魔王と勇者


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勇者を倒した者が異形の姿を得て、どうして新たな魔王になってしまうのか……その理由についてはよくわかっていない。
魔王を倒した勇者は得てして人族社会から受け入れ難い存在であるため、魔族として生きて行くことを選択してしまうだけで、本当は人族から何も変化していないのではないか、などと言う者もいる。
……が、それを証明したければ魔王に人体実験でもするほかなく、困難である。

 

魔王

強大な魔族たちを統べる闇の王であり、アエニグマを十三に分割する偉大な存在である。​
莫大な魔法の力を思いのままにする魔王の前では、人族は畏怖し、逃げ惑うことしかできない。

親しみやすい人と似た姿と、強大な魔力を宿した恐ろしい異形の魔物の姿の二つを持つ。
人の姿は仮初であり、異形の姿が本体だと言われている。


あまりにも強く、人とは異なる生態をした魔王だが、その存在を討ち滅ぼすことができる者がいる。
それが人族の最後の希望、勇者である。

勇者

彼らは女神が与えた《選定の剣》によって、人族から選ばれた勇士であり、女神によって悲劇を運命づけられた存在である。

勇者と女神の遺跡から発見される選定の剣は、現状、魔王を倒すことのできる唯一の存在である。
にも関わらず、勇者は魔王を殺すと、魔王になってしまうことが確認されているのだ。

この事実は教会でもときどき論争の種になっている。
とくに魔王を絶対悪とする女神クロデア派は、勇者候補に「魔王となりかわってしまうのは、魂が汚れ、堕落するから」「高潔な魂を保てば、女神が受け入れ、魔王にはならない」と教え込む。すなわちそれは死を意味する。

しかし女神が魔王討伐を達成した勇者の魂を迎え入れた事実は無く、魔王に打倒されるか、魔王となり替わってしまった者ばかりである。
そのため、今ではよほど魔王の支配が苛烈な地域か、女神クロデア派以外の教会で魔王討伐を薦めることは無く、旅立つ目的も大半が『人助けのため』である。

勇者選定の剣

選ばれた者でなければ鞘から抜けない、など、勇者にしか扱えない武器のこと。
女神たちの時代の《聖遺物》であり、時折、遺跡からそれらしいものが発見されると、各地の教会に集められる。
信仰によって違った刻印が施され、この刻印が勇者の身分証明となり、国境の行き来を自由にする。
その多くは剣の姿をしているが、稀にそれ以外の武器の形をとることもある。

勇者の末路

 アエテルタニスにおいて、魔王討伐を成し遂げた英雄のひとり――魔王ユカは、魔王討伐を成し遂げた瞬間のことをこう語る。
 激しい戦いの後、朦朧とする意識の中、気がつくと選定の剣が自分の体にめり込むのを見た、と。
 剣は彼の体と一体化し、そしてユカは自らが人ではない存在となってしまったことに気がついたのだ。

 倒された魔王は剣と共に消滅した。
 それからほどなくして遺跡から新たな《選定の剣》が発掘されたという。

 勇者の象徴とされ、人に逆境と立ち向かう力を与える選定の剣――だがそれは、本来人を恐ろしい化け物に変えてしまう呪われた武器なのかもしれない。