シガーレビュー(レビュアー:S)

アルトゥーロフエンテ オーパスX ロブスト
1本4000円。133㎜。喫煙時間80分。

  • トップ
甘さをそこまで主張して来ない上品なナッツのアロマと、花畑に身を委ねるような開放的な高いアロマとが絶妙に混ざり合う1stドロー。
喫味の主体は、乾いたウッディーの鮮烈な酸味・渋味を中央にして、その方位をナッティーな天然香的甘味、やや浅めにローストされた珈琲豆のほの苦さと淡い甘酸っぱさ、湿土の濡れた気質のしっとりと口腔に広がるニュアンス、そして舌に残るのは、焚き火で果実を炙ったようなわずかに荒々しいエッジの効いた酸味・甘味が余韻となる。
喫味を分解してゆくと、やたら派手なリングの割に(笑)繊細な多層を孕んだトップであるように思われる。

  • トップ・ボトム~ミドル。
味わいのボディは元からライトだが、ここでより軽くなる(right-full)。
紫煙に漂うアロマは花と果実、酸味の中にほんのりと咲くほの甘みは鼻腔に心地よく渡る。
ホヨーやサンルイレイに近似するアロマの印象である。
また、喫味はウッディーな、やや白胡椒様の広がりあるスパイス感を満々と感じられるようになって来る。
トップのナッティーさは何処へやら、である。
白木の老樹の傍らで火を焚いているような、およそまったりとして遅効性の渋味と酸味のニュアンス、ややエアリー&ライトな苦味も喫味を抱擁するように現れて、ぽわっと時折顔を出す軽薄な煎木の浮ついた渋味と滋味が、いわゆる雑味に転じそうな予感をやや感じ取る。
ハバノス系ではあまり感じない、非キューバ産特有の喫味の変遷予兆である。
例えば、グリフィンのトップ~ミドルにはこうした予兆があり、悪い方向へ転じていった覚えがある。

  • ミドル・ボトム
ウッディー且つアストランジェント、天然の森林香、ほのかに(ロッキーパテルに通ずる)香木様に舌先・上顎に疼く感覚のある高いニュアンス。
ますますライトに感じられる喫味の、各ニュアンスが舌に遠くなってゆく感覚は、気品と謳うには多分に物足りない。
もう少しこの葉巻のトップに感じたウッディー&アロマティックなプロフィールに凄みを求めたいところではあるものの、ニュアンスは益々口腔粘膜から距離を取る。
強燃焼かつ口腔でやや揉みながら味わって感じられるニュアンスは、水で薄められた珈琲、枯れゆく樹木の剥ぎかけの木肌、若干揮発気質のアーシーさ、若木に添えた草木灰、優しく落ち着いた胡桃のエキス、胡瓜やズッキーニの甘味。
余韻には栗皮様の渋味に、離れて沃土のコクが一滴。

  • プレ・ラスト~ラスト・ボトム
淡いウッディーが高く薄く続きながら、強まって来るのは、乾燥した樹木肌のドライな渋味、空を泳ぐように悠々と漂って来る湿土の淡い酸味、そして木筒を咥えて空気を吸い込むような遠いシダーウッドのニュアンス。
ただ、喫味に旨味や凄みが感じられない点は、グリフィンの喫感にかなり近い(ただアレよりはやや全体的に濃いイメージではある)。
喫味の中心は、やや浮つきの高い軽いウッディー&シダーといったところか。
コクに感じられるニュアンスも時折感じられるが、舌で巻いてゆっくりと味わえば、これが単純な樹木由来の濃いアストランジェントだということは分かる。
舌の上に乗っかる余韻は決して心地よいものではなく、ここまで木の渋味が軽々にやってきて口腔と舌下から離れない葉巻も珍しい(笑)。
他にこの喫感を覚えたとすれば、やはりグリフィンは外せないが、ジノセプターのラスト辺り、或いは、プリンシペが近いかなぁ…良い点を挙げるなら、木の渋さに関してはトップ・ボトム以降段々と強まる面白いプロフィールを持っている点、次に、香りはラスト近くにあっても特有の木と花のアロマが漂い極アロマティックな風合いを持っている点(ただし、ロッキーパテルのような人工風なのは否めない)、そして喫味の強さの割に飽きがやって来づらい点である。

なるほど、ロブストのおよそのプロフィールはざっと把握できた。
次はビトラ最強のトロ(perfectionX)を残している。
是非、もっともっと驚かせてほしい。

残り3㎝で終了する。