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シガーレビュー(レビュアー:S)

パルタガス ルシタニアス。
1本3850円。194㎜。喫煙時間95分。

  • トップ
ややナッティが薄く疼くように現れながら、喫味の主体はウッディネスの爽やかな1stドロー。
透き通ったウッディの若々しい清涼感さえ感じるこのニュアンス、濃厚で若干アーシーさも孕んでいるコクをその周囲に感じ取られる点が、実にパルタガスらしい。
鼻腔から煙を抜けば、すうっと鮮烈でドライ、高い灌木のアロマを伴った酸味が駆け抜ける。
コクがさっぱりと喫味を締めながら、しっかりとしたウッディ&スウィーティのプロフィールは、さすがのパルタガス。

トップのニュアンスを順列に並べると、
①薄明なコクを底に控えさせて響くウッディな若々しい高い酸味
②ウッディネスフルな空気感を孕んだ渋味
③ややナッティ寄りの爽やかなほの甘み
④高いアロマを保った南国の花園
⑤熱帯の果実特有の甲高く酸味の多いアロマ
⑥純樹木の天然香
⑦しっとりと舌の中央に収まる柔らかな渋味
⑧鼻腔をくすぐる高いウッディの清涼感
⑨淡く白胡椒様のペッパーの薫香
⑩余韻に、甘やかなナッツ、僅かに樹脂香

また他のニュアンスとして、飽くまでしっとりと永く口内に滞留する高い若木の葉蔭、大きな灌木の切株、沃土の潤い高い静かなアロマ、ドライアップル、甘やかなシダー。
総じて実にアロマティックな色合いを持ったトップであり、なおかつ、パルタガスらしい「ウッディネスの鮮烈爽快な清涼感とコクの同期する甘さと渋味」がはっきりとニュアンス的に主張して来る点は、お見事である。

  • トップ・ボトム
この辺りで強燃焼すると、ロースト感の強い濃厚な苦味とコクが現れる。
余韻にまで響くそのニュアンスは大きく、喫味をガラッと一変させる力を持っている。
今後の喫味の大胆な変遷を予感させる素晴らしいニュアンスのバランスだ、と思う。

  • プレ・ミドル~ミドル
ニュアンスに変化がある。
端的に言えば「ウッディな高い渋味と、コクを伴った濃厚でライトな苦味が浮き彫りになって来る」といったところか。
ニュアンスは感じとられる順列で、

①まず、透明感のあるウッディネス
②直後に濃厚かつライトな、取っつきやすいロースト感
③ナッティ&ローストの淡い苦味
④樹木を乱舞する大きな風のアロマ
⑤再びウッディネスの厚い渋味
⑥やや高めのアロマに熱帯果実のビビットな酸味を感じながら、
⑦もう一度、ローストのコクあるほろ苦さ
⑧余韻に、舌の先から腹にかけてややペッパー風味(辛さはない)
⑨甘やかなウッディの渋さがゆったり響く

また、その他の個別的なニュアンスとしては、若干樹木皮質を剥ぐような若々しいフローラル、天然の草木香、葉を静やかに焚くような儚げな苦味を保ったほの甘さ、じっとり舌の中央に降りる大樹の渋味、ウィーナー珈琲のように爽やかに響かれるしっとりとしたコク、ドライに寄ったアーシー。
紫煙には、すっきりと脳に届くウッディな壮快感がある。
「研ぎ澄まされたパルタガスの喫味に、あわよくばフローラルな印象を持たせる為に、喫味の周囲を夥しい花々が咲き乱れている」印象を受ける。
バランスは良く、素直に受け入れられる未だ優しい喫味は、優秀の一言である。

  • ミドル・ボトム
この辺りに来ても、パルタガスのあの特有のオラオラ感(笑)は感じられない。
どちらかというと、ブランドテイストを裏切って繊細に・清廉に調えられた、「よそ行きにオメカシしてぴしっと大人しいパルタガス」といった印象。
荒々しさやペッパーの辛味・それに伴うボディの重みも喫味の強さもない、かと言って物足りなさを感じさせず、あくまで高いウッディネスやナッティ&ロースト、淡く濃密なコクはしっかりとパルタガスの特徴を残したまま、果実味や花ざかりのフローラルという一張羅を身につけ、「ほれ、どうだ、俺様だってこんなふうになれるんだぜ」とアピールして来るような面白さ、意外性の良さがある。

  • プレ・ラスト
各ニュアンスのステータスは確かに強まっては来るものの、やはり荒々しくも猛々しくもない。
ただ、全体のニュアンスの均衡を見事に整えたまま、静謐で厳かなフィナーレに向かって優然と歩を進めている。
もしかすると、パルタガスというブランドに偏見と苦手意識を持った方こそ、ルシタニアスを試すべきなのかもしれない。
きっとその穏やかさと大人しさに驚く。
(そしてそれ以降は決して他のビトラを吸わなければいいだけの話である笑)

  • ラスト
喉の奥に若干の甘やかなスパイス感はあるものの、努めて喫味のニュアンスは穏やかで、ウッディネスを増したホヨーのエピクーレNo.1、渋さと花の酸味を加えたサンルイレイのレヒオスのような喫感である。
この辺りからは、さすがにビトラの影響もあって喫味のニュアンスは渋味と辛味に少しずつ寄って来る。
まぁここでやっとパルタガス初級といった風合い。
強燃焼でパルタガス中級となる。
mariageとしては、却って癖の強いお酒(アイラモルトやニュアンス的に色濃くアピールのあるリキュール等)の方がマッチするかもしれない。
甘めのリキュールやカクテルだと、きっと葉巻と同じ方向を向いているからこそ、mariageの意味がない。

  • ラスト・ボトム
最後に、ニュアンスを順列に並べる。

①ウッディネス&ローストの濃厚な苦味とコクが、しっとりと口腔に響く
②次にクリアな木の若々しい渋味
③ややドライアップル系統のほの甘さ
④シルキーかつ円やかなナッツの苦味
⑤ゆっくり訪れる燃えたシダーウッド
⑥南国果実を焚く爽やかな酸味
⑦上顎に張り付くような木の渋味が強かに、
⑧そして余韻には、キレのよいフローラル
ニュアン的に大きく異なっていたり、バランスを崩したりする様子はなく、あくまで各ニュアンスが濃厚に高まり、各々が各々の働きを十分にこなしている見事なラストである。

トータルの喫味はすっきりと鮮烈で、実にジェントルで穏やか、また良い意味でパルタガスらしくないほの甘さとアロマティックが喫味を押し広げて、ブランドの器(可能性といっても良い)の大きさを感じさせる。

パルタガスが苦手な方ほど、一度ゆっくり、時間をかけてこの葉巻にエスコートしてもらって欲しい。
「やるじゃないか」と閉口する羽目になるだろう。

お見事。
残り3㎝で、終了する。