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シガーレビュー(レビュアー:S)

ボリバー ヒガンテス。
1本3000円。178㎝。喫煙時間110分。

  • トップ
ドロー良好。
コクのあるアメリカン、ナッツのような乾いた、それでいてややオイリーな風香。
土系のアロマ、軽やかにそれを喫んでいる。
全体的に淡い印象。
紫煙も今は儚い。
強く燃やすと、珈琲の煎ったような苦味が浅く現れる。
煙は高く太い、喫味とのバランスが取れている。
ナッツや穀物類のジュースを飲んでいるような印象のトップ(どこかウイスキーと似ている感じ)。

  • トップ・ボトム
香りのうちに酸味、火薬の燻るような含みを感じる。
オイリーな穀物のエッセンスはいまだ強く、美味しい。
が、ここで酸味が風味に混ざり始める。
長さもあってか、それでいてボディは深く・強くはないため、まだじっくりそれらを味わうことができる。

  • プレ・ミドル
深みのある穀物のアロマが複雑に醸成される。
深煎りの珈琲の様に、酸味と渋味、苦味とコクの均衡が口の中に広がっている。
下に残る渋味がある。
思っているよりフットの燃焼は早い。

  • ミドル
煙はいよいよ逞しく昇る。
なるほど、ここらからボリバーという葉巻の本格的な喫味が現れるのか、と納得する。
喫味は猛々しく濃密な土、沃土のアロマ。
mariageもこれに負けない強さがいる。
或いはこれを引き立てる落ち着いた色合いの白ワインや、シャンパン。
香りは太く濃い、香水に鼻先を近づけている様な強み。
優雅ながら、男らしさ、謂わば「獅子の優雅さ」を香りに見る。

土の深い旨味。
魚介様ではない。
ボディもしっかりしてくる。
ここまで「土」「土壌」を感じる葉巻というのは、まだ吸ったことはなかった。
香りにも深みがありながらも美麗さが漂って、美しい。
やはり香水の様。

  • ミドル・ボトム
深い。
言葉にしようと追うほどに遠い喫味と香り。
残り香を追いかけると、やや渋みが強まっていて、太い穀物の焦げた酸味がある。
クラッとしそうなボディの感覚。
(これまであまりない感覚で)この葉巻の味には涎が出る。
吸い込まれそうな土壌特有の煮える様な旨味がまだ浅くともじっくりと染みる。
ゆったり吸うと、いまだ香りも喫味も軽くなる、その点では調節が利いて良い。

  • プレ・ラスト
魚介様の旨味が現れる。
どうしてタバコの葉というものから、これだけの色味・味のコントラストが生まれるのか不思議で仕方ない。
ボディはしっかり。
酒と喫めばあっという間に(ニコチンにもアルコールにも)酔いが廻るような、しっかりとした葉巻の凄みを感じる。
旨味が随分と深く濃くなる。
香りに噎せる。
少し肺に入ってしまったのか重たい倦怠感(笑)。

この時点で、mariageはこれらの濃厚さ・濃密さ・重厚感を乱さない、軽めでほの甘いものが合う。
灰を置き崩しても先が尖っていないので吸い方は良いと思うが、であれば全体の喫煙時間は110分程度か。
旨味がどんどん強まる。
スパイシー感はそれほど、というか殆どない。
その点では濃厚で深い割にはクリーミー。
ややとろんとした喫味。
なるほどこの長さであれば、少し頭がくらっとくる(笑)。
濃い土のアロマから魚介系等のアロマに移っている。

  • ラスト
立ち昇る紫煙の悠遠さが気持ち良い。
さすがのビトラで、初めの軽さはどこへやら、深く強いラストへと導かれる。
そう言えば初めから青いものは感じず、そこからすでに熟れた土のアロマがあった。
そこからここまでに、軽さは重厚さに遷り、さほどの酸味や苦味はあれ、雑味なく心地よい旨味の渦に変わっている。
魚介様の旨味はこの後も続くのか、何かに変わるのか。

  • ラスト・ボトム
引き続き魚介の旨味が濃い、その類の料理を味わっているよう。
香りは芳醇で、柔らかく、華やか。
香りにまで旨味が染みている。
というか、旨味が強いせいで香りに上手く鼻が効かないような気さえする。
ここまで来れば、もう香りではなく、その重厚感漂う旨味だけに集中すべきかも知れない。
オイリーで、涎が出る。
せめて、ゆっくり、じっくり、1分間ほど空けて愉しむ。
殊に集中できる、濃密な煙草の旨味。
煙は満々として心地よく、どこか酩酊状態に誘われる悦がある。
これは正に、大義の後に味わう葉巻。

リングを外し、そこからギリギリまで吸う。
うーん、完全に深い、唯々濃い、葉巻の深淵のような、よりこの世界へと心を誘うような旨味の洪水。
やや堅かった巻きも、ここではいよいよ軟らかで、指の腹にマッチしてくるのも良い。
魚介をしがんでいるような旨味と甘み、ゆっくり吸おうとしても、つい口を付けてしまう。

明らかにこの一本を味わい尽くすのに、酒は2つ以上は要るだろうから、そのmariageに一興を費やす必要がある。
1つとでは余りに勿体無い。

最後の30分以上は、しっかりと旨味とだけ対峙できる。
残り3㎝を残して、惜しみながら終了。
また吸いたい。