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「ーーまだ、仕掛けるときじゃない、適当にあしらってきなさい、キャスター。」
「ふーん……わかった、じゃあ状況を整理しよう。」

 マスター・天沢勇子は、彼女のサーヴァント・キャスターに命令を下した。

 内容は保留。一見、場当たり的な対応に見えるが、イサコはこの判断が最善策であると考えた。


「今僕たちがいるのは冬木ハイアットホテルの最上階。ホテルの周囲は市街地が数キロにわたって続いている。高さ50メートル以下なら空中戦には注意が必要になるね。」
「ホテルのエントランスに他のマスターとサーヴァントが侵入してきた。マスターの情報は男子高校生っぽい外見のみで能力は未知数。サーヴァントについては僕のヒュプノに勘づいたこと以外一切不明。」
「他に周辺にサーヴァントがいる可能性もある。下のマスター達との関係はこれも一切不明。」
「これで適当にあしらってこいっていうのは。」
「好きにしていいってことかな?」


 イサコはキャスターに決断を任せることがこの場での最善策であるとの結論を出したのだ。

 もとより、イサコはキャスターを人間として信頼はしていない。むしろキャスターのような人物はイサコが明確に敵意を向けるタイプの人間だろう。それでも、イサコはキャスターのサーヴァントととしての能力は信頼していた。
 キャスターは彼女が望むことのほぼすべてを叶えた。資金、情報、戦力、その全てが彼女が望むものより多く、高く、強かった。いまだ戦闘こそないが、キャスターが遅れをとるような事態が考えられない程度にはそれを信じていた。
 もちろん、イサコはキャスターが優秀ではあっても万能ではないとは思っている。普段の彼女ならば。サーヴァントに判断を任せるようなマネはまずしないだろう。
 しかし、それ以上に自身の判断能力を疑った。果たして今の自分がキャスターより正しい判断を下せるだろうか?そう考えたときに、彼女は素直にーーいくらか苦い顔をしたがーー自分がキャスターより劣っていると認めた。サーヴァントとの戦闘を無意識に避けていた、もしくはその恐れがある自分に、何かの決断を下すのは有害であるとの認識をしたのだ。

 イサコはだから、キャスターの判断をみることにした。果たしてキャスターは今度も自分の予想を越えるパフォーマンスを見せつけるのか。それか決断のための反面教師となるような事態を起こすのか。キャスターの行動を見て、自分とキャスターの評価を改めようというのだ。

「好きにしなさい。」

 イサコはそう言うと、じっと、キャスターをねめつけた。その一挙手一投足を見逃さないため、そしていくらかの苛立ちと羨望を込めて。

 それを見て、キャスターは驚いた。そのような表情を向けられたのは初めてではない。だが、今ここで自らのマスターから向けられるとは思わなかったのだ。

(ちょっとは、お近づきになれた、かな?)

 キャスターは、自らのマスターから向けられた、『憧れ』の表情を目に焼き付けるとその姿を部屋から消した。



「間桐慎二、慎二でいいよ。」
「色丞だ、色丞狂介。」

 その頃、ホテルの一階、エントランスで向かい合っていた色丞狂介と間桐慎二は場所を併設されたカフェへと移していた。
 テーブルの対面1メートルの距離。そんな状況に同盟を組んでいるわけでもないマスター同士が座るというあり得ない光景。双方のサーヴァントの発するプレッシャーが場に重くのし掛かる。

「でさぁ、さっきの話だけどーー」

 慎二は必死に手の震えを抑えながらコーヒーに口をつけ、乾いた口を潤す。元々彼はこんないつ死んでもおかしくない状況を望んでいたわけではないが、狂介の提案とその勢いに圧されて座ってしまったのだ。その提案とは。

「本気でこの聖杯戦争を止める気か?」

 その提案とは、この聖杯戦争そのものの打倒。参加者らが参加した意義を真っ向から否定する無法の一声だ。

「ああ、僕はこの聖杯戦争を止めたい。そしてそのために君に協力してもらいたい。」

 慎二の問いかけに、狂介も緊張で言葉を震わせながらもはっきりと答えた。

「いや、いやいや嘘だろ?万能の願望器だぞ?それが手に入るっていうのに、みすみす諦めるバカがどこにいるんだよ?」
「たしかに、バカかもしれない。なんでも願いが叶うのに、なんでって思うのもわかる。それでも、戦争を止めたいんだ。」
「……なんだよそれ、そんなのただの偽善、自分勝手な願望だろ!これは聖杯戦争だぞ?」

