎二落ち着け!」
「マズイ……!このままじゃどっちも敵に回しかねない。クロノ私は――」

「行って、バーサーカー。」

 口々に喋る声が地下に木霊するなか、美遊は決然と言った。

 さてここで数個の変化が起こった。
 まず地面が震動した。キャスターにより多少なりとも陣地化されたにもかかわらず地下の全員が揺れを感じた。
 次に。音が聞こえた。それが地上階の窓ガラスの割れた音だということがはっきりとわかるほど、明瞭かつ大音量であった。

『なるほど、これが返事ってわけ――ね!』
「何の光ィ!?」

 そしてクロの念話と教授の絶叫と共に、天井に亀裂が入り赤い閃光が漏れたのをマスター達は目にした。

「美遊、今何をしたのかについて、説明を求める。」
「このままだとどちらのイリヤとも敵対する。だから『イリヤのバーサーカー』だけを私のバーサーカーに襲わせた。」
「つまり、勝手にクロエ達を襲ったってことか?」
「そう。」

 一気に険しい顔になったアリス達マスターを前に、美遊は冷静に自分が今何をしたのかを説明する。身を乗り出しながら詰め寄る慎二に対しても、非常に淡々と答える。

「ランサー達はバーサーカーを倒したい、バーサーカー達は会談の場所を凛さんの家にしたい。なら両方の条件を同時に飲むことはできる。」
「ふ、ふざけるなあぁっ!!」

 続けて美遊の説明に慎二が激昂するのも受け止めながら彼女は転身し――

(鎖!?違う、縄!!)
「――どうしてなんだ。」

 魔法少女となった自分の身体が亀甲縛りになっていることに気づいた。
 それはのび太の隣に座っていた色丞狂介の早業である。美遊の凶行とサーヴァントに攻撃されたらしい事実に警戒を強めていた凛はもちろん、アリスやクロノといった超常の荒事への心得がある人間からしてもなお早いロープ捌き。それが瞬く間にわかりやすい魔法少女のような姿になった美遊の自由を奪っていたのだ。

「そんなことをすれば街の人だってただじゃ済まない。それに……」
「街の人間は所謂NPC、サーヴァントに近いデータ上の存在。それを守るために聖杯戦争を中断させるチャンスを失っては本末転倒。違う?」
「……それに、こんなことをすればバーサーカー達は話し合いどころじゃない。これじゃあ、あっちの三組と戦うことになるって、君だってわかるだろ!?そうなれば結局聖杯戦争は止められない!」
「いや、なる。むしろ今回のことで、バーサーカー達は貴方達と話し合おうとするはず。だから止められる。」
「そんなことがあるわけ――!?」

 狂介は、この場で最も美遊の行動に憤っていた。彼女が人名を軽視したことも、仲間である自分達になんの相談も無かったのも、今回のことで会談が潰れることも、全てに憤っていた。そしてなにより、彼女のあり方から無理矢理に醸し出される悪の臭いが彼を総毛立たせていた。
 それは直感である。このまま美遊を放っておけば、取り返しのつかないことが、さっき以上のことが起こる。そして狂介には、その直感により彼女が何をしようとしているのかもおおよその見当がついていた。ならば絶対に行かせてはいけない。それは絶対に彼女のためにならないんだから。

「美遊ちゃん、それはダメだ。それじゃ助からないじゃないか。」
「いいえ、これでみんな助かる。」
「そのみんなには君が入ってない!」
「――けっこう勘が良いんですね。」

 美遊が身体から光を発すると共に叫ぶ狂介の手に持つ縄から抵抗が消える。一瞬で戒めを破砕した美遊の姿は、それを最後にかき消えた。
 「クソ!」と叫びながら狂介は素早く階段を駆け上がり始める。「キョウスケ!こっちで追うから下がって!」と言いながらクロノがかき消える。後に残されたマスター達が立ち上がろうとしたところで、三度衝撃が来た。

「アリス、黒いバーサーカーに――」
「任せて、アーチャーがやってる。」
「な!?おい何なんだよ!?」

 事態から取り残され混乱しきった顔で口から泡を飛ばし訊く慎二に、おずおずといった感じでのび太が答えた。

「美遊ちゃん、たぶん僕達の敵になる気です。そうすれば、さっきのことは僕達とは関係なくなるって……」


「待ってくれ、美遊ちゃん!」
『想像よりずっと早い。逃げることを優先し――』
『上です!クロノ・ハラオウン!』
「――風の剣!!」

 半壊し焼け落ちた間桐邸から直線的な動きで屋外へと脱出した美遊は、後方から追いすがる狂介を引き離そうと足に込めた力を横向きのベクトルへと変換し、真上から迫るクロノから距離をとる。

「ストラグル!」
「サファイア。」
『危険です、回避を。』

 続いて迫る鎖に防御姿勢を取ろうとしたのを寸でのところでキャンセルして、直進してくるそれを回避した。狂介のそれよりなお早い、だが、先程のような慢心がなければそう簡単には当たらない。相手が魔術師である以上、たとえその攻撃に殺意がこもっていなかろうと、美遊に遅れを取る気は無かった。

「ハァ……ハァ……美遊ちゃん!戻ろう!」
「ッ!?シールド!」

 駆け寄ってきた狂介の背部から迫る矢をクロノが魔力の盾で往なして反らす。それを見て再び逃走を開始した美遊をクロノは苦み走った顔で見送るしかなかった。

(この方角、バーサーカーのイリヤ達からか。まず確実にアーチャーか。)

 クロノは冷静に魔弾を放つ者の正体を考えながらも、シールドを展開し続ける以外に行動を取らせてもらえないまま、次々と狂介めがけ飛来する矢をやり過ごす。防御に関しては人並み以上だと自負はあるが、それでもサーヴァント相手となれば不十分極まりない。魔力を湯水のように費やしてなんとか延命を図るのがやっとだ。
 それもそのはず、クロノが相手取るのは『偽・偽・螺旋剣(カラドボルグIII)』。彼の読み通りアーチャーが放つそれ。フェイクのコピー品とはいえその威力は並大抵の魔術障壁など障子に穴を開けるが如く簡単に破壊する。それをクロノが防いでいるのは、彼の術の完成度の高さと魔力の多さ、そしてそれらを効果的に運用できる技術があるからだ。

『――こちらは現在の攻撃に関して一切無関係です。我々に敵対する意志はありません。』
『そんな言い訳通ると思ってん――の!』

 赤城の念話にクロが悪態を念話で返すと同時に、矢が音速を超えて狂介へ飛来する。なるほどこれがさっき屋敷を吹き飛ばした攻撃か、とクロノは痛感しながらもなんとか念話を試みる。相手は、もちろん五代である。

『五代さん、そのまま全員撤退させてください。そしてギリギリまで反撃を控えてください。』

 返信を聞く間もなくクロノは矢の対処に専念する。美遊の暴発が多数のサーヴァントが絡む本格的な衝突となるかはもはや間桐邸に残った人間次第になるがしかたがない。一度の念話が限界なほど、そして二度目の念話は無理だと判断せざるをえないほど、相手の狙いは正確だ。それもそうだろう、撃ってくるクロからすれば突然サーヴァントに襲われたのだ。状況を考えれば、カルナ側と間桐側が手を組んだと考える、そうでなくとも、大同盟相手に戦うことになったとなれば、なりふり構っていられない。
 だがなにより、クロが狂介を狙い撃つのは、彼が美遊を追っていたからだ。ぶっちゃけクロにとってはそれだけが理由である。
 当然であるが彼女は間桐邸の位置をイリヤ(もちろんバーサーカーの方だ)から聞いている。そうであるから間桐邸の方角から接近してきて攻撃してきたバーサーカーは間桐邸のものだと判断して、そこに牽制として矢を撃ち込んだのだ。彼女としては牽制打は伏兵によりまず確実に防がれると読んで相手がどうガードしてくるかを注視していたのだが、以外にも攻撃が成功してしまいしかもそこから親しい顔が逃げ出したとなればこれはもうとりあえず美遊を助けようと考えるのは至極当然のことである。

「申し訳無いクロノ君。君はここで足止めしてくれ。私は彼女を追う。」
「それはダメだ。今の貴方は――」
「イかせてくれ!」
「ダメだ!まず服を着るんだ!」
「これが私の正装だ!」
「頭にパンツを被ってなんでそんなに堂々としていられるんだ!!」

 ましてや頭にパンツを被りほぼ全裸の男性に付きまとわれているのをみたら当然撃つだろう。

「いかん!だいぶ距離をとられたな……とう!」
「待って、逆効果だ――ぐうっ!?」
『女子小学生追い回す露出狂がいる同盟の何を信じろっていうの!』

 最愛の人のパンティによる『脱衣(クロス・アウト)』。この聖杯戦争では命懸けの状況でしか使わなかったその切り札を、狂介は正義のために、自己犠牲を選んだ少女を救うために惜しげも無く使う。前回の脱衣から三時間と経っていない状況ではいつまで維持できるかもわからないそのギャンブルは、ものの見事に裏目に出ていた。
 当たり前だが、狂介は変態である。現在の格好は女物のパンツを頭に被り、ブリーフをエイヤと引き延ばしてブラジル水着に近い着方にしている。どこをどう見ても不審者だ。そんな彼が体のラインが出る服を着た少女を深夜に追いかけ回している。百人に聞いても誰一人として正義の味方だとは思わないだろう。

