マルコム・ワイドボーン(宇宙暦?年 - )は自由惑星同盟の軍人。原作登場人物である。男性。

1 外見

端整な顔つき、きれいにセットされた亜麻色の髪、口元からのぞく真っ白な歯、一九〇センチ近い身長。スポーツマン的な爽やかさを一身に集めたようなルックス

2 略歴

2-1 前世

 宇宙歴794年10月第六次イゼルローン攻防戦に参加した同盟軍第一〇艦隊A分艦隊参謀長。*1ラインハルト に敗れ、司令官ラムゼイ・ワーツ少将ともども戦死した。

2-2 逆行後

 ヤン・ウェンリージャン=ロベール・ラップと並ぶ宇宙歴787年度卒業者の出世頭、士官学校では風紀委員長を務めた。
 宇宙歴794年のヴァンフリート星域会戦時には第四艦隊司令部所属。(18話)その後、統合作戦本部の第一課上級課員、作戦企画係長、第一課長補佐、第一課長を歴任。
 宇宙歴797年の第六次イゼルローン遠征軍ラムゼイ・ワーツ少将の第一〇艦隊A分艦隊参謀長として従軍する。この時の階級は宇宙軍代将。クレメンス・ドーソン少将を通じて幽霊艦隊対策の作戦を司令部に提出。採用され、ラインハルト・フォン・ローエングラム提督を追い詰めた。(26話)その後、ヤン・ウェンリーにやや遅れて宇宙軍少将に昇進する。(29話)
 宇宙歴795年頃、国防委員会経理部参事官を務めている。戦術シミュレーションでエリヤ・フィリップス中佐に完勝した。(30話)
 宇宙歴796年頃、サルディス星系警備隊司令官に転任した。やはり戦術シミュレーションでエリヤを粉砕した。(38話)その後、国防委員会対テロ対策室副室長を務めている。(48話)
 宇宙歴797年の「ヤン・ウェンリーの春」でトリューニヒト派が左遷され、彼も国防委員会事務局付になった。(52話)
 宇宙歴798年の「神々の黄昏(ラグナロック)」作戦中、エリヤからの依頼で独自のテロ対策マニュアルを作成した。このマニュアルが効果を示したことで復権、増援の警備部隊に加わった。(62話)ミズガルズ戦線で大きな戦功を立て、中央への復帰が有力視されたが、良識派が軍の中枢を占めたことで、少将昇進と同時に予備役編入された。(71話)
 宇宙歴801年頃、ヤム・ナハル星系航宙警備隊司令官を務めている。警視監。「辺境正常化作戦」の指揮を執った。この功績により、宇宙軍中将に昇進し、統合作戦本部作戦部長に就任した。(76話)10月、クーデター対策を目的とする国家非常事態委員会(SEC)のメンバーとなる。
 宇宙歴802年、宇宙軍大将になり、第一辺境総軍参謀長に就任する。(96話)同年の第九次イゼルローン要塞攻防戦では総軍副参謀長のチュン・ウー・チェン宇宙軍中将と共に付け入る隙の無い迎撃作戦案を作り上げた。さらに敵との戦いを徹底的に避けることで名将ジークフリード・キルヒアイス元帥の攻勢を完全に封じた。(107話)その後、幹部会議で消極策に反対するダスティ・アッテンボローらと激しく対立する。オペレーション・モンブラン等の一連の戦いを通じ、ジークフリード・キルヒアイスナイトハルト・ミュラーコルネリアス・ルッツらを高く評価し、脅威度を上方修正する。(111話)

3 能力

 戦略立案や理論研究で業績を挙げた軍令のトップエリート。「一〇年に一人の秀才」「作戦の鬼才」ともてはやされている。宇宙歴787年度卒業者の首席。六代続いた軍人家系の出身者。(26話)全軍で一六人しか居ない二〇代の将官の一人。
 独創性はまったくないが、古今東西の戦略戦術を脳内に詰め込んでおり、必要なものを即座に取り出すことができる。彼の速さと正確さをもってすれば、ありきたりな正攻法が鋭い刃となる。

 一〇年に一人の天才とされつつも、原作では分艦隊司令官の参謀長をしていたあたり、微妙に軍中枢からは遠ざけられていた。したがって、アンドリュー・フォークのような「使いやすい」参謀ではなかったと考えられる。(感想返し

4 性格

 いつも一言多い。他人が気にしてるところを無意識にえぐるタイプ。一言で言うなら鬱陶しい。何の衒いもなく家系を誇り、自慢話も失敗談も包み隠さずに語る。坊ちゃん気質と体育会系気質を掛け算した存在。悪人ではないが暑苦しい。
 レスリー・ブラッドジョー中佐によると、上級生や保守派教官からの受けが良かったものの、一言多いところが災いして、同級生や下級生からは好かれなかったそうだ。おかげで生徒総隊長のポストを、有害図書委員会初代委員長のジャン=ロベール・ラップ代将に取られたという。
 右翼に対しては非好意的、伝統保守の彼から見れば、リベラルも右翼も規律を乱す存在でしかない。理に傾くタイプなので、好き嫌いより道理を優先する。アッテンボローは嫌い。

5 座乗艦

  • 第一〇艦A分艦隊隊艦艦「シャムシュ」(代将:第一〇艦隊A分艦隊参謀長として乗艦*2
  第六次イゼルローン要塞攻略戦第25話 - 28話)
  • イゼルローン遠征軍総旗艦艦「アイアース」(代将:第一〇艦隊A分艦隊参謀長として乗艦*3
  第六次イゼルローン要塞攻略戦(第25話 - 28話)
  • 第一〇艦隊艦艦「パラミデュース」(代将:対「幽霊艦隊」作戦立案者として乗艦)
  第六次イゼルローン要塞攻略戦(第26話)
  • 第一辺境総軍旗艦「ゲティスバーグ」(大将:第一辺境総軍参謀長として乗艦)
  通常勤務(第96話 - )
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最終更新:2023年08月06日 12:48

*1 前世では別の分艦隊参謀長だった可能性もある。あくまで推測

*2 原文には記述がない。ワーツ分艦隊司令官の座乗艦であり、本来はこちらで勤務しているはずである

*3 本来の職務であるワーツ分艦隊司令官を放置しすぎの感がある