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シガーレビュー(レビュアー:S)

COHIBA Behike BHK 54
コイーバ ベイケ54。6200円。144㎜。喫煙時間80分。

  • トップ
濃厚なナッティ&ローストの香ばしさ、コク、そして何より印象的なのが羽毛のように口腔で舞う繊細な甘いレザー、発酵感を伴うコニャックのような蜜の甘さ、仄かなエスプレッソの苦味を帯びた、極シルキーで樹木の熟成な質感を思わせる肉感ある喫味がやって来る1stドロー。
紫煙には、華やかな南国花のフローラルが咲き乱れるように香る。

ニュアンス群は感じ取られる順で、
①濃密でほろ苦くもあるナッティ&ローストの甘味
②どろんとやって来るレザーの重たい酸味
③次にラム漬け葡萄の鮮やかで低い甘味
④全体に広がる濃いウッディネス
⑤香ばしさを前面に出した糖蜜のような苦味と甘やかさが舌の上に降りる
⑥若干のアーシーネスな渋味
⑦余韻に続くシダー&ロースト、その渋やかさ
⑧ぐんと舌奥に響く重たいビターチョコレート
⑨ややパウダー的な樹木土のフレッシュ&ブラック
…ニュアンス群は甘味と苦味、sweet&bitter(或いはdark)の風味を孕んで、舌の奥にじっとりと余韻を残しながらニュアンス群は追えるものの、そこまでそうは多層的とまで感じない。
確かにトップでこれだけの(いい意味での)ほろ苦さがあるというのは特異なプロフィールではあるものの、あくまでコイーバの当然のプロフィールでもあるし、これならばまだlimitada2014スプレモスの方が、しっかり層を感じられるトップだったと思う。

  • トップ・ボトム
ラモンのトップに苦さを増し甘さを抑え、奥行き(密度というよりは、広がり)を持たせたような印象が、トップトータルを通して感じられる。
酸味のわずかな珈琲豆を深煎りしたような、コクのある芳醇な苦甘味。
ただ、期待していたほどのニュアンス群のバランスも特に感じないし、上品さrich感もそこそこ、と言ったところ。

  • プレ・ミドル
レザーフローが強くなり、甘さ1苦さ9くらいの割合の低い(重くはない)ビターが喫味を纏う。
真夏の太陽光を感じる、濃密な栗皮の渋味もしっかりやって来る。
紫煙のアロマには、ドライプルーンや麝香、経年香木の高く淑やかなfloralがきちんと感じ取れる。

  • ミドル
味底には、終始「低い重たさ」を孕んだ香り高いウッディネスの渋味苦味がずっと続いている。
ニュアンス群はやや層が少なくなり、その代わり穏やかに広がりを増すような感じ。
ニュアンスは感じ取られる順列で、
①フレッシュに響くレザーネスの渋味
②ロースト感の高いウッディな甘味と低い酸味
③淡くもしっかり感じ取られるナッツの香ばしさと、ほろ苦さ
④ここで低いラムの発酵感と風合い
⑤静かに舌に落ちるovalなシダーウッド
⑥もう一度、ウッディ&ローストが穏やかに口腔に舞う
⑦しっとり、じわりと口内に残るウッディネス&レザーの渋味苦味(酸味はない)
…正直なところ、ここまでの印象としては「これがあのBEHIKE?」っていう感じ。
コイーバのプロフィールは確かにあるのでフェイクではないだろうし、ウッディネス&ローストの「苦く低い」喫味の枢軸を、ナッツやドライプルーンの甘やかさがフォローしているブレンドで、大変落ち着いた小洒落たブレンドなのは分かる。
けれども、ミドルに至るまでのブレンドがそこまで(知名度ほど)優れているかと言うと、僕にとってはそうでもない。

例えば、ラストでコイーバ特有の魚介的な旨味がやって来るのだとして、そのあまりの凝縮的で豊潤なエキスへ転じるための「穏やかで広がりのあるほろ苦さ」を演出している、というのであれば、まだ納得は行くかなぁという感触。
だが、僕のように「さぁ、BEHIKEだゾォッ」と意気込んで吸うと、少なくともミドルまでは「ん?」となるに違いない。

とはいえ、葉巻は「トップからラストまで味わってこその一貫品」なので、気は抜けない。

  • ミドル・ボトム
やや火を足して、味わいを強めると、喫味の芯であるウッディ&レザーネスの苦味(渋味はあまり感じない)がぼわんと強まり、酒精の発酵感をしっかり感じ取られる。
ダークチョコレートに1滴のラムを口に含むような、舌下の味わいがある。
まだ、旨味の予兆はない。
コイーバのプロフィールにしては、旨味がやって来るのも遅効的だなぁと感じる。

  • プレ・ラスト
喉奥で仄かに、穀物の発酵感に似た旨味を感じ取られるようになり、これに伴って喫味のニュアンス群もゆっくり花びらを展げてゆく。
これまでなかったニュアンスとして、ほの暗いBarrel感や密度の高いCalf-fur、原色的な日のもとの花の蜜。

  • ラスト
コイーバの旨味がまだやって来ない。
ん?ちょっと違和感がある。
いくらブレンドを特別仕様に拵えても、ここまで旨味を後ろに持って来るのは違和感があるし、何より迫力に欠ける。

リングまで1.5㎝になって、コイーバのjuicyな穀物的魚介系統の旨味がしんみりとやって来る。
だが、やはりステータスも決してコイーバにしては高くないし、深みがあるというよりは「広がり」を魅せてくれるだけ。
勝手に期待していたコイーバの凄みというものはあくまで感じ取られない。
コイーバが苦手な僕でも、かなり根元まで吸うことができるだろう、というニュアンス・ステータス。

  • ラスト・ボトム
次第に白胡椒様のスパイスも効いて来て、コイーバであることは疑いようがない。
だからこそ、困惑する(笑)あくまで1本吸っただけでその葉巻のブレンドを語ることはできないが、(コイーバ嫌いな僕でも)期待値が大きかっただけに、驚嘆の念を禁じ得ない。
旨味の強まりを求めて燃焼させればレザーの渋味と低い酸味も広がって来る。
やはり、ブレンド的にこれが優れている、とは言えない。

これなら、limitada2014スプレモスや、マデューロ マヒコスで十分「強い」コイーバを味わうことができる。
また、コイーバブレンドを端的に表したシグロ・シリーズでもいい、香り高く花のコイーバを敷き詰めたランセロも素晴らしい。
ただ、この「BEHIKE」はコイーバを楽しみたい方からすれば、少し酷な葉巻だな、と思う。

残り2.5㎝で終える。