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シガーレビュー(レビュアー:S)

Hoyo De Monterrey - Epicure No.2 - Reserva Cosecha 2012
ホヨー・デ・モンテレイ Hoyo De Monterrey - Epicure No.2 - Reserva Cosecha 2012
ホヨー・デ・モンテレイ エピクーレNo.2 レゼルバ・コセチャ2012。
1本6000円。124㎜。喫煙時間100分。

  • トップ〜トップ・ボトム
香ばしくコクのある濃密なナッティ&ローストが満々と響く1stドロー。
喫味は正にホヨーのエピクーレNo.2で、若干こちらの方がエスプレッソ的に濃縮された感があるのと、あと煙量が甚だ豊かである。
咥えると忽ち旨い紫煙が口腔へ導かれて、甘い栗の風味を効かせた深煎り珈琲を味わっているような気分に浸れる。

ニュアンスは多層的で、
①まずナッティ&ローストのとろんと蜜飴のように零れる甘やかさ
②ウッディ、潤玲な樹木の爽やかで豊かな渋味、仄かな苦味
③ドライフルーツ(特に洋梨やプルーン)の心地良い酸味
④ウッディネスフルな渋味がやや重たく喫味に纏う
⑤ここでもう一度、淡やかで朧ながら、しっかりと味わいの濃いナッツ系統の焙煎感
⑥シルキーに響くミルク、練乳の甘さ
⑦ドライシダーチックな甘味のある渋味
⑧渋味の効いたダークチョコレート
⑨喫味後尾近く、密やかに香るまったりと溶解するレザーのフロー
⑩口腔に紫煙とともに残る満開の大輪のアロマ
…口の中で紫煙を揉む、或いは、喉奥にしっとりと感じられる喫味の後味を追うと、明らかにエピクーレNo.2よりも味が濃密。
僕にとって、やや盛り上がりや穏やかすぎる点に不足感を抱いていただけに、そのステータスが見事に(全体的に)強化されていて美味この上ない。
甘味のニュアンス群は驚くほど秀でており、まるで枯葉を燃やして得られる味わいとは到底思えない。

喫味は、エピクーレNo.2のブレンドのまま、各ステータス(特に甘味と苦味)を大幅に強めた印象があり、特にナッティ&ローストの香ばしさと、とろん・まったり舌に落ち着く蜜の甘味、余韻に響く(喫味を締める風合いの)すっきり仄かなウッディの酸味も、非常にバランスがよく一切の厭味なく口腔を幸福に満たす。

  • プレ・ミドル
そう言えば、僕が個人的にホヨーのアネハドスに求めた喫味は正にこれであった(涙)まさかのグランレゼルバで味わうことになるとは思わなかった。
一概に言い切りづらいが、真の「熟成」と「善き発酵」を経た「深く濃い」味わいがここには存在する。

  • ミドル
甘味は全く衰えないまま、ウッディネスフルとレザータッチのニュアンスがやや強まる。
ニュアンスは順列に、
①すっきり目に響くようになる甘やかなナッティ&ロースト
②次に樹木土的な清々しい酸味と渋やかさ
③ややレザー的酸味とほろ苦さがdólce的に響く
④紫煙のうちに雪のように降るナッティの甘やかなスパイス感
⑤もう一度、蜜糖の如く舌を愛撫するナッティ&ローストのとろんとした甘味
⑥甘味を締めるウッディ&レザーの柔らかな渋味
⑦透明感のあるドライピアーの低い甘味と酸味
…トップで感じた練乳やミルクのようなlevelの甘さはなくなったものの、しっかりと濃密なほの甘さが舌に纏いながら、繊細にナッツとウッドの主体を伝えてくれる。

この辺りの喫味の変遷もほぼホヨーのエピクーレNo.2に同等なので、喫味のニュアンスやブレンドがどうという感慨は乏しいが、明らかにエピ2の上位互換であるし、この辺りでややウッディな旨味を喫味の芯に感じられる点では、【濃厚かつ豪奢】な一本に【化けた】という感覚に近いと思う。

  • ミドル・ボトム
明らかに喫味の内奥からウッディな旨味がじんわりと溢れて来る。
ナッティ&ローストの甘やかさがずっとニュアンスとして健在なので、これと相まって「甘味と旨味」が喫味の大部分となる。
形容の言葉としては「(美味いでなく)旨い」が正しい。
肉の脂を目の前にして、涎が自然と出てしまうような、こちらを誘う耽美的な味わい。
次第に花ざかりの森のようなfloral、熟れたleatherのアロマがしっとりと口内に満ちる。