 慎二は詰め寄った。慎二には、狂介のその正義感は理解できなかった。あるいは、それは自己満足の産物と思えた。
 そしてその言葉は、狂介の心にも波紋を拡げた。きっぱりと慎二の言葉を否定することはできない、そう思わされた。

「……わかってる、意味のない、無駄なことかもしれないって。」
「……ハハッ、そうだろ。結局は狂介、君も欲しいんだろ?聖杯が?こういう場所なんだ、良い子ちゃんにならなくてもーー」
「それでも、それでも止めたいと思っちゃダメかな?みんな聖杯を手にいるために殺し合う。それを止めようとするのも、そういう聖杯戦争があっても良いんじゃないかな?」
「……」
「頼む、慎二。」
 狂介はテーブルに手をついた。
「君の力を、僕に貸してくれ。」

 そして、頭を下げた。


(コイツ、バカとかそういうのじゃない……!狂ってる!)

 慎二は頭を下げた狂介の頭頂部を睨みつけながら悪態をつく。
 狂介の言動は、どことなく衛宮士郎を思い出させるものだ。彼がこの聖杯戦争で何よりも意識している、妹や祖父すらよりある意味重い存在。それが、ちらつく。

 だが慎二、ここで踏みとどまる。彼とてわかっている、この聖杯戦争の困難さを。

 もしこれが冬木の聖杯戦争ならば彼はサーヴァントに狂介を殺させていただろう。だがここは冬木であって冬木ではない。キャスターを除いて今の彼には何もない。

(……まてよ、これは……チャンスじゃないか……!内容に目をつむれば向こうから同盟を組もうっていう言ってるんだし……)

 だから、彼は飲み込んだ。狂介への嫌悪感も苛立ちも眩しさも、全て大人になって受け入れた。重要なのは勝つこと、勝利こそが全てに勝る。そう強く強く認識して、苦い顔になりながらも自分を納得させた。

(なにも問題ない……適当に合わせて、ボロボロになったところを使い捨ててやる!)

 慎二は苦い顔を作り笑いに変えた。なに、簡単なことだ。狂介は彼が落としてきた少女達よりなお頭が軽いだろう。彼の話術をもってすれば丸め込むのも雑作もない。そして彼は口を開こうとして。


『面白い話をしてるな、俺も混ぜろよ』


(今のは念話!でも……)
(キャスターじゃない!?じゃあ誰だ!コイツのサーヴァントか?それともーー)

 場の空気が一気に重くなる。二人のサーヴァントがそれぞれ殺気を発しテーブルの上のコーヒーに波をたてる。それとは別に、エレベーターから強烈なプレッシャーが飛んでくる。

 二人はゆっくりとそちらに目を向けた。エレベーターが開く。中の人物が歩き出してくる。その姿に二人は驚く。


 ーーそのサーヴァントは猿顔で金髪だった。全身を赤い服に包み、頭にはティアラというには武骨すぎる金の髪飾り。そしてその手に持つのはなぜか延びたり縮んだりを繰り返す棒。


(孫悟空か?)


 その姿に、その場の全員が同じ英雄を脳裏に浮かべた。それほどその姿はティピカルに孫悟空であった。



【新都、冬木ハイアットホテル/2014年8月1日(金)0301】


【天沢勇子@電脳コイル】
[状態]
健康、覚悟未完了、それでもこの聖杯戦争を戦う。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
優勝してお兄ちゃんを生き返らせる。
1.ロビーの敵陣営に関してはキャスターに一任……だけどなんで孫悟空?
2.調査後家で陣地作成の続きを行う。
3.家の陣地作成が終わったあとはホテルや他の場所で陣地作成。
4.キャスターをどこかに潜入させるか‥‥
5.同盟相手を探す(三騎士、バーサーカー、ライダー、アサシンの順で妥協するかも)。
[備考]
●所持金一万円。
●キャスターの給料で購入したもののうちスマホは引き継げましたが、それ以外はキャスターが持っていたためか全て持ち込めませんでした。
●自宅は深山町にあり、そこにセンサーを張り巡らせました。家への出入りを察知できます。
●予選の時に新聞やテレビや掲示板を見てそれなりに調査したようですがなんの成果も得られなかったようです。
●冬木ハイアットホテル最上階をキャスターに借りさせ、一室を簡素な拠点化しました。

