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シガーレビュー(レビュアー:S)


ポール・ララニャーガ ピカドレス
お譲り品。127㎜。喫煙時間50分。

  • トップ
ローストの高いナッティな深い味わいが軽やかに1stドローに口腔を響かれる。
非常に柔らかで、朝の時間帯がしっくり来そうな軽快で、かつ、しっかりと味わいの深く濃密なスタートである。
アップマンのボディをやや濃厚にしてロースト感を足したような、或いは、モンテのエドムンド系のトップにも似たしっかりとした(それくらい重厚な)ナッティ&ロースト。

  • トップ・ボトム
この辺りの喫味は、ナッティ&ローストの一語で正直なところ、体質を語り尽くせるが、一応ニュアンスを感じとられる順列で並べると、
①非常に濃度の高い珈琲の焙煎、ナッティなロースト感
②ナッティ&アーシー、やや高く響きながらナッティさを印象深める程度の酸味
③ドライフルーツと草木の天然香
④シルキーながらしっかりとコク深いウッディ、樹木肌様の鮮烈でドライな味わい
⑤アーシーに寄った渋味と苦味、酸味
⑥舌の先に触れるナッティ&ローストの余韻

したがって、トップ辺りの喫味としては、まずローストもありコクもありと味わい深いニュアンスがありながらも、ややテイストの中盤から後半・余韻に掛けては、やや高いアストランジェントで喫味の締まりが雑然と乱れてしまう印象を持つ。
とは言え、1stドローに口腔は、一瞬にして高らかに満々としたナッティ&ローストの色に染められる点は、非常に素晴らしい。
やや残念な点は大きく2つ、すなわち、その喫味を掻き消すようなアシッドな酸味・渋味があることで余韻までそれが残ってくれない点と、トップの時点でこれだけのアストランジェントを感じるということはつまり、ミドル以降で相当なステータスの変遷がない限り、厳しい喫味になってしまうだろうと予想される点だ。

プレ・ミドル~ミドル
ニュアンスはウッディ&アーシーで極乾燥的な渋味、熟れきった柑橘類皮様の疼くような酸味のステータスが共に高まる。
ボディはミディアム~ミディアム・フルといったところか。
ややタパドスのトップ~ミドルで感じた「重いタバコ感」を僅かにだがこの葉巻にも感じ取る。
それは確かにニュアンスの後尾の方に1つまみ添えられた程度ではあれ、あくまでこの一本は(トップで一瞬勘違いするが)「ロースト香る軽快な一本」ではなく、どちらかと言えば「どっしり響くロースト系のビターな一本」である。

  • ミドル・ボトム
舌の先から腹まで滔々と伝わってくる、味底に流れる古酒のような重たい渋味と、木肌を炊いたような馥郁な酸味。
それらのニュアンスが、ようようと重低さを増す喫感・ボディの背を押して、この葉巻のスペックを持ち上げる。
深く追えば、ウッディネスな渋味の奥に、プラムの酸味・焦げたシダー、潤えるシナモン、燃えるタバコの葉の薫香、若木の根の渋々しさ、花を精製したような高い酸性のエッセンス、尿素の匂い、鼻を衝く草木灰の苦いアロマ。

  • プレ・ラスト~ラスト
なんと独特のニュアンスの多層なことか…ただ、良い意味ではない。
多層的なのは確かに感じ取れるし、追えば追うほど印象を受けるものはあるが、それが美しいものではない。
つまり、味わいの先頭に来るロースト感は、焙煎というより焚葉に近いし、ウッディネスな酸味は、軽快に喫味を整えるというより喫味のステータスを独占してしまうほど厳しく重たい。
他の葉巻にこの時点を例えるなら、「ステータス異常を起こしているベグエロス」か「焦げと酸っぱさを足したホヨーにタバコ感を足したもの」に近い。
一方で褒められる点は、この辺りに感じられる旨味エキスはロメオのように花の香り高く感じられ、南国の花の花束を両手で抱くようである。
この旨味に集中させてくれれば、まだラストとして活きるというものを、やはり「苦いし酸いし重たいし」という喫感は全く拭そうもない。(重いというとは、特にボディが強いというわけではなく、舌にやけに長く残る余韻を、こう表現している)

  • ラスト・ボトム
ニュアンスを要約すれば、木と土の渋味苦味(アストランジェント)・花の酸味、その2つが非常に濃く強い。
正直なところ、それは個人的には旨味に集中できるレベルのステータスではない。
ここまで来るとかなり渋く、ボディはミディアム程度なものの、口腔や鼻腔に長ーーく重たーーく、どしんと喰らうように舌にニュアンスが響いて離さない。
特に雑味やエグ味は感じさせないのでその点は立派であるが、とは言え、ゆったり吸えるほど軽くも甘くもない葉巻である。
ずしっ、どろろん、ずーーん、そんな感じに、渋さ・苦さ・そして酸味が楽しめるので、興味がある方はこのレビューをご高覧いただきながら、リアルタイムで感じ取っていただきたい。

残り3㎝で終了する。