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風吹けば - (2016/10/31 (月) 22:24:15) のソース

**風吹けば ◆YlfcDuGY1.
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フレイス―― 一本だけ縞模様が光線に似た白い部分があることから、そう名付けられたオスの虎。
専門家によると5歳(人間換算で20歳ほど)とされている。
彼の生息していた自然豊かな無人島であったが、某国家の開拓・開発のために多くの人間が入り込み、急速に美しい自然は破壊されていった。
無論、彼も住処も奪われ、仲間である虎もハンターや密猟者によって捕獲・駆除され急速に数を減らしていった。

そのことに恨みを持ったのであろう。
フレイスはジャングルに入り込んだ者の前に度々出没しては、攻撃・殺害・捕食に及んでいる。
人間に多大な被害を及ぼしたのでいつしか懸賞金がかけられ、多くのハンターが彼に挑んだが、この虎は異常に賢く、仕掛けられた罠を破壊し、集団を分断させて各個撃破などの戦法を使ってハンターを返り討ちにしている。
今日までに幾多のハンターが犠牲になり、死傷者(あくまでハンターに絞った場合である)は既に2本の手では数え切れないほどになっている。
ハンターや民間人から犠牲者が出るたびに懸賞金も上がっていくが、未だに彼に銃弾一つ掠められた者はいない。
































「――てな感じで、人間どもはワイの噂をしてるンゴwwwww」

注:これは虎語を翻訳した言葉です。
  某掲示板サイトで使われる猛虎弁とは一切関係ありません。
  また、上記にあるフレイスの説明に嘘偽りはなく、人間に復讐心を抱いているのも、虎としては賢いのも嘘ではありません。
  そのことを承知してクレメンス。


彡(゚)(゚)


ここは地図上でH-3と記される南の山の山頂。
そこには一匹の虎がいた。
この個体は参加者であるフレイスと呼ばれる虎だ。
彼は島全体を見回している。

「かぁ~、ここどこやねん!
少なくとも島の地形や生えている植物からしてワイが住んでいた島やあらへんな?」

フレイスは山頂から島全体を見渡すことで地形を把握し、周辺に生えている植物に自分の見知った物がないところから、殺し合いの会場とされた島が自分の知っている島ではないことを理解した。

「クッソ~、人間共にはまず見つからない巣だと思って油断していたで!
まさかワイが巣で寝ている間に拉致られてまうなんて。
ナオ=ヒューマだかクソ=ヒューマだか知らんが、あのキッズ、けったいな真似をしおってからに!」

フレイスは憤っていた。
自分をいつの間にか誘拐し、見知らぬ土地へと連れ込んだ主催者ナオ=ヒューマに。
そして捕らわれた自分の迂闊さに。

「しかし、何なんやアイツ……人間の癖に、なんで虎のワイにもわかる言葉で話とったんや?」

フレイスは憤りと同時にヒューマにはよくわからない奇妙さを覚えていた。
先ほどの殺し合いに関する説明の折に、ヒューマは参加者である人間達と同時にどういうわけか虎にもわかる言葉で説明していたのだ。

「人間どもにそういう道具でもあるんかな? ……アカン、全然わからへんからこの辺は保留やで」

彼が敵対する人間達は様々な道具を使うことを知っているが、今まで自分が見てきた人間達に虎と喋れる道具を使っていた者は見たことがない。
島の外にはあるかもしれないが、フレイス自身が島の外から出たことがない。
情報がないだけに疑問が解決することがないと悟ったフレイスは考えを保留した。

「まあええで。
あのヒューマという得体の知れない奴の目的を大雑把に言うと最後の一匹になるまで殺し合えやったな……
食うためでもないのに楽しむために仲間同士で殺し合いをさせるなんて、人間はやっぱチンパンジー以下やで。
いや、チンパンジーはいちおう殺した仲間を食料にする場合もあるから、人間は猿未満やで」

