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「!?バーサーカーさん!あそこっ!」
「敵か……!」

 時刻は四時を少し過ぎた頃だ。
 左手に見えた橋の惨状に気をとられながら走っていた竜堂ルナとバーサーカーの二人。先に彼女たちを見る存在に気づいたのは先行していたルナのほうだった。

「地の利を得られたな……」

 自分達がいるビルの屋上より更に十数メートルは高いところにいる赤い外套に銀の光を跳ね返す人影。

「えっと……サーヴァント、かな?」
「どっちかはわからないがーー」

 「そこで止まれ」とバーサーカーは声をかけルナと同じビルの屋上に立ち、寄り添う。

「ーー話をしに来たようだな。」



「ふーん、先に気づいたのはそっちか。」

 夜風に赤い外套を靡かせるアーチャー、クロエは呟いた。
 およそ百メートルの距離。気配は絶っているとはいえアサシンでもない以上いつでも察知されるのはわかっていた。それなのに、アーチャーは動かなかった。つまりは。

『じゃあ『接触』するわ。』
『頼んだ。』

 衛宮切嗣の選択は『接触』。つまりは発見した『参戦者』との交渉である。
 無論リスクは大きい。お世辞にもアーチャーは強いとは言えず、なにより自分のサーヴァントを、娘であるクロエを矢面に立たせることに他ならない。交戦する確立は五分を越えるだろう。
 しかしそれでも切嗣は、ここでアーチャーを接触させることを選んだ。それはこの聖杯戦争がある意味一斉に始まることに対応して先手をうつためでもあったし、アーチャーならば離脱も可能であることを考慮したためでもある。だがその一番の理由は、やはり『生き残る』ためだろう。

 この聖杯戦争における衛宮切嗣の最も重要な目的、それは『クロエ・フォン・アインツベルン達の生存』である。

 究極的には、聖杯の入手、または破壊は、その目的を達成するための手段でしかない。愛する者を犠牲にしても正義の味方を語った男の末路が家族を、見たこともない子ども達を守るためと言うのはかなりの皮肉だと切嗣は思うが。

 よって切嗣が最優先すべきなのは自身とアーチャーの生存である。娘たるアーチャーをできうる限り長く生存させることは、その目標にも合致する。しかしこれには大きな課題があった。この聖杯戦争に巻き込まれた時点で恐らく衛宮切嗣の寿命は尽きていたはずだ。実際、切嗣は自身の死期を悟り衛宮士郎が生きていくための手配をささやかながら進めていた。そんな切嗣の体がこの聖杯戦争に耐えうるのか?いつその時がくるのか、来てしまうのか?あるいはもっと単純に戦いの中で命を落とすことも多分に考えられる。ではそうなったときに、衛宮切嗣はマスターとして、そして父親として何ができるのか。

 そして考えついたのが、自分以外にクロエのマスターとなる者を用意することであった。幸い、クロエは燃費が良く、単独行動のスキルも持っている。サーヴァントを二騎使役できるマスターは限られるだろうが、多少の無理をしてでもこの『戦力』を欲するマスターはいるだろう。

 娘を兵器のように扱うーー結論に行きつくための前提に自嘲もしたし父親失格だとも思ったが、残念ながら切嗣にはこれ以上の父親らしい行動は現実的なものと思えなかった。



 ◆  ◆   ◆    ◆     ◆      ◆       ◆



 「ガンッ」と金属の手すりを蹴った音と風を切る音。ルナとバーサーカーがアーチャーの待つビルの屋上に現れる。
 二騎のサーヴァントはどちらも武器を構えない、しかし、警戒心は微塵も緩ませない、そして、沈黙。互いに相手の声を待つ。ピリピリとした空気。

「あのー……」

 になる前に、おずおずと声をかけたのはルナだ。沈黙の主導権争いの空気になることを察知してとっさに何か話さなければと気をきかせたのだがそのあとが続かない。
 それを見て、バーサーカーは心の中で舌打ちをし、アーチャーはルナへの評価を変えた。
 今の状況なら先に何らかの行動を起こすよりかは相手の出方を待つ場面だろう。それを崩したということはこの場を有利に進める何かが話すことであるか、もしくは余程のバカか。ここまでの彼女から感じた存在感から前者だと判断してアーチャーはルナの言葉を待ち。

「……こんに、こんばんは。」
(あっ、この子チョロいわ。)

 アーチャーは評価を後者にし、バーサーカーは心の中で今度はため息をついた。

「こんばんは。さっそくだけどマスターさん、同盟を組まない?」
「同盟!?もちろ「待てルナーーマスター!」え、でも、バーサーカーさん……?」
「チィッ……!」
『で、そっちがマスターで名前はルナ。あの変な腕のサーヴァントはバーサーカーね。同盟組んでたわけじゃないみたい。』

 切嗣へと念話を送りながら、アーチャーは心の中で失笑した。サーヴァントに匹敵する存在感を放ちながら、あまりにも簡単にボロを出すマスター。少しは頭が切れそうだと思ったらマスターの名前を口走るサーヴァント。どちらも揃って御しやすい、それがアーチャーが二人に抱いた第二印象だ。

(イリヤでもここまで天然じゃーー!)