「フオオォォォ!」
「美遊様、隣のビルです!」
「もう追いつかれた……!」

 相当のスピードで走っていたにもかかわらず数分とせずに距離を詰められる。チラッと横を見てM字開脚しながらビルからビルへと飛び移り接近してくる狂介を目にして、美遊は脳で理解するより先に体が勝手に走るペースを上げていた。もともと美遊はイリヤとの接触を避けたい一心で同盟を抜けカルナの視界に入らぬよう遮蔽物伝いに遠くへ逃げようと考えていたのだが、そんなことは二の次になるほどアレはマジで無理である。なにか美遊の根源に近い部分がアレに関する情報をシャットダウンせよと命じてくるのだ。

『クロノが高速で接近してきます。』
『矢は?』
『間桐邸近くでアリスが迎撃を引き継いだようです。』
『川を、とにかく川を超える。』

 クロが自分の逃亡を図らずも手助けしてくれるという幸運があったが、それもここまで。未遠川に差し掛かったところでついに再び変態達の肉薄を許す。そのことが美遊の神経をすり減らしていた。だがこの程度で変わる決意ではない。こんなところで変態の手にかかるわけにはいかない。その一心で彼女は自衛隊が設置した仮設橋脇の水面へと足を踏み出した。もはや神秘の秘匿とかどうだっていい、とにかくイリヤの視界に入らないようカルナの死角となリそうな場所を走り変態から距離をとる。とにかくそれだけだ。

「ダメだ、認識阻害が間に合わない……」
「失礼皆さん、押し通らせていただく。」
「変態だ!」「AVか?」「え、なにアレは……」「マジで?」「なんだあの変態!?」「足速っ!?」「やばいよやばいよガチリアルだよ……」「ブリーフ?」「警察は何やってんだよ。」「やめてください!」「この状況で良くこんなことやれるよな。」「そんなことしちゃあ駄目だろ!」「ゲリラ露出?」「汚すぎ。」「キメェ……」「嘘だろアレ!?」「えアレなんなん?」「人間の屑が……!」「映画の撮影だろヤスケンどこだヤスケン。」「どうなっちゃってんだよこの街!」

 後ろからは神秘の秘匿どころか秘部の隠匿もせず顔と股間以外の全てを曝け出して狂介が迫る。走る度に揺れるおいなりさんが眩しい。それにあてられてか、通行する少女の一人など仮設橋から足を滑らせ水面へ落ちていく。

「はっ!」

 だがそれを見捨てる変態仮面ではない。すぐさま欄干にあたる部分にパンツを巻きつけると水面へ急降下し、片手一本で少女をお姫様抱っこするとバンジージャンプの要領で戻ってきた。

「天使のパンティジャンプ……フゥオオオ!!」
「やるじゃない。」「おったたまげたぜ……!」「やったな!」「すげぇ!」「はわわすっごい。」「変態だけど紳士だ!」「なかなかやりますね……」「変態紳士!」「ブルっちまうぜ……!」「すっごーい!」「お前世界一や!」「Beautiful……」「聖人かな?」「変態さんありがとー!」

 変態仮面が残心代わりに見栄を切ると聴衆から歓声が上がる。それに手を振って答えながら彼は再び走り出すと、上空で飛行しながら思考停止していたクロノも後を追った。

「なんなのアレ……わからない……」
「美遊様!気を確かに!」

 人は理解できぬものを恐怖する。それは美遊も同じだ。さっきまで横で普通に話していた人があんなカリスマを持つ変態だということに、美遊の脳内ニューロンはショート寸前である。
 世の中とはなんなのか。人とはなんなのか。何もかもわからなくなり、世界と自分が崩壊していく感覚が美遊を包む。だが走ることはやめない。既にイリヤに見られないなどということは頭から消えども走りに走る。そして。

「申し訳ありません……ハッ!」
「!?」

 美遊はサファイアのハリセンで正気に帰った。気がついたら全くどこかも見当のつかぬ場所に出ていたのだ。いったいここまでどう来たのか皆目わからない。だが一つわかることは自分がサーヴァントに囲まれているということであり、そしてそこからここがなんであるのかの察しがついた。

「――教授が死んだと聞いたが、どういう組み合わせかな?」
「……あ!お前美遊か!そうか……」

 鋼線を武器に戦う執事と、全身が灰色っぽい異形のサーヴァント。そしてそれを取り囲むように展開する軍服のサーヴァント達。

「ようやく追いついたが、これは……」
「教授達の本隊と、不明なサーヴァントか。」

 クロノにより股間に魔術的な隠蔽を施された変態仮面と、色々と疲れた顔色のクロノ。

「なあ、お前のバーサーカーだろ?チョコ殺したの。」
「ッ!!『来て!バーサーカー!!』」

 言葉と共に一瞬で現れたサーヴァントの大剣状の腕が迫る。それを転移してきたバーサーカー・小野寺ユウスケは真正面から受け止めるとその双眸を光らせた。一瞬の静寂が場を包み、そして。

「『私の敵を倒してバーサーカー!!』」

「■■■……■■■■■、■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!」

 聖杯戦争は新たな局面を迎えた。



 『西』――0239、深山町柳洞寺

「で、アンタの言うとおり喋ったけど、どうすんの?」
「あんなのわかるわけない!いきなり飛び蹴りしてくるなんて!」
「全く……とりあえずあのバーサーカーは転移したみたいだし、今のうちにどうするか話し合いましょ。」

 うり二つ、1Pカラーと2Pカラーのような二人が話すのは、柳洞寺の駐車場。そこに停められた一台の軽自動車の側で、衛宮とアインツベルン(と竜堂)の久方ぶりの同盟は今後について話し合っていた。
 アインツベルン城を後にした三組が、間桐邸のアーチャー・赤城の念話放送をキャッチし、それに割り込んだのが十数分前のこと。少々の無茶でイリヤとクロはそれなりに魔力を消耗したが、依然として全員が万全に近いコンディションであっのが功を奏した。それがなければ、外交関係の悪化が即、死に繋がっていただろう。
 イリヤの提案によるアーチャー・クロの念話放送。これ以上の参加者間での孤立を避けるべくとはいえ、ほとんど独断で行われたそれとその後受けた奇襲に関して、善後策を考えるには時間が必要であるとの判断だ。

「急に何をしだすかと思えば和平交渉とは、な。しかも私を脅しの材料とするとは。」
「いやー、それに関しては申し訳ないとしか……ゴメンねバーサーカー。向こうは騎士王に施しの英雄でしょ、こっちも対軍宝具チラつかせなかったら交渉になんないってイリヤとパパが……」
「ふ、確かに。冷静な判断だ。拮抗しなかったら向こうも動かないだろう。もっとも、だからこそ奇襲を相手は選んだのかもしれないがな……切嗣、この寺院には結界が張られているのか。」
「ああ。ここの結界はこの参道以外から入ろうとすると、特に霊的な存在には著しい障害となる。」
「なるほど、良い陣地だ。」

 地脈の流れと結界を確かめながら竜堂ルナのバーサーカー・ヒロは先頭に立って歩く。少しして全員が本堂に辿りつくと、他の避難民に交じって一角に車座になった。

「かなりの霊脈だな。ここなら魔力の回復も早い……さて、初めるか。」

 クロとルナの銀髪の二人はかなり目立つものの周りからは一瞥して姉妹として勝手に解釈され話しかけられもしない。それよりも彼らは街の様子が気になるのだ。なぜなら、また一つクレーターができたのだから。
 「改めて聞くが、あのバーサーカーに心当たりがある者はいないか?」というヒロの質問から始まったのは、先のバーサーカー・ユウスケとの戦闘の振り返りだ。
 一部始終はこうだ。ますユウスケに気づいたのはうず目で周囲を警戒していたルナである。間桐邸と穂群原学園の中間地点程で実体化した彼を見たルナはすぐさま全員に知らせた。
 その一秒後、まずヘラクレスとヒロが彼が空へと飛び上がっていくのを目にし、更にその一秒後切嗣が彼がライダーキックの姿勢に入るところを目にし、更にその一秒後にイリヤとクロが迫り来る彼に気づいた。
 この時イリヤはヘラクレスを突っ込ませクロが『熾天覆う七つの円環(ロー・アイアス)』を展開しヒロが魔招・煉獄を放ったところ、直撃でヘラクレスが一度消し飛びロー・アイアスがほぼ全て割られるも、奇跡的に(というかユウスケがヘラクレスを殺すことを最優先としたために)イリヤのベンツが破損した他は特段の被害もなく、ヘラクレス以外の全員が生存することとなった。
 そして奇跡的に(というかユウスケがヘラクレスを殺すことを最優先としたためにってこれさっきも言ったな)ユウスケが蘇生するヘラクレスを執拗に死体蹴りしていたために、マスター達は車でアインツベルン城目指して逃走し、クロはユウスケ以外の襲撃を牽制するために適当に距離をとって間桐邸の同盟に攻撃を加えた。
 そして数分前、耐性を獲たヘラクレスの反転攻勢から逃れるように(実際は追い詰められた美遊が呼び寄せたのだが)ユウスケは令呪で撤退し、ここに戦闘は終了したのであった。

