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ナイーブレターズ」の最新版変更点

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 **ナイーブレターズ  ◆TeAoSh7Hf6
 
 「マジありえない!」
  
 月明りに照らされていたのは、ボロボロの鳥居、ボロボロの社。ボロボロの街灯。そして読者モデル。
 いつもは着崩している制服のボタンをしっかりと留めている理由は、彼女が最も苦手としている物が原因か。
 彼女の名前は千原 亜紀。17歳のどこにでもいる学生である。
 好きな物はクレープ。嫌いな物は虫。
 読者モデルをしており、知っている人は知っている女子高生だ。
 
 「(確か、昨日は友だちと出かけて、クレープ食べて、新しい服買って、それで……)」 
 
 そんな彼女は、神社の境内に腰を掛けて座っていた。
 背中には「ゲーム」をするための道具が入っているデイパック、そして首には忌々しき銀色の首輪がついていた。
 先程のの惨劇が脳裏に焼き付いていて、気持ち悪かった。
 
 「……夢だったらいいんだけどなぁ。この首輪も冷たくてなんか嫌だし。あー!クレープ食べたいなぁ!マジで意味わかんない!」 
 
 首の冷たい感触が自分の鼓動を早くさせた気がした。
 あの時の、あの光景は本当に現実なのではないのだろうか。少し前に友だちとふざけてみたB級ホラー映画の様に
 簡単に人が死んだ。あの鮮血を見ても、どこか「現実」だと認識ができなかった。
 ……もしかしてどっきりなのではないのだろうか?
 自分のデイパックの中には、きっと「ドッキリ大成功」と書かれた紙が入ってたりするんじゃないのだろうか?
 殺された人も、実は生きていてテレビ局のスタッフと一緒に出てくるんじゃないか。
 そういえばあの場には、テレビでよく見る芸能人が複数いた。確認できただけでもKENGOと郷音ツボミ、それに道端ロクサーヌと増田 ユーリ……それにあのレオポルドもいた気がする。 
 どれもテレビでよく見る顔だ。ってことはやっぱりドッキリなのでは?
 だいたい殺しあいだなんて、現実的に考えてそんなことあり得るわけがない。
 こんなドッキリを仕掛けられるなんて私も知名度が上がってきたんだなぁ。嬉しい事だ。
 
 「……でも増田ユーリって確かごーねをやめてそのまま芸能界を引退したよなぁ」
 
 ごーねとは、ボーイッシュ系アイドル「ごーね!☆」の事である。
 井上 快夢、郷音 ツボミ、増田ユーリ、その他数名によるアイドルグループで、日本人なら殆どが知っている。
 実はこのアイドルグループに実際に会った事がある。メンバーの一人の井上 快夢が大親友だからだ。よくライブにも招待されている。
 更には何回か楽屋にも招待された事がある。増田ユーリが「ごーね☆!」を脱退し、そのまま芸能界を引退した時はとても驚いたものだ。
 ……芸能界を引退した「元アイドル」にドッキリなんか仕掛けるものだろうか?
 
 「あー、快夢だったらどうするんだろ。わっかんないなぁ」
 
 快夢は今頃何をしているのだろうか?快夢の事だ。きっとドッキリを仕掛ける側になっているんだろうなぁ。
 『ドッキリ大成功!』って言いながら早くアタシの前に出てきてほしいよ。
 こんな虫が多くて、暗くて怖いところから早く解放されたいし、この冷たくて不快な首輪も早く取りたくてたまらない。
 
 「……絶対ドッキリだけど、一応これの中身を見てみよっかな」
 
 ドッキリという事を願ってデイパックに手を突っ込んだ。
 なんだかごちゃごちゃ入っている。
 中には地図、飲料水にパンが2、3個、懐中電灯。地図にコンパス。
 なんだかやけにリアルだな。
 名簿は、アイツがいった通り白紙の様だ。よく見るとうっすら見える気がするが、気のせいだろうか。
 六時間後に名前が浮き出るなんて、よくわからないけどすごいもんだなー。
 そういえば支給品があるって聞いたな。さて、なにがはいってるんだろう。
 
 「……いやいやいやいや。なにこれ。ふざけてるの?」
 
 出てきたのは、七味唐辛子だった。
 
 「やっぱり、ドッキリだよね。殺し合いとかいいながらこんな適当なものいれてるんだし」
 
 その時だった。ブワっと音を立てるように全身の毛が逆立ったような気がした。この場所に、アタシ以外の誰かがいる。
 理屈ではない。何かがいる、とアタシの中の何かが訴えている。
 なんだか変な気分だった。背中に羽が生えた気分だ。
 もしかしてこれがアイツが言っていた「異能」とかいうものではないのだろうか?(それかアタシの頭がこの異常な環境でおかしくなったのかもしれない)
 アタシは、気配を感じた場所に目を向けた。それの正体は……
 
