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(とりあえず迎撃はしてみたがーー)
 バーサーカーは発言を終えると、視線をアーチャーに向けて表情を改めた。
(態勢を整わせる前に畳み掛けるか。)
 アーチャーは依然不敵な笑みを浮かべている。しかしそれはバーサーカーから見れば明らかな同様の表れだった。笑みというものは、しばしば何かを誤魔化すことに使われる。対応としては悪いと言えた。
(ん?表情が変わった?)
(急ぐか。)

『詳しい話はマスター同士ですると、マスターの合流は正午になると伝えるんだ。今はここを切り抜けるのを最優先とする。』
『オーケー。』
 一方アーチャー、ここでマスターの切嗣からの指示を受けた。これはバーサーカー達の知らないことだが、アーチャーは常にマスターと念話での情報のやり取りができる。バーサーカー達がそれを想定できないのをおかしなことと思うかもしれないが、バーサーカー達にはある事情があった。バーサーカー達は念話を行えないのだ。
 より正確に言えば、念話と言うものの発想が二人にはなかった。もちろん、ルナは技術的には可能である。しかし、想像できないことは実行できないのだ。

「問題はないわ。」
(顔つきが変わったか……)
「そうか、ではもっと詳しい話をしよう。」
(何とか時間を稼がないとね……)

「「これからのお互いのために」」
(ここで攻めきる……!)
(ここは逃げ切る……!)



「(まずは流れを取り戻さないと)それで、まず言っておきたいんだけど。」
「(先手をとりにきたか)どうした?同盟を組むことに問題はないんだろう?」
 バーサーカーの言質をとる発言が一歩、アーチャーを追い詰める。
「(問題ある、ってスゴい言いたい)まあ、そこはいいのよ、問題はそういうところじゃなくてーー」
「歯切れが悪いな。言いたいことがあるなら早く言え。」
「落ち着きなさいよ、人の話は最後まで聞くものよ。」
 アーチャーはバーサーカーの態度を注意し、小さく反撃した。
「(小癪な……だがこれに言い返せば、下らない論争で時間を浪費する、折れるか)確かにな。では続けてくれ。」
「(乗ってこない……挑発は無駄かな)私達はサーヴァントでしょ。正式に同盟を結ぶなら、当然マスター同士で顔を合わせる必要がある。違う?」
「(自分からマスターを会わせようとする、どういうことだ?)異論はないな。だが、どうする?」
 ここでアーチャー、一気に攻勢に出る。
「同盟を結ぶってことは、私達は一蓮托生。」
「それなのに、命を預ける相手のマスターの顔も知らないなんてあり得ない。そうでしょう?」
「だから、お互いのマスターの顔合わせが必要だと思うの。お互いをもっとよく知るために。本当は写真かなにかあればどんな顔かとわかるんだろうけど、そんなのサーヴァントに持たせるマスターなんていないしね。でも好い人よ。あと十年若ければ付き合っても良かったかしら。話がそれたわね、戻すわ。時間はーー『明日の正午に冬木駅改札前』ーーそうね、明日のお昼、12時きっかりでどう?その時間ならマスターと合流して会いに行けるわ。」

 アーチャーは、交渉においてマスターの存在を武器にする方法をとった。バーサーカー達は切嗣の情報を知らない。その知らないということを利用して、アーチャーはマスターの情報をわざとらしく伝えた。それは全て『バーサーカー達は何も情報がない人間と同盟しようとしている』と印象づけるため。
 それを受けて、バーサーカーは歯噛みした。二三歩、この交渉での後退を覚える。

(まずいな、このまま同盟交渉を推し進めれば、情報力の違いで不利な条件を突きつけられかけない。そうすれば交渉は決裂するのが自然だ、とこちらに思わせようとしている?)
(なにより、あれだけわざとらしくマスターの情報を口にするのは余裕の表れ。これ以上情報を引き出そうとしても、今度あったときに話せばいいと言われれば踏み込めない。)
(引き際か?くっ!打開策が思いつかない……!)

