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 「あ、これ失敗したな」というのがキャスター・兵部京介が二人の男子高校生らしき人物を見て脳内で発した言葉だ。


 兵部は、確かにサーヴァントとマスターの存在に気づいていた。先んじて色丞狂介とパピヨンを察知し、しっぽを掴まれながらもマスターの元に戻り、その決心に従い行動を起こした。だが一つ見落としていたのだ、このホテルに現れた三人目のキャスター、フドウとそのマスター、間桐慎二を。
 これには大きな原因がある。兵部のもつ超能力は確かに強力ではある。しかし、それは多分に感覚的なものであり、時として思わぬ見落としを生むのだ。それが今回の場合は三組目のキャスター達を見逃すという失態に繋がった。パピヨン達とフドウ達の距離があまりに近かったために、両者の気配を同一のものと思い込み、まとめてパピヨンの気配だとしてしまったのだ。
 勿論、彼が用心深く行動していれば別の方法での確認もしただろうし、そもそも気配を間違えるような失態はしないだろう。しかし、ヒュプノでの『変装』を優先するあまり『つい』怠ってしまったのだ。

(ここに真木がいたらぐちぐち言われてただろうな……)

 心の中でごちながら、兵部はエレベーターから降りる。既に孫悟空っぽい格好を見せてる上にテレパスまで送ってしまったのだ。今さら逃げることなどできようがない。

(まあ、なるようになるさ。)

 くるりとヒュプノで道具作製した如意棒を回しながら歩く。その場に居るもの全員の視線をたっぷり浴びながら、兵部は何てことないように二人のマスターに話しかけた。


「俺も仲間に入れてくれよ。」



(なんだこのサーヴァントは?なぜコスプレを?)

 一方、話しかけられたーー正確には兵部はマスターたちに話しかけのだがーーパピヨンは困惑していた。目の前のサーヴァントはなぜか孫悟空のコスプレをしている、しかもご丁寧に如意棒付きだ。いったいなぜこのサーヴァントはこのような変装をしているのか?

(!いや、ここは空気を読もう。)

 しかしパピヨンも心得てはいる。こういうときにどうすればいいのかは彼なら当然知っていた。

「お前は……孫悟空!!?」
(色丞のサーヴァントが実体化した!色丞の命令か!?)
「キャスター!実体化はマズイってーー」
「そうだ、俺が孫悟空だ。」
「え、嘘、ホントに、ホントに孫悟空!?」
(本当に孫悟空かよ!キャスター!お前も実体化しろ!)
「そうだ、俺が正真正銘の孫悟空だ(結構あっさりサーヴァントも騙せたな)。」
「まさか孫悟空と会うとはな……(コイツ本気で孫悟空でいく気か)。」
「おい、キャスター!早く!」

 ホテルのロビーはにわかに騒がしくなった。突如エレベーターから棒を持って降りてきた自称孫悟空。突如カフェに現れたパピヨンマスクにレオタードの変態。その隣で叫ぶ若者達。彼らを見て悲鳴を上げる一人の女性客。その女性客の元から走り去る犬。犬を追うホテルマン達。それを見て唖然とする夜の街から戻ってきた中年の宿泊客男性。どことなく憮然とした表情で唐突に現れる神々しい男性。なぜかその男性に平伏する犬。その全てが相互に場を混乱させ混乱していた。


「しかし、ここは騒がしいな。」

 他人事のように孫悟空(兵部)は呟き、顎に手を当てる。自分でも思わずお前が言うなと言いたくなって半笑いになるのを顎に当てた手で誤魔化した。そして神妙に、しかし軽妙にパピヨンに話しかける。

「こういったことはもっと落ち着ける場所で話すべきだ、だろ?」
「(今コイツ明らかに笑ってたな)違いない。場所を移すか(いかん、誘い笑いで)。」
「どうした、声が震えているぞ?」
「そうか?気のせいだろう(コイツ……笑わせに来ているな!)」
(……なんだ、この、寒い茶番は。)
「キャスター、おい、お前もなんとか言えよ!」
「ああ、大丈夫です。噛まれたっていってもスニーカーだったんで。僕らがうるさくしたからちょっと興奮しちゃったのかな、すいません。」
「ハッ!じゃあ決まりだな。全員俺の部屋に来な。同盟だっけ?おもしろいんじゃないの?」
「(まだキャラが定まっていないんだな)ふむ……マスターもそれでいいな?」
「名前ジークって言うんですか。ジークフリートからきてるのかな?カッコいいですね。えっと、ゴメンもう一回言って「マスターは良いといっている。そっちのキャスターはどうだ?」
「なに言ってるんだ、それを判断するのはサーヴァントじゃなくてこのぼ「では一つだけ。」
「そちらのホテルマンの方が我々に話があるようだ。」

