「始まり」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

始まり」(2016/02/15 (月) 16:13:24) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

 浦上は信じて疑わなかった。  人間はそもそも殺し合う生き物だ、と。  本能のままに人間を殺して回る自分こそが正しい在り方なのだ、と。  信じて疑わなかった。  だから、殺す。だから、遊ぶ。  男も女も、老人も子どもも、平等に、等しく。  切り刻み、犯し、遊ぶ。  結果として彼は死刑囚として捕まることとなった。  おかしな話だった。  人間として正しく振舞った筈の自分が捕まり、間違った人間が作った法律なんてものに裁かれ、殺されようとしている。  さも私達は正しいですと物知り顔で語り、自分を殺そうとしている。  何も分かっていない人間どもが、パラサイトすら見抜けない人間どもが、そんな事をしようとする。  ふざけている。  だから、ある事件のごたごたに便乗して監視の目から逃げ出した。  何だかんだで日本の警察は優秀である。逃亡がばれるのも時間の問題だろう。  捕まれば今度こそ死刑台行きだ。  今の内に楽しむだけ楽しんでおこう、そう思い日常の中に紛れ込んでいた中で―――彼はここに連れられた。 (何だか面白いことになったじゃないの。こりゃあ俺がやらなくても、相当な数が死ぬな)  数十人からなる殺し合い。  見張りもなければ枷もない。  それでも彼は断言できた。  殺し合いは確実に発生すると。 (ま、この殺し合いでちっとは分かるだろ。人間の本質ってやつがな)  人は殺し合う生き物だ。  長い歴史の中で人間はそれを証明している。  今のぬるま湯のような世の中で、倫理観なんて仕方のないもので人々は殺人を忌避している。  自分達がまるで特別な存在であるかのように振舞おうとしている。  だが、それもちょっとした切っ掛けがあれば容易に崩れ去るものだ。  今回のような切っ掛けがあれば、容易に。 (どうせその内には死ぬ身だ。俺は俺で楽しむとするか)  浦上のやる事は変わらない。  手頃な玩具をみつけて、遊ぶだけ。  何時かは死刑台に立つ身体なのだ。今更特別生き残りたいとは思わない。  殺し合いなぞは勝手にやっていてくれれば良い。こっちも勝手に楽しむだけだ。 (お、早速……)    薄暗いオフィス街を歩いていると、他の参加者を発見した。  まだ中学生か小学生くらいか、小柄な少女だった。浦上の十数メートル先で回りをきょろきょろと見回しながら、歩いている。  実際に人を見ると、身体の芯が熱くなってくるのが分かる。  それと共に性器が痛いくらいに滾り、固さを増す。 (ご無沙汰だったからな。楽しませてもらうぜ、嬢ちゃん)  目は血走り、口端からは唾液が零れる。  幸運として没収されていなかった愛用のナイフを片手に、少女へと近付いていく。  これまで何十人と遊んできたのだ。気配を殺す、なんてものは慣れたものであった。  ゆっくりとゆっくりと少女との距離を詰め、射程距離に入った瞬間、全力で走り出す。  同時に少女も浦上の存在に気付き、悲鳴をあげながら逃げ出した。  だが、遅い。  既に逃げ切れる距離ではなかった。  直ぐに少女へと追い付くと、浦上はその手中のナイフをその背中へと突き刺した。  もんどりうって転倒する少女。それに巻き込まれて浦上も倒れてしまうが、すぐさま立ち上がる。  相当な勢いで転倒しのだが、痛みなど微塵も感じない。  狂気の笑みを口元に少女へと再度近付き、背中のナイフを抜いては突きさす。  衣服も破き捨て、少女を全裸にしてひっくり返す。そして、今後は胸部へと突いては抜く。  浦上は少女の顔に見覚えがあった。最近よくテレビに出ていたアイドルだった。  確か双子アイドルとして良く売り出されていた気がする。  その事実が、興奮を更に助長させた。浦上も衣服を脱いで全裸となった。  少女は既に浦上を見てはいない。  虚ろな瞳で、音にもならぬ呟きをうわごとのように零し続ける。  命が抜けていく。  堪らない。堪らなかった。  興奮が収まらない、止まらない。  その小ぶりな乳房に噛みつき、むしゃぶり、引きちぎる。  鮮血を被りながら、また何度も刃を突き立てる。  浦上の言う人間の本能による行為は、数十分にも及んだ。  その後に残されたのはぐちゃぐちゃに解体された人体と、赤色の染みだけだった。 &color(red){【双海亜美@アイドルマスター 死亡】} &color(red){【残り36名】}

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: