この殺し合いで現状唯一の女子高生コンビ、早川千夏と石黒千晶の2人はG-9にある診療所を目指して歩いていた。
 出発地点の分校から診療所までは500m程、本来なら数分もあれば辿り着く距離である。
 しかし、深夜という時間帯により星と月明かりしかないこと、殺し合いという現状から彼女たちは普段よりはるかに遅いスピードでの移動になった。
 それでも何事も無く到着した結果、時計は1時5分を示していた。
 この話は、そこから始まる。




「あー、やっと着いた」

 周りを警戒しながら歩き続けて20分。ようやく目的地である診療所に着いた千夏は思わず呟く。
 しょうがないと理解していても、暗闇の中を警戒しながら歩くことは疲れる。
 それを思えばボヤキの一つくらいは許されてしかるべきだ、千夏は思う。

「では早速カフェインの回収に向かいましょうか」

 そんな千夏の思いを千晶が分かるはずも無く、千晶はテキパキとした行動を促す。
 元々自分のわがままに近い言い分でここに来てもらった身として、千夏はそれに逆らわず従う。
 しかし千夏が診療所のドアに手を掛けた瞬間、

「待って下さい」

 千晶が静止を掛ける。
 千夏が「どうかしましたか?」と聞くと、千晶は診療所のドアノブの下に指を指す。
 そこには、靴底の跡が残っていた。

「これって……」
「どうやらここには乱暴な参加者がいるようですね。
 私が先行しますので、早川さんは手榴弾を用意して着いてきてください」
「は、はい……」

 その言葉のままに千夏は能力で仕舞っていた手榴弾を一つ取り出し、いつでも使えるように構える。
 それを見た千晶は銃を構え、背をドアに付け突入のタイミングを計る。その様はまるでハリウッド映画だ。
 そして千晶が突入し、銃を向けるもそこには誰もおらず、千晶は千夏を手招きで呼ぶ。

「待合室に人の姿はありません。おそらく診療室かどこかの部屋にいると思われます。
 ですので、早川さんはさっきと同じように後ろで待機していてください」
「はい」

 今度は診療室のドアに背を付け、さっきと同じように千晶が突入する。
 そこで見たものは

「うわあああああああああああ!!」

 銃を持った千晶を見て驚き、床にへたり込む少年と

「えっと、ごめん。今漫画読んでるから後にしてくれる?」

 銃を持った千晶を見ても平然とし、漫画を読んでいる青年だった。
 千晶は構えている銃をそのまま青年に向け、問いかける。

「この状況で呑気に読書とは……。貴方は何を考えているのですか?」
「別に何も考えてないよ。
 君が僕を殺さないならよし、殺されても別にいい。だから僕が何かを考える理由がない」
「貴方は一体何を……!」

 青年の投げやりな態度に、千晶の声に怒気が混じり始め、銃を握る手に力が籠っていく。
 それを見ていた千夏は慌てて千晶を抑える。
 基本面倒臭がりで積極的に動くタイプの人間ではない千夏だが、流石に目の前で銃を撃ちそうになっている人間を見て止めない程薄情ではない。

「ま、まあまあ千晶さん。落ち着いてください!」
「しかし……!」
「とりあえず、あなたは殺し合いには乗っていませんね!?」

 千晶の声を無視し、千夏は青年に話しかける。
 青年はとくに様子を変えることも無く飄々と答えた。

「あー、うん、大丈夫、ってことになるのかな……。
 まあ一応、僕もそっちでへたり込んでる蘭堂君も乗ってないから」
「そうですか、じゃあ情報交換でもしませんか!? 聞きたいこともありますし!」
「別にいいけど、君随分テンション高いね。生理?」
「違います!」

 アンタのせいだよ叫んでるのは! と千夏は心の中で叫んだ。




 蘭堂虎竜太からすればそれは、あまりにも突然の展開だった。
 支給品が全部本で武器も無く、身体能力がある訳でもない。
 更に言うなら自分に与えられた異能が何なのかすら分かっていない。
 こんな三重苦を背負ってヤケになっていた虎竜太は、診療所で支給されて本を読んでいた。
 そしたら読み始めて10分も経たないうちに、いきなり銃を持った女子が突入してきた。
 それに驚いて腰を抜かしている間に、なぜか情報交換をする流れになっていた。
 別にそれはいい。
 銃を持っているのも他の参加者を警戒してのことだというのは分かるし、乗っていないなら情報交換の一つでもしようと思うのは当然だ。
 だがそれはそれとして

