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(ーーどこ……だれ……)

 気がつけば九重りんは誰かに手を引かれて歩いていた。
 大きく暖かな手に手をとられて、前へ前へと進んでいく。そこは不思議な場所だった。いつか来た道のようにも、いつまでも通ることの無い道のようにも思える。そこを、誰ともわからない人と共に歩んでいく。
 手を引くその人は輪郭がおぼつかない。男のようにも女のようにも、人のようにも人でないようにも見える。

(だめ……そっちにいっちゃ……)

 りんは呼び止めようとした。口を開いて喉を震わせてしゃべろうとする。パクパクと金魚のような自分をどこかで感じて、ああ、声がでないんだ、と漠然と思った。
 今度は両手で重ねられた手を引っ張る。何故だかわからないが、手を振りほどくという発想はなかった。ただ、両手で体重をかけて手を引っ張る。

 りんはずるずると引きずられていった。いつの間にか歩くスピードは自動車のようなスピードにまで加速しごうごうと空気がりんの顔面にぶち当たり髪は後ろへと引っ張られる感覚と共に抜けていく。やがて、目の前に大きな壁が見えた。コンクリートの灰色の帯が横一面に広がり、りんは音すら置き去りにするようなスピードで接近する。


 ぐにぃいぃぃ。


 体が壁にぶつかる、めり込む、沈みこむ。ずぶずぶと体はゴムのようなコンクリートの壁に取り込まれていく。声は出せない。目も壁が見えたときから閉じたままだ。

(あーー)

 ふと、手にあったはずの暖かさがなくなっていることを理解した。それと同時に、これが不可思議な夢であることも彼女は理解した。


「……変な夢。」
 りんが目覚めたのはそれからすぐだった。



「ぜんぜん夢とかは見ませんでしたね!ぐっすりです!」

 病院というものは普通は空調が効き万人に過ごしやすい状態になっているものだが、やはり急患が待合室にまで溢れかえれば追いつかないのだろう。雨もなく外気温は23度を少し越えたぐらいの快適な気候であるにも関わらず、その場に居るものの体感気温は真夏日もかくやというほどだ。
 そしてその場の中心ーーホールと呼べるほどの待合室にいる百人を優に越す急患、入院患者、その他様々な人間が輪をつくり視線を浴びせる太陽のような熱量を持った少女。

「あ、ランサーさん!おはようございます!!」

 頭に作ったタンコブに申し訳程度のガーゼと包帯を着けた少女、日野茜はブンブンという音が聞こえるほどに手を振った。

「……このサーヴァントにこのマスターあり、だな」
「む、それは誉めているのか?」
「まあ、悪い意味では言っていない。それより早く連れ出すぞ、このままではまた騒ぎに……騒ぎが大きくなる。」

 既に日野茜の存在は病院中の噂になっていた。より詳しく言うと、目立ちまくったランサーがタレントであるとの噂が立ち、そのランサーと一緒にいた少女もタレントなのでは?という成り行きである。そして茜は実際にタレントであったし、それを隠すようなこともせず「タレントですか?」という質問にも恥ずかしがりながらも頷き認めていた。
 困ったのは病院側だ。非常事態だったので身元の確認は後回しになっていたが、まさかアイドルが急患にいたとは。こんな騒ぎになるなら待合室などに寝かせずキープしてあった個室に入れておけば……と頭を抱えたが後の祭りである。

(コイツが起きてまだ数分のはず……短い間にこれほどの注目を……!)

 アサシン・千手扉間は内心この小さな少女に驚愕しながらもずかずかと人波を分けいる。こんなに注目を集めるなど、聖杯戦争として、否、戦としてあり得ない。早急に連れ出さねば。

「ます……」
「!待てランーー」

 アサシンに傍らのランサー・真田幸村の行動を止めることはできなかった。彼はサーヴァントであることを隠しもしない身体能力で彼のマスターへと近づく。

「ますたあああぁぁぁぁぁ!!!」
「ランサーさん!!」

 ランサーは突き進んだ。人波はモーゼが海を割った再現のようにひとりでに割れ彼を通す。歩数にして三歩で、彼は近づき、そして。


ドン!