 アーチャーの発言からきっかり五秒。今度はバーサーカーが考えを巡らせた。そして、六秒目で口を開く。

「わかった。明日の正午にまた落ち合おう。」

 悔しさを無表情で覆い隠したバーサーカーを見て、アーチャーと切嗣は内心で緊張が解けるのを感じた。



「じゃあ、明日の昼の十二時に冬木教会。遅れないでよ。」
「無論だ。」

 アーチャーとバーサーカーの交渉はあれからすぐに終わった。翌日にマスター同士で再び交渉を行う以上、この場での会話は最低限度のものとなる。アーチャー側は相手からの追及のきっかけを作らないためにうってかわって言葉少なになり、バーサーカー側はルナの為に合流地点を駅から教会に変えるようにだけ言葉に出さずに求めて受け入れさせたーーもっとも、もう会うことはないだろうとは思っていたがーー。

(まず間違いなく、奴に同盟を組む気などない。情報を与えてみすみす逃がすことになるとは……)

 バーサーカーは自分から漏れそうになる魔力を抑えながら今回の失態を後悔する。いっそここでルナと二人で襲いかかろうかとも思ったが、未だにルナは不安定だ。そして相手のサーヴァントの戦力も不明である。とてもではないが現実的な策とは言えなかった。

「ルナ、バーサーカー、また明日。」
「はい、また明日!」
(その明日はこないよ、ルナ。)

 笑顔で見送るルナをバーサーカーは不憫に思った。まだ彼女は実際に同盟が行われるものだと思っているのだろう。あとでショックを受けないように伝えなければ。

(うん?待てよ。)
「待て、サーヴァント。」

 気がつけば、バーサーカーはアーチャーを呼び止めていた。「サーヴァントって……」とどこか呆れた様子で返すアーチャーを気にせず、何か言おうと口を開く。

(ああ、そうか。)

「お前、なぜ霊体化しないんだ?」


「……何か問題でも?」

 アーチャーは平坦な声でそう言うと、頬に指を当てて考えた。そういえば、自分はなぜ霊体化しなかったのか。

(他のサーヴァントの目の前で隙を見せたくなかったとか、単独行動のスキルを持ってるから、とか?)

 二秒ほど考えて結論を出す。むしろ霊体化しないほうが自然に思えた。

「いや、問題じゃない、ないな……」

 そう言いバーサーカーはうつむいた。それきり黙りこくったのを見たルナが不安げに「バーサーカーさん」と言っても反応はない。

(なんだったの、今の……)

 アーチャーもこれには困惑したが、それきりバーサーカーは動かない。たっぷり十秒は待っても変わりないのを見ると、「もう行くから」言って今度こそ去ろうとする。

「やめておいたほうがいい。」

 しかし、それをバーサーカーは止めた。彼女は顔を上げると、「ルナ」と呼びかける。そして真っ直ぐアーチャーを指差した。

「えと、バーサーカーさん?」
「……呼び止めたり、指差したり、何がしたいの?」

 おどおどとした声を上げるルナと苛立ちを含んだ声を上げるアーチャー。
 二人の問いに、「すぐに終わる、着いてこい」とバーサーカーは返すと。


 猛然と二人を置いてアーチャーが背を向けていた方向ーー切嗣のいる方へと走り出した。


(!なんで!?パパが補足された?!)
「待ってバーサーカーさん!」
「わ、私も!」
『パパ!バレてる早く逃げて!!』



 バーサーカーは、ある勘違いをした。
 バーサーカーはアーチャーに単独行動のスキルがあることを知らない。またサーヴァントの中には霊体化を嫌う者や出来ない者がいることも知らない。彼女が知るサーヴァントの知識は、全て自分の体験に基づくものと言っても差し支えなかった。
 そしてバーサーカーにとって実体化とはなかなかに困難なものだ。マスターであるルナが封印を解除しなければ、彼女の妖力は十全にサーヴァントであるバーサーカーに流れ込みはしない。そしてマスターが妖怪としての力を無理なく使えるのは一日の内で長くても数時間しかない。つまり、バーサーカーは一日に数時間しか実体化できないのだ。
 だから、バーサーカーはアーチャーも同じだと考えた。出来る限り実体している時間を短くしたいはずなのに、あえて悠長にそれをしないのには何らかの意味があると、深読みした。
 ではどのようなときに実体化するか?一番はマスターを守るときだろう。では、アーチャーのマスターは近くにいるのではないか?そういえば、交渉に入る直前に表情が変わったあれは、何らかのサインをマスターから受け取ったのではないか?念話を知らない彼女はそう勘違いしーー それがまぐれ当たりした。

(こっちの方角であっている、のか?)

