暴力に惨劇、狂気や謀略渦巻く恐怖の殺人ゲーム、バトルロワイアル。
 そのゲームの会場沖木島の一角に1人の少女が居る。
 少女の名前は、萩原舞。このゲームの参加者の一人である。
 舞はあることを考えていた。
 それはバトルロワイアルについてではなく、これからの行動方針でもなかった。
 では何を考えていたかというと

「何なの、このアサルトライフル……」

 自身に支給された物についてだった。
 舞は何度目になるか分からないが付属されていた支給品の説明書きを読む。
 そこには支給品の名前が正しく書かれている。
 そう、『F2000R』と。

「そんな銃知らない……」

 舞はミリタリーオタクだ。
 サバゲーに参加したり(成績は思い出したくないが)、自衛隊の軍事演習の見学を幼馴染の分まで勝手に応募する様な少女だ。
 彼女の特技は銃の名前を当てる事。これに関してはかなりの物だと自負している。
 そんな彼女でもこの銃についての知識は無かった。

「おもちゃなのかな? そんな感じの形状だし」

 思わずそんなことを呟いてしまうが、すぐにそれはないと自らの考えを打ち消す。
 舞の趣味は銃の模型作りだ。
 なので模型は家にたくさんあるし、その中には実物大の物もある。
 だからこそわかる、これは本物の銃だ。模型とは重さが違う。

「撃ってみようかな……」

 色々考えたが、その中で舞はあることに気付く。
 それは、自分が実銃を持つのが初めてだということだ。
 アメリカにいけば銃社会だから、射撃場はある。
 だが舞はその機会には恵まれず、撃ったことがあるとすればせいぜいサバゲーの銃位しかない。
 舞は初体験に興奮し、冷静さを失っていた。
 冷静であれば、殺し合いの状況で無為に音を出すことの恐ろしさについて考えるだろう。

「えっと、周りに人はいないよね……」

 とはいえ冷静でなくても人に当てないように最低限の確認をする舞。
 舞は拳銃は決して人を殺めるためにあるものではないと思っているし、そうでなくてもうっかりで人を殺したいと思う者はいないだろう。

「えいっ!」

 可愛らしい掛け声を上げながら舞は引き金を引く。
 そして数発ほど発砲音が響いた所で引き金から指を外し、舞はまじまじと今手に持っている物を見る。
 その目はまるで化物を見るかのように。

「何これ、反動が殆どない……」

 そう、舞が撃った銃には反動が無かった。
 いや正確にはあるのだが、それはとても小さいものだった。

「やだ……、怖い……」

 こんな銃、知らない以前に現代の科学力で作れるとは思えない。
 そんなオーバーテクノロジーの産物が自分の手に在ることに、舞は恐怖を覚える。
 それと同時に、舞は今自分は尋常ならざる事態に巻き込まれていることをようやく実感したのだった。



















 ここで種明かしをしておくと、舞が自らに支給された銃についての知識が無いことは必然だ。
 それはおもちゃではないが、実在する銃でもない。
 F2000Rとは、とある魔術の禁書目録に登場する学園都市で開発された架空の銃だ。
 おもちゃの鉄砲に見える外見と、卵の殻すら割れない軽反動が特徴である。


 舞はミリオタであってサブカルチャーに詳しいオタクではない。
 故に、とある魔術の禁書目録という作品について知らないし、それに登場する銃も知らなかった。
 ただ、それだけの話。




 午前1時25分、J-2の浜辺。
 そこに居るのは神が一柱と悪魔が二匹。
 神の名前は八神そう。マイティ・ソーという、オーディンの息子と同じ力を持った存在に変身できる様になった9歳の少女。
 悪魔の名前は後藤万緒。人修羅と呼ばれる人でも悪魔でもない存在になってしまった16歳の少女。
 もう一匹の悪魔はジャックフロスト。人修羅が呼び出した雪の妖精である。
 そのジャックフロストにそうと万緒は

「――というわけやねん」

 現状の説明をしていた。

 そうと万緒の二人は召喚したジャックフロストに抱き着いていたが、5分ほどして流石に苦しくなったのかジャックフロストが放すように要求。
 それを聞いた二人はやりすぎたという思いと、よく考えたらこんなことしてる場合じゃないという焦りからその要求を聞き入れる。
 そして現状を理解していなかったジャックフロストに説明をする。
 とはいえ未だ分からないことの方が多く、更に説明する2人が混乱気味だったことからそれほど要領の得られる話は聞けなかった。
 それでもそんな思いはおくびにも出さず、ジャックフロストは神妙に頷く。

「つまり、おまえたちは噂に聞く人修羅と同じ存在になった女と雷神と同じ力を宿したただの人間。
 そしてここはナオ・ヒューマとかいうよく分からない奴が始めた殺し合いの会場で、おまえたちの力もそいつがよこしたと。そういうことだホ?」
「そういうことよ、うん」