  • プレ・ラスト
樹木をじっくり焚き煮出すようなLivelyな脂のような旨味が、喫味の先頭に現れて全体のニュアンスを包み込む。
一方で、喫味の旨味以外のニュアンス群も控えめになったり消えたりせず、そこにどっしりとあり続ける。
※旨味が全体を「呑んでしまう」ことが時折あるが、それは全くない。

  • ラスト
ニュアンス群は積層的。
順列に書くと、
1.まずウッディネスな渋味を伴った蜜糖のような甘やかさ
2.次にウッディの酸味が味底に漂い、
3.ナッティ&ローストの香ばしさとコク
4.同時に、ナッツ由来の天然香と濃い甘味
5.満々と再度響く、樹木土のエキス的な旨味が優しく舞って、
6.ややレザー的な苦やかさ
7.ドライプルーン、巨峰皮のLubricateな軽い渋味と低い甘やかさ
8.若干の乳性気質の酸味と鹹味
9.遠くにシナモン&シダーウッド
10.心なしかヴァニラウッドの一滴
11.舌の上に落ち着くウッディネスな甘味とじんわり沁み入る旨味がもう一度
12.繊細で絹漉しに薫る蘭籠の花ざかり
13.うっとり舌先に残るjuicyな旨味のエキスに涎が出る
14.ここで再度、樹木土を焚くようなうっとりする香ばしさ、焦げ、そして甘味
15.余韻にしっかりとレザーアロマとほろ苦さ
16.舌の根に残響するウッドの旨味が再び
17.遠くに温かい終焉的なナッティ&ウッディネスフルのほろ苦さ
…また、光景としては、潤玲甘美に磨き立てられた洋燈、大鏡台の前に光りを発つ紫金の化粧品の数々、芳香甚だしい陽だまりの花囿、Medievalに美麗高い市街地跡、鬱金色に目映く降臨する麦畑、酒酊に頬染める日曜の夜更けの早乙女。

  • ラスト・ボトム
旨味はコイーバ(ランセロのミドル〜ラストに近い)のそれを髣髴させる程度に至る。
ひと吸い毎に、舌を旨味の温もりが抱き締める。
目の前は黄金色の一色。
味わう毎に層を増す別格の風味。
極終盤になって、焙煎珈琲豆を噛み砕くような強い香ばしさと濃密な旨味甘味がドカンと横溢する。
唇が熱くなってきても辞めるのが惜しい。

ここから、ナイフをヘッドに突き刺して吸い続ける。

残り2㎝辺り。
旨味は完全に唾液と混合して「エキス状」になる。
ホヨーでこれだけの樹木土的な香ばしい旨味を堪能できる銘柄は僕は知らない。
飽くまで軽く、飽くまで舌腹に強くアタックし過ぎて来ないが故に、吸う者がやめ時を失うような贅亂な味わいが続く。
焦げた珈琲豆の芳醇かつ極濃密な旨味の渦に身を委ねながら、熱に唇を灼かれないように、そっと、ゆっくりとドローを続ける。

穀物や沃土や樹幹をじっくり焚くような劇場的で淑やかな旨味のなかにも、軟らかく穏やかな、ミルクのような甘美味をしっかりと舌の口腔内膜が感じ取る。
熱風に負けない旨味と甘味が口内を蹂躙し、これが何とも美麗極まっている。
mariageも下拵えも要さない、極純粋な葉巻の美味さ(旨さ)をこの一本に贅沢に感じる。

トータル的に見れば、あくまでブレンドはホヨーのエピクーレNo.2である。
が、ニュアンス群は驚くべき強化を遂げて、喫味を極致へ誘っている。
甘やかさはトップからラストまで糖蜜のように口腔へ伝播し、ラストからの旨味は煙草葉から存分に枯渇するまでに引き出されてこの濃さに飽きさせない。

ホヨーのエピクーレNo.2と比べるのは失礼なほど、耽美な時間が吸う者にのみ与えられる。
神がかった一本。

ナイフを刺してもう無理というところまで堪能した、残り1㎝未満で終了する。