「イリヤ、ヘラクレスは今どこにいる。」
「霊体化したままこっちに向かわせてる。門の辺りで見張らせておくの。」
「理想的な守りだな。ここならば休息にも防衛にも長ける。奴の傷は。」
「蘇生したから大丈夫。六つ命を奪われたんだから、もうアッチのバーサーカーに傷一つつけられたりしない。」
「頭とか心臓が再生するたんびに別の武器で潰してたわね……12回生き返るのもズルっぽいけどアッチもかなり汚い手で回数稼いできてたね。」
「……妙だな。」
「ヒロ、どうしたのってキリツグに聞いて。」
「いい加減直接話してくれよ……切嗣、妙というのは、なぜバーサーカーがヘラクレスの殺し方を知っていたかか?」
「ああ。『十二の試練』の詳細な情報は、僕達だって車でここに逃げてくる時に初めて説明された。なのになぜ、あのバーサーカーは適格な殺し方を知っていたのか。」
「真名が割れて、いや、それでも宝具について詳し過ぎるか……」
「あ、そうだ。私は外で街の方を見張っとく。何かあったら連絡して。」
「ああ、任せた。さて問題はまずここと城のどちらを拠点とするかだ。相手は無関係な民でも容赦はないことを考えるとここの優位も限定的で――」

 会議に自分以外の人間が集中しているのを良いことに、クロは境内へと出てくる。そして何人もの人間がそうしているように、クロもそこから街並みを眺めた。

「なーんも無くなっちゃった……」

 側にいた老婆がそう言いながら泣き崩れたのを寺の僧侶がなだめる。他にも泣かずとも呆然とした人間は大勢いて、誰もクロの服装にも存在にも注意を払う者はいない。そのこと自体はありがたかったが、それだけの状況を友人が引き起こしたとなると陰鬱な気持ちになった。

「何やってんの、美遊……」

 先の襲撃で穂群原学園が瓦礫の山と化したのを目に焼き付けながら、クロは東へ目を向けた。あの時、あのバーサーカーは恐らく美遊によって転移させられた。となると避難所であった学校ごとお構いなしに殺しに来たのは美遊ということになる。そしてその美遊は現在間桐邸の同盟と思われる人間と戦っている。いったい何が起こっているのか。
 クロはもう一度だけ学校とその近くにできたクレーターを見ると再度新都で戦う美遊を見る。そして空が凍りつき見知った槍が振るわれたのを見てから無言で霊体化した。



 『東』――0238、新都廃ビル・最後の大隊臨時前線司令部・『豹の巣(仮)』近く

「『ここに来いライダー!』」
「――超変身!!」

 クロノに迫る黒い甲冑のような筋肉に包まれた豪腕を、同じく甲冑ような筋肉に身を包んだ紫に金の異形が間に入ることで受け止める。二人のクウガを間に挟み3メートルの距離で、それぞれのマスターである美遊とクロノはサーヴァントの背に隠れ次の行動へと入った。美遊はユウスケが口に咥えていたカードを手にし、クロノは詠唱を行う。そして謎のサーヴァントが再び美遊に斬りかかろうとして、その動きが止まった。

「クロノ、なんの真似だ。」
「悪いが、美遊をやらせる気はない。だが――」

 不可視の鎖、クロノのディレイドバインドに絡めとられたサーヴァントの問いかけに決然と答えながらも、五代の背から一歩歩み出て杖となったS2Uを美遊に突きつける。互いに微かに顔が見える状態でクロノは宣言するように言った。

「美遊、君を聖杯戦争終結まで拘束させてもらう。」
「……イヤって言ったら。」
「言えなくする。」

 二人のクウガの足元にヒビが入る。行き場の無い力はヒビとして周囲に伝わり。二人のヒビが重なると共に小さな破裂音が鳴る。まるでそれは運動会のピストルのような抜けた音ではあったが、切っ掛けとしては充分だった。

「『限定展開(インクルード)』!」
「スティンガー!」

 美遊が行動を終えるより先にクロノの早打ちが足を撃つ。美遊の体制が崩れたのを認めると、クロノはバックステップで距離をとりに動き、美遊はダッシュで距離を詰めに動いた。
 クロノは術式をスティンガーからバインドに切り替えながら考えた。相手の武器は槍、なら近接戦闘は避けるべきだ。ここはバインドの連打で牽制して相手のミスを誘うべき、そう判断して緩急をつけたバインドと不意打ち気味に放つスティンガーで戦闘を組み立てようとする。
 一方の美遊は、手にした切り札の射程に入れるべくなんとかクロノに近づこうとしていた。ルビーからルーラーにクラスカードを奪われたと聞いてその奪還を考えてはいたが、ユウスケにルーラーを殺させた時にはとてもではないがそんなことを気にかけている余裕は無かった。ようやくカルナ戦のどさくさに紛れて教会に向かわせた時には既に警察により現場が抑えられた後、ただでさえ瓦礫で探しようのない状態では千里眼による透視能力すら持つユウスケであってもボロボロになったカード一枚探すのがやっとだった。
 だが、この一枚があれば良い。自分はまだツイている。そう美遊は自信を持って言えた。ユウスケの見つけ出してきたのは、なんの因果か一番使い慣れたランサーのカード。これならば、クロノを殺しきれる。そう考え宝具解放の機会を伺いながら不意に放たれたスティンガーレイを紙一重で回避し前へと足を踏み出して、しかし、飛び退いた。

「クロノくん、援護する!」
「キョウスケ!危険だ!」
「危険なのは君も同じだろう!ハアン!!」
「ッ!変態が二人か……」
(僕も変態扱いなのか……)

 クロノの攻撃に合わせて、変態仮面の鞭が美遊へと迫る。その無駄に適確で無駄に息を合わせた攻撃は、クロノにとっては不本意であるが非常に効果的に美遊の行動を抑制していた。
 変態的なニ対一は着実に美遊を追い詰める。一瞬美遊はユウスケを見た。あちらはもう一人のクウガを押してはいるが、うまく防御されてしまっていてまだかなりの時間がかかりそうだ。恐らく彼が五代だろうが、令呪のブーストがある間に倒せるとはとても思えない。となると自分は早晩魔力切れを起こすしかない。

「上です!」
「お願い!」
「邪魔すんなクロノ。」
「やめろセイバー!」

 美遊が戦略の組み立ての為にわずかに攻撃の手を緩めたのを隙と見てか、兜割りにするかのように腕を振り下ろすサーヴァントの対処をサファイアに任せ、美遊はクロノの距離を詰めにかかる。それをすかさず変態仮面が鞭で牽制し、クロノは二人にバインドを向かわせながら距離をとる。そして今まで蚊帳の外であったウォルターが唐突に鋼線を振るうとサーヴァントは腕の一部を奪われながらも間合いを開けながら蝶を放った。

「それはパピヨンの……それにその腹の金属は!」
「セイバー?なんだ……ああ、私か?」
「正気を失っているのか……キョウスケ!」
「うおっ!」
「早いか……ルビー。」

 クロノの言葉で変態仮面は、爆煙に紛れ心臓へと襲い来る魔槍をブリッジで回避する。そして股間でホールドしながら槍を奪おうとして、魔力弾に弾き飛ばされた。そこに先に変態仮面を狙わんと美遊が踏み込むも、光弾が行く手を阻み、全員の動きが一時止まる。

「ようやく落ち着いたか。やあクロノと美遊と、変態?まあいいや。教授が殺されたみたいなんだけどなんか知ってる?あとその――」

 どこからともなく現れた准尉がサーヴァントに唐竹割りにされる。そして今度はウォルターの後ろに現れて「今僕を斬ったコイツのこととか」と続けた。

「准尉、そのサーヴァントを倒す為に共闘したい。」「バーサーカーのイリヤ側と衝突がありました。詳しくは美遊さんを拘束した後で。」「私は変態仮面。呼びにくければHKでも構わない。」
「ごめん一度に言わないで。とりあえず美遊、そこのサーヴァント相手ならいいと思うよ。」
「待ってくれ、そんな短絡的に話を――」
「そいつは真田幸村を殺して宝具を奪い取ったヤバイやつだよ!」
「だが見てくれクロノくん。セイバーの首から下はいおりちゃんのランサーだ。そして腹には私のキャスターの宝具。彼女が怪しい存在であることは間違いない。」
「お前だけには怪しいなんて言われたくない。」
「変態なのにすごい洞察力だ……!」
「わかった准尉、美遊とサーヴァントの二人を殺さずに拘束するのなら僕は君達に協力しよう。」
「あ、それなら君につくよ。」
「え。」
「美遊の相手は引き続き僕がやる。そっちはサーヴァントを。」
「オッケー。てことだから頼んだよウォルター。」

 それぞれが捲し立てながらゆっくりと位置取りをしていく。目まぐるしく敵味方が入れ替わるのに合わせて、四者が動く。そして二人のクウガが揉み合うのを中心に正方形を形作るような場所で止まった。ということはつまり、この戦場は最初の時のように切っ掛けはクウガ次第となる。

