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シガーレビュー(レビュアー:S)

オリヴァ セリーⅤ ダブルロブスト。
お譲り品。127㎜。喫煙時間65分。

  • トップ~トップ・ボトム
淡いコクを持ち合わせたビター風味のナッティ安堵ロースト。
あくまで濃厚ながら重たさは持たず、すうっと口腔を満たすように広がってゆく1stドロー。
花びらというよりは花束・植物花園の空気に身を浸すような広く逞しいアロマティックさを、たゆたう紫煙が孕んでいる。
ニュアンスはやや少数ではあるが、

①透き通るようなライトなコクあるナッティ&ロースト
②鮮烈な印象を抱かせる軽やかなウッディネス
③ややエアリーな木肌模様の渋味と酸味
④花の宏大でアタッキーなアロマ
⑤湿度の高いアーシーの豊かな渋味

上記の他に、舌の先にうっとり残るニュアンスとして、ミルキーに感じられるやや濃厚なウッディのエキス、喉奥に乾きを与える仄かなアーシーの滋味、珈琲とレザー、高く香る草木香の残滓、甘さを感じるほどの木肌気質のスペック、遠くにダークチョコレートと僅かに黒糖。
灰がしっかりと凝固していて、片燃えもなし、今のところ(木の酸味渋味がやや強い傾向にある喫味と、ニュアンスがやや乏しい点で)ハバノス的ではないものの、十分に良いプロフィールを持ったシガーであると個人的に感じる。

  • プレ・ミドル
喫味のステータスにおいて、ウッディネスでドライな気質のじっとりとした渋味と、花のアロマを湛えながらゆっくりすっきり響く酸味の2つが強まる。
今後、この2つが雑味となってニュアンスのバランスを乱す可能性があると予見する。
が、トータルのバランスとして、やや渋さが勝ってはいるが個性的なライト-ミディアムの味わいは、好んで吸おうとする方もいることと思う。
謂わば、やや甘く濃く煮たアップマンのウッディネス、或いは、渋くビターさにステータスを振ったロメオのチャーチル(ミドル辺り)といったところか。
また、ややスパイス感を舌先に感じなくもないが、それほど喫味に影響があるものではない。

  • ミドル~ミドル・ボトム
紫煙に含まれる大量の花々のアロマが厚みを持ち、鼻腔を抜ける香りにも華やかな印象が芽生える。
喫味のニュアンスはやや丸くなった印象で、感じ取れるものから順に、

①ほの苦さを伴ったウッディネス&ローストがまず先頭に来て広く響く
②その後を追って来る、同じウッディ&フローラルな酸味
③ドライフルーツ(マンゴーやアプリコット)の幽かな甘味
④アーシーさを重ねたやや強めの渋味
⑤黒糖、純真なブラック&スウィート
⑥花肉を煮詰めたような渋がかった酸味
⑦カカオ.ココア系統の粉末的でドライな甘味
⑧ややこの辺りで淡い白胡椒様のスパイス感
⑨天然の樹木香、グラッシーなアロマ
⑩静かに舌の奥に訪れる濃いナッティ&アーシーの渋味と苦味

上記の他に、余韻に口内で紫煙を揉むと、ビターながらも仄かに香るナッツの焙煎感の甘味や、上質のシルキーさを持った花の精製油分、遠くにミルクの乳性、トップ辺りではなかったアーシー&ビターなニュアンスが他にも濃厚に感じられる。
リング近くの辺りでは、しっかりとしたビターテイストの内側に、喫味の主体となるウッディ&ローストがはっきりと主張して来る。
おそらく強燃焼によってその喫味の咲き方はより顕著になる。
サーウィンストンのラスト近くに感じとられたビターかつ重厚なニュアンス、ニカラグア或いはコスタリカのシガーに通ずるウッディネスフルの渋味・苦味・酸味の、木の芯を抱くような味わいにプロフィールが終始している点に、この葉巻の一貫した方向性を垣間見ることができる。

  • プレ・ラスト~ラスト・ボトム
ボディはフルに近い。
この辺りから、エアリーかつフローラルながらも渋味と酸味が優勢になった喫味が続き、ビターに寄りきれない、やや勿体無い印象を受ける。
どうしてもこの辺り(リングを外して1㎝進めた辺り)で辞めどきかなぁ。
ほのかにウッディを煮詰めたような旨味が、喫味の向こうに覗いてはいるものの、アストランジェントが効いていて甘い酒類とのmariageでもなければ吸い進めるに厳しい。
ミドルからラストにかけては、それゆえ果実香る甘めの酒がきっと合う。
また、チョコレートやドルチェ類を舌に慕わせながら、吸い進めることを是非お勧めする。

トータルで見ると、喫味の偏執具合はウッディ&ビター、特に渋味を伴ったフローラルなニュアンスは他の非ハバノスの中では秀でている。
しっとり、かつ、おもむろにずーんと口腔に響くブラックな味わいは、好む人も多いことだろう。
ただ、タバコ感が強いベグエロス、男性的な旨味ほとばしるボリバー、ウッディ&スパイシーで重たく響くパルタガスのいずれにもこのプロフィールは該当しないので、その点は注意されたい。
清いアストランジェントの効いた、渋味と苦味の分厚い一本である。

堪能して、残り3㎝で終える。