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シガーレビュー(レビュアー:S)

ハウスロール(ハバナベガスさん供給、レイナルドゴンザレス氏作成、レイナルド氏ブレンド)ロブスト。
値段不明。124㎜。喫煙時間60分。


トップ。
濃厚なナッティ&ローストの香ばしさとコクがはっきりと感じ取られる鮮やかで円やかな1stドロー。
甘やかながらしっとりとしたウッディネスを軽やかに感じ取らせる。
ニュアンス的には、
①しっかりナッティ&ローストが効いたコクと甘やかな軽快さ
②直後に伸びやかに広がるナッツの蜜のような甘味
③しっとり広がる軽装なウッディネス
④喫味を纏め上げるしなやかなウッドの酸味と渋味が高く響く
⑤ナツメグの花の淑やかなアロマ
⑥軽く淡やかなナッツ由来のややオイリーな酸味と渋味、僅かにほの甘さ
⑦余韻に漂うウッディ&エアリーな渋味
…トップの印象として、アップマンがかなり近いと思う。
ただ、ビトラ的にはサーウィンストン・レベルの徹底的な円やかさとまろ味。

ハバナベガスブレンド(HB)と比較すると、ややこちらは土っぽさがないのと、HBにはあった「濃密なナッティさ」はやや淡く調えられている印象がある。
HBにはなくとも、こちらにはややウッディに偏ったホヨー感を感じる。

トップ・ボトム。
ウッディらしさに次いで、次第に穀物的なExtractive、やや渋さに水っぽさを加えたようなウッディネス、抱擁的な優しい味わいのレザータッチ、すっきりと後味の残るfloralなニュアンスが現れる。

HBと比べると、ライト&シルキーはあくまで同レベルではあれ、苦味・甘味・コクの各ステータスが弱いため、端的に言えば「薄味」に感じ得る。
また、さっぱりすっきりした味わいには奥行きがなく、物足りなさを感じる可能性は高い。
ホヨーのエピ2の極トップがずぅっと続いているような軽さである。

プレ・ミドル。
ややウッディネスの中に湿土のどろんとしたニュアンスが苦味酸味の部分に現れる。
喫味の中核を成す樹木土の風味に甘やかな花のアロマも混ざって来る。
喫味に一定の纏まり、或いは、体系のようなバランス的印象がクッキリするのはやっとこの辺り、という感じ。

ミドル。
ニュアンスを追うと、
①淡く朧なナッティ&ローストは健在で、しっかりと現れながらも軽くコクを残す程度
②やわらかな樹木土の味わい、渋味酸味が心地よく舌へ着地する
③やや甘やかなナッツ
④軽やかに香るシダーウッド
⑤小花の揺れるような穏やかなfloral
⑥ここで現れるややアーシーさを孕んだ苦味と低い酸味
⑦若干のピュアレザーのほろ苦さ
⑧余韻にもう一度ナッティ&ローストのコクとほの甘さ
⑨後味をすっきり締める穀物の酸味とコク
…この辺りの喫味は、大きくHBと変わらない。
適度なステータス・バランスに纏め上げられたナッティ−ウッディ−アーシーの中間層のロースト感とコク。
ただ、ややそこに穀物の味わい深いニュアンスが広がる点で、ミドル部分の喫味はHBよりニュアンス層が膨よかである、と言えるかもしれない。