「……セイバー、ここは共闘――」

 対角線から話しかけてきた美遊にサーヴァントは無言でロケットを放つ。それをユウスケがパンチで消し飛ばしその隙に五代が再び超変身したのを端緒に四角形は崩れた。距離をとりながらクロノは顔面に、変態仮面は足に攻撃を加え、美遊は中空に滑り込むようにしながらクロスレンジへ持ち込むべく踏み出し、ウォルターはサーヴァントへと鋼線を放ち、サーヴァントはそれを幸村から受け取った宝具を頼りに強引に突破し蹴りを放つ。

「おりゃあぁぁっ!!」
「■■■■■■■!!」

 そして全員が次の行動を起こそうとした時に、二人のクウガの拳の激突で発生した衝撃波が全員を弾き今度は歪な平行四辺形の頂点となる位置で何度目かになる睨み合いが発生する。だが今回は美遊が動き出すことですぐに膠着状態は解けた。そして美遊は同時にユウスケに指示を送る。この戦場で一番余裕が無いのはユウスケを戦わせている美遊であり、魔力勝負になれば未だ二画の令呪を残すクロノ相手に勝ち目はない。故にここはユウスケに令呪の効果が残っているうちに強引にでも勝ちに行く。

「バインド!」
「誘導。」
「左、右、真ん中です。」

 クロノの放つ可視不可視織りまぜた魔力の鎖を、サファイアの感知能力を頼りに突破し浸透する。転身してもなお見えぬそれも、カレイドステッキが持つ視覚以外の感知能力ならば察知できぬことはない。もしあるとすれば極限まで魔力を減らした脆い鎖だろう。

(!?足が!)
「スティンガー!」
「……!」

 だからサファイアと美遊は自分の足の裏のほんの一部分だけをわずかに拘束したそれに気づかなかっ達。彼女からすれば少し硬めのガムを踏んだような感覚だが、槍の投擲姿勢に移行するための動きがワンテンポ遅れてしまう。そしてその間にクロノは彼の周囲を渦巻いて飛ぶ光弾を発生させた。続けて彼は光弾を加速誘導しようとして、しかし光弾は掻き消える。

(今のはクウガの――キョウスケ!」
「クロノくん!来るぞ!」

 クロノはそれがクウガのモーフィングパワーによるものだとはわかっていた。だがだからこそクロノには打つ手がない。いや、魔力で戦う者は皆一様にそうだ。クロノのバリアジャケットもサーヴァントが飛ばす蝶も全て鎔けるように消えていく。今この空間では魔力そのものがなにか他の物質に変換されている。

「やらせん!」
「また……!」

 そしてその中で一人変わらず魔槍を振るう美遊の一撃がクロノの心臓を捉える寸前で変態仮面により白刃取りされた。この力はアルティメットフォームによるもの。ならばそれはアメイジングマイティフォームである五代が偶然に引き起こしたものではなくアルティメットフォームであるもう一人のクウガによるものであり、つまりは美遊の一策に他ならない。令呪と美遊の魔力を考えても、ここで彼女が決着をつけに来たのは明らかであった。
 ならばこちらも全力で止めるしかない。あのクウガを止められるのは、同じクウガである五代だけだ。そう判断してから彼が行動を起こしたのは、三秒と経たぬ間のことである。

「『五代さん、貴方の全力でもう一人のクウガを倒して!』」
「――!わかった、離れて。」

 迷っていたのはほんの僅かな間。美遊がそうしたように二画目の令呪を切る。でなければ勝ち用などない。そもそも同じ条件を整えずに戦うこと自体が慢心に他ならないと自身を戒める。このままでは彼女を止めるどころか手を汚させることもできないのだから。

「狂介さん、ここは引きます。」
「美遊ちゃんはどうする。」
「彼女は僕を狙って着いてきます。」
「わかった。」

 話しながら変態仮面はクロノを抱え、ロープを使いビルへと駆け上がる。それを見て美遊も追跡に入らざるをえない。ここに残っていればクウガ同士の戦いに巻き込まれボロ雑巾のように死ぬだけだ。同様のことを考えてかもっと前からか、いつの間にか吸血鬼も皆撤退している。

「これで邪魔が消えた。」
「サファイア!」

 そしてそうなるとフリーになるのがサーヴァントだ。素の運動能力は美遊を上回っているのだ、多少サファイアの障壁で抵抗されようとも美遊の殺害は不可能ではない。
 クロノは自身から五代に流れる魔力が激増したのを感じながらも美遊が着いてきているか目で追い続ける。四本の角を生やした二人の黒いクウガを背景に、美遊とサーヴァントは着実にこちらに近づいてくる。それでいい、そのまま来い、そうクロノは祈る。モーフィングパワーの影響下から抜けることは変態仮面のスピードならば十秒もあれば充分だ。後ろの二人もそうばん魔力が使えるようになる。そうなればあの二人に割って入ることができるようになる。そう考えたところで、クロノはその発射口を見た。
 変態仮面に抱えられビルからビルへと渡る中でそれの存在に気づいた。半壊したビルの地下から、ニョキリとミサイルのようなものが伸びている。いや、これは正確ではない。正確には、ミサイルが『伸び上がって』いる。発射煙の一部が弧を描いて消えプラズマの光が走っているのが見えた。それがなんなのかわかりたくないが、考えつくのは一つだろう。あそこは今は亡きライダーの、ナチスのサーヴァント達の拠点。その拠点から打ち上げられるミサイルなどどう考えてもマトモではない。

「抜けたぞ!」
「僕がセイバーを。」
「美遊ちゃんはなんとかする。」

 ビルから飛び上がるように巻き付けたロープを解放し、変態仮面とクロノはそれぞれに体制を整え屋上へと着地すると二人を挟むために移動を開始する。二人が戦うのは地上の道路の上。そこにそれぞれビルの壁面を駆け下りて奇襲を試みる。
 それぞれに縄を持ちバリアジャケットを誂え、そこでクロノは違和感に気づいた。
 よく考えれば、自分がこうして駆け下りているのはおかしい。地上で戦うクウガがモーフィングパワーを使えば、その効果範囲はどうなるだろうか。クウガを基点に周囲に影響が及ばされるため、基本的には球体状を取るはずである。五代というクウガの例しかクロノは知らないがそこに特段の差異があるとは考えにくい。つまり効果範囲はドーム状のはずだ。であれば、さっき自分が降りたのはビルの屋上という高度がある場所であり、そこから地上に近づけば当然ドームの縁に、つまりはモーフィングパワーの効果範囲に再突入するはずだ。
 であるにも関わらず、自分は普通に動けている。それだけではない。美遊は変わらず動き槍と魔力を振るう。となれば考えられるのは一つ。

「『絶対に勝ってくれ五代さん。』」

 たかが令呪を使ったぐらいで切り札を切った気になっていた。
 美遊が同盟の為に自分達から離れたと信じたかった。
 それらは全て避けることができたミスだ。
 きっとそれは、今からでは挽回しようがない。
 だからできることをやっておく。
 クロノは最後の令呪を使い、そして同時にデュランダルの待機状態を解いた。

「――悠久なる凍土」

 数発のミサイルが打ち上がっていく。サーヴァントが美遊の張ったバリアを叩き割る。それを無視して美遊は魔槍に魔力を注ぎ込む。

「――凍てつく棺のうちにて」

 一足先に降りた変態仮面が美遊に縄を向かわせる。クロノの想像通り、彼女が選んだのは迎撃でも回避でもなく防御。恐らく杖に任せたであろうそれは、後方から同時に斬りかかるサーヴァントの剣戟を防いでいることからも相当の耐久があると察せされる。それだけの魔力を練り混んだということは、下がる気は一切ないということであり、次の攻撃の為の時間稼ぎに他ならない。パターンとしてはなのはのそれに近いと言える。

「――永遠の眠りを与えよ」
「『刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルグ)』」
「打たせん!」

 ならば隙は発射の瞬間にある。美遊がどんな魔法を使うにしても発動時には障壁を解放する必要がある。その瞬間が勝機だ。
 詠唱を終えた美遊が槍を構える。そして障壁が消える。そのタイミングに合わせるように変態仮面とクロノは攻撃を終えていた。変態仮面の鞭が槍を絡め取り、クロノは間合いの内に入る。砲撃型魔法の死角はゼロ距離だ。この距離では攻撃はできず、バリアも張れない。そして何よりもこのポジションは戦術的な意味だけでなく戦略的な意味も合わせ持つ。美遊、セイバー、ミサイルが一直線上に並ぶここからエターナルコフィンを放ち、その全ての脅威を同時に『凍結』させる。聖杯戦争脱出の目処が立った今、決して誰かを殺させることも誰かを殺人犯にすることも肯定しない。

『クロノくん、行くよ。』

 脳内に五代からの念話が響いた。あちらも決めるようだ。こちらも最後の一撃を決める。
 クロノはデュランダルを美遊の腹に叩きつけるように突きつけた。そして最後の一節を口にする。今からやることは問題の先送りだが、今はその先送りこそが重要なのだ。彼女を殺さずに拘束できる。クロノはこれが最後と思い美遊の目を見た。

 その目に何一つ驚きの色がなく、勝利を確信していると感じた。

(やられた。)