【キャスター(兵部京介)@The Unlimited 兵部京介】
[状態]
筋力(30)/C、
耐久(30)/C、
敏捷(150)/A++、
魔力(50)/A、
幸運(20)/D、
宝具(40)/B
孫悟空っぽい姿にヒュプノで変装中、如意棒っぽい伸び縮みする棒を道具作成。
[思考・状況]
基本行動方針
マスターの安全第一。まずは安全な拠点作り。
1.この姿を真に受けるか見破るか……どっちかな?
2.マスターの安全第一。危険なら即撤退。
3.調査後家で陣地作成の続きを行う。
4.家の陣地作成が終わったあとはホテルや他の場所で陣地作成。
5.変装には自信があるんでね。どんなところでも入れない場所はないよ。
6.同盟相手を探す(バーサーカー、ライダー、アサシン、ランサー、アーチャー、セイバーの順で妥協するかも)。
[備考]
●自宅は深山町にあり、そこに陣地を作成しました。内部での行動は外部から察知できず、また一部の場所が迷路のようになったとか。
●予選では出版社でサラリーマンとして働いていたようです。少なくともその会社に他の組はいなかったようです。
●冬木ハイアットホテル最上階を借りて、一室を簡素な拠点化しました。
●言動がキャスターのイメージする孫悟空っぽい感じにキャラづけました。

【間桐慎二@Fate/stay night 】
[状態]
高揚。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯を手に入れる。何を願うかは後から決める。
1.色丞狂介を丸め込んで同盟組もうと思ったがまずは孫悟空(?)に対処。
2.間桐家で陣地作成を行う。
3.会場と冬木市の差異に興味。

【キャスター(フドウ)@聖闘士星矢Ω】
[状態]
筋力(30)/C、
耐久(40)/B、
敏捷(60)/C+、
魔力(100)/A+、
幸運(50)/A、
宝具(50)/A
霊体化
[思考・状況]
基本行動方針
マスター・慎二を見定める。今のまま聖杯を手にするならば━━
1.明らかに怪しいサーヴァントに対処、まずは正体を見破る。
2.今は慎二に従い、見定める。
3.求めるなら仏の道を説くというのも。
4.色丞狂介、か……
[備考]
●慎二への好感度が予選期間で更に下がりました。ただ、見捨てたわけではありません。
●狂介に興味を持ちました。


【色丞狂介@究極!!変態仮面】
[状態]
健康。
[残存令呪]
1画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争を止める。悪人をお仕置きする。
1.間桐慎二から協力を取り付ける……前に孫悟空(?)に対処。
2.帰ったら家で陣地作成したり核金作ったりしてもらう。
3.下北沢のサーヴァント(サイト)を警戒。冬木大橋も気になる。
[備考]
●核金×2、愛子ちゃんのパンティ所持。
●予選期間中にサイトの魂食いの情報を得ました。東京会場でニャースを見た場合、サイトの姿や声を知る可能性があります。

【キャスター(パピヨン)@武装錬金】
[状態]
筋力(20)/D、
耐久(30)/C-、
敏捷(30)/C、
魔力(40)/B、
幸運(50)/A、
宝具(40)/B
[思考・状況]
基本行動方針
せっかくなんで聖杯戦争を楽しむ。
1.……クオリティの低いコスプレだ。
2.帰ったら家で特殊核金を制作。今日はパピヨンパークは無理か?
3.冬木市の名物は麻婆豆腐‥‥?
[備考]
●予選期間中にサイトの魂食いの情報を得ました。東京会場でニャースを見た場合、サイトの姿や声を知る可能性があります。
●今は空気を読んで霊体化していますが気分で実体化したりします。