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シガーレビュー(レビュアー:S)

Trinidad Fundadores
トリニダッド フンダドレス
お譲り品。192㎜。喫煙時間95分。

  • トップ
甘やかで軽快なナッティ&ローストの風合いで、およそ殆どのロングビトラに感じられるような喫味的ニュアンス群に大差はない。
トリニダッドで言えば、コロニアレスに近いようなトップニュアンス。
すっきりとしてシルキーな纏まりある喫感は、特記すべき点はないもののそれ故に優れている。
ニュアンスは順列に訪れ、

①たっぷりと蜜を貯めたナッティ&ロースト
②ナッツの香ばしい優しい甘さにやや酸味
③しっとりと口腔に沁みるウッディな渋味
④小さな花をつけた花々が風に揺れるような細やかで穏やかな樹木の酸味とairy
⑤高くなるウッディネスに若干の土的なほろ苦さ
⑥渋味のないしっかりとしたアーシー
⑦再度、ナッティで非常に繊細な甘味
⑧絶佳のフローラルな尾を曳くウッディネス

甘やかなトップ、かつ、シルキー&スムースに口腔内膜を優しく愛撫されるようなトップは、想像通りといったところ。
というか、このビトラでこれがなければもう終わりだと思う(笑)実に素晴らしい、「蜜の飴を舐めているような」風合いを感じ取る。

  • トップ・ボトム
やや喉奥にゆっくりと与えられるHumidityな渋味。
喫味のニュアンスは依然やはり穏やかで、凪いだ海をみるようである。
今後の高まりを感じさせるための平穏さ、好奇心と射幸心を煽られるような程度の(いい意味で)何とも平凡かつ平安な時点。
それはレジェスよりも弱く、ホヨーのエピクーレNo.2よりも軽く、そしてロメオのチャーチル(トップ)よりも甘い。
この例えで大体の方は想像できると思われる。

  • プレ・ミドル
喫味におけるウッディネスのなかに若干のスパイシー、辛味はなくとろんとした、やはり温厚なステータス。
絹漉しの喫味にも重なりが出てきて、少しずつ少しずつ、濃厚へと近づいてゆく足音が感じられる。
が、それもまだ遠い。
窓下に届いてきた朝焼けが近づくその前に、鳥のさえずりにそれを見るように、まだ実体的に強まってくるわけではない。

  • ミドル
喫味のニュアンスを順列に並べると、

①やや渋味の増したウッディネスの細やかな苦味と渋味(Astringent)
②高いフローラル様のナッティ、その甘味
③しっとり響くローストの苦味
④上記ニュアンスを締める樹木天草の酸味
⑤再度甘くコクも感じ取られる清冽なナッティ&フローラル
⑥渋味が再度訪れるがここでは軽薄に響く
⑦湿土的でゆっくりと揺蕩うアーシー
⑧アーシーに吊られてやや白胡椒のペッパー
⑨穏やかながら低く長い樹の渋味と酸味が喫味を仕立てる
⑩余韻に、序盤ではなかった暖色の花のHugeなアロマティックが、雪がふり始めるように喫味を彩って去る。

…ミドル時点で、ようやく物語が始まるような印象を受ける。
なお序破急で言えば、あくまで破でなく、序の終いである。
今後強くなってくると思われる渋味と酸味をcoverして余りあるウッディネス&ナッティの甘みやコクがあれば良し、或いは、トリニダッド特有の濃厚で重工な軍艦のような旨味が感じられ始めればなお良し、という感じを受ける。
なお、ここでやっと、コロニアレスのサイズになったかな。

  • ミドル・ボトム
旨味が現れる。
お見事、やっぱりトリニダッド!っと思わせる濃厚な大樹浴葉の、濃厚かつ繊細な、花の満開を彷彿させる豊かな旨味が大きく現れてくる。
よくある旨味の出方、つまりは喫味の奥からやってくる、あの現れ方ではなく、いきなり前面に出現してそこに屹立する大いなる旨味の白堊がここにある。
美しい象牙の首飾り、山の根から垣間見る日輪の壮絶な輝き、旅情的で序詩的な花園の夜明け。
旨味が絢爛なイメージを呼び起こさせるのは、個人的にはコイーバとトリニダッド、この2つだけである。
ニュアンスを並べると、