 そしてクロノ・ハラオウンの心臓に赤い槍が深々と突き刺さった。



 『東』――0244、新都西部

「はあぁぁ……」
「■■■■……」

 元の戦場に取り残された五代と小野寺。すっかりすっきりとした一帯の一角で、互いが互いを殺すべく対峙する。相手は自分の鏡写しの存在なのだ、その行動を止めるために必要な手など限られている。ましてグロンギのように言葉が通じるならまだしも、言葉を交わせないのならば、その拳をもって語る以外に術はない。それが二人に唯一可能なコミュニケーション手段であり、だがそれ故に二人が同じ感情を持っていることを何よりも雄弁に語りまた理解していた。
 二人のユウスケと二人のクウガは、同じように傷つき同じように息を荒らげる。平行世界の同一人物なのだ。アルティメットとライジングアルティメットという違いはあれど、その差は技術と経験と理性で埋められる。そして二人に使われたのは、同様に転移の為の令呪と勝利の為の令呪。故にこの戦闘はどこまで行っても均衡する、というわけではない。この戦闘、美遊もクロノも令呪によって己のサーヴァントに回す魔力を自身に使用している。故に、令呪の効果が切れた時がマスターの魔力が枯渇する時であり、またどちらかのサーヴァントが敗れる時である。そしてそれは、おそらく美遊の方がわずかに早い。フォームとクラス、そして令呪を切ったタイミングの差が確実に存在する。
 二人の周囲にプラズマが走る。モーフィングパワーと超能力無効化の応酬は小野寺に軍配が上がり美遊の思惑通りクロノの妨害に成功している。かなりのものを五代が打ち消しているものの、ある程度の指向性を持たせたそれはなんとかクロノを一時的とはいえど無力化していた。そしてそれはつまり、魔力供給を遮断したことを意味する。伝う魔力ごと魔力パスを変換してしまえるからだ。
 小野寺が走る。五代も走る。一時的な魔力供給の差を当然美遊は逃したりしない。最大の技を小野寺にしかけさせる。それを受けて立たねばならぬ五代も、同様に自分にできるであろう最高のキックを放つために跳躍した。
 音すら置き去りにし、二人の必殺技が放たれる。真空の空間が広がる。有利なのは、やはり小野寺だ。モーフィングパワーはやめたが、それまでの魔力差と単純な力比べということで優位に立つ。くるくると駒のように回転する二人だが、もしこのままなら数秒で小野寺のキックが五代のアマダムを砕くだろう。
 だが違った。五代のキックの勢いが、蹴りの最中なのに加速する。それを可能としたのは、クロノの三画目の令呪。美遊が真似しようのないそれは、策謀による魔力消耗を覆してあまりある。そしてその状態で二人への魔力供給が途絶えれば、結果は見えていた。

「――グアッ!!?」
「■■■、■……」

 両者のキックは急速に失速する。変身もみるみる弱体化する。最初の衝突が嘘であったかのようにまるで線香花火のようにポトリと落ちた二人には、現界を維持する魔力はもちろん変身する魔力も残ってはいなかった。

(空が凍ってる……クロノくん!)
「■■あ、お■■あ!」
「うわっ!」

 上空に縫い止められるかのように静止した六発のロケットや、報道の為に飛行していたであろうヘリ、衝撃に驚いて飛び立った鳥。それらに呆然とする間もなく五代は殴られる。グローイングフォームにもなれず生身で殴りかかってくる小野寺にマウントポジションを取られながら、五代はされるがままにした。もはや彼に小野寺と戦う気力は無かった。必要が無かったからだ。五代を殴る小野寺の拳は、実体化に耐えられず消滅していく。その原因も知っている。美遊を殺すことを良しとしない彼のことだ、全て氷漬けにする道を選んだのだろう。さっき小野寺がそうしたのと同じようなことをクロノがしたと考えれば、小野寺の消滅は確実であった。

「■ぃ、■ぅ、■……」
「……」

 泣くように呻くように呟きながら、バーサーカーはかろうじて実体化した肘で殴り続ける。だがそれだけだ。アスファルトの上の残雪のように溶けていく。そして同様に五代も溶け始める。いかんせん魔力を使いすぎた、これではアマダムも追いつかない。

(クロノくん……笑顔を、みんなに……)

 色々と名残惜しいことはある。だが五代は信じていた。クロノならきっと、うまくやったと。有能さと如才なさと抜け目無さと人間性を信じていた。
 夜空に煌めく氷塊と化した空間を見ながら、五代雄介は静かに聖杯戦争から退場した。



「――凍てつけ、エターナルコフィン。」

 心臓に深々と刺さった槍が勝手に抜けるのを無視して、クロノは最後の一節を唱え終わるとデュランダルの前に身を踊らせた。狙いは雑だがこの距離なら少なくとも美遊は巻き込める、魔力が若干足りないがむしろ範囲を絞れて好都合、そう開き直って自分が止まっていくのを受け入れた。
 彼の狙い通り美遊もサーヴァントも同様に静止していく。宝具に匹敵する反則クラスの魔法だ、止まってもらわなくては困る。そんなことを既にクロノは考えられる状態ではないが、しかし彼の狙いとしてはそんなところだ。

「……終わったのか。」

 最後の一撃はあっけないものだ。クロノも美遊も謎のサーヴァントも、まとめて停止している。それを見て唯一その巻き添えを喰らわなかった変態仮面は、様々な感情がこもった声で呟いた。
 何も言わずに変態仮面はパンツを取る。変態仮面から色丞狂介へと戻ると、改めてクロノを見た。心臓の傷口からは今にも流れ出そうな血が見え、だがその表情に怯えの色は一切ない。あるのはただ純粋な覚悟の色だけである。
 次に美遊を見る。受け入れたくはないが、彼女は本気でクロノを殺す気だった。それは矛盾した行動だ。ならなぜ同盟を抜けたのか。あの凶行は同盟の為ではなかったのかと問いたい気もするが、もはやそれは叶わないだろう。
 最後にサーヴァントを見る。首と胸と腹に痛々しい傷があるそれを、狂介は複雑な表情で見た。あのカルナとの戦いでパピヨン達に何があったのか、自分がもっとうまく令呪を使っていればこんなことにはならなかったのではないか、そもそもどういうことなのか。わからないことは多いが真相は氷の中だ。

「ん?これはクロノくんのカードと、美遊ちゃんのステッキ?」

 三人から目を逸らすように下を見て、狂介はそれに気づいた。どちらもクロノからこぼれ落ちたものだ。距離の近さから射角から漏れたのであろうそれは、ぽつねんとコンクリートの上に転がっている。今となっては、これは遺品となったのだろう。そう考え、狂介は三人に一度手を合わせるとカードとステッキを手に取った。

「……伝えなくちゃいけないよな、何があったのか。よし!」

 気合いを入れると狂介は再びパンツを被る。今は一刻も早くみんなにこの戦闘について伝えなくてはならない。『必勝法』の中心人物だったクロノの戦線離脱は、この聖杯戦争を止めることができなくなってもおかしくない事件だ。早急に対策を取らなければならない。狂介は走り出した。


『美遊様、待っていてください。』

 その狂介に持ち去られることとなったサファイアは、勘づかれぬよう念話を送る。サファイアは今やただのアクセサリーだ。彼女一人で美遊を救うことはできない。故に慎重に立ち回る必要がある。自分に自律した意志があることを誰にどのタイミングで明かすのか、それで美遊の扱いは確実に変わる。サファイアはその時を待ち静かに感覚を研ぎ澄ませた。


「全弾止められたか。」
「僕達の切り札だったんだけどねー。」
「ハッ!とにかくあのめんどくさい化物は死んだんだ。それにまだ毒ガスはある。今のうちに再編成を進めるぞ。」

 一方吸血鬼達は『豹の巣』へと戻って来ていた。彼らの頭上には今もミサイルが浮かんでいる。ひとまず、ここを放棄してアジトを移すのが最優先だと残存戦力は動き出していた。なんだかよくわからないが、なんだかよくわからない奴らは無力化したのだ。懸案事項が一つ消えたことは間違いない。彼らもまた、この聖杯戦争での振る舞いについて頭を使うこととなる。

 各々の願いと策謀を乗せて聖杯戦争は進んでいく。とっくに後退のためのレールはない。あるのはそれがどんなものであれ、終劇への一本道だけだ。



【深山町北部/2014年8月2日(金)0245】

【イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/kareid liner プリズマ☆イリヤ】
[スタンス]
聖杯狙い
[状態]
『日輪よ、具足となれ』、変身済、精神的疲労(小)、髪がちょっと短くなった
[残存令呪]
二画
[装備]
カレイドルビー@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争に優勝してリンさんを生き返らせる
1:わたしと同じ顔と名前のバーサーカーのマスター(イリヤ(sn))と、色違いの偽者(クロ)を殺す。
[備考]
●自宅は深山町にあるアインツベルン家(一軒家)です
●ランサー(カルナ)から「日輪よ、具足となれ」を貸与されています
●『死なないで、ランサーさん!!』の令呪を使用しました。