 「うわ!む、むし!」
 
 アタシはいつも着崩しているブレザーも、巻いて短くしているスカートも、今だけはしっかりと学校のルールを守って着ている。
 更にはまるでクラスの端っこにいるマジメちゃんの様に、はたまたいつも校則に五月蠅い生徒会長の様にブラウスの襟のボタンも留めている。
 アタシをよく知っている人が、今の自分を見たら「どうかしたのか?」「熱でもあるのか?」と心配されそうだ。
 こんなことになっているのは理由がある。
 絶対に素肌に虫を付けたくないからだ。首元から服の中に虫を入る事を防ぐために襟を閉めているし、足に虫が付くのを防ぐ為にスカートも膝下まで下げている。
 自分の中では、「森=虫がいる」という式が出来上がっていた為、ここに付いた瞬間にすぐに身嗜みを整えたのだ。
 (これだと私の服装がいつも乱れているみたいだが)
 
 それでも虫はまるでエイリアンの様に少しずつ忍び寄ってくる訳で。
 私のブレザーにはカメムシが一匹くっ付いていた。
 
 う、うごけない。カメムシがアタシの服に来るのは、わかっていた。
 それでも動けなかった。声もでなかった。
 あまりの恐怖からだろうか、。
 そして気が付いてしまった。私の回りは、虫に囲まれている。
 いま私が座っている境内や神社の壁には多数のカメムシが歩き回っていた。
 
 
 「た、た……た……す……け……ひぐ……ひぐ………うぇぇ………」
  
 鼓動が早くなった。
 殺し合いドッキリよりも虫の方が怖かった。
 気が付くとアタシは涙を流していた。
  
 「おっ、大丈夫か大丈夫か?」
 
 その時だった。絶体絶命のアタシの目の前に、この状況でTシャツ短パンを纏った男が現れたのは。
 
 
 ◇ ◇ ◇
  
 
 「結構……怖いですよ」
 
 
 そんな事を真っ暗闇で呟いた。田所 恋矢24歳。学生がそこにいた。
 彼の回りにはデイパックに入っていたペットボトルの水や食料、子供向けの玩具(?)が散らばっていた。
 それはなぜか。デイパックに入っていたものが正真正銘の「人を殺す為の道具」で、驚いて放り投げてしまったからである。
 
 恋矢も最初は殺し合いに対して半信半疑だった。あの場所には芸能人の顔もチラホラあったからドッキリかも、と思ったからだ。
 異能力なんてものも全くと言っていいほど信じる事ができなかったし、ただの大学生である(留年はしているが)自分がなぜドッキリに呼ばれるのか?
 理由はわからなかった。そしてあの「見せしめ」は、トリックや特殊メイクとか、そういった類の物ではないのか?
 わけがわからなかった。
 しかし、デイパックの中身をみた時、それは確信に変わった。
 
 『サバイバルナイフ』
 『日本刀』
 
 手に持った時の感触と重たさが「嘘じゃないぞ」と自分に語り掛けてきた気がした。
 ナイフを持った時に、誤って手を少し切った。血が少しだけでた。
 痛みはほんのちょっとだったが、恋矢の精神を揺さぶるには十分だった。
 恋矢は震えるでてデイパックから散らばった物を入れ直した。玩具は……荷物になると思い、拾わなかった。
 
 「………やべえよ………………やべえよっ…………神様、俺が何をしたっていうんだよ。許してくれよ……!なんでもするからっ……!
 俺が、なんでこんな目に合わないといけないんだよ、畜生……」
 
 この深い森の中を照らしているのは月明りだけだった。風がざわざわと拭いており、草木が影を揺らしている。
 それに対しても恋矢は怖がっていた。
 あの草木の向こうに、俺を狙うやつがいるかもしれない。あの草木の向こうで誰かが俺に銃口を向けているのかもしれない。
 
 怖い。
 
 恋矢は必至になって、静かに、息を押し殺しながら歩いた。
 目指す場所は、わからない。ただ森の向こうに弱い光が見えるのだ。
 おっかなびっくりしながら歩いていく。
 デイパックの中から地図を取り出して、光が漏れないように懐中電灯で照らした。
 
 「これは、もう……わかんねえなぁ……」
 
 地図を見ても自分が何処にいるのかわからなかった。確実に言えるのは自分が森のど真ん中にいるという事だけ。
 コンパスを見て、明かりの方向を見てみる。明かりはちょうど北の方向にあった。だとすると今自分が向かっているのは神社か、展望台のどちらかだろうか?
 