トータル的に見れば「すっきりと軽く、それでいて各ニュアンスの味わいは満々と感じ取られる、バランスの取れた喫味」に仕上がっている。

ミドル・ボトム。
特にHBはこの部分が優れていた。
(ちなみにHBミドル・ボトムでは、ロースト系の甘味を掻き消さない程度の強く濃いコクが現れる。
素晴らしい点は、そのコクに、熟れた瓜果のほの甘いニュアンスが、麗しい距離感で後追いをしてやって来る点と、鼻腔から抜ける紫煙に心地良い芳醇な旨味を感じ始めた点。
旨味はコイーバの魚介系統の強い旨味より、特にロメオのラストに感じられる花の馥郁なニュアンスを孕んだアロマティックなアタックを持った旨味といった感じ。
喫味の余韻も渋味甘味ともにやや強さを増して、この葉巻の真髄に近づく、といったものだった)
ではこの一本はどうかと凝らすと、やはり同じくロースト感の強い(ややガツンと下に来る)コクと、樹木沃土のしっとり永く滞留する渋やかさ、そして何よりナッティ−ウッディの中間に位置する旨味がグッと強まる。
この点は恐らく、レイナルド氏のブレンドの妙であり、意図して上手くブレンドされ、巻き上げられている特有のプロフィールなんだろうと推察する。
味わいは軽やか→重層感を感じさせる深く濃度の高い喫味に変ずる。

ニュアンス的には、樹木土の深いコクと旨味を中核に据えながら、喫味をすっきり整えるナッティな酸味渋味、穀物焚火のGatheredで軽装な旨味のエッセンス、また、HBと同じようなロメオの花に近い(即ちチャーチル系列の)花やかさ・アロマが、喫味のsurfaceを纏っている。

ただ、HBと異なる点はその重厚感、濃密さだと個人的に感じる。
HBでは旨味の表れとともに「アタックを感じる」程の重厚感があったけれど、こちらはまだ大人しく穏和で淑着な印象を持たせる喫味の全体をしている。

プレ・ラスト。
HBではこの辺りで完全に開花し、旨味の濃さが渦を巻いて喉奥まで到達した。
だが、このブレンドにおいてその兆候はなく、未だよく言えば上品さを持ち合わせていて、quietな味わいにとどまる。
旨味は確かに健在でゆっくりと舌を滑る感覚は心地よいが、HBと比較してしまうと物足りなさを感じるのと、身綺麗にしすぎていて面白味に欠けると言わざるを得ない。

ラスト〜ラスト・ボトム。
大ぶりな花ざかりが風に揺れさざめくような広いアロマが漂って来る。
これは僕がHBで「花の旨味」と形容したような傾向を持っていながらも、決して同列に語れない部分は、この「花」が喫味の芯を通っていないからだ。
つまり、HBでは明らかにウッディネスフルな旨味の核心と「一体になる」花の素晴らしさを見たけれど、こちらの花はその旨味の核心に「添えてある」と言った方が的確だろう、と個人的に感じる。
ただ、口腔内膜にしっかりと浸潤する樹木土の旨味は強かに舞って、唾液を喚び起すほどの濃度に強まっている。

これは間違いなくレイナルド氏が巻いた葉巻である、とここで確信を持って申し上げる。


と、いうことでHBとトータル的に比較した個人的なブレンドの妙、その差異を下記にまとめる。

①まず、トップについては、明らかにHBの方が濃度が高くややアーシーにもニュアンス的に寄った重層的なものに仕上がっている。
一方、こちらのブレンドは軽妙で円やかな点で素晴らしく、実に優しいCompassionに溢れたものになっている。

②ミドルについて、大きなブレンドの変化は見受けられないが、ミドル・ボトムにおいてはHBよりもこちらのブレンドの方が穀物感、各ステータスにおける穏やかな層の重なりを見るに、膨よかで豊富な印象を受けた。

③ラスト、ここが明らかに異なる。
こちらのブレンドはあくまでレイナルド氏のブレンドの妙によってしっかりと樹木土の旨味が花のアロマとともに展開し開花するが、HBはこれより優れていて、まず旨味やスパイスの度合いが確実にHBの方が強く濃密である。
また、花のアロマについても旨味と一体感が出ていて、それゆえ豪奢な仕上がりになっていた。
明らかにこの点は竹中氏のブレンドにおけるこだわりがあったものと個人的に推察する。


以上、少なくとも僕の中では、はっきりと、殊にラストにおいては味わい(ブレンド)の違いを堪能できた。

にしても、レイナルド氏のブレンドはこの一本でも十二分に美味しい。
素晴らしいトルセドールだなぁ、と痛感する。


残り2.5㎝で終える。