シガーレビュー(レビュアー:S)

Ramon Allones SilverJubilee RegionalEdition2017
ラモン・アロネス シルバー・ジュビリー RE2017。
1本4200円。131.71㎜(RGは55と太い)。喫煙時間65分。


  • トップ〜トップ・ボトム
香ばしいナッティ&ローストとナッツ由来の心地よい仄かな酸味が響く1stドロー。
流石の口径だけあって、煙量は豊かでぼわんと鼻の前を昇ってゆく。
味わいは喫味の奥に、軽くもありながら濃厚なナッツの甘味を感じる。

ニュアンス群を順列に書き出すと、
①まずは爽やかで濃密なナッティ&ローストの香ばしいコクと甘味
②すぐに追ってくる天然ナッティの涼やかで軽い酸味
③ウッディネスの響くやわらかな樹木土
④繊細なアロマとしてのドライプルーン
⑤ややレザータッチの効いたほろ苦さ
⑥苦さの中に感じるビターチョコレート
⑦甘い樹蜜のようなウッディ・マイルド
⑧シルキーに余韻に残るナッツの芳香
…トップは、SSをやや円やかに仕上げたようなブレンドを感じさせ(あくまでヒガンテスのブレンドとは異なる)濃密な甘味を伴うラモンらしいトップながら、この大きな口径が香ばしさを若干軽めに調えている。
軽さで言えば、SSよりも軽く、レヒオスやケドルセに近いトップ。

  • プレ・ミドル
ややウッディな酸味が強く現れるが、ナッティ&ローストの甘味のステータスも秀でて来るので全体のバランスはとても良い。
レザーフローの柔らかく穏やかな渋味が全体の喫味に効いてきて、ボディがやや重くなった印象。

  • ミドル
口腔で煙を揉むと、若干ウッディネスの深いコクの中に旨味が現れてくる。
ラモンらしい「香ばしさとコクの濃密さの中に、秘められていた花が満開となるような深く強い味わい」が展開されてゆく。
この辺りのニュアンス群、ブレンドの多層感でSSを「抜いた」感はある。

ニュアンス群を追うと、
①やや軽くなったナッティ&ローストの香ばしさとそのアロマ
②次にやって来る偉大なウッディネスの、旨味に近い濃厚でエキス的味わい(甘味と渋味)
③心地よく薫るウッディのほろ苦さ
④天然樹花の馥郁なる香しさが口腔に広がり、
⑤鮮やかなレザーのほろ苦さ、幽かな渋味
⑥透き通ったナッツの心地よい酸味
⑦再びナッティ&ローストの淡いコクと、尾をひく強い甘味
⑧ビターよりはダークに寄ったショコラ
⑨栗皮を髣髴させる豊かな渋やかさ
⑩余韻に、ややsalt&pepperを帯びる風味
…ニュアンスは多層的で、ビトラの影響を上手く受けた柔らかいミドルの仕上がり。
トップに感じた軽さは少しずつ重さと強さを増しながらも、あくまで軽装。
だが、喉奥に感じる余韻の強かなvolumeは、しっかりとラモン・アロネスのそれ。
ミドルまでの印象としては、ラモンのSSとホヨーのエピ1を足して2で割ったような感じ。

  • ミドル・ボトム
多層感はしっかり感じられるものの、少し物足りない感じがするのは、恐らく喫味の変遷がやや乏しい点と、このビトラの割に口当たりが軽すぎる点に原因があるのだと思う。
ラモンを好きな方は当然SSが好みだろうけど、ラモンを満々と感じたいという上ではもうSSで十分じゃないの?って印象を持つ。

  • プレ・ラスト
ここからは、やや強燃焼させて味わってみる。
ナッティな甘さと、豊かなウッディネスの渋味酸味が心地よく強まる。
これでもまだ優しい喫味、ホヨー寄りの味わい。
恐らく極ラストで旨味が顕現するのはもちろん予期できるものの、ここまで吸ってコレというのはラモン好きの人からすれば「へぇ〜なぁんだ」となると思うし、逆に軽めやシルキー好きの方からすれば「お、ラモンもやるやん」となる、これ以上でも以下でもない。
僕個人としては、ラモンのブランドプロフィールからは結構乖離したブレンドとして脳裏に残る。

  • ラスト
樹木土の穏やかで濃厚な旨味がやって来る。
喫味の先頭に、ラモン特有のぐわんとした甘い旨味が盛大に花ひらく。
しっかり燻された鞣し革、夏の樹々、円卓の大皿に盛られた過装飾の雄々しい花籠、じゅるりと涎が出るような香ばしい旨味。

トップからミドルの終りまで結構な「間」があるとは言え、このラストの強さはSS以上。
言葉通り「一気に咲く」南国の大花。
密林的なTropical&Magnificentな味わいを満々と口腔に膨満させながら、ラモンの花がfinale的に咲き誇る点は素晴らしいブレンド的演出。
ボディもいつしかmediumからmedium−fullといったところ。

  • ラスト・ボトム
極終盤になるとウッディな酸味が高くなって、少し旨味の邪魔をする気配があるが、強燃焼で払拭できる。
が、後味がやや渋味を重たく感じるのと、樹木土のアーシーな(このブレンド的にはnegativeな意味で響く)土っぽさも垣間見える。
少し長く終えるのが、良い辞めどきかな。


トータル的に、ラモンを好きな方は吸った時「あれ、やけに軽いな」と思うし、その喫感はミドルの終りまで続く。
多層的で甘味と円やかさに秀でながらも、敢えて言えばラモンらしさは乏しい。
ただ、ラスト近くになればラモンの花が一斉に盛って、「おお!」となるに違いない。

この葉巻に関しては、軽いホヨーチックな葉巻を好まれる方「向け」では決してない。
あくまで、ミドルまでが「ラモンらしくない軽さと甘さ、シルキーさ」に調えられている、というだけで、そこがこの葉巻のプロフィールの核心ではないと、個人的に思うからだ。


ちょっと長めに、3.5㎝で終える。