 そしてジャックフロストは説明を聞き、自分なりに要約した。
 それに同意する万緒、その顔は暗い。

「それでオイラは人修羅になった、えっと……」
「万緒よ」
「そう、万緒に呼び出されたホか……」
「うん、そうやねん」

 ジャックフロストの言葉に今度はそうが同意する。
 その顔はやはり暗い。

「何でおまえたちそんなに暗い顔してるホ?」
「いや、なんか説明してたら冷静になってきて……」
「私達とんでもない状況にまきこまれたんやなって改めて実感しとるねん……」
「……ヒホ」

 2人の言葉に何も返せないジャックフロスト。
 これからどうしようかと思い悩んでいると



 ――いきなり轟音が響いた。
 その音はまさしく

「銃声!?」
「そ、そんな! どないしよ!?」
「落ち着くホ。今のおまえたちなら銃に当たっても大きなダメージにはならないホ」

 突然の銃声に慌てふためく二人を、言葉一つで落ち着かせるジャックフロスト。
 その言葉にそうは納得する。

「そうや、私はいまマイティ・ソーやし万緒お姉さんは人修羅や。そう簡単には死なへん……」

 銃声が数回続くと、音は止み辺りには静寂が戻る。
 少ししてからそうは尋ねる。

「どないする万緒お姉さん……」
「どうするって、銃声のした方に行くかどうかってこと?」
「ううん、私は見に行きたいけど万緒お姉さんは一緒に来るかってこと」

 銃声のする方に行けば他の参加者が居る。
 だがその参加者は間違いなく武器を持っていて、しかも殺し合いに乗っているかもしれないのだ。
 いくら簡単に死なないとはいえ、現実で銃を持った相手に相対することに恐怖を覚えない訳がない。
 だがしかし、そうはなりたいのだ。八神はやてのような魔法少女に。
 そんな彼女が恐怖に屈し、逃げる事を選びたくは無かった。
 だからこそそうは万緒に尋ねたのだ、一緒に来るかと。
 これは自分の勝手だから、強制なんかしないと。

「そうちゃんが行くって言うなら私も良く。子供一人に押し付けたりなんかしたくないし」

 そうの言葉に万緒は首を縦に振る。
 万が一の時に、子供を盾にするようなまねはしたくないのだ。
 そんな2人を見てジャックフロストは音頭を取る。

「それじゃ、2人とも行くホ」
「「オー!」」

 そうして銃声がしたであろう辺りに着くと、そこには想像と違い少女が一人で銃を持って立っていた。
 歳はそうから見れば自分より上、万緒から見れば同じくらいだ。
 万緒は少女に話しかけようとする。
 しかし少女は万緒に銃を向ける。その目は間違いなく怯えていた。
 まあこの状況なら見知らぬ人間が怖いのは仕方ないと二人は思う。

「ふ、不良!?」

 だがこの発言には万緒は思わずあっけにとられた。
 そしてそうは

「いや不良より物騒やろ今のあんた!」

 思わずツッコミを入れていた。




 その後、そうと万緒は殺し合いに乗っていないこと、万緒は不良ではないことを必死で伝える。
 それを受け入れたのか、舞は銃を置き話し合うことにした。

「私は後藤万緒。ナオ・ヒューマ与えられた異能は人修羅って奴になること」
「人修羅?」
「その辺は後で私が説明するで。
 それはそれとして、私の名前は八神そう。異能はマイティ・ソーになることや」
「さっきから異能の部分がさっぱり分からない……」
「オイラはジャックフロストだホ」
「そしてこの子が何なのかすら分からない」

 自己紹介をしているだけなのに疑問がどんどん増えていく舞。
 そうはそれらの疑問に一つ一つ答える。
 人修羅やジャックフロストの事。マイティ・ソーの事。
 それらについて説明をしていく。
 そして舞は説明を聞きおえ、自分の中で消化した。

「アメリカの漫画とか読んだことないし、RPGとかしないから分かんない部分もあるけど、でも大体分かった」
「ならええねんけど」
「それなら、そっちも自己紹介して欲しんだけど」

 万緒にせっつかれ、舞は慌てて自己紹介を始めた。

「私は萩原舞。異能は――」
「異能は?」
「……そういえば私の異能なんだろう?」
「「えぇ~……」」

 ゲーム開始から1時間半以上がすでに経過しているのに、自身の異能を調べていない舞に驚くそうと万緒。
 そんな2人を見て、舞は宣言する。

「いや待って、今から使うから見てて!」

 そう言って舞は気合を入れる。
 すると宙に鮫の形をした水の塊が現れ、そうと万緒を飛び越した地面へ向かって激突し消滅する。

「どう、これが私の異能! 何なのかは分からないけど!」
「分かんないんだ……、私もだけど。そうちゃんはどう?」
「多分NARUTOの水遁の術やと思うねんけど……」
「思うけど?」
「私そんなにNARUTOの内容覚えてへん……」