 「あ~、死にたくねえなぁ……。なんだ……俺、根性なしだな……」
 
 死にたくないっていうのは、生きてる証拠。何でこんなことになったんだ俺……。
 昨日は自宅の屋上で体を焼いたり、紅茶飲んだりしてエンジョイしてたんだけどなぁ……。
 何でこんなことになってんだよ……
 あー、こんな所後輩に見られたらすげえ恥ずかしいだろうなぁ。
 でも、しにたくねえよ。仕方ねえじゃん。初めての殺し合いだから、力なんか抜けるわけない。
 そうだ。神社か展望台についたら、そこでじっとしてよう。隠れてよう。
 
 ◇ ◇ ◇
  
 「おっ、大丈夫か大丈夫か?」
 
 思わず声をかけてしまった。なぜ声なんかかけてしまったのだろうか。
 もしこの女の子が殺し合いに乗っていたら、とか考えなかったのか。
 いや、この女の子は、自分自身と同じなのではないのだろうか?
 この殺し合いに無慈悲にも巻き込まれてしまった。
 フィクションとも間違えてしまうようなこの現実に絶望しているのではないのか。
 だったら、俺と同じだ。同じなんだ。声をかけて、これからどうするか、なんか考えてもいないが、
 この子を安心させたい。そんな気持ちから声をかけてしまった。
  
 「ひっ……た、た、す……け……」
 「ん……?くっせぇなお前……コリアンダーみたいな匂いがする」
 
 そして気が付いた。虫が多い。自分の腕にも蚊に刺されたのか何か所か刺されている。
 この神社も周りが杉林で囲まれているせいか、かなりの数のカメムシが蠢いている。
 
 「お、俺は、この殺し合いには、乗っていない。大丈夫だって、安心しろよ……!」
 「……む、むしが……」
 
 彼女の服にはカメムシが一匹ついていた。もしかして彼女はカメムシに毒があるのでも思っているのだろうか?
 さっさと手で払ってしまえばいいとは思うが。
 俺は彼女についていたカメムシをデコピンで追い払ってやった。
 
 「た、助かった……!ねえ、誰だからわからないけど早くここから逃げよう!虫がいやだから!」
 「は?なんで?」
  
 ◇ ◇ ◇
  
 神社の中は意外と綺麗だった。電気はなかった為、神棚の蝋燭に火をつけた。なんだか怪談話をする雰囲気の様になってしまったが、仕方ない。
 蚊取り線香が置いてあった為、恋矢は亜希の要望を聞いて火をつけた。独特な匂いが鼻につくが、カメムシの匂いよりはマシだ。
 こんな状況になっても虫が嫌とは、今時の女子高生は肝が据わっているらしい。
 
 「助けてもらって悪いね。アタシは千原 亜希っていうんだ!読者モデルしてるんだけど、聞いたことない?
  あー、でも男の人は知らないかな?アタシと同世代の人なら知ってる人が多いと思うんだけど、まぁ、お互い災難だったね。こんなのに巻き込まれてさ」
 「た、田所 恋矢です……」
 「れんや?かっこいい名前だね!どういう漢字書くの?」
 「れ、『恋愛』の恋の字に、『弓矢』の矢の字だけど……」
 
 女子高生の恐ろしいコミュニケーション能力、悪く言えば弾丸トークに驚いている。自分が高校生の時にも、クラスにこんな女の子が一部いた気がする。
 しかしスカートも膝下まで下げているし、襟元のボタンもしっかりと閉めている所を見ると、もしかしてマジメな進学校に通っているのかもしれない。
  
 「アタシさー。虫がすっごく苦手でさ、ちっちゃい頃に顔にクモが飛んできて、その時に大きな声出しながら気絶しちゃってさ。その時にママがアタシの事が死んじゃったって思っちゃったみたいで
  もう大騒ぎで、気が付いたら病院のベッドにいるの。めっちゃウケるよね!で、警察の人とかから事情聴取を何回もされちゃって。すっごい恥ずかしかったんだー。
  それから虫がすっごい苦手なんだー。だから恋矢がいなかったら、また気絶して警察から事情聴取を受けてたと思う!ホントにありがと!」
 「そ、そう……」
 