 バーサーカーは追跡してきたアーチャーを見てそう思う。とりあえず一番可能性の高そうな後背地ーーサーヴァントが背中を向けたていた方向に走り出してみたが、存外当たっていたのかもしれない。

(しかし、どうする……)

(どうやってマスターを見つけよう。)

 ちなみに、バーサーカーに索敵能力はない。



【新都・冬木大橋東岸から徒歩15分地点のコンビニ/2014年8月1日(金)0444】

【衛宮切嗣@Fate/zero】
[状態]
五年間のブランク(精神面は復調傾向)。
[残存霊呪]
三画。
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争を止め、なおかつクロエを元の世界に返す。
1.交渉を切り抜けたと思ったらこれか……!
2.バーサーカーなら前衛を勤められるだろうが……さすがにこの主従とはな。
3.戦闘は避けたいが協力者を募るためには‥‥?
4.装備を調えたいが先立つものが無い。調達しないと。
5.自宅として設定されているらしい屋敷(衛宮邸)に向かう。
6.明日の正午に冬木教会に行くと約束はしたが……
[備考]
●所持金は約4万円。
●五年間のブランクとその間影響を受けていた聖杯の泥によって、体の基本的なスペックが下がったりキレがなくなったり魔術の腕が落ちたりしてます。無理をすれば全盛期の動きも不可能ではありませんが全体的に本調子ではありません。


【新都・前回から東に数十メートル/2014年8月1日(金)0421】

【アーチャー(クロエ・フォン・アインツベルン)@Fate/kareid liner プリズマ☆イリヤ】
[状態]
筋力(10)/E、
耐久(20)/D、
敏捷(30)/C、
魔力(40)/B、
幸運(40)/B、
宝具(0)/-
[思考・状況]
基本行動方針
衛宮切嗣を守り抜きたい。あと聖杯戦争を止めたい。
1.なんでバレた、感知能力?!
2.まさか、ホムンクルス?
3.少しぐらい魔力貰っても大丈夫そうだから悪くはないけど。
4.教会に行くっていったけど多分キャンセルだろうなあ。
[備考]
●赤色の影をバーサーカーと、銀色の影をマスターの『ルナ』と認識しました。
●ルナをホムンクルスではないかと思っています。

【竜堂ルナ@妖界ナビ・ルナ】
[状態]
封印解除、妖力消費(小)、それなりに満腹、けっこう眠い。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
みんなを生き返らせて、元の世界に帰る。
1.とりあえずバーサーカーさんを追う。
2.明日のお昼に教会に行く。
3.学校の保健室を基地にする‥‥いいのかな‥‥
4.誰かを傷つけたくない、けど‥‥
5.バーサーカーさんを失いたくない。
[備考]
●約一ヶ月の予選期間でバーサーカーを信頼(依存?)したようです。
●修行して回避能力が上がりました。ステータスは変わりませんが経験は積んだようです。
●新都を偵察した後修行しました。感知能力はそこそこありますが、特に引っ掛からなかったようです。なお、屋上での訓練は目視の発見は難しいです。
●第三の目を封印解除したため、令呪の反応がおきます。また動物などに警戒されるようになり、魔力探知にもかかりやすくなります。
●身分証明書の類いは何も持っていません。また彼女の記録は、行方不明者や死亡者といった扱いを受けている可能性があります。

【バーサーカー(ヒロ)@スペクトラルフォースシリーズ】
[状態]
筋力(20)/D+、
耐久(30)/C+、
敏捷(20)/D+、
魔力(40)/B++、
幸運(20)/D、
宝具(40)/B+
魔力消費(微)。
[思考・状況]
基本行動方針
拠点を構築し、最大三組の主従と同盟を結んで安全を確保。その後に漁夫の利狙いで出撃。
1.サーヴァント(クロエ)のマスターが近くにいそうだがどうやって探そう。
2.学校に拠点を構える。
3.マスターがいろいろ心配。
4.一応教会には行くか……?
[備考]
●新都を偵察しましたが、拠点になりそうな場所は見つからなかったようです。
●同盟の優先順位はキャスター>セイバー>アーチャー>アサシン>バーサーカー>ライダー>ランサーです。とりあえず不可侵結んだら衣食住を提供させるつもりですが、そんなことはおくびにも出しません。