 うろ覚えな自分の記憶を申し訳なく思うそう。
 それを見かねて万緒と舞は謝らなくていいと励ます。
 そして少ししてから、万緒はあることを告げる。

「図書館に行こうと思うの」
「図書館?」
「うん、そこなら多分だけどNARUTOの本だってあるかもしれないし。
 それに他の参加者の異能だって分かるかもしれない」

 その言葉にそうと舞は成程と返す。

「それやったら早速出発や。善は急げ言うしな。
 出発おしんこー!」
「「きゅうりの糠漬けー!!」」

 軽くボケるそうと、それに乗る2人。
 こうして3人は図書館に向かって歩き出した。

「オイラのこと、忘れて無いホ?」

 妖精ジャックフロストを引き連れて。


【一日目・2時00分/J-3・砂浜の岩】

【八神そう@マイティ・ソー/マーベルコミックス】
[状態]:精神疲労(小)、変身中
[装備]:ムジョルニア@マイティ・ソー
[道具]:支給品一式、不明支給品0~2、障碍者用杖
[思考・行動]
基本方針:殺し合いには乗らない
0:図書館に行く
1:万緒お姉さんと舞お姉さんを守る
2:まさかマイティ・ソーに変身できるなんて……
3:はやてのように戦えるのが理想だけど……
※マイティ・ソーに変身できることを知りました。マーベル映画知識より、映画で使用した技は概ね使用できます。また変身中は右足の障碍が治ります。
※サブカル好きがこうじて、人修羅のことも知っていますが、シリーズのゲームは未プレイなため大雑把な内容しか知りません。(主人公が悪魔でありながら悪魔を召喚して戦う程度)
※NARUTOについてはうろ覚えです

【後藤万緒@人修羅/真・女神転生Ⅲ-NOCTURNE】
[状態]:精神疲労(小)
[装備]:マロガレ@真・女神転生Ⅲ-NOCTURNE
[道具]:支給品一式、仲魔召喚に関するメモ
[召喚中]:妖精 ジャックフロスト(健康)
[思考・行動]
基本方針:殺し合いには乗らない、元の体に戻りたい
0:図書館に行く
1:そうちゃんと舞を守る
2:私が悪魔にされたってマジですか……
3:この体、直るのかな?
※悪魔召喚能力があることに気づきました。
※八神そうから大雑把な人修羅の知識を知りました。
※八神そうの足の障害に気づいてません
※悪魔召喚については以下のルールがあります。
 ○最大で召喚できる仲魔は三体まで、真・女神転生Ⅲに出てくる悪魔のみ召喚可能
 ○後藤万緒が死亡すると仲魔も数時間以内に消滅する
 ○仲魔に召喚条件あり。召喚できる仲魔については次の書き手氏にお任せします。
  ・妖精 ジャックフロスト、妖精 ピクシー(条件なし)
  ・???(第一回放送まで生き延びる)
  ・???(第三回放送まで生き延びる)
  ・???(第五回放送まで生き延びる)
  ・???(参加者を一人殺害する)
  ・???(参加者を二人殺害する)
  ・???(参加者を三人殺害する)

【萩原舞@干柿鬼鮫の忍術/NARUTO】
[状態]:疲労{小)
[装備]:F2000R(25/30)@とある魔術の禁書目録
[道具]:基本支給品、不明支給品(0~2)
[思考・行動]
基本方針:殺し合いには乗らない
0:図書館に行く
1:異能はあんまり使わないようにしよう
2:このアサルトライフルも漫画やゲームのものなのかな?


【F2000R@とある魔術の禁書目録】
旧約3巻に登場し、御坂妹が使用した銃。
通称おもちゃの兵隊(トイソルジャー)。
材質は積層プラスチック、形状にも戦闘機に見られるような機能美が備わっているため、まるでオモチャの鉄砲にも見える。
赤外線により標的を補足し、電子制御で『最も効率良く弾丸を当てるように』リアルタイムで弾道を調整する機能を持つ。
銃身を覆う衝撃吸収用の特殊ゴムと炭酸ガスにより、射撃の反動は極限まで軽減されており、その軽反動は『卵の殻すら割らない』。弾丸は5.6ミリ。


恋は渾沌の隷也 時系列順 対ちょっぴり怖い資産家
恋は渾沌の隷也 投下順 「夢をあきらめて現実を生きます」

GOD&DEVIL 八神そう
GOD&DEVIL 後藤万緒
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