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シガーレビュー(レビュアー:S)

Cohiba Robusto Supremo Edicion Limitada 2014
コイーバ ロブストス・スプレモス EL2014。
お譲り品。127㎜。喫煙時間70分。

  • トップ
深く焙煎された珈琲豆のロースト感がやや焦げ感を伴って濃厚に舌の上に響いてくる濃い1stドロー。
糖蜜のような甘やかさを保ってはいるものの、どこか風合いはしっとりと口腔に舞って、心地よいロースティーを余韻に残してゆく。

ニュアンスは感じ取られる順列で、
①若干焦げを感じさせるほど濃密なナッティ&ロースト
②栗、栗皮の味わいの深い果実感
③フレッシュな樹木葉様の低い酸味と渋味
④レザーの効いたウッディネスのほろ苦さ
⑤ほろ苦さの後を曳くビターさにドルチェ感
⑥濃厚なナッティの香ばしさと甘みがもう一度
⑦紫煙に香る若葉の燃えるようなアロマ
⑧ドライプルーンのしっかり余韻を残すほろ苦さと甘やかさの一塊
⑨淡く舌の上に滞在するシダーと柔らかいレザーのほろ苦さがビターに感じられる
…トップでは、濃密なナッティ&ローストの見事な香ばしさと濃密なコク、ほろ苦さのなかに垣間見える一華の甘さが、我が身を優しく抱くが如く可憐にやって来る。

味わいは比較的円やかで角がなく、軟らかながらも、味わいはしっかり「栗とレザー」で表されるコイーバ仕様に仕上がっている。

  • トップ・ボトム
ウッディネスな渋味のステータスが弱まる一方で、ナッツの濃厚なコクと、ほろ苦さのなかに見える明確な甘み(まさにカカオ比の高いダークチョコレートのような)が際立って来る印象。
チェスナッティな風合いは崩さずに、コクと甘みが少しずつ増して来るこのあたりのバランス感はお見事である。

  • プレ・ミドル〜ミドル
紫煙は驚く程華麗に舞う。
紫煙に孕まれるアロマは、floralよりは「レザーを暖めるその薫り」と「焼き菓子を想起させる」ものに近い。
他ブランドにはあまり感じられない、濃厚かつ香々しい馨しさがある。
ニュアンスは少しずつ、コイーバのエキスティックな旨味を予感させるように、ゆっくりと樹木や皮革を「煮出す」ようなニュアンス感を強めてゆく。
この時点で特徴としては、単に濃密さを増すだけではなく、淑やかな「甘苦さ」を香味の内に感じられやすくなる。

ニュアンス群は感じ取られる順列で、
①栗皮とナッツの濃厚な香ばしさ、コク
②柔らかく口腔に舞う静やかなレザーの苦味
③大いなるウッディネス、その渋味と酸味
④ほろ苦い栗のエッセンスに、ドルチェ感の高い甘味がしっとりと響かれる
⑤舌の上に確かに感じるドライプルーン
⑥再度、レザーを暖める渋味のdown
⑦喫味をやや締めるウッディネス&ナッティの高いすっきりとした酸味
⑧ブラウニーに浸潤する美しい皮革類のアロマ
…その他、幽かに軽いシダーウッドのアロマや、喫味の周囲を回ってその秘匿に忙しいSevereな檜や大樹のフローラル。

目を瞑れば、巨軀の樹木が櫃立する森深い秘所において、強いチェスナッティ&レザーとに見る秋の暁闇の景色やPeacefulな豊穣的風景。
夏の終わりに日ざかりは燃えながら、風の透きとおる厩の心地よい午睡の時間。

  • ミドル・ボトム
コイーバらしく鼻腔にさえガツンと全面的なアタックを感じる程の、濃密なロースト感、穀物の熟成を彷彿させるCuriosityが響き始める。
そろそろ、ブランドプロフィールを満々と強示して来る頃合いと見えて、非常にスムースに、ただ濃厚かつ濃密に、風味のステータスを(主に苦味と渋味、そしてほの甘さについて)高める。

  • プレ・ラスト
焼き栗を口内へ放り込むようなチェスナッティ&ローストの強い風味、ペールレザー調の高い渋味とほろ苦さが、仄かに見せるほの甘さと相まって、極めてバランス良く口腔を満々と充たす。
Solemnな(やや厳しく響かれる)シダー、樹木を根から焚くようなじわりと口腔へと染み入るダークな苦味。
ただ、あの豪快な旨味の応酬は、2014のringを外してからも暴れて来ず、コイーバのringにさえ十分近いている。

  • ラスト
残り4-5㎝になって、Extensiveな沃土樹木の淡やかで膨満、偉大なる旨味がのっそりと喫味の中間に現れて来る。
豊満な姿態を薫せながら、紫煙にもそのgreatfullなニュアンス&アロマが一気に広がる。
喫味の中心は、ここで突然にふくよかでボリューム感の強い重厚な樹木の旨味に取って代わるが、後味・余韻は未だチェスナッティ&レザーのロースト感がしっかりと残る。
濃厚でグワッと「ヤられる」感覚より、あくまでLagging–taste(遅効的味わい)としての豪奢な味わいで、しっかりとその極味を堪能できる。

  • ラスト・ボトム
喫味を全体的にみると5-7割は樹木・レザー・栗皮の渋味を帯びたロースト感の高い旨味に支配される。
調度品のように綺麗にととのえられた濃厚で重工なコイーバらしい喫味のfinaleである。
僕自身、コイーバをやや敬遠している傾向があるため経験本数は極めて少ないが、確かに極ラストはしっかりマヒコスばりに威厳のあるコイーバといった感じではあるが、この核心に至るまでの「渋味を中心としながらも、要所でほの甘さを覗かせるチェスナッティ&レザーのロースト感」は、十分「美しく荘厳」と形容するに値するプロフィールであると思う。

渾身を込めて詠われる大恋愛のballadeやchansonのように、ある種の激動と冷慨に満たされたプロフィールは、見事である。
吸い終えると、心の中で観客が拍手喝采でこの一本を迎えることになる。

ここまで芯まで愛すことができたコイーバは少ない。
ランセロとはまた別の眼を見せてくれる、素晴らしい一本である。

残り2.5㎝で終了する。