【ランサー(カルナ)@Fate/Apocrypha】
[スタンス]
奉仕(イリヤ(pl))
[状態]
筋力B(8)
耐久C(6)
敏捷A(10)
魔力B(24)
幸運A+(30)
宝具EX(?)
『死なないで、ランサーさん!!』の令呪の影響下、左腕・左脚・左目喪失(治癒中)、その他心臓を含む左半身へのダメージ(極大・治癒中)、右半身へのダメージ(大・治癒中)、霊核損耗(大)、槍半壊。
[思考・状況]
基本行動方針
イリヤスフィールを聖杯へと導く
1:指示があり次第冬木市に宝具を使用する。
2:美遊に興味。
[備考]
●セイバー(アルトリア)、セイバー(テレサ)の真名を把握しました
●バーサーカー(サイト)の真名を把握しました。
●キャスター(兵部京介)の真名に迫る情報を入手しました。
●アサシン(千手扉間)の情報を入手しました。
●「日輪よ、具足となれ」をイリヤに貸与しているためダメージの回復が遅れています。
●美遊&バーサーカー組と情報交換しました。少なくとももう一人のイリヤについて話しました。
●ランサー・真田幸村の真名を把握しました。


【間桐邸/2014年8月2日(金)0245】

【遠坂凛@Fate/Extra】
[スタンス]
聖杯狙い(ステルス)
[状態]
アヴァロンを体内に所持
[装備]
ナイフ@Fate/Extra
[道具]
ドール(セイバー仕様)@Fate/Extra、ドール@Fate/Extra×若干数、未確定の礼装×若干数、邪魔にならない程度の大金、スズキGSX1300Rハヤブサ(朱・リミッター解除済)@現実
[残存令呪]
三画
[思考・状況]
基本行動方針
当然、優勝を狙う。
1:カルナ側と間桐側とアインツベルン側の動きを見て出し抜ける機会を伺う。特に間桐慎二を警戒。
2:クロノと慎二のキャスター(フドウ)はできる限り早く殺したいのでこの二組を分断したい。
3:空爆や闇討ち、物量戦法、並びに教授達吸血鬼を強く警戒。
[備考]
●自宅は遠坂邸に設定されています。
内部はStay night時代の遠坂邸に準拠していますがところどころに凛が予選中に使っていた各種家具や洋服、情報端末や機材が混ざっています。
●現実世界からある程度の資金を持ち込んだ他、予選中株取引で大幅に所持金を増やしました。
まだそれなりに所持金は残っていますが予選と同じ手段(ハッキングによる企業情報閲覧)で資金を得られるとは限りません。
●セイバー(アルトリア)から彼女視点での第四次聖杯戦争の顛末を聞きました。
●ライダー(五代雄介)とセイバー(テレサ)の真名とステータスを把握しました。
●アーチャー(赤城)、キャスター(フドウ)、バーサーカー(ヘラクレス)、教授、シュレディンガー准尉、大尉のステータスを把握しました。
●ランサー(カルナ)の情報を入手しました。
●柳洞寺で会談した結果、色丞狂介&キャスター(パピヨン)、ルーラー以外の情報を共有しました。主に当事者以外のサーヴァントの情報でありこれには一部の聖杯戦争に関する情報も含まれます。またルーラーに大して言及を避ける暗黙の空気も共有されました。
●爆破予告と慎二からもたらされたホテルの情報を把握しました。
●ドールのステータスは筋力B耐久B敏捷B魔力E幸運E宝具なし、です。ただし破損と引き換えに宝具以外のステータスを1ターンの間セイバーと同等にできます。
●バーサーカー(ヘラクレス)をランサー(カルナ)と誤認しました。同一の英霊が別々に召喚されたのではないかなどと疑っています。 また美遊から話されたイリヤ(pl)のことをイリヤ(sn)のことと誤認しました。バーサーカーが瀕死であるとも誤認しています。
●美遊のバーサーカー(小野寺)が脱落していないことを知りました。

【セイバー(アルトリア・ペンドラゴン)@Fate/stay night】
[スタンス]
聖杯狙い(ステルス)
[状態]
筋力(50)/A、
耐久(40)/B、
敏捷(40)/B、
魔力(100)/A+、
幸運(100)/A+、
宝具(??)/EX、
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯の力で王の選定をやり直す。
1:厭戦ムードが弱まるまで好戦的な言動は控えて出し抜ける機会を伺う。
2:クロノと慎二のキャスター(フドウ)、並びに教授達吸血鬼はできる限り早く排除しなくてはならないので分断を試みる。
[備考]
●第四次聖杯戦争の記憶を引き継いでいます。
●スズキGSX1300Rハヤブサ(青・改造済)を乗りこなせるようになっています。騎乗スキルの低下を第四次聖杯戦争での経験とバイクの知識を深めることで補っているようです。現在は小破していますが走行に影響はないようです。
●爆破予告と慎二からもたらされたホテルの情報を把握しました。またナチスに関する若干偏った把握をしました。
●アーチャー(赤城)、キャスター(フドウ)、バーサーカー(ヘラクレス)、教授、シュレディンガー准尉、大尉のステータスを把握しました。
●ランサー(カルナ)の情報を入手しました。
●聖杯戦争についての疑念を抱きました。
●バーサーカー(ヘラクレス)をランサー(カルナ)と誤認しました。同一の英霊が別々に召喚されたのではないかなどと疑っています。


【アリス・マーガトロイド@東方Project】
[スタンス]
脱出優先
[状態]
『必勝法』を共有済。
[残存令呪]
三画
[思考・状況]
基本行動方針
幻想郷に戻ることを第一とする。
1:慎二・クロノと共に『必勝法』を実行に移し、この場で聖杯戦争からの脱出を実現する。
[備考]
●予選中から引き継いだものがあるかは未確定です。
●バーサーカー(ヘラクレス)、キャスター(パピヨン)、キャスター(フドウ)、セイバー(アルトリア)、セイバー(テレサ)、ライダー(五代)、教授、シュレディンガー准尉、大尉のステータスを確認しました。
●アインツベルン城の情報を知りました。
●ランサー(カルナ)の情報を入手しました。
●柳洞寺で会談した結果、色丞狂介&キャスター(パピヨン)、ルーラー以外の情報並びにそれぞれの連絡先を共有しました。主に当事者以外のサーヴァントの情報でありこれには一部の聖杯戦争に関する情報も含まれます。またルーラーに大して言及を避ける暗黙の空気も共有されました。
●自宅は新都にあります。
●ルーラー(ミュウイチゴ)の情報判定に成功しました。ステータス、スキル、宝具、属性、真名を把握しました。
●この世界に関する考察を共有しました。

【赤城@艦隊これくしょん】
[状態]
筋力(20)/D、
耐久(150)/A++、
敏捷(20)/D、
魔力(10)/E、
幸運(30)/C、
宝具(30)/E+++
[スタンス]
奉仕(マスター)
[思考・状況]
基本行動方針
マスターを助ける。今度は失敗しない。
1:念話で呼びかけてなんとか戦闘を回避する。
[備考]
●アインツベルン城上空を宝具で偵察しました。
●アインツベルン城の情報を知りました。また赤城の宝具はアインツベルン城に施された魔術の影響を受けることを認識しました。
●バーサーカー(ヘラクレス)、キャスター(パピヨン)、キャスター(フドウ)、セイバー(アルトリア)、セイバー(テレサ)、ライダー(五代)、教授、シュレディンガー准尉、大尉のステータスを把握しました。
●ランサー(カルナ)の情報を入手しました。
●ルーラー(ミュウイチゴ)の情報判定に成功しました。ステータス、スキル、宝具、属性、真名を把握しました。
●『必勝法』とこの世界に関する考察を共有しました。


【間桐慎二@Fate/stay night 】
[スタンス]
やけくそ
[状態]
『必勝法』を共有済。
[残存令呪]
三画
[思考・状況]
1:どうしょもないのでなんとかして『必勝法』で聖杯戦争から脱出する。
[備考]
●孫悟空のクラスとステータスを確認しました。
クラス・ライダー、筋力B耐久B敏捷B+魔力D幸運A
このステータスは全てキャスター(兵部京介)のヒュプノによる幻覚です。
●キャスター(パピヨン)、バーサーカー(ヘラクレス)、アーチャー(赤城)、ルーラー(イチゴ)、セイバー(アルトリア)、セイバー(テレサ)、ライダー(五代)、教授、シュレディンガー准尉、大尉のステータスを確認しました。
●この聖杯戦争を『冬木の聖杯戦争を魔術で再現した冬木とは別の聖杯戦争』だと認識しています。
●キャスター(パピヨン)の好感度が下がっています。また凛とイリヤとアリスとクロノに不信感を抱きました。
●遠坂凛が自分の知っている遠坂凛ではないと気づきました。
●アインツベルン城の情報を知りました。
●ランサー(カルナ)の情報を入手しました。
●柳洞寺で会談した結果、色丞狂介&キャスター(パピヨン)、ルーラー以外の情報並びにそれぞれの連絡先を共有しました。主に当事者以外のサーヴァントの情報でありこれには一部の聖杯戦争に関する情報も含まれます。またルーラーに大して言及を避ける暗黙の空気も共有されました。
●この世界に関する考察を共有しました。

【キャスター(フドウ)@聖闘士星矢Ω】
[状態]
筋力(30)/C、
耐久(40)/B、
敏捷(60)/C+、
魔力(100)/A+、
幸運(50)/A、
宝具(50)/A
[思考・状況]
基本行動方針
マスター・慎二を見定める。今のまま聖杯を手にするならば━━
1:慎二がこの場でどう動くのかを見て、見定める。求めるなら仏の道を説くというのも。
[備考]
●慎二への好感度が予選期間で更に下がりましたが不憫に思い始めました。見捨てることはありません。
●狂介に興味を持ちました。
●孫悟空が孫悟空でないことを見破っています。
●柳洞寺僧侶達を中心に『徳のある異国の高僧』として認識されました。この認識は結界発動中に柳洞寺の敷地から出ると徐々に薄れていきます。
●間桐邸地下に陣地を作成しました。
●『必勝法』とこの世界に関する考察を共有しました。


