シガーレビュー(レビュアー:S)

ネネ by ゴータミヤモト ベティ・コロナ
1本1000円。129㎜。喫煙時間60分。

  • トップ
コク深く味わいの濃い珈琲豆のロースト感が爽やかに口腔にやって来る。
あくまで、全体のバランスはやさしく軽やか、ナッティーな甘さ、やや純黒糖の濃い風合いと、おもむろに黒胡椒様の強いスパイシー感も同時に感じることができる。
濃く、幅の広いニュアンスを感じるトップとしては秀でている印象。

  • トップ・ボトム
スパイス感、酸味の爽快な刺激が喫味の中で特に強まるところに、パルタガスに通じるような若干ビリビリと来る刺激を感じ取るが、パルタガスよりボディが薄く、(この時点ではいい意味で)強くも重たくもない。
紫煙の立ち方が、ロブストのそれのように豊かで緩やかであり、実に優雅である。

  • プレ・ミドル
ウッディーな渋味と酸味がニュアンス的に強まる。
喫味の先頭をそのニュアンスが先導しながら、順を追って、若木の幹根に薫るような鮮烈な酸味、白胡椒様のライトなスパイス、桃の皮、シルキーなシダー感、栗皮様の濃い渋味、遠く淡い若葉の鹹味、新たかな木箱を嗅ぐような天然香。

  • ミドル~ミドル・ボトム
灰は主要ラインのロブストと同様に、白黒が8:2の割合で、しっかり目に置くことができる。
この辺りまで、実にしっかりとしたブレンドである。
「やや酸味が強く・ボディの軽いパルタガス」と言ったところか。
雑味に今後転じそうな予兆のニュアンスもこの時点では感じられない。
ビトラのおかげで、味わいがしっかりと引き締まって、煙草の味わいを濃く出せていると感じる。
ただ、喫味の強まりの他にはトップと喫味のプロフィール・ステータスはほぼ変わりないため、ミドル~ラストにかけては、(例えば渋味が苦味と合わさって相乗的にコクを感じるような味わいに仕上がるとか、酸味が抜けて木の旨味を感じられるようになるとか、そうした)ステータスを良い意味で崩してくれる何かを期待したい。

  • プレ・ラスト
紫煙の高い樹木様のアロマに微小の花のニュアンスが混じって感じられる。
喫味には、依然として木の優しい渋味・酸味を主体として、それをパルタガスによく見る白いスパイス感が擁している。
確かに味わいは、しっかり目ではあるものの、舌下に残る酸味の余韻が著しく、こここそが正に非キューバといった具合である。
ここで何とか、濃い苦味を出す、酸味を打ち消す、もしくは、木の旨味をぐっと引き出すことは出来ないものだろうか。
他の葉巻に例えるならば、やはり非キューバになるが、ホヤデニカラグア(中ビトラ)のミドル、プリンシペ(小ビトラ)のトップが浮かぶ。
キューバ産で言えば、やはり「ステータスを弱め、渋味と酸味を強めたボディの薄いパルタガス」である。

  • ラスト~ラスト・ボトム
よく言えば透明感のある渋味がやって来る。
ややひとつ膜を通してじわりと沁みてくる、ウッディー&シダー。
また、想定外に花の馥郁で優しいアロマがニュアンスの中に復活して、強い渋味を丸くしてくれる。
この点は他のニカラグア産の葉巻に比べて実に優秀な点であると思う。
最後まで待って良かったのかも知れない。
舌に感じられる木の酸味に追随するように、しっとりやさしく寄り添うアロマティックな味わいは、ロメオのミドルで時折感じられる豊かさに似ている。
パルタガスの疑似感はやや姿を潜め、ラスト以降はロメオのミドルを若干酸味のニュアンスで希釈したようなプロフィールになった。
極ラストでは木の旨味も顔を出す点、やや遅効性を思わせるが見事である。
リングを外して少し進めたあたり、この葉巻のステータスが改善するので注意されたい。
それと、やはり和紙のリングが外しやすい。
これもゴータミヤモトさんの葉巻の1つの大きな特徴であって、丁寧に人の手で仕上げられているのが感じられる点である。
木の旨味には、余韻としてトップ・ボトムから続く強い酸味がいまだに感じられるものの、ウッディー&ローストな響きはしっかりと口腔に受け取られる。
やや純粋な旨味を乱していることは間違いないが、一方でやっと現れるこの葉巻の核心をもう少し味わいたいと、喫味を追わせる心地を生じさせる。
極ラストでは、キューバ産に劣らないかも知れない。
ただ、ここまでの道のりは若干長く、危うい。

この葉巻を一本吸う機会があれば、ぜひとも極ラストまで楽しみ尽くす心の準備を要するので、心得ていただきたい。

残り3㎝で終える。

さて、次はどのビトラにしようか^_^