 よく喋る女の子だ。聞いてもいない事なのにペラペラとよく喋る。まるでこの状況をよくわかっていないのだろうか?
 ……自分と同じようにこの殺し合いに対して恐怖を抱いていると思っていたが、それはただの勘違いだったらしい。
 虫が怖くて泣いていたのか?自分の中での疑念を解決する為に一度聞いてみた方がいいみたいだ。
 
 「あのさぁ、千原はもしかしてさぁこの殺し合いの事、信じてない?」
 「え?……うーん、なんていうんだろ」
 
 彼女は一呼吸おいて、答えてくれた。
 
 「わっかんない。だってさ。あの場所にはKENGOとか郷音ツボミとか色んな有名人がいたからさ。アタシも一応読者モデルしてるから、新手のドッキリ企画かなーってさ」
 「つまり、半分信じて、半分信じてない?」
 「ううん。最初はまったく信じてなかったよ。でもさ、アイツが『異能』の力とか言ってたでしょ?さっきね、アタシの体がぶわああっってさ、自分の神経っていうの?それが全部研ぎ澄まされた感じがしたんだよね」
 「えっ、それは……」
 
 恋矢は殺し合いは信じていたが、『異能』に関しては信じる事ができなかった。あの場で殺された東ジョーについては説明する事ができないが、自分の体が改造された形跡は見当たらないし、自分の体から「力が湧き出る」
 なんて事もなかったからだ。
 だが、千原は「自分の体が改造された」と言っているのだ。それこそ信じる事ができなかった。
 
 「あの感覚になった時、『今の自分なら何でもできる!』って思えたんだよね。結局カメムシがくっついてたから何にもできなかったけど。ホントかっこわるいなぁ、アタシ」
 「はえ~……俺は、別に自分の体が改造された、とかわかんないけどなぁ……」
 「そっかー。……あ!じゃあデイパックの中に何か入ってるんじゃない?アイツも言ってたじゃん」
 「…………」
 「…………………?どうしたの急に静かになって」
 「…………落としたかもしれない」
 「はぁ!?」
 
 彼女の「異能」については半信半疑だった。嘘だとは思いたいが、あの時殺されてしまった東ジョーの事も説明できない。
 漫画みたいな(エイトマンは実際に漫画だが)事が現実に存在していて、実際に見る事ができれば納得できるが……
 
 「た、たぶんだけど、俺の支給品の中に玩具みたいなのが入ってたんだ。でもちょっといろいろあって……」
 
 自分の支給品にビビッて、それを落としただなんて、カッコ悪すぎて千原には言えなかった。
 
 「じゃ、じゃあさ。取りに行こうよ。なんかカッコいいのに変身できるかもしれないよ!例えばマジレンジャーみたいのとか仮面ライダー響鬼とかみたいなのになれるんじゃない?」
 「女子高生からその単語が出てくるとは驚きなんですが……」
 「保育園の時に見てたからね。戦隊物はそれ以外は知らないけど。まぁ、とりあえず落としたところに向かおうよ……あっ!やっぱダメだ!アタシここから出れない!」
 
 取りに行こうと立ち上がった時に、急に千原が声を荒げた。なんとも忙しい女子高生だ。
 俺の後輩の落ち着きを見習ってほしいところである。
 
 「……さっきもいったけど、ホントに虫が無理なんだよね。懐中電灯使うと虫が寄ってくるじゃん。だから無理!」
 「…………そんくらいで?」
 「無理なものは無理なの!」
 「……もし殺し合いをしようとする人が、この神社に来たらどうすんだよ」
 「で、でも、ドッキリかもしれないし……」
 「じゃあ異能についてはどう説明すんだよ。さっき自分で言ってたよなぁ」
 「うっ……」
 
 彼女は痛いところを付かれた、と言いたげな顔をしていた。
 ……実のところ、恋矢は亜希に取りに行くのを付いて来てほしかった。怖かったからだ。殺されてしまうのも嫌だし、一人になるのも嫌。
  
 「……とりあえず、俺が落とした玩具を拾ったら、またここに戻ろう。夜にうろつくのは危ないよな」
 「虫が近くに来たら恋矢が追い払ってよね」
 
 あぁ、なんとも面倒な女子高生に話しかけてしまったのだろうか。
 自分と同じように、この殺し合いを怖がっていると思いきや、殺し合いよりも虫のが怖くて泣いていたとは、どういう事だ。
 出会ってしまった事は運が悪かったと思うが……
 