「何で俺、石黒にあんなに睨まれてんの? 俺なんかした?」

 とりあえず全員が簡単な自己紹介を済ませた後、虎竜太は総一郎に小声で問う。
 虎竜太は、何故か自己紹介する前から千晶に睨まれていたのだ。
 まあそれは、総一郎も同じだった。

「いや、それをいうなら僕もなんか睨まれてるけど」
「お前が睨まれてる原因は明白じゃねーか!」

 どう考えてもあの態度が原因だろ、と虎竜太は突っ込む。
 それはそうだけど、と総一郎が返事をし、じゃあ原因は何だと考えて言葉に出す。

「あれじゃない? 君の改造学ランがダサイからイライラしてるんじゃない?」
「何で殺し合いの真っ直中でファッションチェック受けなきゃいけねーんだよ!?
 つーかあいつ学校制服を見たことないレベルでキチっと着こんでるぞ! ファッションのファの字も感じないぞ俺!?」
「いやああいうのがうけるのかもしれないよ、仕事場では」
「援交でもやってんのかあいつ!?」
「本当はもっと、露出度の高いネグリジェが着たいのに……」
「バジャマだろうが! それで外出る奴にファッション語られたくねーよ!!」

 小声で言い争う2人。その様子はまるで漫才の様だ。
 しかし千晶はその流れを容赦なく断ち切る。

「訪ねたいことがあります」
「何かな?」
「この診療所に、給湯室かカフェインの錠剤はありますか?」
「…あったっけ蘭堂君?」

 千晶の問いに首をひねり、虎竜太のほうを見る総一郎。
 虎竜太はすぐに答えた。

「給湯室は隣だぞ」
「分かりました。では早川さんは」
「コーヒー飲んできますね」

 千晶の言葉で千夏がコーヒーを入れに行こうとする。
 しかし、そこで総一郎が呼び止めた。

「何ですか?」
「コーヒー入れるんだったら僕の分も頼んでいい?」
「あ、俺の分も頼むわ」
「ブラックお願いね」
「俺もだ」
「まあ、いいですよ……」

 総一郎と虎竜太のオーダーを聞いて、千夏は診療室を去って行った。
 そして千夏が診療室のドアを閉じたと同時に、千晶は虎竜太に近づいていく。
 虎竜太がその行動を訝しく思っていると、千晶は虎竜太の金に染まっている部分の髪の毛を掴んだ。

「いたたたたたた! いきなり何しやがるテメエ!!」

 その行為に当然の抵抗し、千晶の手を振り払う虎竜太。
 振り払われた千晶は不満気な表情を隠さないまま話しかけてくる。

「2つ目の質問です」
「人を痛めつけながら尋ねるっていうのは、質問じゃなくて尋問って言うんじゃない?」
「蘭堂さんの髪の毛が一部金色ですが、それは地毛でしょうか?」

 総一郎の茶々入れを無視して千晶が質問してきた内容に、虎竜太は戸惑う。
 何で殺し合いの最中で髪の毛について尋ねられなければならないのか。
 意味が分からないものの、嘘をつく理由が無いので虎竜太は正直に答えた。

「あぁ? 地毛な訳ねーだろ、染めてんだよ!」
「そうですか……」

 虎竜太の答えを聞き、千晶は返答した後迷い無く銃口を虎竜太に向けた。
 それを見て虎竜太は怯える。

「な、何の真似だよ!?」
「君の染め方がダサイから……」
「まさかのマジファッションチェック!?」
「ファッションチェックではありません」

 総一郎と虎竜太の惚けた言動を訂正する千晶。
 その言動に、眼光に迷いは無く、その行動に狂いは無い。

「あれは『人殺しの目』だ。
 石黒さんは全てを捨てる気だ……、その人間性までも……」
「髪の染め方だけでそこまで殺意持たれる意味がわかんねーよ!」
「何か誤解があるのですが、私は蘭堂さんを殺す気はありません」

