シガーレビュー(レビュアー:S)

MONTECRISTO PETIT EDMUNDO
モンテクリスト ペティ・エドムンド。
1880円。110㎜。喫煙時間55分。

  • トップ~トップ・ボトム
軽快なアーシー&ナッティの深いコクと適度なほろ苦さ。
このサイズ感特有の、あっさりとしていながら、グッと濃厚に響いて来るしっかりとした味わいが素晴らしい。
この時点でNo.4のトップ~ミドルに近い甘さもあるし、エドムンド系とは思わせない軽やかさがある。

ニュアンス群としては、
①たっぷりと豊満に響くナッティの甘み
②アーシー&ローストの濃いコク
③ぼわんと響き渡る心地良いローストの甘さ
④ひと搾りの土の高い酸味
⑤アーシーであるもののすっきりと淡い土感のほろ苦さ
⑥優しく舌を包み込むマイルドなアーシネス
⑦余韻に、喫味を色目かせるまったりとした原色の花々のフローラル
⑧ここで再びナッティ寄りの甘やかさ

…トップの喫味はエドムンドのトップに似た、膨よかで実に甘やかな仕上がりになっており、そのなかでアーシネスなたっぷりとした土感(例えば雨を孕んだ肥沃な土を両手でもろっとすくい取って、鼻先に近づけるような)軽快なニュアンスのプロフィールである。
まるでエドムンドを今吸っているような、(やはり大きな口径が寄与してると思うけど)豊かで円やかさに秀でた素晴らしいスタートを感じ取る。
完成度が高い。

  • プレ・ミドル
アーシーな渋味がゆっくりとやって来る。
酸味も木と花の天然香が高まって、全体の喫味を締めながらも、ちゃっかりエドムンド系の「土感の強い渋さや苦味の繊細な味わいに近づけていきまっせ〜」感を感じる。

  • ミドル
五味をはじめとするニュアンスのステータスバランスが本当によく取れている。
むろん、アーシーに寄ってはいるが、ほどよい浅煎り珈琲(或いは水出し珈琲)のような軽快ながらちゃんとコクを感じられる苦味といい、沃土的で畑の土のように豊かなミネラルを孕んだその渋味といい、まさに「土の花」とでも形容したいほどの濃厚で馥郁な大蘭の花々の甘やかなアロマといい、ほんとに小さなエドムンドを体現している。
吸い始めて20分程度でこのしっかりとしたエドムンド感を出して来る。

エドムンドのビトラの大きさに抵抗がある人は、ぜひこの一本を試してほしいけれど、このペティエドムンドの短所としては、「早めに土感が強く出てきちゃう」ことくらいかな。
エドムンドやダブルエドムンドは、その凄味ある土感をミドルで本格的に現してくる分、そこまではかなり甘味の効いた円やかな時間を堪能できるけれど、このビトラだとそうはいかない。
エドムンド好きって人も「あの土感だけを感じたいんだよね」って人は少数だと思うから、そうなるとやっぱり《エドムンドを吸いたいけど、まぁ時間もないしペティにするかな》っていう選択肢の結果がこの一本になるのかな。

  • ミドル・ボトム
この辺りはまぁ簡易エドムンド、ニュアンス群で言えば、
①たっぷり口腔に放り込まれる土のコクと心地良い程度のほろ苦さ(この辺りが、カカオ比の高いダークチョコレートを想像させる)
②肥沃な土のもつ潤い高い酸味
③アーシネスな渋味がゆっくりと来る
④ドライプルーンを焚くようなアロマ
⑤濃厚で重工な湿土の渋味がもう一度
⑥口で揉むと幽かに土の甘やかさ
⑦しっとりと舌に載る「土の花」
⑧淡く滋味の高いどろんとしたアーシーさ
…まぁ、凡そエドムンド系の、土を熟成されて円くしたその塊を戴くような贅沢なアーシネスが口腔を満々とする喫味である。

  • プレ・ラスト〜ラスト
ここからは完全にエドムンド。
(No.系にありがちな)ナッティや土っぽい甘さというのは殆どなくて、しっとりがっつり「土」のダーク&ブラックな味わいに満たされる。
この辺りの喫味はもうエドムンドダブルエドムンドのラストをご参考いただきたい。
僕は好き。


上記で述べたことと重なるが、やっぱりペティではエドムンド特有の「時間的に」しっかりと味わえる甘やかでシルキーな部分が少ないため、ダブルエドムンド絶賛の僕からすれば物足りなさが大きい。

ただ、ダブルエドムンドは時間的に余裕を持つ必要があるので、例えば「No.系は何本か吸ったことあるけど、エドムンド吸ったことないな〜。
あれデカイから行きづらいんだよね〜」なんて人は、取り敢えずこれを吸えばいい。
そしたら「あ、確かにNo.系とはちゃうな」っていう部分は分かると思う。
メディアコロナでも良いかな。

ただ、エドムンド系の極致は「ダブルエドムンド」!これははっっきり言い切るけど!笑
あと感じたのは、これでエドムンド系がNo.系と違うこと自体は分かるけど、エドムンド系が「なんでそんなに良いの?」ってところは、この一本では残念ながら分からないと思う。
それは、エドムンド系の優秀な点が「トップとミドル~ラストとの喫味の大きなギャップにある」ことと、「喫味の変遷が実にお見事でモンテクリストがNo.系では見せなかった土のスムースさを体感できる」ことにあるからだ。

だから、これを吸ったからといって、エドムンド系を「知った気になる」のはやめてね(笑)

残り3㎝で終了する。