〈overture〉◆N.AC9rXJ/I




――――見飽きた。

ありとあらゆるモノを見てきた故に、彼は見飽きていた。

なんら特異的なモノがない世界。
その陰で異常が蔓延る世界。
「異常」が「常識」となっている世界。
人類が存在しない世界。

多種多様な世界があった。
多種多様な生が、死があった。

だがそれにも限界というものはある。
個性とやらも、彼の前には同じような鋳型にしか見えない。
スタンド、魔術、法力、ギア、契約者、魔法少女、錬金術師...。
「異常」も見飽きた。

この世界も、幾度となく見てきた異常なき世界。

次に行こうと布を翻したその時、ある考えが浮かんだ。

――――見知った異常を手にして殺し合わせる。

「そうか、こいつは確かに初体験だ」

なら、見てみよう。

無意識に笑みが浮かぶ。

そうして、男の計画が始まった。

【???】
[状態]健康
[装備]なし
[所持品]なし
[思考・行動]
基本:新しいものが見たい

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??? 001:日常のオワリ 物語のハジマリ

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最終更新:2016年10月23日 21:47