 千晶の言葉に思わず呆けた反応をしてしまう2人。
 それでも虎竜太はすぐに調子を取り戻し、必死になって尋ねる。

「じゃあ俺をどうする気だ!?」
「私はどうにも、貴方の風紀を乱す行動が我慢できない。それだけです」
「だったらなんだよ……」
「本来ならあなたの髪の金髪部分を染め直させるのが常道でしょうが、今は出来ませんからね。
 なので……」

 虎竜太は恐ろしかった。
 目の前に居る石黒千晶という女が恐ろしかった。
 何を考えているかが分からない、次に何をしてくるかが分からない。
 人生の中で出会った事の無いタイプの人間である千晶が、未知が虎竜太には恐ろしかった。
 だから虎竜太が後ろに下がっていくのは無意識に近く、更に言うなら壁に手を突いたのは無意識だった。
 しかし次の瞬間

「な!? これって……」

 壁にいきなり線が走り、そしてドアとなって開いた。
 その理由を虎竜太は瞬時に理解する。

「確か、ワンピに出てきたドアドアの実……!」

 その事を理解した虎竜太は迷うことなくドアに飛び込み外に出る。
 出てすぐに千晶が同じくドアを潜ろうとするのを見てに閉め、虎竜太はあてもなく走り出した。
 そして走りながら虎竜太はある考えに至る。

「俺は弱いし、支給品も本だし、さらに異能まで戦闘向きじゃない……。
 これ俺詰んでね?」

 その呟きに、答えが返ってくることは無い。




 早川千夏が4人分のコーヒーを入れて診療室に戻る。
 そこには苛立ちを隠さず居る千晶と、相変わらず漫画を読んでいる総一郎の姿があった。
 ちなみに、千夏が千晶の分までコーヒーを入れたのは、流石に自分含む3人が飲んでる横で一人待ちぼうけにするのはどうかと思った千夏の善意である。

「あれ、蘭堂君は?」

 いなくなった虎竜太について聞く千夏。
 それに総一郎が答える。

「ああ、石黒さんが蘭堂君を殺しかけてね。
 蘭堂君は必死になって命からがら逃げだしたのさ」
「え?」

 あまりにもさらりと言われ、思わず呆ける千夏。
 しかしそれも一瞬、千夏はすぐに千晶に向き直り問い詰める。

「……えっと」
「誤解です。私は蘭堂さんを殺そうとはしていません」
「銃持って物凄い目で睨んでたけどね」

 その言葉を聞いた千晶は余計な補足をしてくれた、とばかりに総一郎を睨む。
 とはいえ事実は事実なので黙って受け入れ、千夏への弁明を再開した。

「確かに私は苛立ちで銃を持ったまま凄んでしまい、蘭堂さんはそれに怯えて逃げました。
 しかし私は蘭堂さんを殺そうとしたのではなく、ただ……」
「ただ?」
「金髪の部分の髪を引きちぎろうとしただけです」
「それは逃げる」
「それは逃げます」

 千晶の行動の意図を聞き、思わず答えが被る総一郎と千夏。
 その返答に千晶は驚く。

「何故です!?
 彼の振る舞いや言動、それに外見は風紀を乱しています! 私はそれを正そうとしただけです!!」
「そんな理由で銃持って恐怖政治敷かれちゃたまったもんじゃないね。
 基本的人権をもうちょっと尊重すべきじゃない?」
「沢田さん、貴方は本当に……!」

 これ以上話してたら、千晶さんは本当に沢田さんを殺すんじゃないか。
 そう思った千夏は流石にそろそろ止めに入ろう、と思った所で

「おっと、それ以上争うなら俺が仲裁させてもらう」

 新たな登場人物が、この診療所に舞い込んできた。




 消防士、分目青司が燃え盛るミカン畑から診療所を目指そうと思った理由は、これからの事を考えてだった。
 『俺が』殺し合いを打破するためには、当然だが自分が生きていなければならない。
 幸いさっきは大したダメージは負わなかったが、こんな極限の状況下ならいつ致命的な傷を負うか分からない。
 その時の為に治療用の道具を持っておくのも悪くは無い。