 全員の視線が近くにいたホテルマンの男性に向く。その男性は言いづらそうに、申し訳なさそうな顔をしつつ話始めた。

「その、恐縮なのですが……ドレスコードが……」



「結局みんな追い出されちゃったな。これからどこにいこう?」
「この時間じゃ座れそうな店は開いてないだろうな。ああ、駅前に牛丼屋が出来てるんだっけ。とりあえずそこに行くか。えっと、孫悟空もそれでいいよな?」
「牛丼か、ちょうど腹減ってきたしいいな。」
「……サーヴァントって食べなくてもいいんじゃないのか。」
「腹減ってなくてもつい食べちゃうだろ?まさにあれだよ。」
(もうほとんど素が出てるだろコイツ。)

 数分後、五人の男達は道路を歩いていた。ホテルマン達の熱い視線に見送られて冬木ハイアットを後にした彼らは、とりあえず駅前に移動する流れになり今に至る。

(とりあえず、マスターからは遠ざけられた。)

 そして、孫悟空こと兵部京介は張りつめていた緊張の糸を少し、しかし油断も隙も生じさせない程度に緩めた。

(サーヴァント……二人のキャスターにはバレてるけど、まだマスターは信じてるみたいだね。)
(これならステータスをヒュプノで上書きしたのも大丈夫そうだ。)

 兵部のヒュプノは、非常に汎用性が高い。彼は二人のマスターにだけ流れる視覚情報をほんの少しだけ変えていた。本来なら、彼の姿は見るものによって変えることもできる。しかし、二騎のサーヴァントを警戒した彼は見えるステータスの一部を変えるにとどめていた。

「ていうか、なんでサーヴァントが真名を明かしてるんだよ。普通はクラス名じゃないのか。」
「嫌だね、クラス名なんて味気ない。」
「お前のマスターはなんでそれを許してるんだ……ボクはクラス名で呼ぶからな!ライダー!」
「……あれ?」
「勝手にしな。」

 うまくいった、と兵部はほくそ笑む。兵部がマスターの二人にだけかけたヒュプノ。それはクラス名の改竄だ。色丞狂介にはランサーのクラス名を、間桐慎二にはライダーのクラス名を、別々のクラス名をそれぞれ見せたのだ。

(本当はもっといろいろやりたかったんだけどね……もっとヒュプノを使えればあんなピエロみたいな真似しなくても追い出せたのに。)
(まあ、面白かったしいいか。)


 夜の街を男達は歩く。それぞれの思惑を胸に、目指す先はーー



「悪いな、お前らとは一緒に居られないわ、じゃあな!」
「こら走るな!オイコラ!」
「お前達そこ動くなよ、いいな!」

 数分後、兵部京介は二組の陣営を置き去りにして走り去っていた。不幸にも冬木大橋への対処に数あわせで集められていた生活安全課の警察官達と駅前で遭遇したのだ。もっとも、同じ時間に駅前に不審者がいるとの通報が相次いでいたので職務質問をかけられるのは時間の問題ではあったのだが。

「ふざけんなライダー!お前が如意棒なんて振り回してるから警察呼ばれたんだろ!」
「色丞、とりあえず俺は霊体化する。後は任せた。」
「キャスター!?」
「おい変態が逃げたぞ!どこいった変態!」
「あれここにいたでかいヤツどこいった?」
「こういうときは霊体化しなくていいだよキャスター!」

