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(なんだ。この感覚は。)

 それが、バーサーカー・ヒロが店から出て覚えた感想だ。


 約四時間、彼女とアーチャー・クロエの主従の同盟は店内にいた。
 不毛な時間であった。
 彼女は同盟の名称からそれぞれの情報開示の範囲や、果てはいつ店から出るかすら、ことあるごとにアーチャー達と衝突した。そのせいで無為な時間を過ごすことになったが、しかしそれは同時に有意義な時間でもあった。

 バーサーカーは、ずっとアーチャーとそのマスター・切嗣を見ていた。
 どのようなクセがあるか、どのような話の進め方をするか、どのような個とに関心があるか、それを知るために。そして一応いくらかの知ることがあった。たいしたことかどうかは、今はまだわからない。それでも、成果がゼロでないのならば、取り敢えず彼女は自分をよしとした。



 一、衛宮切嗣は油断すべきでなくとも信頼すべき同盟相手であること。
 言動だけを考慮すれば、彼は軽く見れる相手ではなかった。相応の警戒心をこちらに持ち、イニシアチブを隙あらば伺っている、そのような相手だ。
 故に、バーサーカーは彼を信頼すべきと思う。
 本当に手強い相手は、白痴であったり、又はそれを装ったり、そもそもまともな会話が不可能であったりする。魔族であることや年若いこと、女性であることや人間とのハーフであることなどあげればきりがないことで文字通りの門前払いを幾度となく受けた彼女からすると、交渉のテーブルに曲がりなりにも着けただけで御の字だ。今後このような交渉相手が見つかるかわからない以上、こちらからも胸襟を開いて応じるのが得策であろう。

 二、アーチャーは衛宮切嗣を強く信頼し、また信頼されていること。
 数時間に渡ってプレッシャーのかかる環境下であったはずなのに、両者の間の空気が悪化する様子はなかった。
 これはバーサーカーからすると驚きである。何せこの二人は、たった一月の間にそれほど迄に信頼を深めたというわけであるからだ。それは彼女の感覚ではあり得ないことのように思う。言ってしまえば、サーヴァントとマスターは赤の他人、聖杯という目的の為に共闘している武将と傭兵の関係に他ならない。ならば、その目的から逸れたことでまで二人の思考が一致する保証はない。むしろ共通の目的が一時的にでもなくなれば反感が表に出るのが自然である。そうであるはずなのに、この主従にはそれがない。それがバーサーカーにはなによりの驚異に写る。アーチャーをルナに寝返らせる、バーサーカーが切嗣に取り入るなどの行為は厳に謹むべきであろう。

 三、衛宮切嗣とアーチャーは、こちらが接触した以外の情報を持たない。
 実はバーサーカーにとってこれが一番の懸案事項であった。バーサーカーの頭にあるのは、予選での行動である。半月程度の間召喚されてから本選が始まるまでに猶予があったが、その猶予を危険視していた。この間にバーサーカー達の情報が渡っている可能性があるからだ。特に、バーサーカーの真名が割れれば弱点を突かれかねず、またルナの能力は切り札となりえる。予選の間、致命的なまでに情報を流出させるような真似はしなかったが魔法を使われた可能性も考えれば警戒しておくことに越したことはない。アーチャーのサーヴァントであろうとも何をしてくるかはわからず、簡単な暗示などならマスターでもできるかもしれないのだから。


 この三点が、彼女、バーサーカーが知り得た情報の中で特にあげるべきものだ。
 本選の一日目、始まって半日の内の数時間を割いてまで得る価値があったかはわからないが、少なくともアーチャー主従の離間工作は避けるべきだということがわかったのはある程度これからの身の振り方を左右するであろう。これを生かすも殺すもバーサーカー次第といったところか。

「バーサーカーさん、どうしたの?」
「ふぅん……少し、面倒なことになったかもな。」
「?」

 一つ問題があるとすれば、この「投資」によって「機会損失」が生まれたかもしれないということか。

 バーサーカーは、北東を見た。それほど離れていないであろう場所から、空へ熱線が伸びていた。明らかに、サーヴァントによる戦闘が起きている。そしてあの光。炎を操るものならば、それが太陽が具現化したかのような印象を受けずにはいられまい。

(気に入らないな。)

 バーサーカーの目が鋭くなる。
 彼女にはわかる。あれは、紛れもなく神の力だ。彼女の不倶戴天の敵たる、天から見下ろす不遜にて尊大なものの力だ。
 どんな者があの力を振るっているのかはわからない。ただ一つ、彼女の本能とでもいうべき部分が、彼女に告げる。
 「あれは打ち倒すべき敵である」と。

 服の下に隠した左腕に火が灯る。熱を持つ。彼女は人間を嫌うが、それ以上にその人間を駒として使う神を嫌う。神にとって人間とは替えのきく傭兵でしかない。魔族魔王という、共通の敵を屠るための。あるいは人間は魔族と戦う必要はないのかも知れない。神の与えた教えがなければ戦わずにすむのかも知れない。それを考えても、神は紛れもなく打ち破らねばならない。その尽くを殲滅せねばならないのだ。


