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シガーレビュー(レビュアー:S)

TRINIDAD VIGIA
トリニダッド ヴィジア。
1本4580円。110㎜。喫煙時間80分。

  • トップ~トップ・ボトム
非常に濃厚なナッティ&ローストと、珈琲豆を一粒噛み砕いたような強烈な焙煎の苦味と甘味。
舌の上にぐわんと載り込む鮮やかなナッツの薫香に紛れて、湿土を口腔に放り込んだようなウッディネスな渋味。
味わいは真に強く何よりも濃厚濃密である。
トップで感じ取られるニュアンスは順列を並べると、

①まずは濃厚でダイレクトに口腔に汪溢するナッティ&ローストと強いコク
②高い湿度を保ったウッディネスフルな渋味
③灌木的な淡くアシッドな苦味
④(特に強い)珈琲豆を頬張るような苦味とコクの迸るニュアンス
⑤上記の濃度の高い喫味に負けることのない南国花樹の甘やかでフルーティなアロマ
⑥ドライプルーン、焚かれた巨峰
⑦大らかな沃土の宏大な広がりを感じ取らせる濃密なアーシー
⑧余韻として、ずーんと口腔内膜に響き渡るナッティ&ウッディの濃い渋味、幽かな苦味
⑨クリアでキレのいい上質なナッツの甘味
⑩鼻腔から抜ける紫煙に紛れるドライフルーツの甘美なフローラル

またその他個別のニュアンスとして、広葉樹の巨大な幹皮、厚く味わいの強いレザー、高い気質を保ったナッツオイル、濃厚なアーモンド、しっとりと舌先に届く南国のスパイス、遠くに風に揺れるエルダーフラワー。

トータル的にはやはりトリニダッドのブランドテイスト、「戦車のような重厚な躯体に似合う、濃厚濃密を極められたボディの厳かな深煎焙煎のナッティ&ローストと、煮詰められて凝縮された集約的味わいの高いウッディネスフル」である。
そして、濃厚で口腔を満々とする喫味の背後からやって来る、大らかで味わいの深い(かつ多層的なニュアンスの)アロマ、フローラルはとても美しい。
バランスは(単純に苦味渋味に終始しない濃厚さといい、華やかさに貴賓を感じる点において)長けている。
レジェスをより濃く、より華やかにしたものがこの一本である。

  • プレ・ミドル~ミドル
喫味に大きな揺らぎはないものの、紫煙はフローラルからやや酸味の高い渋味を孕んだウッディネスに移行する。
また、この時点で樹木皮脂を煮たような重たい旨味が既に感じられる。
やはりこれこそがトリニダッドである。
僕の個人的な感覚で申し訳ないが、「コイーバとトリニダッドは多くのビトラにおいて旨味がミドルの時点でやってくる」だからこそ、真偽は明瞭に判明しやすい。
ミドルの時点でのニュアンスは感じ取られる順列で、

①やや重たさを孕んだ濃密なウッディネスな渋味と苦味
②①をカバーする華やかなナッティ&ローストの甘味
③高いウッディな酸味と、口腔に深く入り込む渋味
④濃厚なシダーウッドと灌木
⑤再び濃密で厚みのあるウッディネスフル
⑥樹木を根元から焚いたように薫煌に感じ取られる太い旨味
⑦旨味を支えるナッティな酸味
⑧渋味の強いレザー&アーシー
⑨再び、Solemnityなウッドの濃い旨味
⑩ナッティ&ローストの包括的なアロマ

またその他の個別ニュアンスとしては、旨味に魚介系統のエキスを感じさせる圧縮的なエッセンス、花ざかりの箱庭、やや粗野で喉奥にガツンと来るペッパー感、紫煙に孕むBoldnessなドライフルーツの酸味、舌全体が疼くような高いアーシー(肥沃な土壌を諸手で豪快に掴んで鼻先に近づけるよう)。

  • ミドル・ボトム
旨味の凝塊といい、余韻に残る豪奢なアロマティックといい、恐ろしくluxuryなミドルである。
コイーバのマデューロ マヒコスから露骨な魚介味を抜いて洗練したような喫感。
mariageには、この贅沢な喫味を生かすためにも清らかで繊細なリキュールが望ましいと思う。
決して、ラムやボルドー系或いは癖の強いモルトを選んでは勿体無い。

  • プレ・ラスト~ラスト・ボトム
コイーバと並ぶだけはある、そう感じさせる旨味の応酬と、ニュアンスステータスの強靭さである。
レジェスしか吸ったことのない非常に経験不足の僕だが、ここまでの濃厚さとボディのミディアム-フルは想定外だった。
コイーバ特有の旨味よりやや色合いはpaleになるものの、これはハバノスで完全に二大巨頭と言える旨味のエキシックである。
有無を言わせぬ濃厚さ(このレビューで何回使ってんねん、語彙力不足を感じる笑)と、豪快ながら粗雑に感じ取られぬこの贅沢な味わいと風合いは、この価格を出すに値する一本であることを保証する。
(これは余談ですが、トリニダッドにおいてレジェスは「小さな軍艦」と聞いたことがあるけれど、正にこのヴィジアは「軍艦」です)
最後まで実に美しい。
熱帯の花が、シガーに火を灯すとともに身をつけ、花を戴爛に咲き誇らせて、フィナーレに燓香を播いて見事に花弁一枚一枚散るが如く、この葉巻一本でトリニダッドというブランドの真価を感じることになるだろう。

なお、ヤニクラに弱い方には決してオススメできないので、悪しからず。

残り3㎝で終える。