シガーレビュー(レビュアー:S)

MONTECRISTO LINEA1935 LEYENDA
モンテクリスト リネア1935シリーズ リエンダ
(すいません値段忘れました…la casaの公式では€23なので輸入価格は一本諸税込みで3500円くらい→国内定価5000〜6000円かな?)。
165㎜。喫煙時間100分。


  • トップ
しっかりとコクある、というより、浅くすっきりとしたナッティ&ローストの香ばしいアロマが満々と口腔に満ちる。
トリプルリングからは却って想像を裏切られるような「軽さとやわらかさ」を感じられる。

ニュアンス群は、

①軽く希薄なまでに感じる香ばしいナッティ
②優しく口腔を訪れるしっとりとしたアーシーの甘味
③ドライに上顎に貼りつく土の乾燥感
④その直後に、ドライマンゴーのようにたるんと甘いニュアンスが少しだけ
⑤土と木の間のまったりとした酸味

…その他、余韻に響く沃土的なたっぷりと湿度を孕んだ土の甘やかさと1つまみの渋味がありながらも、不思議と(いい意味でなく)上顎がヤケに渋くドライになる。
土の甘さと渋味の強さ、ライトな喫味、まさにOpenとNo.シリーズの合いの子のような印象をトップでは感じさせる。
Openシリーズではマスター、No.シリーズではNo.3かNo.1といった具合に連想しやすい。

  • トップ・ボトム
これはもしかして、リネアシリーズって(勝手にエドムンド系のモンテクリストの強みを生かして、しっかりした「土の強み」を昇華させたものだとばかり勝手に思っていたけど)Openが売れないもんだからNo.系列の煙草葉に若干ブレンドしたようなものになってない?(笑)まぁそれは僕の勝手な憶測として、まずトップ〜トップ・ボトムで感じる土感は優しく、喫味は極めてマイルド。
ただ、No.シリーズ系に聯関する「モンテの土」は確かに感じられる。

  • プレ・ミドル
喫味に、土のやや間の抜けたミネラル感を伴う土感がゆったりと流れ始める。
火を足すと、アーシーなコクとしっかりと密に組まれた土の苦味と渋味を受け取れる。

  • ミドル
このリエンダについては、トップから少なくともミドルまでは一般的なペースよりも強く燃やした方が、No.系の「モンテらしい土の甘味と渋味」の強さを真っ当に感じ取られやすいので、その吸い方をお勧めする。
僕の場合はかなり弱いペース(ルシタニアスで95分)で喫煙しているので、味わいがやや間延びする印象がある為だ。

ニュアンスを並べると、
①鮮やかでさっきりとした土の甘味
②ややナッティでロースト系の香ばしさ、苦味
③しっとり舌を纏うシルキーな土の渋味
④その上で、軽いけれど明瞭に現れる沃土的な広い甘やかさ
⑤天然の草木香
⑥若干響く和やかなシダーウッド
⑦ややミルキーに捉われるボリュームのある土感
⑧余韻に、遠くに揺れる森深くに咲く白い花

…あっさりとした喫感にやはりOpen系の物足りなさを感じながらも、少しずつモンテ本来の美しい沃土のThemaが流れ始めている。
また、フローラルな花々のアロマも美しい光景を想わせる。
このRGだけあって今後の喫味の変化に大いに期待を抱かせるその花々しく麗しい女性的なニュアンスは、「モンテクリストのチャーチル」といった風情である。

  • ミドル・ボトム
次第に渋やかなアーシーがゆっくりと起き上がってくる。
まるで眠っていた獅子が凛々しく立ち上がるような印象を受ける。
この感覚、「もしかしてこっからがめっちゃ本気でる感じ?!」ってなる(笑)エドムンド系の強みとは異なっていて、例えばモンテとパルタガスのニュアンスである「低く刺激的な力強さ」を体現してゆくよう。
おそらくOpenとNo.系の中間という当初の位置づけは誤りである。
おそらくこのリエンダは少なくともミドル以降からボディを強くする。
そしてその強さはエドムンドに近く、もしかするとそれを超えて、モンテらしい甘さを捨てて「苦味・渋味・ペッパー、そして旨味」が強い、いわゆる【フルボディ】に近づくのではないかと予見する。
少なくともこの時点でわかることは、「モンテクリストだからといって近づいてはヤケドをする」ビトラだと言うことだ。