 バーサーカーは心で憎悪と義憤の炎を燃やしながら、冷徹に姿も見えぬ相手を殺しきる算段を考える。
 あれは敵ではあるが、情報がない。真名はおろか宝具もスキルも、それどころかクラスもわからない。闇雲に突撃をかけても犬死にするだけだ。
 よってバーサーカーはまずは手持ちの戦力を考える。自分はどれだけ戦えるか、ルナはどの程度魔力を寄越せるか、伏兵として運用できるか、アーチャー達はどうか、交渉によりあのサーヴァント相手に共同戦線は引けないだろうか、その場合アーチャーはどれほどまで手の内を晒せるだろうか、あるいは戦力の分散を覚悟の上で単独で行動を起こすべきか。

 バーサーカーは傭兵で終わる気はない。将だ。バーサーカーは将であるのだ。駒ではなく、彼女はプレイヤーとして聖杯戦争に挑む。

「なあ、マスター。」
「なに?」
「一つ聞きたいことがある。」

 バーサーカーは、ルナに向き直る。ルナとは彼女のマスターだ。しかし、ただ言いなりになる気は毛頭ない。

「マスターは、私が死んだらどうする?」



「冗談だ、私は死ぬ気はない。」
「……!う、うん。て、バーサーカーさん!笑えないよ!!」
「おや、そうか、あまりこういうのは得意でなくてな。」

 バーサーカーはくつくつと笑う。なにかを嘲るように笑う。
 彼女は理解した。彼女の小さなマスターが彼女の死を想像した時の絶望的な顔の、その意味を。実感を持って。

「安心しろ、ルナ。」

 バーサーカーは膝をおる。目線はルナに合わせると、染み込ませるように言った。



「私とルナは二人とも聖杯をほしい。」

「二人は一緒なんだ。」

「私の願いが、ルナの願いだ。」



【新都・未遠川東岸付近ガスト店外/2014年8月1日(金)1007】

【竜堂ルナ@妖界ナビ・ルナ】
[状態]
封印、肉体的疲労(大、回復中)、妖力消費(中)、信じられないぐらい満腹だ!、靴がボロボロ、服に傷み。
[残存令呪]
3画
[思考・状況]
基本行動方針
みんなを生き返らせて、元の世界に帰る。
1.バーサーカーさんを失いたくない。
2.食べ過ぎて……
3.同盟を結んだ?らしい。
4.学校の保健室を基地にする‥‥いいのかな‥‥
5.誰かを傷つけたくない、けど‥‥
[備考]
●約一ヶ月の予選期間でバーサーカーを信頼(依存)したようです。
●修行して回避能力が上がりました。ステータスは変わりませんが経験は積んだようです。
●新都を偵察した後修行しました。感知能力はそこそこありますが、特に引っ掛からなかったようです。なお、屋上での訓練は目視の発見は難しいです。
●第三の目を封印したため、令呪の反応がおきにくくなります。また動物などに警戒されるようになることが減り、魔力探知にもかかりにくくなります。この状態で休息をとっている間妖力は回復します。
●身分証明書の類いは何も持っていません。また彼女の記録は、行方不明者や死亡者といった扱いを受けている可能性があります。
●食いしん坊です。
●店の空気に気づきませんでした。
●バーサーカーの【カリスマ:D-】の影響下に入りました。本来の彼女は直接的な攻撃を通常しませんが、バーサーカーの指示があった場合それに従う可能性があります。

【バーサーカー(ヒロ)@スペクトラルフォースシリーズ】
[状態]
筋力(20)/D+、
耐久(30)/C+、
敏捷(20)/D+、
魔力(40)/B++、
幸運(20)/D、
宝具(40)/B+
精神的疲労(小)、満腹。
[思考・状況]
基本行動方針
拠点を構築し、最大三組の主従と同盟を結んで安全を確保。その後に漁夫の利狙いで出撃。
1.あの光のサーヴァント(カルナ)が気に入らない。
2.ルナは大事なさそうだな。
3.ルナがいろいろ心配。他の奴等に利用されないようにしないと。
4.切嗣は油断できない相手ではあるが、関係を改善させたほうが良いか?
5.冬木大橋が落ちたことに興味。学校を拠点にするのはひとまず先送り。
[備考]
●新都を偵察しましたが、拠点になりそうな場所は見つからなかったようです。
●同盟の優先順位はキャスター>セイバー>アーチャー>アサシン>バーサーカー>ライダー>ランサーです。とりあえず不可侵結んだら衣食住を提供させるつもりですが、そんなことはおくびにも出しません。
●衛宮切嗣&アーチャーと同盟を組みました。切嗣への好感度が下がりました。
●衛宮切嗣が苦手です。
●狂化の幸運判定に成功しました。今回は狂化しませんでした。
●神を相手にした場合は神性が高いほど凶化しずらくなります。