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シガーレビュー(レビュアー:S)

Davidoff SHORT PERFECTO
ダビドフ ショート・ペルフェクト。
1本2880円。124㎜。喫煙時間55分。

  • トップ~トップ・ボトム
非常にシルキーな繭のような甘やかさ、やや分厚いミルクの膜を感じさせる特異な1stドロー。
ニュアンスは感じ取れる順列で、

①しっとりまったりと口腔に響き渡るミルクのような甘味
②潤いの高いライトなナッティ
③淡くシルキーな清いウッディネス(酸味や渋味は一切ない)
④透明感をもたらす清冽な花風のフローラル&アロマティック
⑤余韻に舌の中央にしっかりと感じられる乳性気質のアーシーな甘さ
⑥口腔の余韻として、煌びやかなミルク

うーむ、とにかくミルキーとしか形容のしようがない特異なトップのニュアンス群であり、経験のないシルキーさ円やかさに戸惑う(笑)とにかくドローも限りなく良く、面白い形のフットからここまで燻るのかというくらいに煙量甚だしい。
非常に美しいトップである。
ニュアンスは複雑に絡み合い、口腔へ誘われし紫煙は舌の上にゆっくりと融け込んでゆく。
極上のミルクのような喫味である。

  • プレ・ミドル
一体このミルキーさはどういうブレンドをすれば生まれてくるものなのか、極めて気になる。
ハバノスには間違いなくないミルキーな喫感であるし、口腔の余韻に残滓として香るニュアンスも明らかに別格の甘さを湛えている。
かつ、ふんわり昇華する紫煙は見事にフローラル&エレガンスである。
なんとも浮遊感を覚えるシガーの凄味がある。

  • ミドル~ミドル・ボトム
小柄なだけあって進みが早い。
20分と待たずに既にミドルである。
ニュアンスを改めて順列に並べると、

①ナッティのしっとりと滑らかな甘味
②ややペッパー感のあるウッディネス
③しっかりと濃厚さを感じ取られるウッディ&ミルキーの渋味と甘味の混合
④再び若干の広いウッディ・スパイス
⑤余韻として舌の先に響くシルキーで(薄膜を1枚隔てるような)淡い樹木香
⑥大ぶりの白い花の咲く花園の優麗なアロマ

正直、ダビドフはニュアンスが複雑かつ立体的に混じり合っていてそれらを僕は追いきれない。
完全に力不足である。
ただ、ニュアンスの変遷としては、トップのミルキーさをミドルでも保ちながら、しっかりとしたウッディネスとペッパー感を受け取られる。
ややボディを感じる立派な体躯のアロマも携えており、若干のウッディな渋味とともに喫味が口腔に舞い踊る。
優秀さが厭でも分かる別格のニュアンス群と喫味である。

  • プレ・ラスト~ラスト
味わいにミルキーさが滲み出てくる。
ニュアンスはミドルと大きく変わらないが、見事な点が1つある。
それは、あくまで乳性気質は屡々ニュアンス全体をぼかして本来の核のニュアンスを濁しがちな危険分子であるが、この葉巻は核である「ウッディネス&ペッパー」を見事に真っ当に表に出していながら、そのニュアンス群を優しく抱き込むような感覚でミルキーさがhelperに回っている点である。
なぜこうなるのか、なぜこんなブレンドに至るのかが理解できない。
ハバノスには感じられないレベルのミルキーさが、この葉巻ではのうのうと生きているわけだ。
複雑に絡み合うニュアンスのバランスといい、特異なミルキーの支え具合といい、やはり見事である。

  • ラスト・ボトム
味わいのニュアンスが(やはりこの特異なフォルムから想定できる通りに)ぐわっと強まって来る。
特にウッディな甘味と爽やかなペッパー感、舌の上でたゆたう耽美で幽玄な花園のアロマが一気にフィナーレを演じるように咲き誇る口腔の情景は、圧巻の一言。
深いコクを伴ったウッディネスな旨味もしっかりと舌の腹にずんと感じられる。
これは、甘く・シルキー・ミルキー・ウッディな優しさの要素を愛する方からすれば、驚くほど意に相応しい一本になろう。
ただ、ペッパー感は思いのほか強い。
辛いわけではないが、舌の先にしっかりと痺れを感じ取らせるウッディなスパイス感は、特異不得意が分かれることと思う。
また、極ラストにはウッドは渋さも伴って来る。
旨味をフォローして余りある渋さは、実にアダルティに口腔を遊廻する。

ダビドフは個人的に褒めたくないが(笑)もう見事に整えられた、調度品・装飾嗜好品のような美しい一本と言わざるを得ない。

お見事。
残り3㎝で終了する。