 「(……能天気だなぁコイツ)」
 
 彼女の能天気さに救われている部分も確かにあった。
 先程までの自分には余裕がなかった。ずっとあのままだったら、きっと自分は他の参加者に切りかかっていたり、襲われたりしていたのではないのだろうか。
 
 「(……会いたいなぁ)」
 
 ふと、自分を慕う後輩の顔を思い出した。俺はここから生きて帰る事ができるのだろうか?
 ……そうだ。もしこの殺し合いから生きて帰る事ができたら、アイツに告白しよう。
 生きて帰る事ができれば、の話ではあるが……
 
 
 ◇ ◇ ◇
  
 「(……あれは、なんだったんだろうなぁ)」
 
 自分の神経が研ぎ澄まされるような感覚。周りの物がスローモーションの様に流れていくようだった。
 あれが自分の「異能」なんだろうか?
 
 「(まだ信じられないなぁ)」
 
 自分の体のようで、自分の体ではない。なんとも妙な気分だった。結局カメムシのせいで動けなかったが……。
 そういえばあの殺されてしまった(本当に死んだのかわからないが)伊東ジョーという人の「異能」は『エイトマン』とかいう漫画のキャラだと話していた筈。
 すると自分も漫画のキャラの「異能」とやらを身に着けたのだろうか?
 
 「(でもアタシ、そんなに漫画とか特撮とか、詳しくないからなぁ。それにアタシの能力ってなんだろうなぁ。ワンピの覇気とかこういう感じなのかな。……ていうか、ドッキリ、じゃないのかな」
 
 恋矢が本物のナイフを持っている所を見ると、なんだか色々と信じる事ができなくなってきた。
 頭の中には疑問が浮かんでは消え、浮かんでは消え、を繰り返している。
 
 「(……恋矢っていい人そうだよなぁ。年上の余裕?ってのもあるんだろうけど)」
 
 先程自分を虫から助けてくれた恋矢に視線を向けた。
 絶体絶命の自分を助けてくれた事を感謝したい。
 
 「(……快夢に会いたいなぁ。ドッキリならドッキリで早く終わらせてほしいし。……でもロンブーみたいに凄く長くて壮大なドッキリなのかもなぁ)」
 
 そしたらこの状況、最低でも三日、最高で一か月ぐらい続くのでないのだろうか。……いや、あのハリウッドスターもいるんだ。
 スケジュールの関係で長くても二日で済む、……と思う。
 快夢はきっと今頃、アタシの状況を見てモニターごしに笑っているのかなぁ。
 早いところこの状況から解放されたい。そうすればきっとこの虫を見る事はなくなると思うから。
  
 【一日目・1時00分/C-4・神社】
 
 【千原 亜希@スパイダーマン/スパイダーマン(サムライミ版)】 
 [状態]:健康。スカート膝下、襟までボタンを閉めたマジメスタイル
 [装備]:七味唐辛子
 [道具]:支給品一式
 [思考・行動]
 基本方針:ドッキリ?本当?どっち?
 1:D-4に向かう。
 2:恋矢と一緒に行動(虫から守ってもらう)
 ※ドッキリだと思っていますが、半信半疑です。
 ※スパイダーセンスが一度発動しましたが、異能には完全に気付いていません
 ※漫画、特撮に対しての知識は「ワンピース」と保育園の時に見ていた「魔法戦隊マジレンジャー」
 「仮面ライダー響鬼」「ふたりはプリキュア」のみ。
  
 
 【田所 恋矢@仮面ライダービースト/仮面ライダーウィザード】
 [状態]:精神疲労(小)、混乱気味
 [装備]:サバイバルナイフ
 [道具]:支給品一式、日本刀、不明支給品(0~1、武器ではない)
 [思考・行動]
 基本方針:すいません許してください、何でもしますから……
 0:家に帰りたい
 1:置いてきた玩具をD-4に拾いにいかなきゃ
 2:亜希を守る(虫から)
 3:玩具を拾って来たら、神社に戻って篭るつもり
 ※仮面ライダービーストの装備一式を玩具だと思っています。
 ※異能を信じていません。
 
 ※D-4のどこかに仮面ライダービーストの装備一式が散らばっていますが、制限により田所 恋矢にしか触る事ができません。
  また、何かしらの能力で触れたとしても、使用できるのは田所 恋矢のみです
  この制限は田所 恋矢が死亡しても解除されません。
 
 
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-|&color(blue){GAME START}|千原 亜希||
-|&color(blue){GAME START}|田所 恋矢||
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+|&color(blue){GAME START}|田所 恋矢|[[ギャルと見るはじめての異能]]|