 一瞬、アーチャーは自分の顔がひきつったのを感じた。それは心の中で笑うことでほんの僅かに弛緩した表情筋が驚愕の表情になろうとするのを押さえつけるためのものだ。

(もしかしてーー)

 アーチャーは視線をルナへと集中させる。この時、ほんの僅かだがアーチャーはバーサーカーの存在を頭から追い出した。それは自殺行為に他ならないが、しかしアーチャーは意識的にか無意識にかルナを見つめていた。

 待ち明かりを受けて金色の光を反す銀髪。摩眼かのような渦の紋様が見える赤い目。そしてその身体から己の存在を誇示するかのように流れ続ける異質な魔力。先程の失態も世間知らず故だとしたら、一般社会に出た経験がないとしたら。

(ーーホムンクルス!?)



(なんで見つめられてるんだろう……?)
 一方、アーチャーの視線を受けるルナは困惑していた。なぜか突然自分の顔をじっと見つめられているのだ。そのような経験などほとんどないルナにはこういうときどうすればいいのかわからないのだ。

「バーサーカーさん……」
「相手から目を離すな。」

 助けを求めるも、彼女のサーヴァントはとりつく島もない。バーサーカーは不甲斐ない自分自身への怒りからだが、ルナは怒られていると感じた。

(顔に何かついてたりして……)

 気まずさに堪えられず、ポリポリとほっぺを掻く。ふと彼女も嗅ぎ慣れた匂いがした。指を見るとそこには、一枚の青のり。

(青のり付いてた!)



【新都・前回から移動なし/2014年8月1日(金)0420】

【アーチャー(クロエ・フォン・アインツベルン)@Fate/kareid liner プリズマ☆イリヤ】
[状態]
筋力(10)/E、
耐久(20)/D、
敏捷(30)/C、
魔力(40)/B、
幸運(40)/B、
宝具(0)/-
[思考・状況]
基本行動方針
衛宮切嗣を守り抜きたい。あと聖杯戦争を止めたい。
1.まさか、ホムンクルス!?
2.同盟を組むって言ってみたけど、どうなるかなー。少しぐらい魔力貰っても大丈夫そうだから悪くはないけど。
[備考]
●赤色の影をバーサーカーと、銀色の影をマスターの『ルナ』と認識しました。
●ルナをホムンクルスではないかと思っています。


【竜堂ルナ@妖界ナビ・ルナ】
[状態]
封印解除。妖力消費(小)。お腹いっぱい。ちょっと眠い。恥ずかしい。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
みんなを生き返らせて、元の世界に帰る。
1.なんかいろいろ恥ずかしい。
2.同盟を組むんじゃなかったっけてバーサーカーさんに聞きたいけど今はやめとく。
3.学校の保健室を基地にする‥‥いいのかな‥‥
4.誰かを傷つけたくない、けど‥‥
5.バーサーカーさんを失いたくない。
[備考]
●約一ヶ月の予選期間でバーサーカーを信頼(依存?)したようです。
●修行して回避能力が上がりました。ステータスは変わりませんが経験は積んだようです。
●新都を偵察した後修行しました。感知能力はそこそこありますが、特に引っ掛からなかったようです。なお、屋上での訓練は目視の発見は難しいです。
●第三の目を封印解除したため、令呪の反応がおきます。また動物などに警戒されるようになり、魔力探知にもかかりやすくなります。
●身分証明書の類いは何も持っていません。また彼女の記録は、行方不明者や死亡者といった扱いを受けている可能性があります。


【バーサーカー(ヒロ)@スペクトラルフォースシリーズ】
[状態]
筋力(20)/D+、
耐久(30)/C+、
敏捷(20)/D+、
魔力(40)/B++、
幸運(20)/D、
宝具(40)/B+
魔力消費(微)、不甲斐ない自分にイライラ。
[思考・状況]
基本行動方針
拠点を構築し、最大三組の主従と同盟を結んで安全を確保。その後に漁夫の利狙いで出撃。
1.誘い出されてきたが……どうするか。
2.学校に拠点を構える。
3.マスターがいろいろ心配。
[備考]
●新都を偵察しましたが、拠点になりそうな場所は見つからなかったようです。
●同盟の優先順位はキャスター>セイバー>アーチャー>アサシン>バーサーカー>ライダー>ランサーです。とりあえず不可侵結んだら衣食住を提供させるつもりですが、そんなことはおくびにも出さずに交渉する予定。