【野比のび太@ドラえもん】
[スタンス]
対聖杯
[状態]
『必勝法』を共有済、決心ハチマキ(聖杯戦争を止める)、さいなん報知器作動中、軽傷(主に打撲、処置済み)
[道具]
ひみつ道具三つ(未定)、四次元ポケット
[残存令呪]
三画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争を止めて家に帰る。
1:慎二さん達と一緒に『必勝法』で聖杯戦争を止める。
2:美遊が色々と心配。
[備考]
●野比のび太、アーチャー(安藤まほろ)、色丞狂介&キャスター(パピヨン)、美遊・エーデルフェルト、高遠いおり&ランサー(アリシア・メルキオット)間で情報交換を行いました。
●アーチャー(まほろ)、アーチャー(ワイルド・ドッグ)、ランサー(真田幸村)、ランサー(アリシア)、キャスター(パピヨン)、アサシン(千手扉間)、ドク、セイバー(アルトリア)、アーチャー(赤城)、キャスター(フドウ)、シュレディンガー准尉、大尉のステータスを確認しました。
●この世界に関する考察を共有しました。


【高遠いおり@一年生になっちゃったら】
[スタンス]
脱出
[状態]
意識朦朧、ダメージ(大)、肋など数ヵ所骨折、魔力消費(極大)、衰弱(大)、疲労(大)。
[装備]
貴重品の入ったランドセル。
[残存霊呪]
1画
[思考・状況]
基本行動方針
死にたくないし死なせたくない。
[備考]
●所持金はタンス預金程度。
●ランサーの名前がアリシア・メルキオットであること以外は世界大戦の英雄だということしか知りません。もちろん出身世界が違うことには気づいてません。英霊・アリシアの情報の一部を聞いたのみです。
●ランサー(幸村)、バーサーカー(サイト)、アサシン(扉間)、バーサーカー(ヘラクレス)のステータスと一部スキル、宝具を確認しました。
●シュレディンガー准尉、アーチャー(まほろ)、アーチャー(ワイルド・ドッグ)、キャスター(パピヨン)、バーサーカー(小野寺ユウスケ)、ドク、ライダー(少佐)、アサシン(千手扉間)、セイバー(テレサ)のステータスを確認しました。
●ライダー(少佐)と同盟「枢軸」を組みました。再度同盟について話します。
●ホテルにいる主従達と情報交換しました。
●野比のび太、アーチャー(安藤まほろ)、色丞狂介&キャスター(パピヨン)、美遊・エーデルフェルト、高遠いおり&ランサー(アリシア・メルキオット)間で情報交換を行いました。


【日野茜@アイドルマスターシンデレラガールズ】
[スタンス]
優勝
[状態]
瀕死(くも膜下出血・全身打撲・背部に大火傷)、心停止。
[道具]
着替え、名前のストラップ 、ジェンガ、タマネギのアロマ×2
[残存令呪]
0画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争はサーヴァント同士の格闘技!だと思ってたけどマスターも頑張らないと!!
[備考]
●予選期間中他のマスター、サーヴァントと出会うことはありませんでした。
●月海原学園高等部の生徒という立場が与えられています。 所持金は高校生相応の額となっています。
●自宅は深山町のどこかです。
●セイバー(テレサ)、バーサーカー(小野寺ユウスケ)の基本ステータスを確認しました。
●気が動転していたため、ランサー(アリシア)、バーサーカー(サイト)、バーサーカー(ヘラクレス)のステータスを確認できていないかもしれません。
●日本全国にアイドル・日野茜の噂が立ちました。『アイドル』、『撮影』、『外人』、『ボンバー』などの単語やそれに関連した尾ひれのついた噂が拡がりはじめています。
●病院の特別病床に入院しました。病室のある階に立ち入るにはガードマンのいる階段を通るか専用のIDカードをエレベーターにタッチする必要があります。
●聖杯戦争を番組の企画だと考えたり考えなかったりしました。とりあえず今後自分が常にカメラに撮られていると考え視聴率が取れるように行動します。
●ランサー(カルナ)の戦闘を目撃しました。
●スマホにアサシン(千手扉間)が病院を出てから帰ってくるまでの映像があります。写っているのはランサー(カルナ)、ランサーのマスターのイリヤ、キャスター(兵部京介)です。
●病室のベッドの下にアーチャー(ワイルド・ドッグ)が仕掛けた爆弾を発見しました。数名の病院関係者と警察関係者、並びに若干の公務員がこの事を知っています。
●ホテルにいる主従達と情報交換をしました。
●ツイッターでトレンド入りしました。
●警察にマークされました。


【アーチャー(安藤まほろ)@まほろまてぃっく】
[スタンス]
対聖杯
[状態]
筋力(39)/B
耐久(27)/D
敏捷(49)/A
魔力(20)/B
幸運(150)/A++
宝具(40)/B
『必勝法』を共有済、右腕喪失(処置済)、霊核損耗(微)、魔力消費(大)、巨乳化、鉄心
[思考・状況]
基本行動方針
マスター第一。
1:『必勝法』の協力者を増やして聖杯戦争を停滞させ、聖杯の破壊の機会を手繰り寄せる。
2:アーチャー(ワイルド・ドッグ)の死に疑念。
3:変態仮面達とドク、慎二組に恩義。ただしドクとそのマスターのライダーはアーチャー(ワイルド・ドッグ)と繋がっている可能性が濃厚なので警戒。
[備考]
●自宅内のガレージを中心に鳴子を仕掛けました。
●ナノカ・フランカの左腕(令呪二画付)をクーラーボックスに入れて所持しています。
●ホテルにいる主従達と情報交換しました。
●マイケル&アーチャー、茜&ランサー、アサシン、ドク&少佐に不信を抱きました。
●野比のび太、アーチャー(安藤まほろ)、色丞狂介&キャスター(パピヨン)、美遊・エーデルフェルト、高遠いおり&ランサー(アリシア・メルキオット)間で情報交換を行いました。
●アーチャー(ワイルド・ドッグ)、ランサー(真田幸村)、ランサー(アリシア)、キャスター(パピヨン)、アサシン(千手扉間)、ドク、セイバー(アルトリア)、アーチャー(赤城)、キャスター(フドウ)、シュレディンガー准尉、大尉のステータスを把握しました。
●この世界に関する考察を共有しました。


【大尉@ヘルシング(裏表紙)】
[スタンス]
エンジョイ
[状態]
筋力(40)/B、
耐久(30)/C、
敏捷(40)/D+、
魔力(30)/C、
幸運(10)/D、
宝具(0)/なし、
魔力消費(微)。


【柳洞寺/2014年8月2日(金)0245】

【衛宮切嗣@Fate/zero】
[スタンス]
対聖杯
[状態]
五年間のブランク(精神面は復調傾向)、魔力消費(小)、精神的疲労(大・消耗中)。
[装備]
89式自動小銃(弾丸20×6)@現実、防弾チョッキ2型(改)@現実、個人用暗視装置JGVS-V8@現実、00式個人用防護装備@現実、トンプソン・コンデンター@Fate/zero、起源弾@Fate/zero×27
[道具]
89式自動小銃数丁@現実、弾丸数千発@現実、00式個人用防護装備数個@現実
[残存霊呪]
二画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争を止め、なおかつクロエを元の世界に返す。
1:まず善後策を話し合う。
2:家族の生存を第一に考え、臨戦態勢を維持する。
3:クロエに色々と申し訳ない。
4:ルーラーの動きに疑問。
5:折を見てバーサーカー主従を殺す。
[備考]
●所持金は3万円ほど。
●五年間のブランクとその間影響を受けていた聖杯の泥によって、体の基本的なスペックが下がったりキレがなくなったり魔術の腕が落ちたりしてます。無理をすれば全盛期の動きも不可能ではありませんが全体的に本調子ではありません。
●バーサーカーとそのマスター・ルナの外見特徴を知り、同盟(?)を組みました。可能ならば同盟を解消したいと考えています。
●コンビニで雑貨を買いました。またカバンにアーチャー(クロエ)の私服等があります。
●セイバー(アルトリア)への好感度が上がりました。
●eKスペース(三菱)のレンタカーを借りました。
●『令呪を持って命ず、アーチャー、バーサーカーとそのマスターの竜堂ルナに攻撃するな。』の令呪を使用しました。

【アーチャー(クロエ・フォン・アインツベルン)@Fate/kareid liner プリズマ☆イリヤ】
[スタンス]
奉仕(切嗣)
[状態]
筋力(10)/E、
耐久(20)/D、
敏捷(30)/C、
魔力(40)/B、
幸運(40)/B、
宝具(0)/-
魔力消費(小)、精神的疲労(中・消耗中)。
[思考・状況]
基本行動方針
衛宮切嗣を守り抜きたい。あと聖杯戦争を止めたい。
1:まず家族と話す。
2:ルーラーと美遊の動きに疑問。
[備考]
●ルナをホムンクルスではないかと思っています。また忌避感を持ちました。
●バーサーカーと同盟(?)を組みました。 可能ならば同盟を解消したいと考えています。
●『令呪を持って命ず、アーチャー、バーサーカーとそのマスターの竜堂ルナに攻撃するな。』の令呪の影響下にあります。
●イリヤ(sn)と魔力のパスを繋ぎました。