①晴嵐のように現れる樹木の高く濃い旨味
②しっとりとコクを響かせるナッティ&ロースト(トップからずっと健在)
③渋味の強く、濃いウッディネスの渋味
④ややペッパーの効いた静かで永い苦味
⑤透明感のある鋭い花々の甘やかな酸味
⑥上記を締める、グッと強いウッド系の酸味
⑦ここで改めて強い樹木の旨味
⑧一つまみの鹹味(海を感じさせる塩分)
⑨余韻に渋味を孕んで大きく口腔を蹂躙するウッディネス&ロースト

…ただ、この時点での喫味をまったり味わうと言うよりは、この喫味のニュアンス群に至るまでの経緯・変遷に目を向けて感慨に耽るか、或いは目を閉じてそこに広がる各人の素晴らしい光景にうっとりと浸る方が、この葉巻の理にかなうのかも知れない。

  • プレ・ラスト
僕個人的な見方として、トリニダッドの素晴らしいブランドプロフィールは「ミドルの時点で既に敢然と現れる軍艦のように重工な樹木の旨味」にあると思っているけれど、同時に物足りない点として「そのフィナーレ的な旨味がやってきた後、特別期待できる何かはない」という点がある。
至極当然ではある道理だが、もはや演者が揃って舞台では観客の拍手喝采を受けている今、これより望むべき劇幕は存在しない。
つまり、この葉巻の凄い所はもう終わっちゃったわけで、ここからはこの旨味とまだ、5-6㎝対峙し続けるしかない。
この点で、ややフンダドレスというビトラの限界値を感じる。
おそらくではあるが、モンテクリストのAにも同様の実感があるのかも知れない。
(お譲りいただいたので大変吸うのを楽しみにしている一本です)

  • ラスト~ラスト・ボトム。
もうこの葉巻を総括してもいい頃合いかと思う。
これで国内で一般的に手にできる4種類のビトラは吸い尽くした。

端的に個人的な感覚を言えば、トリニダッドにはやはり固有の凄み(ミドル時点で重工な旨味をはっきりと強く感じられる点=これはコイーバクラスと考えて良いと思う)があり、それを「いつ迎えるのか」「どのような変化の中でそれを迎えるのか」という観点から、ビトラを選ばれるのが良いと思う。

レジェス…これは実に簡潔にトリニダッドのプロフィールを感じられる優れた一本。
短くとも強く(トリニダッドという)個性があり、特性もニュアンス群もまさにバッチリ。

コロニアレス…レジェスに花の甘さやシルキーさ、全体にスムースさを与えたような潤玲なビトラ。
レジェスを味わった後に吸うことをお勧めするが、ホヨーやアップマンの喫味が合う人は必ず合う。

ヴィジア…トリニダッドの個性を余す所なく天稟し、まさに軍艦そのものの旨味の応酬を実に暴力的なまでに感じ取られるので、コイーバを特に好まれる方にはぴったり合う。

◯フンダドレス…これはヴィジアではなく、コロニアレスの味わいを巻物語のように美しい文体で彩り、完全版として編纂したものに近しい。
従って、コロニアレスでは「時間的に」物足りない方にお勧めできる。


つまり、トリニダッドのブランドプロフィールを1つの物語に例えれば、レジェスがエッセンス版で、コロニアレスが完全版。
コロニアレスをより美的に物語調にしたためたものがフンダドレス。
そして、物語における「名言集・名場面集」のようなものがヴィジアである。


なので、個人的には、レジェスをまずはお嗜みの上で、コロニアレスを。
コロニアレスをもっと「詳細に時間をかけて」楽しみたければフンダドレスを。
レジェスの時点で「俺を見くびるなよ、もっとトリニダッドの本気を見せんかい」という方は是非ヴィジアを。

そう、オススメする。


フンダドレス、お見事な巻物である。

残り3㎝で終了する。