シガーレビュー(レビュアー:S)

Vega Fina Robusto Extra Pigtail Anejados Limited Edition 7anos
ベガフィナ ロブストエクストラ ピッグテイル  アネハドス リミテッドエディション7年。
1本1600円。152㎜。喫煙時間60分。

  • トップ~トップ・ボトム
苦味を伴うアーシー、ライトで古く枯れたウッディネスの渋味と酸味を響かせながら、口腔に若干の牡蠣のようなエッセンスを彷彿とさせる独特な1stドロー。
大変ドローは良いが、喫味のニュアンスはやや各々のステータスが弱く、はっきりとそのプロフィールを読み取ることができない。
まず、トップのニュアンスを下記に感じとられる順列で並べると、

①湿度をたっぷりと保った腐葉土的アーシーの酸味高い苦味
②透き通ったエアリーなウッディネス
③若干ひとつまみのコクを感じさせるナッツ&ロースト
④水に煮出した牡蠣のエキス
⑤甘味を醸成させながらやってくる焦げたナッティ
⑥ドライプルーンの濃厚な苦味と甘やかなフルーティ・アロマ
⑦アロマを掻き消すさらに濃いウッディネスな苦味と、果樹園の空気を吸い込むような芳醇な酸味とほの甘さ
⑧余韻に極アーシーでありながら薄味のアロマティック、畑の土を焚く情景

またその他、このビトラのお陰だろうが、シルキーに感じ取られる沃土の、口腔を彷徨するような優しいニュアンス、紫煙に軽快に響くドライアップルや洋梨の濁り香、宗牧的な木の天然香、紫煙の周囲に纏わりつくウッディネス&アーシーな渋やかな金属味、大ぶりの花を蒐めて焚くその炎。

トップを総じて表現すれば「各ニュアンスは弱々しくありながら(マデューロで優しく円くなっているといういい意味ではない)ウッディネス&アーシーの渋味や苦味は色濃く口腔と舌先に残り、豊かなアロマティックな芳香が唯一の救いとなっている」印象である。
ただ、このコロナゴルダ様の立派な体躯のビトラのトップで、しっかりとした甘やかさを引き出せていない点と、やはりニュアンス的に水で希釈されているレベルの喫感である点は、いただけない。
今後の喫味の変遷としては、おそらく今後ウッディネスな渋味と酸味は必ず強まって来るし、恐らく雑味に転じる程度のアーシーな苦味もやって来る。

それをカバーするためには、他の好ニュアンス(とかに甘味、旨味)のステータスをうまく上げてゆくか、濃厚なコクやミルキーな味わいなど特異なプロフィールをミドルから出してゆくしかないと思う。
それができる一本なのか、注目したい。

  • プレ・ミドル~ミドル
予想通りにウッディな酸味が高くなり、舌の先に残るような渋味もぐっと強まってきた。
鈍いスパイス感も上顎にずんと感じられる。
トップに比べて、木屑と草木土を併せて火を焚いているような、天然木灰のニュアンスが高く昇ってゆく印象がある。
ウッディネス&アーシーの主体は大きく揺るがず、樹脂皮を燃やすような大らかで直接的な渋味と草木土の酸味、辛味の損なったややナッティ&ローストのペッパー感がまったりと喫味を支配している。
この辺りは、ある程度予想した上で味わう分には訳ないが、予見できてないと面白くもなんともない、ただ苦くただ渋いライト-ミディアムで平凡さに塗れた喫味である。
これをマデューロと言うのは笑わせてくれる。
ベガフィナというブランド自体の底が知れるプロポーションである。

  • ミドル・ボトム~ラスト・ボトム
ニュアンスを一応感じとられる順列に並べると、

①樹木焚焔の(悪い意味で)香ばしい渋味
②香りの良い花の甲高いフローラル
③ウッディネスフルな苦味と酸味
④荒々しくもライトなアーシーの臭み
⑤枯れきった果実を煮出した苦い酸味
⑥沃土をひと匙口に放り込むような土感

正直なところ旨味もクソもない、フローラルなアロマも紫煙から姿を消してただ舌を傷つけられるようなアッシュドなウッディネス&アーシーが炸裂している。

トータルの喫味を総合すれば、トップではステータスの薄弱さが(ピエドラのように)目立ちながらも、まだドライフルーツや風に揺れる大花の糖質的なアロマがないこともなかったが、ミドルでやはりそれらは消し飛んで、待ってましたと言わんばかりの平凡的でありガチな「いただけない」プロフィールに陥って、その凄みのままラストあたりまで来る。
なんとも、リングのマデューロの文字が寂しく目立つ。

残り3.5㎝で終える。
能動的にベガフィナを手に取ることは今後ないことと思う。