シガーレビュー(レビュアー:S)

ネネ by ゴータミヤモト ロブスト。
1本1200円。128㎜。喫煙時間60分。

  • トップ~トップ・ボトム
高いナッティの華やかなアロマと、若木の爽やか軽快な酸味が1stドローにやって来る。
非常にドローがよく、ロースト&ナッティな甘味がしっかりと風合いとして喫味の主体を占める。
口腔に広がるニュアンスは思った以上に多層的で、個人的に次の順列。

①浅く煎ったナッツの鮮烈なロースト&スウィーティー
②やや渋味を伴った樹木系統の酸味
③フレッシュネスな果実果肉を彷彿させる広い甘味
④潤いのしっかりと保たれたアーシー
⑤繊細な響きを孕んだ若いウッドのスウィーティー&サワー
⑥ここからは余韻として、はっきりとしたウッディネスを感じられる淡い渋味と酸味
⑦遠くからやって来る土と花のアロマ
⑧最後に口腔に広がる高い樹木に吹き抜ける風のような爽快でさっぱりとした酸味

トップで感じるニュアンスとしては以上の通りで、ボディはライトorライト-ミディアム。
ハバノスで例えれば、エルレイデルムンド シュワスプリーム、或いはアップマン ハーフコロナのトップに感じられる、「朝に似合う」喫味の層状であると思う。
うーん、なんともトップは華やかでこの上なくお見事。
ただニュアンスの層を見て明らかなように、ややステータスは酸味に寄っている。
ウッディネスな酸味は、得てしてエグ味や雑味になって、喫味全体の均衡を崩して来る傾向にあるので、ここに着目したい。

  • プレ・ミドル
ゴータミヤモトさんで経験した他のビトラと比べると、このネネロブストはネネ ペティコロナからロースト的な濃密さをやや差し引いて、ウッディなアロマを強めて爽快に、より幅を持ったような喫味になっている印象を受ける。
また、ゴータミヤモトロブストと比較すると、個人的には濃密さの点でゴータミヤモトロブストが勝るものの、まず取っつきやすいナッティな甘さ、次に多層的なニュアンスを感じ取れるプロフィールの点で、僕はこのネネロブストの方が、よりビギナー向けに味わいやすいビトラだと強く感じる。

  • ミドル~ミドル・ボトム
喫味のニュアンスに変遷がある。
トップではややナッティさを持っていた層が薄れて、ウッディネスな酸味が強く主張しだして来る。
(以前のイロチロバイナ エルモソでも触れたが)いわゆる僕個人が感じる「ニカラグアシガー特有の変遷」である。
ここから喫味は大体予想できる。
{【★ここ重要】つまり、ニュアンス層状の上で、ウッディネスな酸味は次にややエアリーになって、喫味の中にわずかに漂っていた苦味と甘みという2大要素を消してかかる。
次に、酸味はウッディネスとシダー、熟れた果実の被殻、花の蕊、やや湿度の高すぎる沃土系統の、いわゆる「酸い」刺激を孕んだ酸味へと悪化する。
そしてラスト手前で旨味の来ないまま、このウッディネス&極サワーは最後まで葉巻のプロフィールを潰してしまうのである。
あくまで予想だけれど、この予想を裏切るニカラグアシガーに出会ったことはまだ一度もない。}

  • プレ・ラスト
こうした木の酸い酸味(アシッド・サワー)は強燃焼すればするほどエグくなって来るので、ここからはよりクールスモーキングを心がける。この辺りで再度ニュアンスを順列的に列挙する。

①ウッディネスで軽快な渋味と酸味
②やや果実皮を焚いたような遅効性の甘味
③透明感を持った土の酸味
④もう一度、ウッディ&サワーの非常に軽やかで高いアロマ
⑤渋さを増した沃土、花の蕊、胡桃
⑥若干シルキーな味わいの薄いミルク
⑦強い樹木肌の渋味と酸味(特に酸味)
⑧シダー、淡いシナモンウッド、木株
⑨余韻として、高く響き渡る樹木様の渋味と苦味(やや長いアストランジェント)
⑩若干の南国花の大ぶりなアロマ

つまり、甘味がかなり減ってきて酸味と渋味がかなり優ったプロフィールになっている。
トップでは一旦現れた見事なロースト&ナッティも姿を消して(或いはかき消されて)いる点に注目されたい。
誤解を恐れずに言えば、これぞニカラグアシガーである。想定通りで恐れ入るが、やはり木の酸味が強く高く秀でて来てしまって、全体のプロフィールを「厳しい」ものにする訳である。
経験上、このミドル・ボトム以降で旨味を引き出して来るシガーは僕は知らない。
改善の端緒なく、一直線に木の渋味・酸味(アストランジェント)を満々と響かせ渡って終わるのが常である。
ただ、ネネ ペティコロナは極ラストで素晴らしい挽回を見せた。
花のアロマが復活して、木の旨味が(酸味を響かせつつも)どっしり口腔を満たした記憶は忘れがたい。

  • ラスト~ラスト・ボトム
うん、ウッディネスな旨味がほんの少しだけ現れている、喫味の久遠でそれを舌の腹が感じ取る。
ただ、ウッディネス&サワーがどうしてもこれを掻き消してしまう。
ゴータミヤモトさんのニカラグアシガーとしての凄さは、僕個人としては「ラストでしっかりとウッディ&アーシーな旨味を引き出す」点である。
そして僕が改善をぜひ求めたい点は「その旨味を掻き消す程のステータスパワーを持つウッディネスなアストランジェントを抑える、或いは徹底的に排除する」点である。
もしこの強すぎるエアリーな酸味さえなければ、トップはナッティで華やか→ミドルでウッディ&シダー→ウッディネスな旨味のラスト、と見事な喫味の変遷を完成せることになる。
これはハバノスで言えば、エルレイデルムンド、アップマン、ララニャガのプロフィールに近似する。

もう少し、もう少しでハバノスのあの見事な喫味の変遷を目指すことができると確信する。
ネネのビトラで言えば、僕個人としてはトップこそロブストに豊かさがあるが、ネネ ペティコロナにこそ真価を感じられ易いと思っている。
ぜひ、皆さんも味わって欲しい。そして感じて欲しいものだ、ハバノスにほど近いトップとラストの木の旨味の部分を。

残り3㎝で終了する。