ハンドアウト
この世のあってはならぬ片鱗を見た。
ただそれだけで生きる意味を失くすには十分すぎた。
彼女は若すぎたし、優しすぎたし、賢すぎたし、弱すぎた。
奏でる音から、色を感じなくなってからいくらか経った。
もうたくさんだ、こんな世界に、一分一秒もいられない。
そうしないと、彼女も、彼女の大切な人の気も、狂ってしまうような気がしたから。
そう、それが既に狂気の沙汰であることに、気づくこともなかった。
地獄が手招きをしてくる、楽園へのチケットは期限切れ。
はやく、はやく、私たちを連れて行って。
たとえそれが、いかなる犠牲を払うことになっても。
『黒の絆』、この世界を生きるには少し優しすぎた『姉妹』のお話。
基本項目
- テーマ:姉妹
- 神格:ヨグ=ソトース・シュブ=ニグラス
- プレイ日数:3~4日
- OPテーマ:Sister`s noise/fripSide
- EDテーマ:Step/Felt
- LASTEDテーマ:守護神パラドックス/美郷あき
- VS虹河 瑠奈:ピアノソナタD4/佐藤天平
登場人物
PC
NPC
あらすじ
ある日、友人の虹河姉妹の里香と芽瑠に、自身の姉である瑠奈について相談に乗って欲しいと言われる探索者。
聞けば、瑠奈は此処最近明らかに家を空けることが多くなり、言動や行動もおかしくなっていると言う。
そして瑠奈と出会い、探索者たちとは『楽園』に行くために決別すると告げられる。
しかし調査すると、『楽園』とは、忌まわしき邪神の存在そのものであった。
探索者たちは地球と友人を救うため、虹河瑠奈と対立する。
シナリオ概要
製作者コメント
ホロボ
実は月より初めに作られたシナリオで、すべての始まり。
シリーズにおいて第二編として扱われているのは、月のほうがオーソドックスなシナリオだったため。
難易度がとにかく高いともっぱらの噂で、全滅エンドを何度も叩きだした問題児。
理由は探索の結果、ラスボスである虹河瑠奈の対抗策が決定的に確定しづらいことと、彼女の家庭環境の面倒臭さにある。
説得か筋肉言語でどうにかなるものではなく、所謂リアルな人間の面倒臭さが真正面から襲ってくるので、慎重さと大胆さが同時に求められる上、ある程度の勘を必要とする。
クトゥルフ神話において最強の一角である神、ヨグ=ソトースを『操る』というラスボスである瑠奈にスペックが遥かに高いことは想像に難くなく、ラスボス最強候補の一人である。
このシナリオを作った時はシリーズ化など微塵も考えていない、単発のものであった。
全てはここから始まったのだ。
シナリオテーマは『兄弟姉妹』だが、どちらかといえば『家族』や『虐待』のような気もする。
所謂家族による虐待は、たやすく子供の世界観を歪めてしまうのだ。
その歪みに気づかぬまま、成長を迎えると、それは牙となり世界に傷を作ってしまうかもしれない。
現実でも起こっている悲劇であり、社会問題としてもスポットがあたっている。
ちなみにホロボくんのよくやる音楽系怪異の元祖もこちらである。
関連項目
最終更新:2017年08月29日 12:28