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シガーレビュー(レビュアー:S)

サン・クリストバル・デ・ラ・ハバナ ラ・フエルサ
1本2100円。141㎜。喫煙時間65分。

  • トップ
ドローはやや重め、アーモンドのように軽く小気味いい風味、香りには多分の水分感のなかにささやかに花のようなアロマを感じる。
焼き栗にも焼き芋にも似た、まったりと口腔に残る喫味がある。
水で干し芋を戻したようなまろやかな旨味、だが決してそれも強いアピールはない。
ラ・プンタのようなオイリーさはなく、しっとりと、爽快でフレッシュネスが感じられる。アロマにわずかなウッド感。

  • トップ・ボトム
舌に特徴的な何かを残すこともなく、しっとりとした舌触り、鼻腔から抜ける香りもふくよかながら潤い高く、余計な味わいが全くない。
個性がないと言うこともできるが、だからこそ純粋に喫みやすく親しみが持てる味わい。
アーシー感より、主体はウッド。そして、木の皮を嗅ぐというよりは、木々に囲まれて深呼吸をしているように、やわらかにアロマがやって来る。
わずかに、膜を何枚か通しながらもナッツの香ばしさも感じられる。

  • プレ・ミドル
灰が脆く、先端1㎝が自然と崩れた。ビトラの割に白く図太く残ってくれると思っていたが、残念だ。
やや強く燃やすよう心がけながら吸い始めると、ウッディな風味とアロマが適度に感じられるようになる。
だが喫味は非常に軽い。
香りはより身体を森に屹立する樹木に近づけるような模様がある。
やはりドローは重ため。アシッドな土の質感も喫味の中にゆったりと現れる。
ここまでの印象として、大きな特徴があるわけでもない、非常におとなしい葉巻。
かと言え、後半に向けて本懐を隠しているのかもしれないと思いながら、信じて吸ってゆく。

  • ミドル
味の軽薄な割に、強く吸うスタイルが舌に適度なスパイシー感を覚えさせる。
香りに芋羊羹の風味がふんわりと香る。
強燃焼しても喫味が思いの外おとなしめなのには驚く、口腔から燻る紫煙はそこに大きなアピールを残さない。
なんと平穏な味わい。ボディもライト。
荒くも雑味もないが、長所となる喫味も同じ程度に感じられないのはなぜだろう。
ラ・プンタはそこそこの個性を持っていたのに。

  • ミドル・ボトム
浅く煎った珈琲の風味がほのかに香る。
僕の舌がどこか鈍感になっているのか?と錯覚するような感覚に陥る(が、この直前に葉巻を一本吸っているので、それはないことは自覚している)。
苦し紛れに爪楊枝でヘッドの表面をほぐす。
ドローはやや改善したが、アメリカンの風味がやや強まった程度で個性を強く感じられるわけではない。
むしろこの辺りで強喫煙すると、バランスの悪い雑味のようなものが味わいに混じるように感じた。
香りはいい、フローラルともフルーティともいかないが、ウッディな高い香りが漂ってはいる。
しかしどこかやはり物足りない。
特徴の観点で明らかに不足感を覚える。

  • プレ・ラスト
喫味はアシッドで、乾いた土を口に含むよう。大きな変遷はない。
ここらで強く吸い込むと、旨味がやって来るようにも感じるが同程度の雑味のボリュームに掻き消されてしまう。
うーん、やはり薄い、味わいが軽薄だ。
10の勢いで吸って5しか返ってこない感覚がある。
湿度管理の問題か?ヘッドに致し方なく着いてしまう唾液の問題か?
ここで止む無くヘッドをややリカットしてみる。

  • ラスト
リカットによる効能は煙量の改善とドローの良さ、それと舌に直にしっとり響く喫味がやや強まった程度。
旨味というよりは、ウッディな喫味の上澄みがより感じ取れるようになった。
だが何とも、いかんせんこの葉巻の芯の部分が見えてこない。
と、突然ここで旨味がやってきた。コイーバのような魚介系統の種類の旨味が、小さな波頭を靡かせながら、さざ波のようにやって来る。
舌に残るピリッと感も今までに比べれば強くもなった。
だがその旨味の底に別の何かが流れている。
初めから感じた薄い花のようなアロマと、乾いたウッディ感、乾いた土の喫味が、そこにまだ残っている。
これらが消えてしまう程の旨味はない、ということだ。
これまでの葉巻で旨味が現れたものは、風味をかき消す「旨味」であった。
それがこの葉巻の場合、風味を底流に残しながら旨味がその水面を漂って来るような、そんな旨味がある。
香りに多少のレザー感が現れる。やはり旨味は弱い。
そして、やって来るのが遅い。
この葉巻の旨味を味わうには、こちらから近づいてゆく必要があると感じる。
大好きなサンクリストバルなだけに、期待しすぎたか、やや残念な印象を受けた。

残り3㎝を残して、終了。ラ・プンタかラ・フエルサのどちらかと訊かれれば、即答で「ラ・プンタ(トルペド)」をオススメする。