フレイスから見て、殺し合いを強要するヒューマやそれをする人間は共食いや強姦をする凶暴なチンパンジーよりも滑稽で愚かに映った。

「だが逆らえば首輪にある火薬に火がついてドカンと……ワイは人間共に大人しく飼われている畜生どもやないんやで! クソが!」

フレイスも主催者に粛清された女の死は見ている。
本心としては窮屈な首輪など早々に外したいところだが、首輪が爆発すれば人間よりはタフな虎でも死は免れないことは理解していた。

「不本意やが人間共を皆殺しにして最期の一匹になるしかあらへんな。
まあ、ワイは元々人間嫌いやし、柔らかくて美味そうなキッズやメスもいた。
全員ワイの腹の中か血の海に沈めたるで」

フレイスは住処であるジャングルを荒らし、多くの仲間を殺してきた人間をひどく憎んでいた。
人間(?)の命令に従うのは嫌だったが、生き延びる道がそれしか無いと言われれば迷わず殺し合いに乗る方を選ぶ。
同族の虎でもいない限りは、彼は参加者を殺すことを厭わない冷徹な猛虎であった。

「そしてどっかで踏ん反り返っているヒューマも殺す。
鉄砲も効かへんオヤジをどんな道具や罠で殺したかしれへんが、タネを暴いて絶対に殺したるで!」

彼の殺害対象は参加者だけでなく、自分を拉致し殺し合いを強要した主催者のヒューマも含まれていた。
ヒューマがどのような手段でジョーを殺したのか見当もつかないが、生き物である以上はなんであれ死ぬ。
優勝後には隙や弱点を見つけてヒューマを殺すつもりなのだ。




「さて、人間共を皆殺しにすると決めた以上はこれからどうするか決めなくてはアカンな」

フレイスは本格的に殺し合いに乗る前に自分の周囲を確認した。
まず、彼の背中についているディパックを見る。

「後ろ足が……届かへん!
クッソ、カラカラ音が入ってるところからして何か入ってるのは確実やが、開けられなきゃ意味ないで!」

ディパックは他の参加者同様に背負ってはいるものの、鞄に足が届かないので自力開封は不可能だった。
そこらじゅうにゴロゴロ転がって強引に破いて開けることも考えたが、中身にハンターも使っていた爆弾だったりすると危険なのでやらなかった。
何より虎なので仮に銃器などが入っていても足で扱うのは不可能なので無用の長ものだった。

「……いや、ワイに意味はなくとも人間共には意味ありか。
ワイを殺せば中身の道具は手に入るしなあ」

賢い虎は考察する。
確かに自身が扱えない道具は多いだろうが、人間には有用だろう。
さすれば自分を殺した人間は背中にあるディパックを手に入れて生存率が上がるだろう。
故に道具目当てに自分を殺しにくる人間も出てくるだろうと考察する。

「道具に頼らないと生きていけない人間如きにゃワイは意地でも殺されへんで。
……で、足元にあるのは雉か?」

次にフレイスが足元及び会場への転送先付近には三匹の雉の死骸があった。
自然に三匹揃って同じ場所で死んでいたとは考えられない。
おそらくディパックを自力で開けられないフレイスを飢えさせないためのヒューマの計らいだろう。

「う~ん、この。
雉は嫌いやあらへんが、これじゃ狩りの有り難みがないで。
とりあえず非常食にはなるからその辺に隠しとくか」

人間には見つかりにくそうな場所に穴を掘り、食料となり得る人間が減ってきた時や、狩りが上手くいかない時の非常食として雉の死骸を隠しておいた。

「さて、お次は……」

フレイスは最後に山頂からもう一度、島全体を見渡す。
虎は夜行性であり、ネコ科に属する彼らは人間と違って網膜の下に輝板(タペタム)と呼ばれる層があるので僅かな光も捉えることができ、闇夜で目が利く。
そのために山頂からなら島全体の地形や建物の位置ぐらいなら把握することができた。