 そんな事を考えながら歩いていると、特に障害も無く診療所に到着。
 青司が早速中に入ろうとすると、中から話し声が聞こえた。
 そこで中の参加者の会話を聞こうと、物音を立てないように入り会話が聞こえる位置まで行く。
 聞こえてくる会話から、中に居る参加者は殺し合いに乗っていないものの揉めていることを理解した青司は人死が出る前に仲裁に入ろうと決断する。
 勿論、本当に死人が出てからでも悪くは無いのだが、タイミングが良すぎれば正義の消防士とみられなくなるかもしれない。
 一方、人死が出る前ならタイミングが多少作為的でも警戒心が強い慎重な人という評価で済む。

「おっと、それ以上争うなら俺が仲裁させてもらう」

 そこまで考えて仲裁に入った青司を、中に居た女子高生2人と同い年位の青年が見てくる。
 明らかに警戒されているが、それを解きほぐすのは周囲から高い評価を得、善人の仮面をかぶり続けている青司からすれば容易い。

「俺は分目青司、消防士をしている。勿論殺し合いには乗っていない」

 その証拠だと言わんばかりに青司はデイバッグを3人の近くに投げ、両手を上げて武器を持っていないことをアピールする。
 異能という物がある以上、完全な武装解除にはつながらないかもしれないがしないよりはマシだろう。
 事実、3人はそんな青司を見て警戒を解き始めていた。

「それで、その2人はどうして言い争っていたんだ?」
「その2人じゃなくて、僕は沢田総一郎。そっちの制服をきちんと着ている子は石黒千晶。
 そして僕としては言い争っているつもりはないよ、僕は彼女の言動に対し思ったことを言っただけだ」
「あなたの言動は奔放すぎます! 皆が貴方の考えをするのでは社会は成り立ちません!」
「出来ればどういう流れでそんな話になっているのかを聞きたいんだけど……」
「あ、それはウチが話します」

 その場に居た3人目は早川千夏と名乗り、この状況に至った経緯を話し始めた。
 一時期この場に居なかったため、伝聞の部分もあると明言されて始まった話に青司は嘘偽りなく驚愕する。

 ヤバいんじゃないか、あの女。
 石黒千晶がここにさっきまでいた蘭堂虎竜太という男子高校生の髪染めを注意しようとした。
 青司からすればその行動は普段ならともかく、この状況では空気の読めていない愚かな行いにしか見えない。
 それを口に出すだけでも悪感情は溜まるだろうし、殺し合いの場では何が変わる訳でもない。
 更に銃を持った状態で凄まれたら逃げようと考えるのは普通だ、それを悪評としてばらまかれたら自分が殺し合いに乗っていると思われる可能性を考えないのだろうか。

「邪魔だな、こいつ……」

 青司は小さく口の中で呟く。
 分目青司は石黒千晶を、最悪始末すべきだと考えるだけの邪魔者だと判断した。
 よほどのことが無い限り正義の消防士として動く以上、殺すことは無いだろうがもし最悪が起こればいつでも始末するつもりで行く。
 青司はそう決断した。

「まあそれはそれとして」

 未だ険悪、というより石黒千晶の沢田総一郎への敵視を何とかしよう。
 そう思い、青司は千晶に話しかける。

「石黒さん」
「何でしょうか」
「君の言い分は早川さんから聞かせてもらった。その上で僕の意見をはっきり言わせてもらおう」

 一体何を言うのか、と疑問が顔にありありと出ている千晶を前に、青司はこう言った。

「君はTPOを弁えた方がいい」
「環太平洋戦略的経済連携協定?」
「それはTPPだ」

 総一郎の茶々を流しつつ、青司は千晶を見る。
 一方、千晶は何を言われたのか分からないと言わんばかりの表情で茫然としている。

「君の言い分は真っ当な日常なら正しいし、行いは褒められてしかるべきだろう。
 だが今は駄目だ。この状況でそんな事をしても意味は無いんだ」
「意味が、無い……!?」

 心底驚愕したとばかりに驚く千晶。
 そんな彼女を尻目に青司は言葉を続ける。

「君は正しい。だが正しいだけではどうにもならないことを君は学ばなければならない。
 妥協し、折れ曲がり、時に間違える。人間はそうして成長していくんだ。完璧で人の言い分だけ聞く人形になっちゃ駄目だ」
「……!」

 心底悔しそうな表情を浮かべ、青司を睨む千晶。
 その行為にどれだけの意味があるか、青司には分からない。
 分からないが、とりあえずスルーしながら青司はこんなことを思っている。
 楽しい、他者に正論を叩きつけて説教するのは楽しい、と。