「ら、ランサーさん!?」
「ランサァ……!」

 全力の土下座。

 静まり返る待合室。視線は全て一分の隙もない完璧な土下座をしたタレント(?)に注がれる。

「……とにかく行くぞ。」

 怒りを噛み潰すと、アサシンは群衆から二人を連れ出した。


「俺は、言ったはずだ……」

 数分の後、茜達は個室にいた。病院側はアイドルを雑魚寝させたミスを取り替えそうというのか、素早く茜の事務所に連絡し身元を抑えると個室をあてがったのだ。無論これを使わない手はない。幸い、この個室はVIPルームなのか他の病床とは階が違い、この階に入るには警備員が固める階段を通るかエレベータ内の機械に専用のIDカードをタッチするしかない。まさしく腰を下ろして話をするにはうってつけの場所だった。
 そして文字通りアサシンはソファに腰を下ろしてランサーを睨む。茜はというと明らかに高級感を漂わせる家具と部屋にどぎまぎしながらも、アサシンの対面のソファに同じように腰を下ろしてついでに何となく腕組みをしていた。

「目立てばマスターに危険が及ぶ……実体化はもとより叫ぶのはもっての他だと……」

 アサシンは噛んで含めるように言葉を続ける。言葉の先はもちろん。

「ーーますたぁ!あさしん!申し「だからそれを止めろと言っているのだ。」」

 ゴチン、と再び土下座をする男、ランサーだ。

「あのー、なにがなんだかよくわかんないですけど、とにかく土下座なんか止めてくださいランサーさん!!」
「否!!それでは某の気がすまぬ!!某を許せん!!」
(ようしわかった、この二人は兄者と同じほどに御しがたい。)

 アサシンにとって幸いなのはこの部屋が防音設備が整っていることだろう。おかげで二人の叫び声はほとんど外に漏れ出さない。
 おかげで反響する声は部屋じゅうに跳ね返ってアサシンへと届きその苛立ちを加速させるのだがアサシンは憮然とした表情を変えずに話を先に進めることを選んだ。

「おいランサーのマスター。」

 ランサーの首を掴んで頭を上げさせようとする茜に、アサシンは声をかけた。床に対して60度ほどになるまで体を倒すその姿からはとても怪我人であることは想像できない、おそらく風邪も引いたことがないたちの人間だろう、などと勝手な想像をアサシンはした。

「へ?あ!私日野茜です!」
(こいつも軽々しく名前を……)

 アサシンは心中で毒づく。どうもこの二人はやりづらい。

(いかんな、これでは。)

 「うん」とアサシンは咳払いをするとペースを掴む。「アカネ、我々と同盟を組まぬか?」とようやくアサシンは同盟の提案をした。

「同盟ってアレですよね?日米同盟とか極悪同盟的な?良いですよ!よろしくお願いします!!!」
「……は?」

 思わずアサシンは間抜けな声を発していた。「ううん!」と再び咳払いをするも依然動揺していた。「もう一度言う、同盟を組まぬか?」と自分でもわからぬままに何故か同じことを繰り返すほどにだ。
 そしてそれを聞いた茜はというと一瞬キョトンしたかと思うとすぐにハッとした表情になりそして。

「はい!!よろしくお願いします!!!!!」

 分厚い窓ガラスがビリビリと震える。(俺は風遁を喰らったのか?)と自問するほどの大音声にしばしアサシンは呆気に取られた。

「ますたぁ!同盟というものはそう易々と結んではなりませぬ!!」

 アサシンに助け船を出したのは意外にもランサーだ。心のなかで、そうだ、同盟というものはそんなに軽くない、と同意する。もっともその同盟は自分が提案したものなのだが。

「同盟ってアレですよね、チーム組むみたいな。」
「しかし、これは聖杯戦争!命を預け合える仲間でなければーー」
「い、命!?そんなに重いもの何ですか?!」
「それは何せ戦争ーーああぁぁぁ!」
「ああ、そう言えばマスターに聖杯戦争がなん足るかを言っていないと……どうりでか。」

 アサシンは一人納得した。そう言えば先程ランサーからそんな話を聞いた覚えがある。ランサーとの一先ずの停戦以外皆目成果がなかった交渉で唯一といっていい『おまけ』だ。

「どうする?なんなら聖杯戦争について俺から説明するか。」
「あさしん、それについては、某が責任を持ってますたぁに伝える。」

 発破をかけたアサシンにランサーはキッパリと言った。その目には有無を言わせぬ力がある。マスターにこの闘いについて教えなかったことで怪我を負わせたことを深く受け止めているのだろう。

(やはり、こいつは……)
「ーー俺は席を外す、七時になったらまた来る。」

 何か声をかけようとするも、結局アサシンはそれだけ言って姿を消した。


【新都・病院/2014年8月1日(金)0542】

【九重りん@こどものじかん】
[状態]
手足に火傷(ほぼ完治)
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争で優勝を目指す。
0 寝て休む。
1 入院して他のマスターから見つからないようにしておく。
2 アサシンへ(千手扉間)の魔力供給がつらい。
[備考]
●予選で入院期間が長かったためか引き続き入院しています。
入院期間を延ばすには扉間が医師に幻術をかける必要があります。

