スライム


どろどろとした粘液状の組織で構成された体を持つ生物。ウーズとも呼ばれる。
知性らしきものは確認できず、ただ付近にある有機物を溶解して消化するためだけに
這うように動き回る。
挙動は鈍いが、その特性ゆえ鈍器や刃物による物理的な攻撃が効きづらく、種によっては
強酸や腐食性、猛毒の体液を有する者もいる。
また群体となり巨大に成長するものや、煮こごりのように透明な固体状となってダンジョンの
通路一面を塞いでいるものなどもおり、冒険者にとっては厄介な魔物である。


+ ...
様々な形で世界中に知られている有名なモンスターだが、その歴史は意外なほど新しい。
架空の生物としてのスライムが初めて文献に登場するのは、1958年にJ.P.ブレナンが刊行した
短編小説『沼の怪』においての事である。
(粘液状の魔物であれば、それ以前にラヴクラフトが「ショゴス」を生み出しているが)

ファンタジーRPGにおけるモンスターとしてのスライムを作り上げたのは、1974年製作の
TRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』であろう。
ダンジョンの中で冒険者に敵対する危険な存在として描かれ、様々な種の存在とともに
武器で殺しにくい、巨大に成長する、触れるものを同化するなどの設定が盛り込まれた。
(当ページでもその設定を使用している)

その後、『ウィザードリィ』『ハイドライド』などのRPGでは設定が大幅に変化し、冒険の
最初に出会う非常に弱いモンスターとして位置づけられ、物理攻撃で倒せるようになった。

日本においてはやはり『ドラゴンクエスト』シリーズにおける鳥山明デザインの、玉ネギ型で
グミ状の体を持った愛らしいスライムが有名であろう。
当初、製作の堀井雄二が描き起こしたラフスケッチではこれまで同様アメーバ状の不定形な
デザインだったが、「ドロドロしたものはデザインしにくい」との理由で現在のものへと変更
したところ、本人も予想外の大人気を博したのだと言う。
アメーバ状のデザインはその後形を変え、「メルトスライム属」としてシリーズに登場している。
(なお、不定形でないゼリー状のスライムについては1984年に『ドルアーガの塔』で丸いものが、
 遡れば『ダンジョンズ&ドラゴンズ』においても「ゼラチナス・キューブ」という立方体の
 スライムが登場しており、鳥山明が形状を与えた元祖という訳ではない)


名前:
コメント:

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2016年02月12日 23:00