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 冬木の町は既に地平線を離れた真夏の太陽に照らされ、近代的なビルが返す白さとその影によって生まれる黒さとがコントラストになる。
 新都は既に活気よく人々がうごめいていた。見渡せば、縦横に舗装された道路の上を車や自転車、あるいは徒歩で人が行き交い、チャックのように地面に張りついた線路の上を鮮やかな色の車体を持つ列車が走る。
 夏休みだからだろうか、ビル群を抜けた先にある公園には人だかりができていた。二十一世紀になろうとも、子供は外に出て遊ぶらしい。そういえば、ラジオ体操というのがすっかり文化になったと聞く。正直に言えば、複雑な気分であることには間違いはないが、それが子供たちの健やかな成長につながるなら、それは素直に嬉しかった。
 大きく右ーー西へと旋回する。眼下を流れるのは豊かな森だ。人の数が倍に増えようとも、依然として自然は人の近くにあるのだろう。いまやかつてのハワイよりも文明的だろうに、町から少し離れれば木々が緑の絨毯をつくる。
 川を越える。釣りにでも来たのか、河川敷にも人が集まっていた。改めて人の多さと活発さを感じる。それを越えて旧市街へ。昔ながらの家々や大正期に建てられたような洋館が和洋折衷で散りばめられている。あれは商店街だろうか、八百屋か魚屋かは知らないが、何かを運ぶ人も見えた。
 そして、再び大きく右へ、今度は北東へ。目指すのはこれまでの平和な、繁栄を迎えた日本とは対照的な光景を見せる場所。

 赤城の発した零式艦上戦闘機二一型の三機は、冬木大橋上空へと差し掛かった。



「それで、お前はどうする?」
「……」
「食わなくていいから一応何か頼め。お前のマスターにでも渡せば良いだろう。」
「……では、このハッピーセットを。」
「なるほど、いいセンスだ。」

 同時刻、某ハンバーガーチェーン店。冬木駅に入るその店に二人の珍妙な男がいた。
 一人はモデルのように整った顔と体躯、そしてオーラを放つ青年だ。髪の色にさえ目をつむれば並みの俳優では隣にたてないだろう。現に今も、女性客からの視線を集めどこのビジュアル系のバンドかと騒がれている。
 そしてもう一人は、こちらも白い肌にすらりとした肢体、そして隣の青年に負けず劣らずのイケメンだ。こちらも出るところに出れば世の女性の目を集めるのは間違いはない。もっとも、その顔に着けたマスクと着ている紫のレオタード、そして股間で存在を主張する一羽の蝶さえなければだが。

「ビッグマックとハッピーセットお待ちのお客さま~。」

 ひきつった笑みで接客する店員から飛びきりの笑みを浮かべて、レオタードの男ーーキャスター・パピヨンは商品を受け取った。
 そして一方の男ーーキャスター・フドウはピクリと肩を動かすと出口へと向いた。

「来たか。」
 パピヨンが問う。
「ああ。」
 そうフドウは返した。
「俺は北へお前はーー」
 言い終わるより早くパピヨンは駆け出した。「待て」や「止まれ」という声が駅に響く。
「南へ。」
 そしてフドウも、人間が出せる範囲のスピードで走り出す。こちらにも同じように警官の呼び止める声が響いた。

(サーヴァントであるなら、マスターの為に行動すべきだろうがーー)

 フドウは警官に追われながら、街を走る。色々と考えねばならないことがあるように思えてならないが、今は役割を果たすことを優先した。



「なんか、冬木大橋が大変なことになってるってツイッターで回ってきて、それでちょっと狂介、あ、コイツです。コイツと行ってみようって話になったんですよ。そしたら駅前でヤンキーに絡まれて~。いや~本当刑事さん達が来てくれなかったらどうなってたかわからないですよ~。」
「夏休みだし地元の駅前なら人もいるから大丈夫だと思ったんですけどね~アハハ。」
(なあ、慎二、これやっぱり無理がないか?)
(こっちみんな言いたいことは大体わかるけどこうなったら嘘を突き通すしかないだろ。)

 そしてさらに同時刻、任意同行という名の補導をされた色丞狂介と間桐慎二の二人は生活安全課で話を聞かれていた。
 既に警察署に来て二時間ほど。連れてこられたはいいものの事情聴取するはずの人間は次々と冬木大橋へと回される。情報の伝達の齟齬もあり半分彼らの存在は忘れられかけていたのだが、一人だけ寝坊してきた女性警官に誰かが思い出して押しつけたのだろうか、ようやく話をする段階になっていた。

(大丈夫だってこの胸の大きい婦警はどう見ても新人、バレやしない。それに何のためにキャスター達を行かせたと思ってるんだ。)
(なんか頷かれたけど、大丈夫かな……新人でも警察官なら取り調べ方は習ってるだろうし……おっぱい大きいな……)
「う~ん、そんなレオタード着て高校生をゆするなんてヤンキー考えにくいんだけど……」
((滅茶苦茶怪しまれてる!)!)

