簡易戦闘ルール

1.戦闘のフィールドと時間


■戦闘フィールド

戦闘は、キャラクター同士の距離を概念的に表した戦闘フィールド上でおこなわれます。
戦闘フィールドは自軍後衛エリア/自軍前衛エリア/前線エリア/敵軍前衛エリア/敵軍後衛エリアの5つのエリアに分かれています。
各エリア間は10m離れているものとして扱います。近接攻撃は同一エリア内の対象にのみ可能で、魔法や射撃などの遠距離攻撃の射程は、10mごとに1つ隣のエリアまで届くことになります。
屋内などの狭い場所での戦闘では、自軍・敵軍の後衛エリアを省いた小さなフィールドで戦闘をおこなってもかまいませんが、10m四方に満たないような狭い部屋であっても、戦闘を簡略化するためにこのフィールドを使用してください。

自軍後衛エリア
自軍前衛エリア
前線エリア
敵軍後衛エリア
敵軍後衛エリア

戦闘が始まると、はじめに戦闘に参加するすべてのキャラクターを戦闘フィールドに配置します。プレイヤーはキャラクターを自軍後衛エリア/自軍前衛エリア/前線エリアのいずれかに配置し、GMは敵キャラクターを前線エリア/敵軍前衛エリア/敵軍後衛エリアのいずれかに配置します。
不意打ちや突然の遭遇など、戦闘に突入した状況によっては全員もしくは一部のキャラクターの配置をGMが決定することもあります。

■イニシアチブ

戦闘中は、それぞれのキャラクターの行動を順番に解決して進行します。
戦闘フィールドにキャラクターの配置が終わったら、次に行動順を決定します。
キャラクターの行動の順番を決めることを「イニシアチブ」の決定と言い、イニシアチブ値の高いキャラクターから順番に行動を始めることができます。
イニシアチブ値は、キャラクターの移動力(基本移動力-荷重値)と同じ値で、〈戦術/戦略〉スキルを習得しているキャラクターは、【知力】+〈戦術/戦略スキル修正〉の判定に成功するとイニシアチブ値に+1のボーナスを得られます。
イニシアチブ値が同じキャラクターが複数いる場合は、プレイヤーを優先して、プレイヤー同士であれば好きな順番で行動をはじめてください。

■ターンとラウンド

戦闘では、「ターン」と呼ばれる時間の区切りの中で行動をおこないます。キャラクターが自分の行動順になってから、次の自分の行動順が回ってくるまでの間が1ターンとなります。
そして、戦闘に参加するすべてのキャラクターが一通り自分の行動を終えるまでの一巡を「ラウンド」と呼び、戦闘は、このラウンドの繰り返しによって進行されます。
1ターンおよび1ラウンドは約10秒として扱います。

■戦闘行動

通常、キャラクターは自分のターンに、移動、攻撃、移動攻撃、呪文詠唱、防御専念などの戦闘行動を一つおこなうことができます。

○移動

自分が今いるエリアから隣のエリアへ移動します。
移動は、次の自分のターンが回って来たときに完了し、それまでは現在のエリアにいるものとして扱います。
現在自分のいるエリア内に敵がいる場合、前方への移動はおこなうことができません。
移動をおこなったターンは、すべての回避行動が可能です。

○攻撃

手持ちの武器を使って敵を攻撃します。
攻撃可能な対象は装備している武器によって異なり、白兵武器であれば自分と同じエリア内の敵に限られ、投擲武器の場合は隣のエリア内の敵まで、射撃武器の場合はすべてのエリア内の敵を攻撃することができます。
「命中判定」に成功すると攻撃は命中となり、その後、対象が「防御判定」に失敗するとダメージを与えることができます。

○呪文詠唱

精神を集中して魔法の呪文を唱えます。詠唱時間が1の呪文であれば、すぐに効果が発動します。魔法についてのルールは「第○章 魔法」を参照して下さい。

○防御専念

移動や攻撃などの他の戦闘行動をおこなわず、敵からの攻撃を防御することに専念します。防御専念をおこなったターンは、回避力に+1のボーナスを得られる他、通常1ターンに1回ずつしか出来ないパリィ、シールドを2回おこなうことができます。

