6.1 概要


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BelleII検出器においてCDCには3つの重要な役割がある.1つ目は荷電粒子の飛跡を復元し,運動量を正確に計測すること. 2つ目はガスの体積からエネルギーのロスを測定し粒子識別情報を与えることと,粒子識別装置に到達しない低い運動量の飛跡の粒子の特定をCDCだけで粒子の特定を行えること.3つ目は効率的かつ信頼できる荷電粒子のトリガー信号を与えること.LOIでも説明されているように,BelleのCDCは深刻な問題もなく10年以上の間稼働していた.それ故にBelleIIのCDCは全体構造の大部分(スーパーレイヤーワイヤー構造,セル構造,ワイヤー原料,ガスの配合)を引き継いでいる.主なパラメータについては表6.1にBelleのCDCとの比較と共に記載した.二つの設計の主な違いは次の段落で述べる.


1つ目の違いは,新しい情報読み出し電子回路システムがデッドタイムを少なくしトリガーをペースよく処理できるようになったことである.フロントエンドの電子回路はエンドプレート後方付近に位置しており,デジタル信号が光ファイバーを通して送られている.フロントエンドには増幅器,シェーパー,弁別器が組み込まれた新しいASICチップが用いられている.ドリフト時間はFPGA上で実行されるTDCによって計測される.スローなFADC(30MHz)は電荷の信号を測り,これは同じくFPGAによって制御される.ASICチップ,FADC,FPGAはひとつのボードに備え付けられており,これについては6.4で述べる.
2つ目の違いは,相互作用部分の付近の部位の高い放射線や高いバッググラウンドを避けるため,また,SuperSVDのための空間を設けるために,CDCの内部半径を160mmとしたことである.BelleIIの粒子識別装置はBelleのものよりもコンパクトであるのでCDCの外半径は1130mmとなっている(暫定的な値).新しいワイヤー構造は修正後の体積を占めるようになっている.
3つ目の違いは,CDCが3次元のトリガー情報を生成できるようになったことである.荷電粒子のZトリガーは,物理イベントの犠牲無しにバッググラウンドを減らすためには必要不可欠である.オリジナルのBelleのCDCでは3つのストリップ層を内部領域に持つ陰極室があった[2].この3つの層が陰極室の荷電粒子のトリガー率を下げる要因になっていた.SVD2をBelleにインストールしたとき,空間を空けるために陰極室は取り除かれた.この方針により,SVD2はZトリガー情報を与えることとなった.幸運なことに,バッググラウンドを抑える必要がない程に荷電粒子飛跡トリガー率は低かった.しかしながら我々はZトリガーが利用できることはBelleIIにとって(とりわけビームバッググラウンドの初段階では)重要であると予想した.Zトリガーは3Dトラッキング方式を基本とし,軸方向のステレオワイヤーを用いたFPGA上で実行されるだろう.(センサーワイヤーの両端間の電荷の区切りはZ軸の情報を与える代わりとなりうる.)この手法は高ビームバッググラウンドに対して有効であり,追加の原料が必要にならない.2Dと3Dの荷電粒子飛跡トリガーについては12章で述べる.

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