 そんな後ろ暗い思いは毛ほども見せず、話は終わったとばかりに診療室を漁る青司。
 そして包帯や薬を取り出し、自身のデイバッグに入れていく。
 やがて量はこんなものだろうと納得し、入れるのをやめると3人に向かって尋ねる。

「それで、これから君達3人はどうするつもりなんだ? 何かアテはあるのか?」

 青司が尋ねたのはこれからの行動方針だった。
 それについては明確なビジョンを持つ千晶が即答する。
 千夏の異能の事、それを利用するためJ-10の資源プラントへ向かう事。
 それらを千夏に説明した時と同じく、企画会議のプレゼンテーションの様に説明していく。
 その説明に青司は感心し、ある提案をする。

「そう言うことなら、俺も同行しても構わないだろうか?」
「……私は構いませんが、早川さんはいかかですか?」
「ウチもオッケーです」

 青司の同行の願いに、千晶は不承不承、千夏は即答で了承の返事を出す。
 それを聞いた青司は了承に喜ぶと、返事をしていない総一郎に目を向ける。

「あ、僕は同行しないよ。病人なんで大人しくベッドで寝てます」
「病人?」

 総一郎の病人発言に首をかしげる青司。
 彼の目には、総一郎は少し体調が悪そうな人くらいにしか見えない。

「そんな目をされても、僕が10年病院で過ごす病弱人間であるのは事実なんで。
 まあ、殺し合いの会場に来てからはなんか調子がいいけど。案外異能のおかげだったりして」

 ハッハッハッ、と高笑いする総一郎を見てどう反応すればいいか分からない青司。
 とりあえず、本人がそう言うならそれでいいかと無理矢理納得した。

「では早速出発しましょうか」
「おっと、その前に大事なことを忘れていた。殺し合いに乗っている参加者についてだ」

 出ばなをくじかれた千晶は多少ペースを乱されながらも、青司の話に耳を傾ける。
 青司は、ミカン畑で遭遇した少女の外見と能力を伝える。
 その話を聞いて、一番最初に反応したのは総一郎だった。

「柔らかくする、ねえ……。
 何だかピンとこないな、蘭堂君の異能位分かりやすければいいのに」
「俺に言われても困る」
「だよね」

 その会話を最期に青司は立ち上がり、千晶と千夏もそれに続く。
 そして診療所を出ていき、歩き出した。
 目指すはJ-10資源プラント。
 そこに至るまでに何が起こるのか、それを知る者は誰も居ない。


【一日目・2時00分/G-9・診療所付近】

【早川千夏@工兵/放課後アサルト×ガールズ】
[状態]:健康、工兵変身状態、
[装備]:工兵服(シールドフル状態)
[道具]:{支給品一式×2(-懐中電灯)、M67手榴弾×15、『戦場での立ち回り本セット(本4冊)』、不明支給品1(確認済み)、デイパック×1、机と椅子×42}分のリソース
[思考・行動]
基本方針:千晶と行動し、生き残る。
1:千晶さんに付いていけばなんとかなる、よね……?
2:分目さんはまともそう
3:舞に合ったら一発シメてやる。
[備考]
※石黒千晶と情報交換しました。
※自分の能力と石黒千晶の(大まかな)能力を把握しました。
※萩原舞が参加していることは薄々予想しています。
※机と椅子は木と鉄パイプで出来た普遍的なものです。原作バトルロワイヤルの生徒数分の用意がありました。
※鈴宮ミカの外見と能力を知りました(名前と指紋の結界は知りません)

【石黒千晶@『直観』/HEROS】
[状態]:健康、苛立ち
[装備]:グロック18自動拳銃(フルオートモード)、懐中電灯
[道具]:本一冊(『歴史から学ぶ戦争学~この先生きのこるには~』)
[思考・行動]
基本方針:生き残る。
1:資源開拓プラントへ向かう。
2:協力者を増やす。
[備考]
※早川千夏と情報交換しました。
※自分の(大まかな)能力と早川千夏の能力を把握しました。
※蘭堂虎竜太の異能を目撃しました
※鈴宮ミカの外見と能力を知りました(名前と指紋の結界は知りません)