○全力攻撃

防御を顧みず1ターンに2回の攻撃をおこないます。
通常の攻撃と同じ攻撃を2回おこなうことができますが、攻撃の対象は同一の目標に限られます。
全力攻撃をおこなったターンは、パリィ/シールドによる防御をおこなうことができません。

○その他の行動


姿勢変更
座った状態や倒れた状態から立ち上がったり、またはその逆に立った状態から座ったり、キャラクターの姿勢を変更します。座った状態から立つ場合や、立った状態から座る場合は、同じターンで他の戦闘行動を続けておこなうことができます。
倒れた状態から起き上がる場合や、立った状態から伏せる場合は、そのターンに他の戦闘行動を続けておこなうことはできません。

自由行動
その他にも、キャラクターは約10秒間の間に可能と思われる行動であれば、自由におこなうことができます。
武器を捨てる、腰に差した武器を構える、などの簡単な動作であれば続けて戦闘行動をおこなうことができます。
GMの判断によりますが、落ちている武器を拾い上げて構える、といった動作であれば同じターンに他の戦闘行動はおこなうことはできません。

■攻撃と防御

キャラクターの攻撃が対象にどれだけのダメージを与えられるかは、3つのステップを踏んで決定します。
まず最初に、攻撃側のプレイヤーは「命中判定」をおこない、これに成功すれば攻撃が対象をうまくとらえたことになります。

攻撃側が命中判定に成功したら、次に防御側は「防御判定」をおこない、攻撃を防げたかどうかを判定します。防御判定に成功すれば、攻撃をうまく避けたり、受け止めたりしてダメージを軽減したり、あるいはまったく受けずにすみます。

防御側が防御判定に失敗したら、攻撃が対象に命中したことになり、「ダメージ判定」をおこない、どれだけのダメージを与えることができたのかを決定します。

命中判定

命中判定は、「命中力」を用いた成功判定です。
命中力は、使用している武器によって変わり、白兵武器の場合であれば【筋力】+〈武器スキル修正〉、投擲・射撃武器であれば【器用さ】+〈武器スキル修正〉が命中力となります。
※〈暗器術〉による攻撃では、命中力に【器用さ】を使用します。

通常の成功判定同様に、3D6を振り、出目が命中力以下であれば命中判定は成功となります。
出目3、4は自動的成功で、この場合は対象は防御判定をおこなうことができません。
出目17、18は自動的失敗です。

クリティカルヒット
命中判定の3D6の出目が、命中力から武器の「クリティカル値」を引いた値以下だった場合は、クリティカルヒットとなり、通常よりも強力なダメージを与えることができます。
クリティカルヒットの攻撃は、防御判定を行うことができますが、命中した際に与えるダメージが1D6点追加されます。

命中修正
命中判定には、状況によって様々な修正が入ることがあります。

利き手の反対の手を使った攻撃……命中力-4
目が見えない状態での攻撃……命中力-10
膝立ち・座っている状態からの攻撃……命中力-2(射撃武器の場合はペナルティなし)
転倒・寝ている状態での攻撃……攻撃不能
屋内戦闘のとき、長柄武器を使用している……命中力-1
格闘武器を使用時に、攻撃対象が近接武器を装備している……命中力-1
格闘武器を使用時に、攻撃対象が長柄武器を装備している……命中力-2
近接武器を使用時に、攻撃対象が長柄武器を装備している……命中力-1
遠距離武器を使用時に、攻撃対象のエリアが1つ離れるごとに……命中力-1
遠距離武器を使用時に、前線エリアで交戦中の敵を攻撃する場合……命中力-2

防御判定

攻撃を受けた側は、攻撃側の命中判定が自動的成功でない場合、防御判定をおこなうことができます。

攻撃に対する防御には、素早く身をかわす「通常回避」と、手持ちの武器を使って攻撃を受け流す「パリィ」、盾を使って攻撃を受け止める「シールド」の3通りの方法があり、どれか一つの防御方法を選んで防御判定をおこなうことができます。
パリィは、装備している武器のスキルレベルが2以上の場合に可能です。シールドは盾を装備していれば、〈盾〉スキルを習得していなくても可能です。