 婦警は、不審の目で二人を見た。目にはありありと疑念が浮かんでいる。

「いや~僕も初めて見ましたよレオタードのヤンキーなんてアハハハハ(クソッ!こんな胸ばっかでかい癖に変な風に勘が良いな!)」
(慎二、そんな風に笑ったら自供してるようなものだよ。)

 明らかに、婦警は慎二の発言を疑っていた。万事休す、という言葉が二人の頭を通りすぎる。その時だ。

「おいおっぱい!」
「尾留川です!」
(あだ名おっぱいなのか。)
(おっぱいて呼ばれてるんだ。)

 ロン毛の中年男性がずかずかと入ってきた。そして二人が待ち望んでいた情報をもたらした。

「駅のマクドでレオタードの変態が見つかった。現在港の倉庫に逃げ込んだらしい。ロン毛の兄ちゃんも一緒だった。」

 二人は、キャスターに目立つように指示を出していた。キャスターが無差別に行動すれば、マスターである二人は巻き込まれただけという振りができる。冷静に考えれば無理がある、思い付きに他ならない作戦だったが、少なくともこの場では上手くいった。

「レオタード、ですか?」
 ちらりと婦警は二人を見た。そして、「うん」と一つ言うと。

「もう少しだけ時間もらっていい?もっとその男の特徴を聞きたいんだけど。」



「はい、これ私の名刺。尾留川ね、お・る・み!」
「はい、お、尾留川ですね。」
「尾っ留川ですね。」

 名刺を受け取ると二人はパトカーから降りた。未成年を何時間も任意同行するのは問題なのかそれともただの高校生に構っているほど人手がないのか。どちらかはわからないがあれからほどなくして二人は解放され、パトカーによってハイアットホテル近くまで送ってもらっていた。

「なんか、どっと疲れたな……」
「一度家に帰って寝よう……」

 パトカーを見送ると、言い様の無い疲労感を二人は覚えた。事情聴取だけでここまでストレスがたまるとは二人の想像の外にあった。

『疲れているのはお前達だけじゃない。』

 念話だ。その声はパピヨンのものだ。二人がわざわざホテルに送ってもらったのには理由がある。ここを合流地点に決めていたためだ。

「あれ、僕のキャスターは?」
『ここにいるだろ。自分のサーヴァントなのに念話がなければわからないとは……』
「返事ぐらい……あ~ハイハイ、悪かったね……」

 慎二は億劫そうに言うとため息をついた。疲労は彼から悪態を奪っていた。より正確に言えば全員が疲れていた。しかしながら、そういうときに限って良くないことは起こる。

『さて、良いニュースと悪いニュースがある。どっちから聞きたい?』
「なに、サーヴァントでも見つかった……?」
 普段より大分そっけなく狂介は答える。「つまらん」と吐き捨てるようにパピヨンは言うと「正解だ」と続けた。

「サーヴァントを発見した。これが良いニュース。ソイツは海の上にいた。これが悪いニュースだ。それで、今から行くか?」



 磯風に金髪を流す少女は、一枚の写真のようだった。近代的な退廃感を感じさせる港の倉庫街は彼女とはミスマッチだったが、そのアンバランスさが彼女の美しさを引き立てている。
 「戻りました」との声と共に、彼女の前に一人女性が現れた。金髪の少女をビスクドールに例えるならばこちらは日本人形か。黒い髪は長く延び、装束と合間って巫女を思わせる。

「どうだった、冬木は?」

 金髪の少女、アリスは問うた。それに黒髪の少女、赤城は答える。

「はい、良い町でした。」

 アリスはアーチャーの宝具によって街を見ていた。それはアーチャーも知るところ。

 「なら良かった」アリスはそう言って笑いかけた。なるほど、自分のパートナーはそういう感想を持ったかたという素直な喜びがその声色からうかがえた。
 ふと、アリスは表情を変えた。何かに気づいた表情だ。赤城はそれもわかった。短くて長い付き合いだ。

「お出ましね。」
 なるほど、そういうことか。
「出しますか?」
「まだいいわ。向かってくる気は無いみたいだし。」
 赤城はうなずいた。マスターとしても無用な戦いは避けたいのは承知していた。

 アリスは歩き出す。赤城も三歩下がり着いていく。


 「見えました。」と言ったのは、千里眼を持つ赤城。「大きい。」と返したのはアリス。
 二人の視界には鉛色の巨人が写っていた。



 海中に没したヘラクレスは、意識を手放したイリヤと共に海から這い上がった。
 アリスと赤城は冬木を偵察し、ヘラクレスを見つけた。
 狂介とパピヨン、慎二とフドウは赤城を捉えた。

 時刻は六時。冬木の港には主従が集結しつつある。戦争はもう始まっている。



【新都、ホテル近く/2014年8月1日(金)0600】

【間桐慎二@Fate/stay night 】
[状態]
疲労(小)、精神的疲労(中)。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯を手に入れる。何を願うかは後から決める。
1.海……港は今は警察が……
2.色丞狂介を丸め込んで同盟組もうと思ったが、まずは取り調べに対処。
3.ライダー(孫悟空)は許さない。
4.間桐家で陣地作成を行う。
5.会場と冬木市の差異に興味。
[備考]
●孫悟空のクラスとステータスを確認しました。
クラス・ライダー、筋力B耐久B敏捷B+魔力D幸運A
このステータスは全てキャスター(兵部京介)のヒュプノによる幻覚です。