【竜堂ルナ@妖界ナビ・ルナ】
[スタンス]
未定
[状態]
封印解除、妖力消費(中)、靴がボロボロ、服に傷み、精神的疲労(中)。
[残存令呪]
二画
[思考・状況]
基本行動方針
みんなを生き返らせて、元の世界に帰る。バーサーカーさんを失いたくない。
1:バーサーカーさんと一緒にがんばる。
[備考]
●約一ヶ月の予選期間でバーサーカーを信頼(依存)したようです。
●修行して回避能力が上がりました。ステータスは変わりませんが経験は積んだようです。
●第三の目を封印解除したため、令呪の反応がおきやすくなります。また動物などに警戒される可能性が増えるようになり、魔力探知にもかかりやすくなります。この状態で休息をとっていても妖力は消耗します。
●身分証明書の類いは何も持っていません。また彼女の記録は、行方不明者や死亡者といった扱いを受けている可能性があります。
●バーサーカーの【カリスマ:D-】の影響下に入りました。本来の彼女は直接的な攻撃を通常しませんが、バーサーカーの指示があった場合それに従う可能性があります。
●『切嗣さんとアーチャーさんに攻撃しないで!!』の令呪を使用しました。
●切嗣から第四次聖杯戦争の概要を知りました。なおイリヤとアーチャーに関しては誤魔化されたので、気を使って聞かないことにしました。

【バーサーカー(ヒロ)@スペクトラルフォースシリーズ】
[スタンス]
聖杯狙い
[状態]
筋力(20)/D+、
耐久(30)/C+、
敏捷(20)/D+、
魔力(40)/B++、
幸運(20)/D、
宝具(40)/B+
実体化、精神的疲労(小)。
[思考・状況]
基本行動方針
拠点を構築し、最大三組の主従と同盟を結んで安全を確保。その後に漁夫の利狙いで出撃。
1:善後策を話し合う。
2:ルナがいろいろ心配。他の奴等に利用されないようにしないと。
3:ルーラーの動きに疑問。
[備考]
●新都を偵察しましたが、拠点になりそうな場所は見つからなかったようです。
●同盟の優先順位はキャスター>セイバー>アーチャー>アサシン>バーサーカー>ライダー>ランサーです。とりあえず不可侵結んだら衣食住を提供させるつもりですが、そんなことはおくびにも出しません。
●衛宮切嗣&アーチャーと同盟を組みました。切嗣への好感度が下がりました。
●衛宮切嗣が更に苦手になりつつあります。
●神を相手にした場合は神性が高いほど凶化しずらくなります。
●『切嗣さんとアーチャーさんに攻撃しないで!!』の令呪の影響下にあります。
●切嗣から第四次聖杯戦争の概要を知りました。なおイリヤとアーチャーに関しては誤魔化されましたが、どうせこいつは下手な嘘をつき続けると思って無視しました。


【イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/stay night】
[スタンス]
聖杯狙い
[状態]
程度不明の命に別状はない怪我(全て治癒中)。
[装備]
特別製令呪、いつもの紫の私服。
[残存令呪]
三画
[思考・状況]
1:とりあえずもう一人の自分と話す。
2:キリツグを殺す。
3:全員倒して優勝したい。
4:キリツグが他の誰かに殺されないように注意する。
5:明日の朝九時に間桐邸に向かう。
[備考]
●第五次聖杯戦争途中からの参戦です。
●ランサー(幸村)、ランサー(アリシア)、アサシン(扉間)のステータス、一部スキルを視認しました。
●少なくともバーサーカー(サイト)とは遭遇しなかったようです。
●自宅はアインツベルン城に設定されています。
●アサシン(千手扉間)がハサンではないことに気づきました。
●アーチャー(赤城)、キャスター(パピヨン)、キャスター(フドウ)、ルーラー(イチゴ)、セイバー(アルトリア)、セイバー(テレサ)、ライダー(五代)のステータスを確認しました。
●間桐慎二と色丞狂介に疑念を抱きました。
●セイバー(アルトリア)の真名を看破しました。
●ランサー(カルナ)の情報を入手しました。
●柳洞寺で会談した結果、色丞狂介&キャスター(パピヨン)、ルーラー以外の情報並びにそれぞれの連絡先を共有しました。主に当事者以外のサーヴァントの情報でありこれには一部の聖杯戦争に関する情報も含まれます。またルーラーに大して言及を避ける暗黙の空気も共有されました。
●ルナをホムンクルスではないかと 思っています。
●クロから切嗣の世界の第四次聖杯戦争の情報、クロの世界のクロに関する若干の情報を得ました。また自分がこの聖杯戦争の小聖杯ではないことに気がつきました。
●アーチャー(クロ)との間に魔力のパスを繋ぎました。

【バーサーカー(ヘラクレス)@Fate/stay night】
[スタンス]
奉仕(イリヤ)
[状態]
筋力(50)/A+、
耐久(50)/A、
敏捷(50)/A、
魔力(50)/A、
幸運(40)/B、
宝具(50)/A、
霊体化、狂化スキル低下中、残機6(クウガのモーフィングパワー、剣、槍、弓への耐性)。
[思考・状況]
基本行動方針
イリヤを守り抜く、敵は屠る。
[備考]
●石斧の飛雷針の術のマーキングがあります。



【新都・西部/2014年8月2日(金)0245】

【色丞狂介@究極!!変態仮面】
[スタンス]
対聖杯
[状態]
ダメージ(大)、疲労(極大)、『必勝法』を共有済。
[装備]
核金(種類不明)、S2U(待機)、カレイドサファイア@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
[残存令呪]
0画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争を止める。悪人をお仕置きする。
1:間桐邸に戻り、事の顛末を伝える。
2:慎二に呼応して『必勝法』で聖杯戦争を止める。
3:吸血鬼達を警戒しているが……
[備考]
●愛子ちゃんのパンティ、携帯電話所持。
●予選期間中にサイトの魂食いの情報を得ました。東京会場でニュースを見た場合、サイトの姿や声を知る可能性があります。
●孫悟空のクラスとステータスを確認しました。
クラス・ランサー、筋力C耐久C敏捷A+魔力B幸運C
このステータスは全てキャスター(兵部京介)のヒュプノによる幻覚です。
●キャスター(フドウ)、バーサーカー(ヘラクレス)、アーチャー(赤城)、ルーラー(ミュウイチゴ)、アーチャー(まほろ)、アーチャー(ワイルド・ドック)、ランサー(真田幸村)、ランサー(カルナ)、シュレディンガー准尉、ランサー(アリシア)、バーサーカー(小野寺ユウスケ)、教授、大尉、セイバー(アルトリア)、アーチャー(赤城)のステータスを把握しました。
●ホテルにいる主従達と情報交換しました。
●マイケル&アーチャー、茜&ランサー、アサシン、ドク&少佐に不信を抱きました。特に少佐を警戒しています。
●野比のび太、アーチャー(安藤まほろ)、色丞狂介&キャスター(パピヨン)、美遊・エーデルフェルト、高遠いおり&ランサー(アリシア・メルキオット)間で情報交換を行いました。
●この世界に関する考察を共有しました。


【シュレディンガー准尉@ヘルシング(裏表紙)】
[スタンス]
エンジョイ
[状態]
筋力(10)/E、
耐久(20)/D、
敏捷(10)/E、
魔力(40)/B、
幸運(5)/D、
宝具(0)/なし、
魔力消費(微)。
[思考・状況]
基本行動方針
少佐と聖杯戦争を楽しむ。
1:少佐殿も教授も死んじゃったよ。
[備考]
●冬木市一帯を偵察しました。何を目撃したか、誰に目撃されたかは不明ですが、確実に何人かの記憶に残っています。

【ゾーリン・ブリッツ@ヘルシング(裏表紙)】
[スタンス]
エンジョイ
[状態]
筋力(30)/C、
耐久(20)/D、
敏捷(30)/C、
魔力(30)/C、
幸運(10)/E、
宝具(0)/なし、
魔力消費(小)。

【ウォルター・C・ドルネーズ@ヘルシング(裏表紙)】
[スタンス]
未定
[状態]
筋力(30)/C+、
耐久(10)/E、
敏捷(30)/C、
魔力(10)/D、
幸運(10)/E、
宝具(0)/なし、
魔力消費(中)。
基本行動方針
自分がこの聖杯戦争に喚ばれた意義を探すのも一興。



【真田幸村@戦国BASARAシリーズ
 討死】
【ドク@ヘルシング(裏表紙) 戦死】
【バーサーカー(小野寺ユウスケ)@仮面ライダーディケイド 消滅】
【ライダー(五代雄介)@仮面ライダークウガ 消滅】

【クロノ・ハラオウン@魔法少女リリカルなのはA's 凍結】
【美遊・エーデルフェルト@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ 凍結】
【???@第二次二次二次キャラ聖杯戦争 凍結】
最終更新:2017年10月16日 11:28