  • プレ・ラスト
この辺りでグッとアーシー&ウッディな旨味が太く重厚的に喫味に現れて支配が始まる。
ここからは(僕は苦手だけどあえてニュアンスを殊に楽しむために)やや強喫煙で楽しむ。
ニュアンスを並べると、

①(準コイーバ並みの)優れた強く重厚なウッディ&アーシーな旨味
②旨味に引きずられるように出てくるアーシーなコクと渋味
③ウッディネスで原色的な樹塊の苦味
④煮えきったドライプルーン
⑤湿土の絶え間ないエッセンス
⑥はっきりと感じ取れるドライなアーシー
⑦泡やかに現れてはすぐ消えるtradな花
⑧余韻にずーんと響き渡るアーシー&ウッディの重たい渋味と酸味のcombination

…驚くのは、モンテクリストでここまで重厚にドカンとくる旨味の爆裂を感じる点である。
あくまで、(Openはむろん)No.やエドムンド系で感じられる旨味には土の甘やかさが漂い、そこには澄んだ土の旨味があったけれど、このリエンダの旨味に至っては、コイーバやトリニダッドに匹敵する「ボディのあるエキス的なガッチリ体型の旨味」を感じられる。
舌の上にしっかり爪痕を残して、ついヨダレが出るようなあの旨味が存在する。
これがリネア系の特徴なのだとすれば、モンテクリストが新しいブランドプロフィールを確立させたことは間違いがない。

  • ラスト~ラスト・ボトム
トリニダッド フンダドレスでも触れたが、ここからはこの旨味にどっぷりと我が身を浸し、「あああ~」ってなるより他に選択権は与えられない。
少なくとも旨味の洪水に、MONTECRISTO で出会うことになるとは思わなかった。


この一本でおよそリネアシリーズの想像がつく。

おそらくデュマスは、トップも柔らかでありながら、この新しい「ボディを感じるほどの旨味を豪奢に湛えた」ステータスを繊細に感じられる一本になっているだろう。

マルテスはデュマスより大きい分、ニュアンスのバランスがデュマスよりも取れているはずで、喫味の変遷もスムース。
ビトラのサイズ感から、「モンテクリストの新しいこの力強さを感じながらも、旨味もがっちり味わえて、時間的にも丁度いい」。

そしてこのリエンダ。
「デュマスよりも力強く、マルテスよりも時間的に長く、かなりラストでリネアの真髄を醸成して来る」一本に仕上がっているはずだ。


であれば、まずはデュマスを必ず初めに吸うべきだ。
そこで「なるほど、俺はまだいけるぞ」と思ったらマルテスに行けばいい。
マルテスで「時間的にも、力強さの点でもまだまだ物足りない。
喫味の変遷にも目を向けたいし、ラストの重厚な旨味にもどっぷり浸りたい」という方は、そこでリエンダを選べばいい。
ボディをしっかりと感じながらも、トップでは軽やかすぎるほどの味わいを経た上で、コイーバ、トリニダッドに並ぶ豪奢な旨味に全身を浸すことができるだろう。

なので、まずリネアはデュマスからだ(笑)

リネアに興味があり、コイーバやトリニダッドの強く厚い旨味成分を好む方、それでいて、甘やかで軽快な喫味にも一応の慧眼がある方は、ぜひデュマスをオススメする。

逆に、ヴィジアやマヒコスといった「旨味の洪水」の経験もなしに、モンテクリストの新しいシリーズだからと大枚をはたいてリネアに手を出す方は、やめた方が宜しい。

そういう点において、このリエンダ(≒リネア)はモンテクリストの「眠れる獅子」を象徴するものである。

お見事、ここまで1つのブレンドでプロフィールを変えることができるものなのか。
葉巻の深淵を覗きこむ貴重な体験だった。


3㎝残して、大満足、終了する。