 十数分後、手の空いたパトカーがやって来た。



「とりあえず座れるところで話聞くから。」



【新都、駅前/2014年8月1日(金)0329】


【キャスター(兵部京介)@The Unlimited 兵部京介】
[状態]
筋力(30)/C、
耐久(30)/C、
敏捷(150)/A++、
魔力(50)/A、
幸運(20)/D、
宝具(40)/B
孫悟空っぽい姿にヒュプノで変装中、如意棒っぽい伸び縮みする棒を道具作成。
[思考・状況]
基本行動方針
マスターの安全第一。まずは安全な拠点作り。
1.やっば逃げよう。
2.マスターの安全第一。危険なら即撤退。
3.調査後家で陣地作成の続きを行う。
4.家の陣地作成が終わったあとはホテルや他の場所で陣地作成。
5.変装には自信があるんでね。どんなところでも入れない場所はないよ。
6.同盟相手を探す(バーサーカー、ライダー、アサシン、ランサー、アーチャー、セイバーの順で妥協するかも)。とりあえずさっきのはキャスターだったしパス。
[備考]
●自宅は深山町にあり、そこに陣地を作成しました。内部での行動は外部から察知できず、また一部の場所が迷路のようになったとか。
●予選では出版社でサラリーマンとして働いていたようです。少なくともその会社に他の組はいなかったようです。
●冬木ハイアットホテル最上階を借りて、一室を簡素な拠点化しました。
●言動がキャスターのイメージする孫悟空っぽい感じにキャラづけました。


【新都、駅前/2014年8月1日(金)0346】


【間桐慎二@Fate/stay night 】
[状態]
補導中。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯を手に入れる。何を願うかは後から決める。
1.……どうしてこうなった。
2.色丞狂介を丸め込んで同盟組もうと思ったが、まずは取り調べに対処。
3.ライダー(孫悟空)は許さない。
4.間桐家で陣地作成を行う。
5.会場と冬木市の差異に興味。
[備考]
●孫悟空のクラスとステータスを確認しました。
クラス・ライダー、筋力B耐久B敏捷B+魔力D幸運A
このステータスは全てキャスター(兵部京介)のヒュプノによる幻覚です。

【キャスター(フドウ)@聖闘士星矢Ω】
[状態]
筋力(30)/C、
耐久(40)/B、
敏捷(60)/C+、
魔力(100)/A+、
幸運(50)/A、
宝具(50)/A
霊体化
[思考・状況]
基本行動方針
マスター・慎二を見定める。今のまま聖杯を手にするならば━━
1.パトカーを護衛。
2.今は慎二に従い、見定める。
3.求めるなら仏の道を説くというのも。
4.色丞狂介、か……
[備考]
●慎二への好感度が予選期間で更に下がりました。ただ、見捨てたわけではありません。
●狂介に興味を持ちました。
●孫悟空が孫悟空でないことを見破っています。


【色丞狂介@究極!!変態仮面】
[状態]
補導中。
[残存令呪]
1画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争を止める。悪人をお仕置きする。
1.間桐慎二から協力を取り付ける……前に取り調べに対処。
2.ランサーだけあって逃げ足は早いんだな……
3.帰ったら家で陣地作成したり核金作ったりしてもらう。
4.下北沢のサーヴァント(サイト)を警戒。冬木大橋も気になる。
[備考]
●核金×2、愛子ちゃんのパンティ所持。
●予選期間中にサイトの魂食いの情報を得ました。東京会場でニャースを見た場合、サイトの姿や声を知る可能性があります。
●孫悟空のクラスとステータスを確認しました。
クラス・ランサー、筋力C耐久C敏捷A+魔力B幸運C
このステータスは全てキャスター(兵部京介)のヒュプノによる幻覚です。


【キャスター(パピヨン)@武装錬金】
[状態]
筋力(20)/D、
耐久(30)/C-、
敏捷(30)/C、
魔力(40)/B、
幸運(50)/A、
宝具(40)/B
[思考・状況]
基本行動方針
せっかくなんで聖杯戦争を楽しむ。
1.嵌められたか……喰えないサーヴァントだ。
2.帰ったら家で特殊核金を制作。今日はパピヨンパークは無理か?
3.冬木市の名物は麻婆豆腐‥‥?
[備考]
●予選期間中にサイトの魂食いの情報を得ました。東京会場でニャースを見た場合、サイトの姿や声を知る可能性があります。
●今は空気を読んで霊体化していますが気分で実体化したりします。
●孫悟空が孫悟空でないことを見破っています。
●マスターが補導されたのを孫悟空による罠と考えています。