テイストレビュー(レビュアー:S)

ケドルセ エンバサドール レヒオナル・フランシア 2011。
値段不明。115㎜。喫煙時間40分。

  • トップ~トップ・ボトム
甘いロースト、樹木の熟れた爽やかな香りが口腔を満たし、余韻に若干の木の酸味と渋味、とろんとした花のアロマとナッティーがすとんと薫ってくる。
非常に濃厚で、ややあって木肌の塩気を感じるほどの鹹味と、静かな果実木様の鮮烈なスパイス感。ロメオやアップマンのトップに似ているようではあるものの、花のロメオに比べるとスパイス感が強かに舌の上に乗っかっているし、アップマンのライトさに比べるとこちらは喫味にやや深く濃いボディが感じられる。
多分ブラインドで吸えば、ロメオの喫味と勘違いするかもしれないほど、アロマティック。

  • プレ・ミドル~ミドル
優しく香るというよりは、プロフィールの出方はトリニダッド レジェスに近い個性の強かさが、この葉巻には十分感じ取れる。表現が難しいが、それぞれのニュアンスがはっきりと汲み取れる割に、お互いが一丸となって向こうからやって来て、ダイレクトな喫味がある。
ニュアンスとしては、塩気を保ったドライなウッディネス、味の濃い非常に鮮明なナッティー、シルキーな土のアストランジェント、熟れた果実の甘い酸味、これらのステータスがそれぞれ濃く強い。そして均一なバランスで全面的にやって来る。

  • ミドル・ボトム
この辺りで明らかに土気質のコクある旨味が強まる。モンテクリストの土に花の酸味とアロマを足したような、鮮明で鮮やかな仕上がり。
しっとりとしたアロマティックな振る舞いは、どこかこのビトラにとってはいい意味で非常識な感じがあって、見事である。ただ、こうなるとラストは確実に喫味ニュアンスの各ステータスがさらに上昇すると予想されるが、だとするとかなり強かさな味わいになりそう。
花の酸味とアロマティックな部分がどう喫味を飾るのかに注目したい。

  • プレ・ラスト。旨味が十分舌先にダイレクトに感じられるようになって、喫味のバランスが崩れる。
木と花の酸味とほの甘さが濃くやって来て、その次に平坦で延びの良い土の渋味、天然の草木香、アプリコットのような甘酸っぱさ、海水の塩分を彷彿とさせるわずかな鹹味と甘さ、そして余韻として、やわらかく舌の上にスパイシーなニュアンスと、プルーンのような甘さ・苦味がしっかりと載る。
トップからミドルに一貫して現れた直截的なニュアンスの訪れ方は、多層的な(酸味と甘みを中心とした)ものに変わってくる。

  • ラスト~ラスト・ボトム
土と花の旨味がより強まる。また、他に強まってくるのは、樹木様の高いアロマティックで濃厚・エアリーなニュアンス、木の酸味と滋味、そして、余韻に残っていた鹹味感もより強まる。かなり濃くスパイシーで、厳かな輝き方をする葉巻である。
パルタガスのラストに通ずるスパイシーな部分もありながら、あくまで主体は土と花の気品高いプロフィール。あらためて感じ取れる点は、この葉巻のプロフィールは他の葉巻ではまだ感じたことがない、ということ。
小指を一回り大きくした程度の小さめのビトラからは想像のできない、強く濃い味わい(これはレジェス同様)、実に見事に仕上げられている。
残り3㎝をおいて終了する。

こういう期待の裏切り方をする、いい葉巻は良く記憶に残るものだ。
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