【キャスター(フドウ)@聖闘士星矢Ω】
[状態]
筋力(30)/C、
耐久(40)/B、
敏捷(60)/C+、
魔力(100)/A+、
幸運(50)/A、
宝具(50)/A
霊体化
[思考・状況]
基本行動方針
マスター・慎二を見定める。今のまま聖杯を手にするならば━━
1.成り行きにここまで任せてきたが……
2.今は慎二に従い、見定める。
3.求めるなら仏の道を説くというのも。
4.色丞狂介、か……
[備考]
●慎二への好感度が予選期間で更に下がりました。ただ、見捨てたわけではありません。
●狂介に興味を持ちました。
●孫悟空が孫悟空でないことを見破っています。


【色丞狂介@究極!!変態仮面】
[状態]
疲労(小)、精神的疲労(中)。
[残存令呪]
1画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争を止める。悪人をお仕置きする。
1.海……港は今はまずいんじゃ……
2.ランサーだけあって逃げ足は早いんだな……
3.帰ったら家で陣地作成したり核金作ったりしてもらう。
4.下北沢のサーヴァント(サイト)を警戒。冬木大橋も気になる。
[備考]
●核金×2、愛子ちゃんのパンティ所持。
●予選期間中にサイトの魂食いの情報を得ました。東京会場でニャースを見た場合、サイトの姿や声を知る可能性があります。
●孫悟空のクラスとステータスを確認しました。
クラス・ランサー、筋力C耐久C敏捷A+魔力B幸運C
このステータスは全てキャスター(兵部京介)のヒュプノによる幻覚です。

【キャスター(パピヨン)@武装錬金】
[状態]
筋力(20)/D、
耐久(30)/C-、
敏捷(30)/C、
魔力(40)/B、
幸運(50)/A、
宝具(40)/B
[思考・状況]
基本行動方針
せっかくなんで聖杯戦争を楽しむ。
1.コイツなら海へ向かうだろうな……
2.帰ったら家で特殊核金を制作。今日はパピヨンパークは無理か?
3.冬木市の名物は麻婆豆腐‥‥?その前にこのハンバーガーを押し付けるか。
[備考]
●予選期間中にサイトの魂食いの情報を得ました。東京会場でニャースを見た場合、サイトの姿や声を知る可能性があります。
●今は空気を読んで霊体化していますが気分で実体化したりします。
●孫悟空が孫悟空でないことを見破っています。
●マスターが補導されたのを孫悟空による罠と考えています。
●ビッグマックとハッピーセットを持っています。



【新都、港近く/2014年8月1日(金)0600】

【アリス・マーガロイド@東方Project】
[状態]
健康。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
幻想郷に戻ることを第一とする。
1.鉛色の巨人に接近。
2.定期的に赤城の宝具で偵察。
3.できれば冬木大橋を直接調べたい。
4.人形を作りたいけど時間が……
5.聖杯戦争という魔法に興味。
[備考]
●予選中から引き継いだものがあるかは未確定です。

【赤城@艦隊これくしょん】
[状態]
筋力(20)/D、
耐久(150)/A++、
敏捷(20)/D、
魔力(10)/E、
幸運(30)/C、
宝具(30)/E+++
魔力消費(小)
[思考・状況]
基本行動方針
マスターを助ける。今度は失敗しない。
1.鉛色の巨人に接近。もしもの時は壁役に。
2.定期的に宝具で偵察し必要なら制空権を確保する。
3.魔力を補給したいが今は黙ってる。
[備考]


【イリヤスフィール・フォン・アインツベルン@Fate/stay night】
[状態]
全身ずぶ濡れ、低体温症、その他程度不明の怪我。
[装備]
特別製令呪。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
全員倒して優勝する。
1.‥‥
2.利用できそうな弱いマスターを利用する?
[備考]
●第五次聖杯戦争途中からの参戦です。
●ランサー(幸村)、ランサー(アリシア)、アサシン(扉間)のステータス、一部スキルを視認しました。
●少なくともバーサーカー(サイト)とは遭遇しなかったようです。
●自宅はアインツベルン城に設定されていますが本人が認識できているとは限りません。
●バーサーカーと共に冬木大橋から落とされました。怪我の有無や魔力消費は不明です。
●アサシン(千手扉間)がハサンではない可能性に気づきました。


【バーサーカー(ヘラクレス)@Fate/stay night】
[状態]
筋力(50)/A+、
耐久(50)/A、
敏捷(50)/A、
魔力(50)/A、
幸運(40)/B、
宝具(50)/A、
不明、狂化スキル低下中。
[思考・状況]
基本行動方針
イリヤを守り抜く、敵は屠る。
[備考]
●イリヤと共に冬木大橋から落とされましたが少し流されたあと這い上がっできました。