防御判定は、「回避力」を用いた成功判定です。

回避力
通常回避の回避力は、移動力(基本移動力から荷重による修正を引いた値)と同じ値で、通常回避による防御判定は1ターンの間に何度でもおこなうことができます(1回の攻撃に対しては1回のみ)。
パリィの回避力は、基本移動力(素早さ÷2)に〈武器スキル修正〉を加えた値で、装備している武器に一つにつき、1ターンに一度だけおこなうことができます。
シールドの回避力は、基本移動力(素早さ÷2)に〈盾スキル修正〉を加えた値で、1ターンに一度だけおこなうことができます。

装甲値
防御判定では、装備している防具による「装甲値」が回避力にボーナスとして加えられます。
鎧の装甲値は、通常回避、パリィ、シールドの全ての防御判定に加えられ、シールドによる防御をおこなうときは、さらに装備している盾の「シールド値」のボーナスを得られます。

防御判定では、まず防御方法を決め、3D6が指定の防御方法の「回避力+装甲値」以下であれば、攻撃の防御に成功となり、攻撃によって受けるダメージは1/2に半減されます。
さらに、出目が装甲値を除いた回避力の値以下であれば、攻撃を完全に回避でき、この場合は一切ダメージを受けずにすみます。
出目3、4は自動的成功で、この場合は攻撃の回避に成功し、一切のダメージを受けません。
出目17、18は自動的失敗です。

防御修正
防御判定には、状況によって様々な修正が入ることがあります。

射撃攻撃に対してパリィで防御……武器スキルレベルが5以上でなければ防御不可
利き手の反対の手を使ったパリィ……回避力-2
目が見えない状態での防御……回避力-10
膝立ち・座っている状態での防御……回避力-2
転倒・寝ている状態での防御……回避力-4

ダメージ判定

攻撃が命中したら、相手に与えるダメージを決定します。攻撃に使用した武器によってダメージの値は異なります。
例えば、ロングソードによる攻撃であれば、ダメージは2D6なので、2D6を振って出た値が相手に与えるダメージとなります。
命中判定でクリティカルが発生していた場合は、さらに1D6点のダメージが追加され、3D6点のダメージを与えることができます。
攻撃対象が防御判定に成功し、ダメージの半減効果を得ている場合は、与えられるダメージは1/2(※端数繰り上げ)となります。

ダメージを受けたキャラクターは、一時的にHPがダメージ値のぶんだけ減少します。

負傷の効果

ダメージによってHPが低下すると、キャラクターは様々な不利な影響を受けます。

呪文の妨害
1ターンの間に1点でもダメージを受けた場合、次のターンに魔法を使う際には、発動判定に-1のペナルティを受けます。
ダメージが5点以上であれば、発動判定のペナルティは-2になります。
10点以上のダメージを受けた場合は、次のターンには魔法を使うことができなくなります。

転倒
1ターンの間に【生命力】以上のダメージを受けた場合は、【生命力】判定をおこないます。これに失敗すると、キャラクターはその場に転倒してしまいます。

気絶と死亡
蓄積したダメージによってHPが0以下になった場合、キャラクターは意識を失ってしまう可能性があります。
ただちに【生命力】判定をおこない、失敗するとキャラクターは気絶してしまいます。
気絶したキャラクターは、HPが再び正の値に回復するまで目を覚ますことはありません。
また、HPが0以下になったキャラクターは、移動力(=回避力)が半分になります。

さらに、蓄積したダメージによってHPが生命力と同じ値だけマイナスになった場合、キャラクターは死亡してしまう可能性があります。
ただちに【生命力】判定をおこない、失敗するとキャラクターは死亡してしまいます。
この時、判定に成功した場合は、キャラクターは気絶します。

戦闘終了

敵の撃破や降伏、逃亡などによって戦う相手がいなくなると、戦闘は終了します。
戦闘に参加したキャラクターは全員、疲労によってHPに装備重量による荷重の値+1点のダメージを受けます。



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最終更新:2016年05月19日 10:15