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シガーレビュー(レビュアー:S)

ホヨー・デ・モンテレイ デ・サンファン。
お譲り品。150㎜。喫煙時間75分。

  • トップ~トップ・ボトム
ナッティながらも長い余韻を感じられる淡墨様のコクと、浅い焙煎系統のほの甘さがやや果実味のある酸味とともに口腔に満々とする1stドロー。
さすがの口径(RG54)とあってしっとりとした口当たりで、その甘みはフローラルを伴ってドルチェ的にすら感じられる。
ニュアンスは個人的に下記の順列で受け取る。

①あっさりとしたコクを携えたナッツ
②ほんのり喫味に漂う清冽な果肉の酸味
③アーシーさのある極ライトな渋味
④ナッティ&ローストの清い苦味と透明感
⑤プルーン、ドライマンゴーのほの甘さ
⑥若干しっかり目に思われるウッドの苦味
⑦ダークチョコレートとレザーのビター
⑧再びナッティに香る高い芳香と甘味
⑨余韻にウッディネスで清々しい酸味
⑩クリアな舌触りを感じさせる栗の渋味

またその他、ニュアンスは多層的かつ複雑に舞うなかで、小ぶりな花びらの横溢を思わせる極めてフローラルなアロマや、甘さと渋さを同量そなえた流麗な穀物様のエッセンス、芳醇に高い潤いを感じさせる沃土の味覚、森深く迷い込んだ南国の風の薫り、余韻の遠くからやって来る土の盛り上がり、それらのニュアンスを個人的には感じ取られる。
トップの喫味としては、ホヨーらしい優しい円やかな喫味の中に、しっかりとした渋味を伴う甘さ・アーシーな渋さとやや重ための酸味をずっしり蓄えている点で、ホヨーのブランドプロフィールを潔く裏切ってくれる。
「上級者向けホヨー」或いは「モンテ(しかもエドムンド系)のエッセンスを綺麗に取り入れたホヨー」といったところか。

  • プレ・ミドル~ミドル
ややアーシーさは息を潜めて、喫味の先頭に来るウッディネスのステータスが強まる。
紫煙が孕むアロマにも、熱く南国的な強い馥郁さが見られる。
喫味は丸くなり、ホヨーのエピクーレNo.1のように、苦味や渋みがありながらも、実にホヨーらしい淡麗でスムースな喫感をもたらす。
口で煙を揉むと、ニュアンスはより明確に感じ取れる。

トップの喫味から、ニュアンスはアーシーを底の方に蓄えながらも、ウッディネス&フローラル、深々と舌の腹に沈み込むそれらのステータスのポイントは酸味と渋味にあり、味わいを追うごとにそれらのウッディネス(或いは幽かなナッティ)は儚いアダルティな様相を呈している。
つまり、木の酸味がツンと来るわけではなくズーンと奥からやって来るし、同じく渋味はドンと沈むというより口腔を悠遊して飽くまで華やかなフローラルなプロフィールをうまく締めている。
喫味の主体は、必ずしも優しく甘いだけではないが、苦味渋味の中に隠れる木とナッツの甘味は確かに存在しており、そこに辿り着く過程を楽しませてくれる「仕掛け」のような渋味・苦味・酸味の気質であるように思う。

  • ミドル・ボトム
ここまで吸い進めて、なるほど「上級者向け」というトップ時点での僕個人の感想が遠からずだなと実感する。
それは、ホヨーらしさを知っているホヨーloverからすれば、これは期待を大きく逸れる一本になるであろうし、或いはまた、経験本数が少ないビギナーであれば、この葉巻のミドルに浮かび上がるアストランジェントがトップの美しい喫味を消す悪魔のニュアンスにきっと思うだろうからである。

つまり「自分の好きなホヨーではなかった」「途中から渋くなって味わいに耐えられない」といった感想が予見される。
だが、恐らく直感的にこのミドルまでの喫味はラストにもう一転変化する。
旨味のステータスが高まった時、このミドルの苦味や渋み・酸味が間違いなく活きてくると個人的には推察する。

  • プレ・ラスト
少しずつ多層的なニュアンスの中にウッディネスフルな旨味が深淵から浮かび上がって来る。
同時にフローラルな酸味は円やかなミルク様の穏やかなアシッドさに遷る。
ウッディ&アーシーな渋味は継承されるが、恐らく今後の旨味にバランスを譲るニュアンスになると思わせるような、全体の均衡を感じ取る。

  • ラスト
正に想像通りである。
ニュアンスを順列に列挙する。

①まず、ウッディネスな渋みが仄かにフローラルなアロマを携えながらやって来る
②次に、ややアーシーとスパイス感
③ウッディネスフルな旨味、樹木の皮質を焚くような暖かい旨味のエキスが一気に口腔に広がる
④その旨味を締める木の渋味
⑤直後にナッティ&ローストの甘味と酸味
⑥改めて、次はウッディネス&ビター
⑦もう一度大きく沁み渡る樹木の旨味
⑧旨味と伴走するように、ミルキーナッツのビター&スウィーティー
⑨清らかに余韻に残るウッド、その酸味
⑩余韻の陰に甘やかな渋味、苦味

その他、旨味が控えめな性質上感じられるわずかな黒胡椒様のピリリと来るスパイス感、舌の中央をくすぐるブラックドルチェのフルアロマ、鼻腔から抜ける大ぶりの花群れを焚くような荘厳な芳香、やや荒々しい湿土のアストランジェント、それらが美しくバランスを保ったまま肝心の木の旨味を抱擁するように支えている。

  • ラスト・ボトム
ここまで来ると、やはりミドル辺りのアストランジェントは殆ど抑えられて、静謐に大らかに響くウッディネスフルな旨味がニュアンスの大半になる。
つまり、ウッディ&アーシーなアストランジェントや、フローラルなアロマはこの(旨味という)核を支えるhelperに回る。
喫味のニュアンスが木の旨味を中心にして大きく渦を巻き、飽くまでその周囲で、喫味を締めるブラックビター、或いはロースト的なニュアンスのプルーン、ドライマンゴー、ドライアップルの仄かな甘味が生きている。
苦味や渋味、甘味がこの葉巻の核心ではないことを自ら弁えているように、それらのエッセンスは一定のまとまりを保ちながら順序良く口腔に訪う。
実に面白い、仕組まれているようなブレンドである、と思う。
このニュアンスのバランスこそ、確実に上位ハバノスの風格である。

吸ってみて実際に細やかにニュアンスを観察して欲しいと感じた一本。
ホヨーに慣れた方、多層的なニュアンスと喫味の見事なバランスの取れた変遷を楽しみたい方には、オススメしてみたくなる一本。
お見事。

残り3㎝で、終了する。