【アサシン(千手扉間)@NARUTO】
[状態]
筋力(30)/C、
耐久(30)/C、
敏捷(100)/A+、
魔力(10)/B、
幸運(10)/E、
宝具(??)/EX
健康、宝具使用不可、魔力を四分割したため戦闘になると2ターン目からステータスダウン、避雷針の術の発動条件を満たしているため敏捷が+分アップ、医者っぽい姿に変化。
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯を用いて木の葉に恒久的な発展と平和を。
1.同盟を結べそうだがランサー(幸村)のマスター(アカネ)が聖杯戦争をわかってないっぽいんでとりあえず保留。七時になったら合流。
2.マスター(凛)が他の組に見つからないように警戒している……ランサーのせいで無理そうだが。
3.これ(三つの問題)は後回しにできんが‥‥今のうちにやっておくか?
4.マスターの少年(亘)をまずは穢土転生できるようにしておく。
5.魂喰いの罪を擦り付ける相手は慎重に選定する
6.穢土転生の準備を進める。
7.他の組の情報収集に務める。同時にランサー達を何とか隠ぺいしたいがたぶん無理。
8.女ランサー(アリシア)との明日正午の冬木ホテルでの接触を検討し、場合によっては殺す。
9.バーサーカー(ヘラクレス)は現在は泳がせる。
10.逃げたサーヴァント(サイト)が気になる。
11.聖杯を入手できなかった場合のことを考え、聖杯を託すに足る者を探す。まずはマスターの少年(亘)を見定め、次はランサーのマスター(日野茜)を。
12.マスター(凛)の願いにうちはの影を感じて……?
[備考]
●予選期間中に他の組の情報を入手していたかもしれません。
ただし情報を持っていてもサーヴァントの真名は含まれません。
●影分身が魂喰いを行ないましたが、戦闘でほぼ使いきりました。その罪はバーサーカー(サイト)に擦り付けられるものと判断しています。
●ランサー(アリシア)の真名を悟ったかどうかは後の書き手さんにお任せします。
●バーサーカー(ヘラクレス)に半端な攻撃(Bランク以下?)は通用しないことを悟りました。
●バーサーカーの石斧に飛雷針の術のマーキングをしました。
●聖杯戦争への認識を改めました。普段より方針が変更しやすくなっています。
●ランサー・真田幸村とフワッとした停戦協定を結びました。ランサーのマスターがヒノアカネだと認識しました。


【ランサー(真田幸村)@戦国BASARAシリーズ】
[状態]
筋力(40)/B、
耐久(40)/B、
敏捷(30)/C、
魔力(30)/C、
幸運(30)/C、
宝具(40)/B、
疲労(中)、魔力消費(中)、肋骨単純骨折と内臓に損傷(どちらも少々回復)、安堵と屈辱と無力感、そして茜への責任感。
[思考・状況]
基本行動方針
強敵たちと熱く、燃え滾る戦を!!だが‥‥
1.ますたぁ(茜)に聖杯戦争について伝える……
2.ますたぁ(茜)への申し訳なさと不甲斐ない自分への苛立ち。
3. あの爆発、あーちゃー(アリシア)は無事とアサシンは言ったが‥‥
4.俺は……
5.せいばぁ(テレサ)、ばあさあかぁ(小野寺ユウスケ)と再戦し、勝利する
6.やはりあさしん(扉間)は忍びの者……?
[備考]
●バーサーカー(ヘラクレス)の攻撃で傷が悪化しました。
●ランサー(アリシア)のクラスをアーチャーと誤認しています。
●ランサー(アリシア)の真名を悟ったかどうかは後の書き手さんにお任せします。
●アサシン(千手扉間)を忍のサーヴァントだと考えています。
●病院内にランサーの噂が立ちました。『アイドルの関係者』、『映画の撮影』、『歌舞伎』、『うるさい』、『真田』といった単語やそれに関連した尾ひれのついた噂が広まり始めています。

【日野茜@アイドルマスターシンデレラガールズ】
[状態]
魔力消費(小)、頭にタンコブ(応急処置済)、記憶に混乱?
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
聖杯戦争はサーヴァント同士の格闘技!だと思ってたけど……?
1 .急にシリアスになったアサシンとランサーにドキドキ。
2.……そう言えばなんで病院に?
[備考]
●予選期間中他のマスター、サーヴァントと出会うことはありませんでした。
●月海原学園高等部の生徒という立場が与えられています。
所持金は高校生相応の額となっています。
●自宅は深山町のどこかです。
●セイバー(テレサ)、バーサーカー(小野寺ユウスケ)の基本ステータスを確認しました。
●気が動転していたため、ランサー(アリシア)、バーサーカー(サイト)、バーサーカー(ヘラクレス)のステータスを確認できていないかもしれません。
●病院にアイドル・日野茜の噂が立ちました。
●病院の特別病床に入院しました。