「え~と島自体は大して広くあらへんな……端から端までの距離2kmちょい……ワイなら一日中走りこめば島全体を移動しきることも可能やな。
お、人間どもの巣は東側に偏っているみたいやで」

フレイスは虎なので人間のように地図を読むことはできないが、その代わりに地形を見ることで覚えられるくらいの高い知能を持っていた。
大雑把ではあるが、島の地形や建物の位置は僅か数分で覚えてしまっている。

「よし! 地理の勉強はこの辺でええな。次はお待ちかねの狩りの時間やで!」

ディパック、非常食、地理の把握。
全ての準備を終えたフレイスはいよいよ人間達に打って出ることにした。

「まずは向こうに向かってみるで」

まずは人間達がいそうな建物の多い東側に狙いを定める。
狙う理由は人間が多そうだから?
フレイスの狙いはそれだけではない。

「ククク……人間どもめ。
まさか虎がおまえらの巣に出没するなんて思っておらへんやろから、そこを“よろしくニキーwwww”と奇襲するで。
加えてワイと違って人間共は夜に目が効かへんから、真っ暗な夜こそ人間を殺るチャンスや。
夜行性動物の恐ろしさ、思い知らせたるで!」

フレイスは建物の中なら安全と油断しきった参加者を、夜襲込みによる戦法で屠る気なのだ。


「そうと決まれば、さっそく出発や!」

目的が決まった瞬間、フレイスは駆け出した。
南の山を颯爽とかけ下っていく一匹の虎。


「そういえば奴の言っていた“イノー”ってなんやろなあ?」

山を下りながら、ふと、ヒューマのある言葉を思い出すフレイス。
イノー(異能)……殺されたジョーは普通の人間なら耐えられるハズのない弾丸を肌で弾き返し、ヒューマはそのジョーを一撃で殺した。

「奴の説明通りなら、イノーって奴は一匹ごとに違うらしいし、ワイにも備わっているらしいが……これもうわかんねえなあ……」

虎の世界に漫画やアニメが普及しているわけはないので、フレイスは異能が具体的にどんなものなのか、イマイチ掴めていなかった。
少なくともジョーのような防御力やヒューマのような攻撃力を持ってないことだけはなんとなくわかった。

「まあええで。
よくわからんイノーを使って自滅して“【悲報】フレイス氏、某島で死去。自殺か。”ってなったら目も当てられへん。
ワイの武器はマッマとパッパからもろた爪と牙で十分や。
ほな、余計なこと考えてないで先に進みで~」

よくわからないイノーに頼らず、戦闘スタイルはあくまで使い慣れた己の肉体を武器に戦うことに決めて、とにかく先へ進もうとするフレイス。
夜が明けると奇襲がしづらくなる。
そうなる前に減らせる分だけ人間を減らしていくつもりなのだ。


だが、彼はまだ気づいていない。
己の体が少しだけ輝き、足の速さが僅かに増していることに。
ピカピカの実の能力者が持ち得る、光速移動能力の片鱗が出かかっていることに彼はまだ気づいていなかった。



【一日目・1時00分/・H-4 南の山斜面】

【フレイス@ピカピカの実/ワンピース】 
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、不明支給品1~3(自力での確認不可)
[思考・行動] 
基本方針:人間達を皆殺しにし、ナオ=ヒューマも殺して島に帰るンゴ
1:人の巣(集落)がある東側に向かうで
2:優勝後にヒューマを殺すために、何か対策も考えとく
3:イノーって何なんやろなあ?

[備考]
※南の山山頂から見たことで会場の地形や建物の位置を大雑把に把握しました。
※自身の能力(イノー)にまだ気づいていません。ただしピカピカの能力の一つである光速移動の片鱗が出かかっており、僅かに移動スピードが上がっています。
※支給品の入っているディパックを自分で確認することができません。
 食料のみ開始地点に配置されていました。
 支給食料(新鮮な雉の死骸)×3はH-3のどこかに埋めてあります。


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