【分目青司@キリエル人の力@ウルトラマンティガ】
[状態]:ダメージ(小)、疲労(小)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、不明支給品×1~3、包帯、薬
[思考・行動]
基本方針:殺し合いを「俺が」打破して名声を得る、もしくは願いを叶える力を奪う
1:一先ず、石黒と早川に同行する
2:他の参加者を保護する
3:殺し合いに乗っている者は可能なら殺す
4:特に火傷の女(鈴宮ミカ)は特に注意する
5:石黒はいつでも始末するつもりでいる
[備考]
※自分の異能がキリエル人の力であると知りました
 ウルトラマンティガ放送時の記憶が曖昧なので今のところ使うことができると思っている能力はキリエロイドへの変身と獄炎弾のみです
※鈴宮ミカの能力を生物を柔らかくする能力だと知りました(指紋による結界はまだ見ていません)
※早川千夏の異能を把握しました
※診療所で手に入れた包帯、薬の量や種類は次の書き手氏にお任せします




 青司、千晶、千夏の3人が診療所から出て行ったと同時に壁に線が走り、そこがドアとなり開く。
 そして現れたのは蘭堂虎竜太だった。
 彼は、診療所から離れていたがしばらくするとこっそり戻ってきたのだ。

「おかえり」
「ただいま」

 そんな虎竜太を総一郎はなんでも無いかのように出迎える。
 虎竜太は千晶たちが来る前と同じように丸椅子に座り、実はずっと持っていた本を再び開く。
 そして読みながら虎竜太は総一郎に思わず問いかける。

「なあ、正直さ、俺って詰んでないか?」
「武器も身体能力も無くて、異能も攻撃向きじゃないから?」
「ああ」

 その言葉に総一郎は考えるそぶりを見せつつ、こう返した。

「いやでも弱そうな能力がカギを握るって、わりとあるじゃん。ワンピースとか」
「……ドアドアの実ってそんな印象ねーんだけど。エアドア位しか覚えてねーぞ俺」
「じゃあもうエアドアで自分以外全員死ぬまで引きこもってたら?」
「俺がナオ・ヒューマなら、そんな興ざめする結末は絶対させないだろうな」
「僕も実はそう思う」

 どーすっかなー、本当になー、そんな事をぼやく虎竜太。
 それを尻目に総一郎は呑気にこんなことを言っていた。

「よし、2巻読み終わったし3巻行こうっと」
「お前ずっと読んでたのかよ!?」


【一日目・2時00分/G-9・診療所】

【蘭堂虎竜太@ドアドアの実/ONE PIECE】
[状態]:健康、恐怖
[装備]:グッドルーザー球磨川上巻
[道具]:基本支給品一式
[思考・行動]
基本方針:死にたくないけど、どうしたらいいか分からない
1:とりあえずこれ(グッドルーザー球磨川)読むか
2:エアドアは試すべきかどうするか……
3:石黒にはもう会いたくない
4:俺詰んでね?
[備考]
※自身の異能を把握しました

【沢田総一郎@範馬の血/刃牙シリーズ】
[状態]:普段より調子が良い
[装備]:漫画版Fate/stay night3巻
[道具]:基本支給品一式、不明支給品1~3
[思考・行動]
基本方針:死にたくないけど、どうしようもない
1:せっかくだし、この本(漫画版Fate Stay night)を読む
2:普段より体の調子が良いのは異能のおかげ?
3:柔らかくする能力、ピンとこないな
[備考]
※体の調子が普段より良い理由を、異能のおかげとは考えるようになりました。
ただし半信半疑です
※蘭堂虎竜太の異能を把握しました
※早川千夏の異能を把握しました
※鈴宮ミカの外見と能力を知りました(名前と指紋の結界は知りません)
※漫画版Fate/stay night1~2巻まで読み終えました


漫画版Fate/stay night1~2巻は診療所内部に置いています。


対ちょっぴり怖い資産家 時系列順
対ちょっぴり怖い資産家 投下順 ブラックアイドル地獄変

相性-たった二人の生存協定- 早川千夏
相性-たった二人の生存協定- 石黒千晶
ケロイド 分目青司
諦めは心の養生なのか 蘭堂虎竜太
諦めは心の養生なのか 沢田総一郎

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